街白み 休むひまなく降る雪を花にたとえる人のやさしさ
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ふやけてる餅を置く皿なでている除菌シートをぼくは信じる
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寒い街抜けて電車に揺られれば君に会うまで少し眠ろう
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「さよなら」は言わずに降りる各駅の故郷遠く動き出す窓
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「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
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悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
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愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
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暁がほころんでゆくきっかけとなるべくチャリの明かりを灯す
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一面に白き寂寞降り注ぐ庭にくれない差す寒椿
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歯の隙間 誇らしげなる 子の笑顔 小さき前歯 生えし日浮かぶ
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ほとほとと心つかれて白い花 息の白さがかすむくらいに
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夕暮れ レースカーテンの拍動を私はひとりで眺めている
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悲しみに遭わないよりも遭ってなお笑える生をあなたに願う
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ふるさとは雪が降るらし寒い家一人で暮らす弟思う
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零度ですエアコンが言う外気温まちのすべての暖房つけよ
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冬の午後 君(猫ちゃん)がうたた寝 その横で 僕も静かに 眠気が誘う
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幻肢痛 中途半端に片付けた部屋にかつてのギターの在り処
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ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
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言葉には収めきれない思考あり自分で自分に感じる孤独
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萎れたるポインセチアの花殻を摘みて春光注ぐ如月
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吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
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眼裏まなうらに浮かぶ何かに呼びかける返ること無い返事を待って
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春風が吹いて香りと思い出の切ない化学反応起こす
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枯向日葵にしろき窩數多ありて項垂れつつ零す種子を
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嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
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締切と 雑務に追われ ひと月が 過ぎて気づけば 花香る春
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椿散るさよなら冬が好きなひと あとに残るは春と桜と
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薄紅の 桜咲くたび 色褪せぬ 心の中の 君に伝える
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何もかも管理対象房総の菜の花たちも人の心も
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イスからの立ち上がり時に膝激痛 行くのためらう映画「スペシャルズ」/観たいけど(泣)
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