悩んでる徴候だろうまた君は窓際に来てメガネ拭いてる
29
あの山も この山もまた 唐松の 黄金おうごんの山 ドンと座したり
46
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
57
シリウスは オルゴールのごと ティンコロと 優しき音色で またたきており
30
いつの間に冬はぬらむ一人るわが衣手に霜ぞ置きにける
15
なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
17
幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
16
わがいほは木の葉散り敷き道もなしいづくを分きて冬のきぬらむ
13
木枯らしの吹き余しつる草のいほにさらにびよと照る冬の月
14
神無月誰に手向たむけむぬさぞとて紅葉吹き払ふ木枯らしの風
14
草の庵にかけひの水のおとづれも途絶えがちなる冬の山里
16
冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
32
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
44
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
26
嫌いなこと、嫌いなひと、嫌いな… あー嫌いです 近寄ってこないで
6
暁の寝覚めに鐘の音冴えて露は霜にや置き替はるらむ
16
けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
23
無条件に愛を与えられない人間に与える愛はない
8
間違いか正解かとかいうよりも別の答えが出てくる人生
18
反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
30
まつり果てて人影絶えた広場から梯子でピエロ星へと帰る
18
訃報欄思い出深き人の名をしみじみ眺む秋深き日に
37
きしのふたおやの声おもはする こはるひよりのやはらかな朝
25
叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
24
休日の 灰色空と ため息に 生姜はちみつ あたたか琥珀
17
まぁるくも 五角形にも 嵌まらない ゆがみもあいす そんな性格/
10
角ばって 丸くなれずに 季節過ぎ それでも誰かが 「いいね」をくれる/
15
目薬を よく使うように なってから 泣かなくなった 泣けなくなった
12
ふわあっと 見上げた空に オリオン座 去年ぶりだね お久しぶりです
26
ベランダに米粒置けば食べに来る雀のお宿はお寺の竹薮
18