まんまるだんご
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抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

柔らかに撫でる調べのアベマリア 心の澱を御手みてに委ねる
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恩返さむ膝を痛めし妻の横 杖の音ふたつ空に溶けゆく
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霧のふる夜明けのまちに浮き上がる赤信号のけぶる道なり
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空仰ぎ道のベンチのひとときにハスキー犬の貴公子寄りぬ
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証拠なく鹿蹴る人を異人とし騒ぎをあおる要人の言
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仲秋にひとつ残りし朝顔の花びら撫でる夕の雨かな
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国連の理想をたたく剛力でイマジンの夢嵐にむせぶ
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庭の隅 飛んで住みつく曼珠沙華 招かぬ客が蔭を燃やせり
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夜来ふる篠つく雨に曼珠沙華 倒れしままに再起見守る
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霧雨の空に架かれる虹の弧を回せば弾む大縄とびに
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逸品のカツ定食に異変あり 古古古古米にため息の秋
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水色の風の涼しや朝顔の有終の美の花びらゆれる
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曼珠沙華ゆらめき昇る赤き火ぞゴッホのたまの渦巻くに似て
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入り口でアフターユーと譲り合うOGレディ澄んだ瞳よ
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打ち水にきらめく芽なり紫陽花の挿し木を包む秋風の色
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灯の薄き道の真ん中ひきがいる追い立て追い立て虫の音のむら
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彼岸過ぎヒョロリ伸びくる曼珠沙華風にゆらるる残り香の舞い
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杖捨てて走れるやもと秋空を高き自由の風に成り行け
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黎明の茜の空を目指し立つメタセコイヤのオーラ浴びをり
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悪夢覚め夜明けの空は澄み渡り心に深く秋を吸い込む
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亡母ははがいるご詠歌ひびく講のあと沢庵茶の香も秋風になる
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曼珠沙華祖父の旅路にあかあかと燃やす想い出爺っ子の泣く
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格差ます瑞穂の陰に生きる身は新米見つつ古米を抱きぬ
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祖父母まね「しきそくぜくう」色即是空鼻唄にわらべは舞へり仏間の光り
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水色の風の涼しや朝顔の音色を聞かずせわしき蟻は
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無花果の葉陰に見ゆる粒の芽はすくと育つや憂ふ秋風
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ときおりの氷の笑みに戸惑いてはぐれ鰯は沖へさまよう
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虫の音の夜明けの空は茜色 熱き太陽兆し満ちくる
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亡母はは愛でし夏水仙は異郷にて庭の片隅彼岸を告げる
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杖の音の似た者同士のおはようが虫の音に沁む敬老の日よ
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