逢えぬ日に抱く微熱の囁きを星ひとつ詠む夜の短さや
23
廃屋の荒れにし庭に水仙の栄華の名残り一隅を照らす
22
道端に打ち捨てられた私さえ 煌めく君が巻き込んでいる
9
消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
20
野良猫をとんと見かけぬ町となり駅前開発ついぞ始まる
51
ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
34
病院の玄関までの上り坂 花吹雪舞い温い風吹く
37
死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
17
「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
28
誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
8
さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
7
雨が降り風も吹いての半月も入学式まで桜持ったな
26
トーストは人の生き方ふわふわでもちもちだけがいいわけじゃない
8
降り止まぬ雨を味方にデイ拒む 義母を抱える私の胸にも雨
18
下手くそな短歌うたにいいねをありがとう 気持ちは今もあの頃のまま/花の音さん、ありがとうございます
21
出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
32
夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
13
地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
28
晴れ空の下 走るバスの研修車 桜吹雪のエール受けつつ
31
山の蔭蒼く重なる懐に一本の桜淡く雪洞ぼんぼりのごと
20
歳を取りお互いほんと笑えないそんな話で笑いましたね
14
白昼の 雅な舞いに 相反す 月の宴で 魅するまなざし
9
最終便  繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
28
東屋あずまやでひと時いこう花見行き先客の花びらが鎮座す
25
暑い時毛糸さわるの嫌だから束子たわし編むのは春の手仕事
27
咲けば散る 愛しきゆゑの 儚さに 夢か現か 桜花日月
11
曇天に星を隠した雨夜空 故人を偲ぶ月の命日 /2026.04.08
21
春風を彷徨さまよひ 羽化したてのはね休ませつ 花求む初蝶はつちょう
30
ラベンダー 蕾たくさん 背伸びして 桜のあとの リレーの如く
34
満天の星になれずに真っ黒な池の水面に浮かぶ花びら
17