プー子
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二年前K子と訪ねし桜木よ 視力なくせし彼女はいかに
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満開に廃業農家の庭飾り桜前線オホーツク着
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何事もなくて始まる連休にいつもと同じ静かなひと日
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すぐ決まる熟女四人のランチ会花見御膳を揃って平らげ
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昨夜きぞ会いし人の名前の浮かび来ずアミロイドβ脳に棲むらし
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新しき令和の「アン」の登場に広がる世界をまた楽しまん
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「昭和の日」いく多変遷したとても長男れしただそれだけの
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部屋中に煮豆の香り満ち満ちて窓に静かにボタン雪降る
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晴れ間見え散歩に出ればヒヨドリの二羽も飛び交う白樺の木に
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除雪車に高々積まれし名残りらしひとくれの雪忘れられてる
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一株のミズバショウは寄り添いて語らうように花三つ四つ
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重すぎる友の話のリセットに ひとり訪い来るミズバショウ群
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俯きて風に震えるカタクリを「きれい!」と友はくり返し言う
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視力薄し友にカタクリ見せようと規制を外れし花へ導く
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手荒れせぬ親ゆずりらし指先にハーブの香りのクリームをぬる
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釣り上げし魚とともに帰る夫 マスのムニエル特大級の
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カーテンを開ける刹那の驚きは雪化粧する四方の山々
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分け合ってやわらかチェルシー口にするおひとついかが?道産の味
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ファスナーは無理やりにでも上がらぬに未練がましくスカート眺む
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斑雪はだらゆき残る峠を越えて行く冬眠明けのジャガイモ恋し
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来るはずのなき便りを待っていて どこぞの桜は葉桜と聞く
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一段と痩せた様子の兄に会い「お時間です」と追われるように
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白鳥になりてインパルス率いたらひと思いに飛びて私の空へ/まんまるだんこさん
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開幕の大屋根リングは如何なりやオニオンリング膳に並べて
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紛れなく北へ旅立つ白鳥かV字乱さずオホーツクへと
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utakataのページいっぱいサクラ咲き桜前線わがまち目指せ
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春を知りようやく咲きしクロッカスふるふる震え花びらを閉ず
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北目指す白鳥の旅いく日ぞロシアの空も自由に越すか
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遠目にも見よとばかりの鯉のぼり尾の先までも風を孕みて
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ページいっぱい花の歌ともしと読みて庭の雪割る
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