血を巡るよりも確かな脈打ちをあなたの言葉に見いだせて朝
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ちゃん付けで呼ぶことの意味 ちゃん付けで呼ばないことの意味 人それぞれ
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フロントガラスの五月雨を拭うように捲られるカレンダー六月
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この星のあらゆる重さを振り切って明日また君におはようと言う
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なんとなく誰にも会いたくない夜はどうにか燃えるゴミを捨てにゆく
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起きて五分で家を出るこの生活をいつの間に君がパンで挟んだ
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きみだけが幸せだなんて許さない からっぽの花瓶ずっと抱えてる
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夜風が波打ち際で洗った水面掴んで淡く月の色
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去る春は 落ちた花弁ひとつにも君想う声 撫でて愛しみ
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山荷の葉 露濡れた日の幽きも隣にいたこと薫りにて覚る
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白昼に片割れ月は抱き合って そして二人は泡沫へ還る
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同じこと 行ったり来たり 悔やんでる 不甲斐ない我 叱咤し飛べよ
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シャボン玉 透かして見える その先は 輝いている? あ、もうはじけた
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触れ合った袖から漏れる残り香をあなたの言葉として出逢いたい
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校庭に引かれた衛星軌道 走る息子が赤い彗星になる
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珈琲の湯気ゆらゆらと 夜に溶け 遠くに灯りのともる日を待つ
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夜の闇ブルーライトの夢の中 うつつを忘れて海に流れる
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「君が好き」言うのはカンタンなのに、なぜ君に伝えるのができないかな
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梅雨明けが 遅れたとして 爽やかな あの夏空を みんな待ってる/ある歌人のプロフを見て詠める
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険しい 山道を行き 絶景を 心に刻んで 帰って来いよ/ある歌人のプロフを見て詠める
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寝酒と 眠剤のスクラムを ぶち壊す! あなや返歌に 手間取らせるなよw/しっかりやれよ
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風景を切り取り描くだけの世界では僕の罪だけ消してくれ
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アスファルトの割れ目からでも咲き誇る 花はそうでも私はどうして
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「死にたいね」君の言葉が僕を刺す 頷いたのにどうしてそんな
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白が降る空を見上げて思い出す君との記憶はいつも雪の日
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この辺にあなたはいて、いるはずで その刹那だけが永遠だった
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なあ友よ、風に吹かれて何処へゆく。答えはいつも、何処にもないのに。
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そうですヨ やっぱり気付いて いたのですね 彼は必ず灯屋くんは 帰ってきますよ
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当たり前の 空気の流れに 流されて 言の葉あふれ 歌詠みにける
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好きだよと告げるのは苦手だけれど、言葉なしに絡める指先。
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