風もなく 小春日和続く 初冬しょとう だ秋でいてくれる霜月
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雨はげしい今日は合羽を使おうか買い物するにも事欠く生保
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テレビ画面紅葉を見て心養老渓谷へ走る
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黒すじをよけておろした縦割りの残さる大根何にしようか
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真っ直ぐに 考え過ぎず 晴れ渡る 青空のよに 師走を走れ
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パンプスの先に茶色にひからびた落ち葉がついて冬は間近し
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丑三つに  やるせなさ持ち  乗るバイク  風が凍てつく  妙に鋭く
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砂浜へ電車ごっこの子ら来れば白千鳥しろちどりそばをトコトコと行く
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白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
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キジトラの シマシマなぞって どこまでも ほっぺにゴール 歯形は褒美か
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たくあんの水が上がってヤレヤレと 米の袋をよいしょと外す
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段々と 熟し始める 檸檬の実 寒風の中 元気な黄色
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犬を抱き小雨の中を早歩き 師走の足音から逃げるごと
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風邪気味の喉に優しい布マスク着けて眠らん微熱の夜に /手作りのゆるゆるマスク
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拗らせた鬼どもをぎょすストレスは詠う心をごっそりえぐ
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過ちを他人ひとに背負わせ嗤う鬼 日輪刀を打ってもらおう!
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助けてと叫びたいけど叫べない飲み込む声は鉛みたいに
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ファンレター発掘 テンション爆上がり そういや ねこ母 もとは物書き
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実家って なんでもあるね 古い写真 長女猫あのこの写真も また見つけたよ
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一日の 初めに貴女を 想う時 笑顔と仕草 理想の女神
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石蕗の笑顔に押され病院の門をくぐりぬ抗癌の朝
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カーテンあけ 青リンゴ がぶりと丸かじり 散歩行きたく うずうずソワソワ
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今日来てる母さん今はどのレベル見極めてからする御接客/認知症
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意味がない生を生き抜く最後までそのことだけに意味があるから
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冬支度 終えたるのちの好天を 晴れが余ったと先人の言い
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なんとまぁ多くのゴミを出す命フロアにかけたコロコロを見て
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熱帯に育ったバナナ冷やすなと異動の君があおるバーボン
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文字数が合わずに検索 図らずも知らぬ言葉を知れる楽しさ
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ぬるき湯に浸かりて ゆるき幸詠う 忘却の路 そっともどりつ
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今日植えた玉葱だって何本か育たぬだろうそれも世の常
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