Utakata
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プー子
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忠実に手本を習う一時間小筆を持つ手のはつか震える
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初もののモロコシ並ぶ直売所ためらわず買う太きを選び
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待望の雨のもたらす涼風とうるおう花々いろの冴え冴え
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国宝の黒曜石の展示館めぐりて馳せる石器時代へ
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コンバイン右往左往と疾駆してみるみる刈られる豊穣の麦
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猛暑日は庭にも出ずにひきこもりグッタリ花々吾を呼ぶらしい
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冬の日々恋いて焦がれし夏空のいかな仕打ちぞ猛暑日続く
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朝ごとに必ず外す蜘蛛の糸いく日続く小さき戦い
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オホーツクの時折冷たき風はどう?ブーゲンビリアの淡き桃色
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猛暑日のオホーツクブルーに良く映えて豊作なりや麦秋の丘
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子育ての済みしと見ゆる雀たちお礼のツヅラは今年も来ない
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アメリカの今が伝わる映像のトランプに銃バイデンに鈴
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熊よけの鈴も持たずの太公望あわれ雷雨に白旗の夫
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身の丈を越ゆる高さに咲くアザミ見上げる先にゆっくり落暉
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書き写すコラムの文字は五六三いとも静かな時間が過ぎる
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「洗車雨」「催涙雨」と続いてもこの地の七夕ひと月遅れ
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今回は姉の畑のハスカップとろとろ煮詰め瓶にはリボン
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力なく病を語る友のこえ耳朶に残して厨にぞ立つ
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風通す小さき北窓あけ放し友の電話に病状確かむ
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初めてのバルーンパンツを縫い上げて年齢制限ないものなのか
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大漁の初もの山女魚を提げ帰る好みのフライは夕餉の主役
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雨の日の午睡の夢に出でし人やけに遠くで手を振りている
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いくつもの漁り火見下ろす高台のあの夏の夜を想う真夏日
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色淡くラベンダーの花咲き初むる容赦もなしの炎天の日を
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子育ての夕焼け空の思い出はサッカーグランド駆け回る子ら
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嫁ぎ来て六十五年の義姉は言う逢魔が時の慣れぬ寂しさ
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バザーへの依頼の品はドアに下げ礼の言葉もなきに持ち去る
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低温のひと日過ぎゆく西空に明日を占う夕焼け臨む
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夕立ちの置きゆく大き水溜り埋め尽くすのはポプラの絮毛
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豊作の完熟イチゴを姉と摘み「ジャムへの砂糖は二割でいいね」
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