味もなき白湯をすすりて酸ひ甘ひわが身の内の塩梅を知る
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親心「おや」とも思わぬ子心に手心くわえる小心の親
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「安全」と「必要」と有った震災まえ古き広告よぎる朝かな/柏崎原発試験的発電開始に
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田の雪が少なくなれば遠征を止めて近所に現る白鳥/嬉しい
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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東大卒すごい人だと休む俺いつかは俺もと戦う息子
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白鷺が 凛々しく立ちて 月曜を 労うように 明るく照らし 
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梅の香をマスクをさげて深く吸う 鼻炎の吾に油断をさせる
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施設での義姉あねの暮らしも一年にスマホの画像に「私じゃない」と
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髪を切り隠す訳では無いけれど何か気付いて欲しかったかな
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アラ古希の働く人の七割がリア充らしい そうなんですか
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ヤオコーの店内曲が脳内に ループしている止めたいけれど
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まだ恋を知らぬ吾子つれ万智は西へ 3.11 早十五年
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妻となる人を知らずにひと部屋のアパートにゐた男がよぎる
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原発の処理は進まずまたけふもだれかがつくる灯りをともす
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「出したくねぇ、あんたの都合は聞かないよ」 腸が手を組む自律神経
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飛ぶことを忘れたカラス慣らされていくんだ知らず知らずのうちに
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どうしてもささくれる日は淡々たんたんとこなしてんで早く寝ちまえ
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一日ひとひごと 寒暖差感づ如月 押しくらまんじゅうをす 春と冬
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愛しさのほむらしずかに立つ夕べグーグルフォトの走馬燈に似て
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つち振れば割れてひらける石のなか祖父の面影化石に映り
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一番に「唐揚げ入れてくれ」と云うきみも茶色の弁当好きか
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銀行用事済み ご褒美は はら屋のカスタード キミと食べよう お茶を淹れよう
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宵の車両 キャリーケースに 赤福の土産持つ人 旅の帰途かな
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ことさらに人恋しくてこの夜は朔の月さえ空になくらし
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選手らの熱き滑りを追うて飛ぶ さきドローンが健気にも見え /ミラノ・コルティナ五輪
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茜雲広がる風景君からの1枚今でも待ち受け画面で
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脆きひと 見てもいられぬ傷のひと 避けど寄せ付け、此れは天性?
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涙鳥るいちょうの天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの金星きんせい/コルティナ五輪
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知らぬ間に流行り廃れる人たちの有象無象の欲が舞ってる
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