サトウキビ甘さを求めて三千里遥か昔の記憶と共に
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土の歌たしかに生命根付く場処私たちは死後そこへ還らん
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賑やかな黄色帽子の一列を朝残る半月が見ている
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ファインダー ふちからあふるる 向日葵ひまわり現像出来げんぞうできひろがりを
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君が居ぬ こころの穴の 大きさに 別れて気づく 君のツラさを
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彼女から 聖母になった 母と子に なんにもできず 幸せ願う
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罪悪感 ずっといてくれ 共に行方ゆく 十字架背負い 君たち想う
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はるあらし とびます飛びます ミサイルも とばしたいのは まきつくズボン
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ちんまりと 箱におさまり 寿命待つ 宇宙を背負しょって 生まれたはずも
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中翼なかよくはめんどくさくて右左  傾きながらどこへ向かうか
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嫌いですもう無理なんです私には妻と母親、嫁と姑
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ああ言えば よかったというわだかまり コップの茶渋と一緒にこする
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水底みなぞこに しずむ勾玉 ひろいあげ 声持たぬまま 人魚の涙
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離婚して恋人も無く恋も無し種は枯れ地で芽吹く事なし
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夕闇に 季節動かす 気配がし 急ぎてけふを 振り返る夜
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ねこ母の てってはいつも 傷だらけ 愛の証だ ジェルがしみるよ
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親不在 不安な夜を タヌ猫と 寄り添い耐える じき夜が明ける
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入院の 手続き済ませ 帰りつき ふっと気を抜き 我が猫らを恋う
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緑萌ゆ 土の香立てる 雨上がり 万物すべて 天より来たる
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人の世は 無常の風が 吹き渡り 初夏の草木が 愛おしく見え
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いつもなら残業優先業務過多今日はダッシュで孫の待つ家
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くだらない 一日なんて 決してない 上司が語る 居酒屋教室
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手術日に 名残りの大風 吹きつけて 軽々しきもの みな去りゆきて / 瘤除去
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流れさる 景色ばかりを 見ていたから 星がこんなに 増えてたなんて
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蕎麦の花むらさきにしてあはかりぬ青年の頬てらす逆光
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がたがたと軋みそめたる島嶼にて竹槍のごと揃ふミサイル
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赤裸々に わたしを写す 水鏡 かき混ぜてみる 指先ひとつ
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つまらないおとなになったあの時のかえらぬ傷が疼くのだった
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きみたちの頭の中に入ってる型が役に立たない日がすぐに来る
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待つ宵の 月はおぼろに 霞んでも ほのかに 照らす 夜の世界を
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