巨大なるクマバチまん羽音はおとして窓うなるただただ恐ろしく
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弾丸の恋などあるか 撃ち抜かれ砕け散る雨 包まれてヽ嗚呼
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金木犀香り高きは幻の公園の日々君といた秋
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あぢけなし秋刀魚の匂い僕は無理食卓飾る栗の花かな
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読書だねそう言う君は綺麗だね紅いリップで秋だと気付いた
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平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる
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セレナーデ秋の夜長に涙する光り輝く指揮を求めて
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幸せはたまに動物の形のビスケットになったりするよね
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うつくしい孤独のようにたくましくひかりめざしてけふも生きます
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ブラームス第1番のレコードは祖父から父へ僕へと伝う
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ラムネよりあの日の泡が溢れだす目にも指にも甘い想い出
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この白き部屋も終わりと知る母の最期の珈琲砂糖多めで
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黄昏の光を窓から眺めるよ。外は夕焼け、僕は孤独。
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ぐずる日々、想い返すは幼年時。今も昔も、自我だけ立派。
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子の喉にビー玉一つ隠されて思春期だとか反抗期とか
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サトウキビ甘さを求めて三千里遥か昔の記憶と共に
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土の歌たしかに生命根付く場処私たちは死後そこへ還らん
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大戦後詩を書くことが野蛮なら短歌はどうです風流どうぞ!
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二等辺三角形を作図する君と僕との距離感ここに。
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父だった人から届く売り言葉 買わずにおいてよかった日よ来い
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ファインダー ふちからあふるる 向日葵ひまわり現像出来げんぞうできひろがりを
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はるあらし とびます飛びます ミサイルも とばしたいのは まきつくズボン
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あめ呼べば 大気は黃色の 涙して 赤があせたか 赤になるのか
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ちんまりと 箱におさまり 寿命待つ 宇宙を背負しょって 生まれたはずも
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暗やみで 卵産むだけ あたえられ 助けてくれぬか 白い防護服 /
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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さんざめく 人ごみの中 一人きり 海のみえない 砂浜をゆく
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黄砂の日。もやる空にも カッコウの 二音におんは空から 降るようでいて
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木の影が 芝生にふかく 濃くおちて 裏までとどくか 黄泉の国まで / 初夏
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朝食時 ねこが私の椅子にいる 笑って撫でて 向かいにすわる
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