心うち積もりしおりはそのままに父けむとなり天へ昇りぬ
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中央線いつもの車両遠足の小学生が鈴生りである
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風薫るトランペットの音響く吹いてる瞬間私の青春
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楚々と咲くヒトリシズカの舞い姿誰か見るらん木下の闇に
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「一」足して「辛い」気持ちが「幸せ」に 「一」欠片を探し旅する人生
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一箱を弟妹かぞく仲良く分け合いて三つになりぬキャラメル恋し
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気温上昇に伴い 車内広告も 水分補給を示唆しさ
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来る夏の衛兵のごと門前に立ちて優しい立葵かな
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いたずらをする体力も老いてゆく 好む靴下さえ愛犬は
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健やかであれと祈りて見送りぬ 緑風なぞるつがいのメジロ
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初夏の暑さにほてる体を休め ゆっくりと温湯ぬるゆにつかる宵
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これ全部読んだら人生もう少し良くなったかなと眺める本棚
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痛いからストレスだから甘い物つい手をのばしリバウンドする
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メンタルはアップできずにダウンのみ こんな美しい春というのに
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風に舞う黄色い花に白い蝶 眠る畑に楽園息吹く
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心病やまい持つ君と話ができたなら 願いつ今日も眠りに落ちる
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風光る 箱根の町を 在りし日に 友と語らいながら散策
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「ねぇパパは保育園どこいってるの?」帰宅のパパへ素朴な疑問 /吾子二歳
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汗ばんだ初夏 心地よき通勤バス 弱冷房の気遣い嬉し
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ハキハキと合わぬ入れ歯で話しおりテキパキ仕事こなすヘルパー
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肝っ玉母さんの様なヘルパーさんどうぞよろしくお願いします
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ゆく先は決めていなくて夏帽子千木先とまる鳥の如くに
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友とよく寄る居酒屋に欠かせない だし巻き玉子 乾杯のあと
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水面の照り返す陽に陰影が静かに揺れる時を見ていた
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水溜まり立ってるだけでも二重丸バチャバチャそんなに褒められてもな
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この私 ここにいる僕 あの私 これはワタクシ そこにいる俺
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報われないささくれだった心にはまろやか味噌汁ほっと一口
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神様へ 産まれる場所が日本ならパラメーターはこう振ってない
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火照るのは夕日の所為か昂揚か 合格の文字反芻しつつ
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いやらしい夢を見てたら出た字幕「ここから先は有料です」と
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