手袋を越えて染み来る冷たさにグーパーグーパー買い出し帰る
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風吹かれ 君の言葉が 頬をなで それでも桜は 君を攫った
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人生で嬉しいこと第三位寒い夜猫がベッドに入る
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梅の花やっと咲かせた老木を労うようにホトケノザ咲く
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耐えて勝ち運を逃さずドラフラのいいね決勝進出ビール
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内蔵のひとつも剥がれていないのに透明の血を流している
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諸事情があれこれあって今言えず来世であって謝罪をします
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「ただいま」に応える人がここにいることは奇跡と気付いたこの日
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卒業の祝いの花を手渡せばあふれる涙に彼は俯向く
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ただ一言のおやすみなさいではじめて今日この一日が鮮やかに色付く
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目覚めては あなたのメール そっと見て 再び寝入る 微笑みの夜
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天空から 呼びとめられて ハッとする 陽をね渡る 四羽の白鳥 / 一番乗り着ました
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旅立ちの 朝はスッキリ 晴れ渡り マイナス8度 でもかまわない / 南へ行くから
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二十年仲間と続けし子達の集い巣立つ子よどうかどうか健やかに
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過ぎた日々 幾度も散った 白い片 君が去りても 花は残りて
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かの君の 電話を待ちて 恐れたり はじめの言葉 せめて優しく
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春飛ばし いきなりの初夏 洗濯機 回しては干し 干しては回す
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蜜を吸う鳥の重さで枝しなる春を喜び鳴き交わす空
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椀 三つ 久々煮込む 「つみっこ」を 一つ供えて 息子と夕飯 /つみっこ(方言?) = すいとん
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桃色の こぶしの花を 愛でた妻 天仰ぐ我 頬打つ氷雨
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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ほろ酔いで星を見上げてゆく道の頬にやんわり落ちる春雪
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静寂な 田舎の夜は 淋しくて 雨東風あまこちと 秒針の音
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ぼくはぼく。人と違ったスピードで三センチくらい進んでいます
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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行きがけに見かけた男女ふたり組がまだキャッチボールをしている
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知らないじいさんと並んで木漏れ日ベンチ どようび午後さんじはん
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呼吸して。横のベンチのおじさんがページをめくる音に合わせて
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木漏れ日と さえずりと 風吹く音と 受け容れられていると感じる
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我が町の桜ついに蕾成り様子見の人すでに溢れる
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