点滴をつけて菖蒲あやめとお茶をする白·紫のドレスの薫る
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毎日が日曜日ではあるのだが休みにならぬ母さんしごと
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五月晴れ 洗濯物がはためいて 部屋着よ お日様の匂いになあれ
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川挟み熊は泳いで来れないと見くびるなかれ橋は渡れる
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父祖の地のその一角に杭打たれ道路用地と売られる令和
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君が打つ水鉄砲の水の色その透明を超えるものなど
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さやさやと 春風のどけき早苗月 色とりどりにつつじ咲き乱れ 
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早割でも 感謝の気持ちに 割り引きは ないのであります 父の日ギフト
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神社にて ちっちゃなちっちゃな紫陽花が 今年も咲いてた 五月雨に
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亡きあとも この手に残る 祖父の手の かたい皮膚の感触 温もり
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吹き渡る涼やかな風 名残惜し 明日から続く暑さ思えば /今日22度明日28
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ぶれの無いまぁるい姿が嬉しくてしばしながめる薄雲うすぐもの月
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潮の満ちあやつりて いたずらを愉しむ如し 月の引力
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背広置きワイシャツ姿で出勤の 朝は空気を皮膚呼吸する
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われの名を漢字で書けたと孫からのLINに返す拍手の絵文字
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色とりどりに薔薇笑ふ 軒並みに 目の保養なり 通勤の朝
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水張りて立山連峰映す田は 田植へも済みて風にさざなみ
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体調がすこぶる悪くなる時期は梅雨と九月の台風シーズン
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心身の 痛みたずさえ 往く道の 険しささえも 楽しみとなる
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八百屋にて切り売りしてる熟女メロン食べればやはり適齢がいい
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携帯に長義姉あねの着信度々に八十五才のスマホデビュー
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新じゃがと新人参と新玉と実は特別母の日カレー💐
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ただ一つ作れる料理はカレーなり 夫の定番メニュー 母の日
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幼子のまま 姉とたわむる夢見 一夜限りのタイムトラベル
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三十一みそひとにせまる陽気ようき夕餉ゆうげなる冷奴ひややっここれ百薬ひゃくやくちょう
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目の前の商店街に潜んでるツキノワグマに『もういいかい?』
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靴を履き 扉開ければ ほんのりと甘い微風そよかぜの香 檸檬れもんの花
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「行って来ます」出勤する息子を見送れば ほのかに漂ういつもの香り
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明け方に うーん重いよーと目覚めたら お腹の上に チビ猫ちんまり
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猫草に群がるねこたち 左右から 鉢に頭を突っ込み居りぬ
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