おしなべて 花蕾からいは天に 向かいおり 空色の花 咲かせるが為
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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十数年 叶わぬ思いは 時間無駄 仲間の指摘に 目が覚めた吾
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積年の 想い乗り越え 進む道 彼岸花咲く 青空の下
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もう一度 貴女に認めて もらえたら 強き心で 前を向きつつ
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温かな 提灯の灯を 頼りにし 街道歩く いにしえ感じ
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未熟さと 不甲斐なさを 痛感し 食事も喉を 通らぬ私
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名古屋とは 思えぬ静かな 佇まい 短歌の名を持つ 熱い施設は
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今日もまた豆をコリコリミルを挽く芳醇な香り朝の始まり
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不条理を生き抜く先に浄土あり怖れ抱かぬ心広がる
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もう二度と 書けぬ名前が せつなくて 唇を噛む 国勢調査
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半歳も何もない鉢に今朝見れば大きな芽が出ている何やら期待
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ごはんつぶ一粒づつに感謝する汗を流せし稲作想起せり
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とくべつな夏を忘れぬラベンダー再び咲きて雪虫の舞う
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足かばい金木犀の匂う路ポストに入れる三十一文字を
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小倉山霧立ちこむる夕暮れに道踏み惑ひ鹿ぞ鳴くなる
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峰々の色づく秋はくれなゐに水くくるらむ天の川浪
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生まれし日 今日も明日も 健やかに 解けた糸は 交わらぬとも
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共生が難しいのは同じこと険悪なれば家族も切り合う
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けものへん付いていること忘れたかソファーの上で丸くなる猫
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『総入れ歯、ホントに楽よ合ってれば。』いっそ全てを抜いてしまうか?
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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人間に怖がられないお化けたちハロウィンの夜はおうちでふて寝
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どんぐりを拾う媼の声弾み童に帰り秋の野遊び
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物価より定数削減先ですかラジオ相手にひとりごつとて
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瑠璃紺の サテンの生地に 縫いつけた 銀糸のような 秋の星空
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長雨で電波が途切れえんえんと跳躍してるラジオ体操
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一時過ぎ 栄養剤など服用し 五秒で眠る 受験期の日々
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利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る木葉こばの環にまぎれたり
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「私が死んだら悲しんでくれる?」なんてわざわざ聞くことじゃないよね
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