金木犀香り高きは幻の公園の日々君といた秋
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あぢけなし秋刀魚の匂い僕は無理食卓飾る栗の花かな
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読書だねそう言う君は綺麗だね紅いリップで秋だと気付いた
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あしひきの 山から眺む 在りし日を 悪しき日もあり 愛しき日もあり
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セレナーデ秋の夜長に涙する光り輝く指揮を求めて
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うつくしい孤独のようにたくましくひかりめざしてけふも生きます
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ブラームス第1番のレコードは祖父から父へ僕へと伝う
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大戦後詩を書くことが野蛮なら短歌はどうです風流どうぞ!
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二等辺三角形を作図する君と僕との距離感ここに。
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言の刃で 刺しかけてやめ 絵はがきとペンを選んで 刃を葉に変える
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障子窓 やぶれた三角からのぞく 野良猫の目のこちら見る丸
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あめ呼べば 大気は黃色の 涙して 赤があせたか 赤になるのか
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二度童子 背中をなでて ゆっくりと 父だった人の 母親になる
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ちんまりと 箱におさまり 寿命待つ 宇宙を背負しょって 生まれたはずも
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暗やみで 卵産むだけ あたえられ 助けてくれぬか 白い防護服 /
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どん天の 春は名ばかり なごり雪 山の光る 夏の鍵穴
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箱を描く 前に描かれたたくさんの ひつじを 私はなでてあげたい
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ふとすると かいた恥ばかり 思いだす ささやくように ほーれほれと
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知ったより出逢えたという感覚で  初めての言葉 くりかえし読む
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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ああ言えば よかったというわだかまり コップの茶渋と一緒にこする
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水底みなぞこに しずむ勾玉 ひろいあげ 声持たぬまま 人魚の涙
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朝食時 ねこが私の椅子にいる 笑って撫でて 向かいにすわる
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ちま猫や 一時帰宅だ ひさしぶり 姉猫あねと仲良く ねんねしてたの
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ねこたちは ご用が済んだと おもってる すまんねオヤツ あげたら出るね
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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生命せいめいの 重さをかたる 一方で どこかこの世に 見切りをつけて
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鍵盤を ひとつ弾けば ポンと鳴る 閉じた窓から 流れるゴスペル /
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階下降り 籐ラグ涼しや 虫のこえ 音痴が一匹いちひき 耳も耄碌もうろく
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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