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嘘という透明な服を重ね着て 立ち止まるとき僕だけ寒い
32
プラマイがゼロになるよう神様が 与えてくれた私の余生
43
寒中は 生きていること 思い出す 凍えた両手 包む両手に
17
オレンジに熟すクチナシゆらゆらと枝葉の揺れる風冷えの午後
37
五年先 十年先も 可愛いと 貴女に言える 未来を信じ
27
元気玉 みんなの力を借りる技 みんなこの短歌にいいねをくれ いいね、いいね、え?いいえ?
7
柚子の香の
熱湯
(
あつゆ
)
に入りて憂きことを洗い流して変身解除
17
老い花の恋はまことに見苦しい年老いた今恋も抱かぬ
24
守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
25
老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
21
今もなお
長々
(
ながなが
)
し夜に一人寝る
仮庵
(
かりほ
)
の上に雪はふりつつ
11
留守電の長々しゃべる候補者に入れませんよとつぶやいてみる
30
あたたかい猫の惑星あるならば私の仕事は猫用ソファー
8
猫の星あったかくってフワフワな満員電車に乗りに行くかな
8
食事中テレビ消された幼き日 ウルトラマンの登場前に
31
冷え込めど竹林はなお青く立ち 冬枯れのなか矜持保てり
27
今ひとつ、 気配りせよと 言う声に 己がやれよと 言うはかなわず
13
ようやっと自分の道を取り戻す 舵取りしようと奮い立たせる
13
くだらない? 大いに結構 ありがたい 下り無き道 登り詰めよう
13
ウヰスキーの酔いのほのかにまわりきてしみじみと聴く前川清
22
立ち尽くすスターハウスの真ん中に星がすうっと吸い込まれた夜
16
頼りなく我のコートに着地する結晶愛でて睦月の終わり
29
暁
(
あかつき
)
の
靆
(
たなび
)
く雲を 目で追って
莨
(
たばこ
)
燻
(
くゆ
)
らす あなたの色香
11
子への愛 気恥ずかしいな 何故だろう
享
(
う
)
けたる愛が 足りなかったか
15
「生きるとは誰かを想うこと」と言う君の心に棲む人に傘
16
高まりにシーツを掴み 靴下はいつ脱ぐべきか考えている
11
生まれ落ち 今を生きたる 我が身でも 馳せる妄想 和歌と通ずる
10
洗濯機音をたてつつ暴れおりこのまま外へ飛び出す気配
21
歌を詠み 投稿作を 読むうちに拡がる 知識 行動範囲
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朝げにて 空いた小鉢を 見つめつつ 想いを馳せる 祖母のぬか漬け
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