郭公待ち更かしつるうたた寝の夢かあらぬか夜半の一声
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短歌詠み啖呵を切って喧嘩して負けて担架で運ばれたんか?
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赤の他人。 添いとげることの 難かしさ わかり合いたい 心ねぎらう
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山をこそ思ひかけしか谷水の深き緑も夏の色なり
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良い妻で良い母であろう台所だいどこで拭きつつうつるはめ殺し窓
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カッコウが やたら鳴くから しぶしぶと いんげん豆の やぐらを組んだ
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校庭に 明るいきみどり色の筆   樹々を描いて 飛ぶ野良インコ
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主婦というルールはシビアまず家族 猫は自由に爪研ぎをする
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亜麻ちゃんは サファイアのいろ あさにみち 夕にはひいて またあさにみち
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草刈りて 葉緑素が いっぱいの 風ふきわたる あけはなつ窓
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宝くじ当たったらすぐ来たんだよ遠戚名のる知らない男
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かがり火は 凌霄花のうぜんかずらの 花の色 石段のぼる 覚悟をきめる
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メールでは 大好きハート あまりまえ チャンスを得たら 顔も見れない
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いつもなら残業優先業務過多今日はダッシュで孫の待つ家
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夏しぐれ。野に咲くユリの 孤独など だれが知ろうか 虎杖イタドリゆれる
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明け方に相談しあうアサガオは誰から咲くか決めたようです
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アマビエの姿見えなくなったわね我風呂上がり夏の夕暮れ
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生命せいめいの 重さをかたる 一方で どこかこの世に 見切りをつけて
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人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
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にぎやかな運河の街に雨が降る私も流れ海になれたら
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影踏みを夏の遊びと過ごしたが日傘さす今影持ち歩く
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鍵盤を ひとつ弾けば ポンと鳴る 閉じた窓から 流れるゴスペル /
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階下降り 籐ラグ涼しや 虫のこえ 音痴が一匹いちひき 耳も耄碌もうろく
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言えぬこと言い足りないこと胃に収め大和撫子のふりをしてみる
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予後不良心膜炎経過観察このよのほかにいくるすべなく
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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利き腕にかたぶく重心コロナゆゑ千鳥足にて揺るる視界は
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虫の音に目覚め薄闇ひんやりと朝か夕かとしばし哀しき
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戦争に秋深まりぬ咲き及ぶ石蕗の先しがみ付く蟷螂
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きときとの バスは満員 坂道を 右にひだりに ゆれて頂上 / 除幕式
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