まちこ
0
6
投稿数
194

保健所で殺処分待ちだった野良

図工室「何しに来たの」いえ、何も 「楽しいよ」って聞いて来たのに
5
汲みたての水を求めて喚く猫 二月中旬 暦では春
6
コミュニケーションというよりコレクション 鍵アカわたしのいいねは君に見えない
3
目の粗いネットにツアー入れて 丁寧じゃないけど生きている
4
枯れ際が一番鮮やかに見える伯母が寄越した名も知らぬ花
6
サビ前で飽きて途切れた鼻歌の続きを紡ぐオクターブ下
5
「そんな風には見えないよ」と励まされ自分の歪さを知るランチ
3
特別な日にはケーキがあったからケーキセットを頼む休日
2
眉を描く 「一本一本描けてるね」と草の絵を褒められたあいつ
5
買い替えたスリッパにまだ身構える 履き潰してよテセウスの船
3
寂しさを歌う曲が聞きたくて一人で帰っている節がある
6
「好きです」と言われた直後エンドロールが流れて次に進めない
1
化粧品売り場もスタバも春推してひとり解氷を悼む帰路
2
「誰呼ぶ?」じゃなくて「誰か呼ぶ?」なんだよ、『別にいいよ』ってどっちなんだ
1
僕を好きだと言う君を僕も好きになれないバグで処理落ちする
0
失うのが怖くて何もできない 元から何も持ってないのに
2
プレゼントは消えものって決めてんだ 惜しまれたいし忘れられたい
1
「私はね焦げてる方が好きだから」母の方便を君に捧ぐ
4
視力には自信あるから手の届かない存在で在り続けてね
1
お前らが「特別だ」って言うから何かしなくちゃいけない気になる
0
「私より長生きしてね」呟けば欠伸でこたえる温い毛玉
2
ブロックした元彼のアカウントを見る度自分が嫌いになる
0
新しいトリートメントに髪敏く ただ我のためさらさら踊る
2
じゃりじゃりとココアのダマを押しつぶす カップの傷はとけきれぬ愛
0
日に増して冬毛で白む猫丸く 「白秋」の意に君も足そうか
2
いつ見ても不安定な形だから「心」をうまく書けないでいる
3
ファミレスに千円出すけどあの頃のミラノ風ドリアに勝てない
1
初デート 修学旅行 駆け込み寺だった服屋が更地になる
1
廃盤のネイルを塗って会いに行く 君の思い出になんてならない
4
がん細胞みたく複製コピーに失敗した思い出トラウマが脳に蔓延る
1