春あさき 皇居の庭の 「袖隠そでかくし」 たちまち江戸へ タイムスリップ / 椿
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「ありがとう」言える距離には君がいて 蛇口をひねれば水が出る春
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こころから自分を恥じて振り返る白木蓮の忍耐強さ
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この身吹く風の音が聞こえる そうかそうなのか 友の逝きし夜
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あの余波が 友を飲み込み 連れ去りし 手元に残る 手紙と語る
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雨雲が虹を内包するように君への憎悪も恋の病だ
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聞こへ来る門出の歌はどれもみなシニア世代のをも励ます
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まだ何も 踏まぬ足うら ふわふわと 雲の上む 母をみつめて
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特番の「風の電話」に涙して震災の日の夜が過ぎてく
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哀しみはわれにもあれど濃さゆえに福島行きの遅くなりにし
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テレビ消し、静かな部屋に雪が降る見ない優しさ認めてほしい
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三月の まばゆい春の 昼下がり 懐かし友と 心が通ふ
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カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
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春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
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回る寿司 店の出口に鹿しし威しおどし財布のひもの弛みを打てり
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ちぐはぐな組み合わせだね冬コート 春を先取り白のタイトスカートタイト
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音が好き消えて無くなる音が好き限りある世のあらゆる音が
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寒もどりふくらみかけの桃一輪ぎゅっとまぶたを閉じて待つ春
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人としてどうよ!と叫ぶ衝動と何かがあったと思う憐憫
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朝方の夢に追われて庭に出ず 一叢ひとむらの水仙ありて呼吸いきととのひぬ
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悲しみて戦地の鳥は見るだろか そこで傷つく大地と人を
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身を屈め目線合わせる水仙にご機嫌を問う迷惑かしら
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幸運は貴女と会って人間の綺麗な部分で話せる時間
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白木蓮の重なりに逝きし人のおもて映りて 澄みたるいろに心鎮まりぬ 
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忙しや 春告げし後 鶯は 時鳥ほととぎすの子も 育て旅立つ
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森入らば春鳥の声合図とし日ごと芽吹きは進みゆくなり
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いらないと断る程にもらえてたポケットティッシュをいよいよ買うかも
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ジタバタと苦しむ時も貴女には生きたい世界だったんだよね
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全てくう 般若心経 その中に 心理哲学 通ずることらし
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ゴミ出しもスニーカーの紐締めて まあまあハードな階段生活
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