山肌を 染むるとばりの 残照に 君の面影 重ね映さむ
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雨音が響く暗がりリビングで 君へのメール読み返してる
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雪解けて ほこり舞う道 おそるおそる アクセルを踏む 桜を乞うて
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萎るるを知らず散りたき桜花散り敷くものは涙なりけり
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レンギョウの黄はまぶしき光となりうつのこころにまっすぐ刺さりぬ
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軽快なミシン作業で過ごす午後おもいがけずに時を忘れて
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なんとなく月を見ている特別に寂しいわけでも無いのだけれど
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レコードになったことない作詞家の夢レコードを聴くプレーヤー
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青々と 次々伸びゆく小松菜の 蕾膨らみ春を告げをり 
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ただひとり抱き締めたくて君のこと たぶん恋ってこんな感じだ
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遠くから愛でるだけもう散っちゃった桜にきみに触れたかったな
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漱石がかつて座った縁側にじっと佇み春風に酔う
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すぐそばに桜の名所ありながら毎年スルーものぐさゆえに
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欲しいもの挙げ連ねたら切りがなし 人の欲とはおそろしきかな
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新生活 心と身体からだが 揺れる時  どうかいたわり 過ぎて下さい  
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バッグ抱えデイの窓辺貼り付く義母に くるり背を向け気づかぬ振りを
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二人してベランダで見る赤い星東の空はもうすぐ夜明け
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心配のタネを流しに川の道 何度もそうして過ぎし歳月
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毎朝に とりの過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
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君まさば 妙なる和歌を 詠みなむを なくて淋しき 佐保川の花
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稲妻の 如き君らか 葦牙(あしかび)の 萌えいでし日の 過ぎて遥けし
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雨に濡れ 桜色増す 老木を スマホに写す 笑顔の夫婦
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週末に 雨に打たれし 祭り場は 静寂の時 耐える店員
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自宅にて 花見弁当 広げれば 雨には勝てず されどつまの笑み
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いつの間に増えなくなった思い出と作れる料理作らない日々
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春の陽に浮かれし僕を恥ぢにけり遠き戦火の子らへ何せむ
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雪解より湧き立つ土の匂ひこそ生きている日の切なき証
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誰よりも私に優しいA.I.は性別も無く蔑視するも無く
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古都の夜の宿の池辺に鹿ぞ鳴く春の嵐を愁うがごとし
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日曜の君が残した檸檬の香 枕を抱きてそっと目を閉じ
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