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図書館で多めに借りていた本をようやく読める一月五日
12
お月さま受験の子らを見守ってカゼひかぬよに雪降らぬよに
20
友に似た高校生にふりかえるお下げの頃にもどるふるさと
20
沈む日はまぶたの奥でなお光りあきらめわるい私みたいだ
18
口々に父の思い出母の味家族にもどるふるさとの夜
23
知らぬまに
手術痕
(
きずあと
)
撫でて眠るくせ夢の中では母の手だった
21
あと五分眠っていたいと思ってた 今は眠れず朝を待ってる
19
遠い日の君の涙を思い出し眠れなくなるこんな夜には
18
変わること変えることなどできないとあきらめたとき親子になった
20
挨拶もせずにふらりとやって来て母の好物プリンがふたつ
21
想い出に入れずにおこうカギかけて思い出したくないことはもう
18
昭和ドラマ 演者のその後の 人生を ひとりひとり 検索してみる
11
雪の中
直会
(
なおらえ
)
の菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
26
少しずつ 距離を置こうと してた事 わかっていたよ 今元気かな
14
朝の雪かがやきに目をひらきつつ かじかむ指を光にかざす
40
初雪が名残りの柿を白く染めめぐりそこねた季節を隠す
25
カ―テンを開けても外はまだ暗く月と星との時間の
最中
(
さなか
)
22
そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
21
父母
(
ちちはは
)
と弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
27
「ごめんね」を言えぬまま積む言の葉の 尖りて母を、僕を、傷める
35
眠れない眠れないから何かして上手く行かずに追加の眠剤
32
早朝の三時にやっと眠くなるホットワインの催眠術師
40
「普通」という名のバスをまた見送りて 私は私の歩幅で帰る
45
教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
36
この部屋に占める「私」が増えた日の 少し大きくあくびをする九時
17
将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
11
朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
28
想像す雪のない地はどんなにか白一色にただただ絶望
11
新しい モノがはじまり 少し前 新しかった モノが消えゆく
9
春忘れ芽吹きを忘れしおれゆく市井の一票どこかに消えた
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