今朝見れば風呂場の隅に守宮やもり居てここに餌ないよと外へ連れ出す
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然るべき天罰を食らうあなた方を暗闇の中喰らうのだ
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あの子また人体模型の心臓をはずして磨く 雨の放課後
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綿だけのおまえの耳でこの喉を刺してくれぬか抱きしめたまま
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朝ルーティン少々崩してモス贈る 母の日の朝 気持ちは急きて
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栄光を夢見てしかしだるいです寝転ぶベットにポテトチップス
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半袖を 皐月半ばに 纏いたる 酷暑の予感 また抱きつつ
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「しらけ世代」言われて四十五年経ち 熱くならずに無事是貴人
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ひとひらの 淀みもなき 阿字池の 水面とあらなむ 我が心鏡よ
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君だけを おもいつづける わけではない 違う温もり 抱かれて眠る
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訪れる 一季一期を 躊躇ためらって 君は笑って くれなくなった/r
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そよ風を まとえば君の 髪さらり 刹那が知らす 夏の始まり/r
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芯のあるスパゲッティを喰っただけ 芯ある大人になったつもりか
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ぼくだって りっぱになったと みけつけて、 せのびしたって おいつけぬちち
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役立たぬ経験値とかを振りかざす 大人はさっさと退場しろよ
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ドーナツにぽっかり空いた傷跡を無視して食べるまわりを、食べる
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抱きしめてさえもらえたらきみがいた証拠となってわたし、生きます
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ネモフィラの川がSNSの海へと合流しわたしまで青
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僕たちが話した言葉を波にして海一面に愛を集める
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あなたなら、 たとえひのなか みずのなか。 まずてはじめに スカートのなか。
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なんとなく 母の日にでもと決めていた 帆立バターのまぜそばを食む(具なしだけど美味しかったw)
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車窓から海が見えるよ ジャスミンの花弁はかわいい 駅はすぐそこ
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付き合いで「いいね」をつけること出来ぬ 俺を愚かとみんなで笑え
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自由市しんまい参加むね踊る自慢のアート眼に留まるるや
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待っていて次の三日月が焼けるころいぬといっしょに戻ってくるから
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スマホ手に慣れぬメガネで覗き込む手紙欲しいと留守電をする
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わたしとは堤防であるゆくかはのきらめきばかり見おくりながら
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夏の夜 玄関の中 歩きにくそう 笑われる靴 貴方のための
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蛇行する救急カートでこぼこな熱型表に足を取られて
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フロイトやユングは俺を知らないし俺も知らなくて俺が死んでる
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