私には、臓器に薔薇が咲いてるの 隠した好きが咲き続けるの
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替えの効く生を受けても 代替のそいつは僕を詠えないだろ
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淹れたての コーヒーの香りは 時を止め 秋空の雲を しばし見送る
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石垣に枝垂れて生りし柿の実に薄雲染めて夕陽差し来る
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前歯ない姪が「ひみつ」と金平糖くれてゆっくり溶ける手のひら
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三十年ここで寝たんだ このベッド あるじ無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
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ピカピカと光る首輪の犬がいて目尻が膝まで垂れ下がる僕
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降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
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夏からは病に伏すという君の住む街は雪 今日も明日も
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ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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街角のツリーの星がまたたけば神様のするウインクに似て
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耳たぶに伝言ひとつ残すためストーブの前動けずにいる
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五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
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ライターの 炎ばかりが鮮やかで 雪に潜んだ 灰色の冬
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独り身の寂しさ煮詰めたかのようなレトルトカレー食む寝正月
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ふやけてる餅を置く皿なでている除菌シートをぼくは信じる
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寒い街抜けて電車に揺られれば君に会うまで少し眠ろう
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「さよなら」は言わずに降りる各駅の故郷遠く動き出す窓
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「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
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悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
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愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
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暁がほころんでゆくきっかけとなるべくチャリの明かりを灯す
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歯の隙間 誇らしげなる 子の笑顔 小さき前歯 生えし日浮かぶ
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頬を刺す 風感じつつ お迎えに 陽が長くなり 夕焼けを見る
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悲しみに遭わないよりも遭ってなお笑える生をあなたに願う
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雪景色 君への想い 降り積もる 春の訪れ まだ先にあり
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冬の午後 君(猫ちゃん)がうたた寝 その横で 僕も静かに 眠気が誘う
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トヨの上を滑り落ちゆく雪のように 飛んで行けると夢想した頃/子供の頃 屋根の上で
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恵方巻 ばっさり切って皆で分け だって色々食べたいもんね?
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