服選ぶ 月一女子のランチ会 先月と同じは避けたし一応、女子です
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強風に折れた大枝ぶら下がるそれでも生きる花を咲かせて
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次々と社員が辞める八百屋にて客の老婆を怒鳴る御子息
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ヒトのに笑って見える ねこの顔 目を細めている 気持ちよいかい
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「もういちど」遊び疲れぬ愛し子の墓前で願うもう一度だけ
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満開の桜の中で味わうは弁当売りの釜めしうまし
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鍋底の焦げた野菜を削ぎ落とす 友が帰ったアパート一人
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春風しゅんぷうや霊峰の弧滑り来て湯けむり散らす鳴沢の宿
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いまひとりあの日の記憶抱いたまま泣けぬ貴方の心に春を
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「幸せになれよ」と言った。嘘じゃない。 私となって欲しかったけど。
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通り沿い整列を成す花水木 楚々とした白 涼やかに咲く
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見上げれば三十年がよみがえる息子の記念樹 八重桜咲く
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陽が差して 日傘デビューで正解だ 安いパン屋を巡るお散歩たのしみ
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春風に揺れるカーテン眠る犬私は静かにオカリナを吹く
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島時間 ゆったりと時は 流れるが 暮らす我が子の 戦場なりて
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「心配をしてたんだよ」と小4男子 だから辞めれぬ愛する公文しょくば
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チビ猫も「ろいず」のおはこに はいります われものなのよ だいじにしてね
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たくさんのまだ見ぬ花があるでしょう あなたが次の春を歩く日
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過ぎし日の あのひとこまを詠みたくも 言の葉が出ずボールペンカチコチ鳴らす
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家中のエアコンフィルター水洗い 春と夏がせめぎ合う隙に
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音もなく ひたすら真っすぐ 伸びてゆく 飛行機雲は 今日は無口だ
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なかなかと腰を上げないご主人に犬が唱える【お散歩の術】
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折れそうでドキドキしながら触ったね 思い出しつつ子の爪を切る
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僕はもう頑張れないかも 毎日に押しつぶされて押し花になる
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あの頃に笑い合ってた私とは違うねきっと、多分あなたも
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仏間入る父の足取りおぼつかず写真の母は父に微笑む
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もしそれが大きくたって可愛いと思えるものを可愛いと言いたい
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いつだって君の視線の先にいて君のことばの意味になりたい
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誤差でもいい 100gでも 軽くあれ 祈りよ届け ヘルスメーター
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雲一つ ない青空を 飛び回る 小鳥が告げる 初夏の訪れ
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