プー子
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647
春の花咲く日を待ちて待ちきれず積む雪けて春を迎えに
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球根は起きたいだろう尺余の雪積む庭にまた雪が降る
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誰ぞ知る彼岸へ渡るその順序前ならえして列へ加わる
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早々とジャノメの蝶の舞いい出て雪の庭には六花ばかりで
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たちまちに溶ける淡雪ふる夕べ亡きひとの短歌うたいくつか拾う
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みんなみの斜面の木々は一様に雪根開きを見せて明るき
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面会は流感のため取りやめと淡々と告ぐ電話の女性
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彼岸会の生家は静かに吾を迎え姉の供えるぼた餅みっつ
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予報士の詳しく語る涅槃西風ねはんにしその風に乗り亡兄姉けいしも帰るや
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読み終えしなれの長編手のひらにずしりと重き感触残し
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雪解けに言葉を次々掘り出して諍いの日の声よみがえる
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どっかりと昨日の吹雪の置き土産この冬最後の除雪であれかし
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終日ひねもすを吹雪の止まぬ彼岸入り亡父母ふぼは迷わず帰るだろうか
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春を告げ雪のえくぼの二つ三つ真青な空に見よと言うらし
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遠からず星になる日が来るならば同胞はらからの星目指して行かん
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新人の議員が首相を諌めてるそんな国に住んでる吾ら
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残雪は雨一番を吸い込みてにわかに春は引き寄せられる
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雪解水ながるる音の心地よさ春の訪れ確信できて
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500km以上離れた北見市でゆさゆさ揺れる電線を見た日/震災の日
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摘みどきか再生果たす豆苗は日向に六日みどり眩しく
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帳じりをあわせんとする冬なのか真昼間いっきにぼたん雪ふる
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三月はの生まれ月それよりもなお3.11
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ベッドではラジオ楽しむ聴き逃しひとり静かに文芸選評
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すでに春そんな陽射しの眩しさの尺余の雪積む庭を眺めて
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手作りの豆腐届きて明日の夜は湯豆腐などと手抜のレシピ
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啓蟄を知りて出でくる虫らしい夫はすかさずテイッシュでギュッ
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ひさかたに君の消息聞く午後は少しの道も遠廻りせん
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紛れなき三寒四温なごり雪今日もふるふる舗道を濡らし
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強力な冬将軍の底力つかの間の春引き戻される
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掃いた雪すべてもどさん地吹雪に身体丸めて向かう数間(一間は十八㍍)
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