雪原のような白鍵さまよひて悲しき調べ一人辿りぬ
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生きていることの証に夕空と海辺のシールをきみにあげる
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秋深し くすみてよかれ うつろいの 言の葉つまる 妻の手をとる
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曇天に蓋をされ 秋の温もり包み 寒気かんきを跳ね退く初冬しょとう
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無理をした 多分折れたな… あばら骨 今回もまた 自己治癒挑む
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くりかえし見る夢のあり何ゆえに 乗るべき電車を焦りて捜す
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窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
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納豆に日頃の苛々ぶつけても健気に美味い ごめんね。納豆。
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ゆく秋の名残惜しきは枝々えだえだに僅か残れる桜紅葉よ /明日から冬らしく
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海に僕捨てられたからヴィーナスに片腕あげた十六の冬
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あぁ、君のいつも上がった口角は僕を倒せるやわらかい武器
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三月みつき経て 郵便受けを つい確認 亡き友の文 どこで迷子か
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王林がビール飲んでは「たんげんめぇ」こんな可愛い訛りにひかり
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その歌さ いい歌だよね 誰の歌? わかんないけど 母の持ち歌
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次々と 枝先飛び来るムクドリの 啄む柿の実風に揺れをり 
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寒いけど吐く息はまだ白くない 歩を速めればややも汗ばみ
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昨日見た夢 叶わぬ夢と 解っているが 紅を差す /都々逸でした🙇
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あったかい! ダウン羽織った だけなのに 冬の味方を 1つ見つけた
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我もまた秋の味覚になりにけり 脚に実った野苺にムヒ
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夕礼拝(飲み会つき) 行けそにないので 差し入れを 78円のバナナもゲット
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死にたいな 死な し しなちく しな死 梨 希死念慮変性記録3
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寒い夜は 身体温め 君想い 心温め 静かに眠る
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疲れてるのに眠れない 路地を行く人のくしゃみが聞こえる凍夜
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そこでまず相手の登記を確認し まだこの話サウナでします?
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小さめの罪悪感が巣を作る レシート捨てるための入れ物
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期待には 応えにゃならぬ プチっとの 鍋といへども 今宵は冷え込む
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マタニティマークの方に 席譲る紳士を見掛け 安らぐ心
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wifiのルーターが月と交信している緑と黄色と赤のランプで
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輝きに当てられ閉ざすひとたちは闇に呑まれて自我を失ひ
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寒風に月もきりりと冷える夜は甘い梅酒をお湯割りにして
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