惑星を遠い未来に旅立った私は 地球で過去を生きてる 

眠り薬 副作用を何気なく見て ひと言「悪夢」とだけ書かれてる 

木枯しに猫は陽だまり入りけるシッポ上げ上げニャーと甘えぬ 

灯油切れ布団に入る まっさらな気持ちで春にまた会いましょう 

「横顔が 好き」 だと言った 彼はたぶん 叶わぬ恋を 知っていました 

美しくあるだけでは伝わらない 今夜は星がよく見えますね 

マフラーの内に巻き込む黒髪の手触りひとつ知らないままで 

思い出す昨日の言葉もやもやとホットケーキが上手く焼けない 

星の名を 彼に教えておきなさい 夜は日毎にやってくるから 

北極星 動かないのに 届かない まるで僕の 思いのようだ 

いつか先太陽系も果てた先誰かみつけて私の声を 

コンビニのうまい珈琲買ったからさーてと行くべ今日の戦場 

刺すことのあれこれ知らず幼児おさなごは「さしみさしみ」とひくく歌えり 

オーディション落ちたあの子に動揺し手を抜いた午後 そんな青春 

個室から出てきた母と入れかわるとその便座のなまあたたかさ 

趣を放ちつづける詩集たち破れた帯のささくれまでも 

天気雨 塵もひかりも軽やかにすくって わたしに降りそそいでる 

誰一人救うことすら出来ないで マクドナルドのストローを噛む 

使いかけノートブックの破れ目に青春の意図のようなものあり 

できるだけ借りを作らぬようにして ひっそり別れの準備始める 

祖母が住むホームの天窓見上げたら そうねこんなに冬だったのね 

ため息を吐いた心の声に問う 逃がす程の幸せの在処 

夕立の瞬く香りあのひとの思い出はまだ湿ったままで 

月がきれいだからと君を連れ出して、寒いからさと手を握りたい 

メモ帳に書いた昨日の備忘録 何を書いたか読めないよ俺 

人と会い、話したときの思い出でカメラロールを埋めるのが夢 

動物に 例えるならば 僕はねぇ~ 雄のライオン 髪結いの亭主 

なだらかなサインカーブは陰毛の白き便座にふわり横たう 

苦しみは 僕の眠気の はるか上 どうあがいても 解決できない 

眠剤は 気休めなのです 眠れない 理由は明らか 君への片恋