眠り薬 副作用を何気なく見て ひと言「悪夢」とだけ書かれてる
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木枯しに猫は陽だまり入りけるシッポ上げ上げニャーと甘えぬ
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灯油切れ布団に入る まっさらな気持ちで春にまた会いましょう
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「横顔が 好き」 だと言った 彼はたぶん 叶わぬ恋を 知っていました
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思い出す昨日の言葉もやもやとホットケーキが上手く焼けない
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星の名を 彼に教えておきなさい 夜は日毎にやってくるから
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北極星
動かないのに
届かない
まるで僕の
思いのようだ
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刺すことのあれこれ知らず幼児は「さしみさしみ」とひくく歌えり
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オーディション落ちたあの子に動揺し手を抜いた午後 そんな青春
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個室から出てきた母と入れかわるとその便座のなまあたたかさ
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天気雨 塵もひかりも軽やかにすくって わたしに降りそそいでる
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誰一人救うことすら出来ないで マクドナルドのストローを噛む
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使いかけノートブックの破れ目に青春の意図のようなものあり
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できるだけ借りを作らぬようにして ひっそり別れの準備始める
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祖母が住むホームの天窓見上げたら そうねこんなに冬だったのね
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月がきれいだからと君を連れ出して、寒いからさと手を握りたい
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人と会い、話したときの思い出でカメラロールを埋めるのが夢
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動物に
例えるならば
僕はねぇ~
雄のライオン
髪結いの亭主
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