何処ゐづこから 風にさらはれ こぼる種 健気けなげに咲く 道端のビオラ
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「花は咲く」ピアノかなでる学生の仙台空港弥生の空に
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凍らせた感情溶け始め痛む18年目のサバイバルにて
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川沿いの 河津桜に 見とれつつ 和服の貴女 想い微笑む
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庭園を 和服の貴女と 散策す 夢見て目覚め 幸せな朝
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鎮魂の祈りを捧ぐこのひと日 心に刻む活きてる大地
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「もう」なのか十五年とは「まだ」なのか震災の日から十五年過ぐ
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言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
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落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
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平穏な生活に花 添へるよに 歌を詠む日々 心潤ふ
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慰霊碑に刻まれし子の年齢は二歳とありて孫と重なる
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もし明日命尽きてもそうするか正しさよりも愛おしきもの
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若人わこうどよ 無闇矢鱈むやみやたらを 恐れるな  みちを守れば あとは自由だ
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いかにせむ眠れぬ子へと伝へよう 恐るることはないと言ふのに
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人肌を忘れたてのひら愛されぬよりも愛さぬことをこそ憂う
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よもぎ摘み 指に残った かおりから  春に邂逅かいこう 今日はい日だ
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豚こまを 醤油とねぎと 大蒜にんにくと  炒めこしらう 即席の薬
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忙しや 春告げし後 鶯は 時鳥ほととぎすの子も 育て旅立つ
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全てくう 般若心経 その中に 心理哲学 通ずることらし
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携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
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陸奥みちのくの 花の盛りを 見ぬままに  時は過ぎ去り 十五年
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横顔が なんか綺麗?と ふと気づく あなたに会える 1週間前
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父に似た人 二度見して すれちがい 背中見送り 春 ひとめぐり
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昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
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悲哀とは 幸福たちの 存在を  証明し得る 唯一のもの
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保育園 六年間も 行ったのか  い立つせがれ 少し遠くに
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恥ずかしいことを平気な顔をして書くのに役に立つね短歌は
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桜色の 夢見しばかりに ゆうべ まで 乙女心の 封印を解く
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幸運に すました顔で 身を委ねる そうしたいのに ハートはうらはら
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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