消えるとか居なくなるとかいう言葉。口から手が出て言うなとふさぐ
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生きるとはいきをすることねむる子に頬ずりすれば息かすかなる
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遠い地のホテルのテレビ眺むれば天気予報の画面馴染まず
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毎朝の下り腹には苦労する 電車中の「四六の蝦蟇」で(冷汗たらーり)
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こんな所荷物置いたら通れない朝いちばんにつく悪態を
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読み聞かせ一年生ならウケるかな一か八かのミッキー声真似
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いそいそと 父の好物 詰め込んで 姉妹集まる 小春日和に
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温かい羽毛布団に包まれて蕾のままでいたいよ、かみさま
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日中は 全部網戸で快適に 信じられない 立冬も過ぎて
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スーパーの刺身はツマが多すぎる ツマを捨てたら 離婚されるぞ
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じぇらしーを メラメラしたりも するんだよ ねこにあいじょう たしかめさせてね
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愛の石ローズクォーツ たまに身につけておかないと 愛の在処を 見失いそう
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夕暮れに落ち葉をひとつ拾い上げ「お手紙です」と吾子は笑った
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人生を どう生きようが勝手だろ 価値観なんて 千差万別
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アイコンを 拳王ラオウに替えて剛の道 拳突き上げ 果ててくれるわ
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ぼくの目に映るきみの目に映るぼくの目に映るきみは虚空を見てた
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もう降りて沼で憩うか月昇る山の陰から白鳥の声
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薄原残照うけてほのひかり南に祈りするかに揺れて
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壁ドンも バレンタインも 告白も 三年分の この廊下には
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お互いに補い合って人生をともに生きてゆく君とわれ二人
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コレクション その仲間には 入れないで わたしはキミの 唯一が良い
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大根の葉っぱ もったいないからね 鍋に入れちゃう 当然のよに
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ほの暗い明日の暮らしを思う時見えない手にさえ希望すらなし
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ごめん、同窓会には行けません。いま、みんなのことを見ています。
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後足あとあしを車輪に乗せた老犬の散歩の瞳が潤んだように
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結実の花束解いて作るのはこの日のための薔薇の冠/スタニングローズ
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列車待つ空いたドアまで我先に急ぐ理由も君のところに
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この頃を地始凍ちはじめてこおるというらしき上着も羽織らず散歩できたが
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見上げれば一番星がありすぎてどおりでぼくは焦ってるのか
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この街のいたるところに残る靄 嫌いになっても消えない呪い
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