まちこ  フォロー 0 フォロワー 0 投稿数 79

保健所で殺処分待ちだった野良

変わりゆく時代の中で変われずに「変わり者だ」と揶揄される僕 

謝られても私の心は元に戻らないので別れましょう 

猫が風通しの良い廊下の角で寝転んでいる春の便り 

猫の頭に はふっ と息をかける 私も母にされた愛で方 

君の話の要領はお米の計量みたいなものだ。……で、オチは? 

ガソリンがとけた水たまり色した君の瞳が欠伸で滲む 

もたれ合う恋人見せつけられつつ私は窓に身体預ける 

桜じゃない花びらだったものを踏みつけて春の足音とする 

マンホールを踏めば死ぬと思ってた頃を思い出させる春雨 

小窓に「夢」と打っていざ[検索]すると 404Not found 

一日の反省会をするようにスクロールすれども答え出ず 

薬漬けの私の肝臓は苦いでしょうけどそれでもよければ 

環境が変わるにつれてあの人の苗字がただの記号へと化す 

ホームに佇む私を照らす青色灯は誰の墓標か 

あの歌詞の追体験をするために桜のある道を選んでる 

樹液も死骸も宝石となる世界にヒトは何を遺せるのか 

「今日のラッキーアイテムはパーカー」と言わんばかりの並木通りだ 

剥き過ぎたささくれを後目に極彩色のネイルを塗る自己愛 

一平日として終わる誕生日 大人になったな、悪い意味で 

『お返し』に悩まされている 「どれにしよう」ではなく「どうしよう」の方 

きっとまた過ぎ去ってから「春だった」と気づく季節の最中さなかにいる 

私より長生きできたかもしれない本も服も収集場へ 

拝啓 カール・セーガン様 僕には何よりあの子が眩しいです 

すれ違う私の方が非力だろうけど高校生きみは歩道側を行け 

母が私を産んだ歳に私は念願の正社員採用 

これ前も撮ったような、と思いつつ今日もフォルダに寝転がる君 

キャンバスは光そのものを描けない 旧約聖書も減色法 

春は光・音・温度の順で来ること理科で教えてほしかった 

死ぬことより怒られるのが怖くて赤信号を渡れずにいる 

泥水を啜れど花も実もつかず唯枯れるのを待つだけの民草われ