嬉し朝 猛暑に耐えたか ようやくに ツンと顔出し彼岸花咲く
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亡き夫の好みしおはぎ供えんと朝から小豆コトコトと煮る
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随分と 薄れた空の 青色と 薄れた君の 声や面影 
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えいやっと私の中の風呂キャンを背負い投げした午前3時
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馬鹿みたい われを縛るは われ自身 力を抜いて 勇気を出して
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あす休み 私の中の 風呂キャンに 今日は負けます おやすみなさい
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何気なく腹肉掴みその厚さにたまげるやら憎らしいやら
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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方言は口を擦り抜け口癖に名を変えきみの口に滑り込む
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間違いか正解かとかいうよりも別の答えが出てくる人生
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昆布出汁に生姜絞り汁入れるだけ卒業生の知恵を借ります
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人の無い夜中の街で一人きり雪に残った靴跡を追う
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柿キウイ芋を食べ終えしりとりに気付き一人で大ウケする朝
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人間の嫌なところをこうぎゅっと凝縮したよな女だあんた
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散らかって調和のとれぬ中に居て落ち着けるのが我が家と知りぬ
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子の帰省に ついて意見が 対立し 言葉通じず  異星人に見えた
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蛇口からお湯が出たりはしない頃湯たんぽのお湯とりっこしてた
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さみしさと 煩わしさを 比べたら 前者がマシと ひとりごと言う
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お月さま受験の子らを見守ってカゼひかぬよに雪降らぬよに
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「生きてたら儲けもんだよそれだけで」心配性の母が笑った
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想い出に入れずにおこうカギかけて思い出したくないことはもう
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風が吹くバケツごみ箱けとばして私はこたつ一日炬燵
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昭和ドラマ 演者のその後の 人生を ひとりひとり 検索してみる
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既読さえつかぬ画面の奥側に冷えたままある僕のスタンプ
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凍る空月と星とが話してるこの冬いちの寒波が来ると
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少しずつ 距離を置こうと してた事 わかっていたよ 今元気かな
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朝の雪かがやきに目をひらきつつ かじかむ指を光にかざす
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「ごめんね」を言えぬまま積む言の葉の 尖りて母を、僕を、傷める
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「忘れた」と言えぬばかりに声を張る祖父の孤独をまともに見れず
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鍋つかみ両手にはめてフォッフォッとバルタン星人真似てた姉貴
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