久し振り 辛い顔した 息子見て もっと気楽に 生きてもいいぞ
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この道を 涙あとつけ 歩いてた 今懐かしく 春はうららか
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薄く伸ばしたバターの香りの原石をルースにしていく型抜き
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音立ててカエル飛び込む池端に宗匠頭巾の人影を見た
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バリバリと鳴き出すラジオは先触れの少し遅れて盛大な雷雨
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いい夢を見てスッキリと目覚めたい なかなかそうもゆかぬのであり
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「赤ちゃんか!」口では言いつつ待っている 抱っこをせがむ君の一言
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車にて谷間たにあいの路を走り行くはく木蓮の街路樹つづく
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ホットチョコレートホットチョコ 飲みそびれたまま春が来て 今日明日初夏の気温だ どうしよ
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チューリップ 土の下にぞ たへしのび 春ふたたびの 咲くやこの花
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気が重く下向き歩けばおしゃべりな春の花々吾を励まし
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かの君の 電話を待ちて 恐れたり はじめの言葉 せめて優しく
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親友きみと共に石和いさわあたりの温泉にゆるり浸かりてとき過ごしたい
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気付いてた前を行くぼくの背に向けてあなたが舌を出していたこと
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さりげなく 君に触れると 何気なく 愛を紡ぐと 心微笑む
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より団子そう言ひつつもいざ花見この下でこそ春のみたらし
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黄砂にて霞のかかった陽光がテレビで見たシルクロードのそれ
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油絵を借家で描けないその訳はこの筆洗油そう懐かしい
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遠ざけて読む新聞の難儀さや父と心のピントが合へり
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あの冬にもらった言葉を舐め回し、小さくなって無くなりそうだ
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各地から 開花宣言 ニュースにて 観てる私は ストーブの前
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顔認証ハイテク技術が追いついた先はアナログ時代の「顔パス」
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沖縄も北海道も手を振って僕らを呼んでる羽田空港
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今月でスマホの機種代払い終えなんだか不具合増えてきたかな
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懐かしい匂いはガソリンにかき消された 誰だっけな
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てのひらにカエルを乗せた夢が醒め強くこぶしを握っていた日
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あの人の「夢はかなう」に寄生されわたしは今日も歌を詠みます
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「好きになったのに理由なんてなかった」ってことは、嫌いになるのにも理由なんて?
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正しさも正しくはない只今は息のしづらさ抱いてまた朝
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冬を越し元気に泳ぐメダカたち時空を超えた小さな命
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