Utakata
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川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。
かつて朔太郎曰く「詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめ」と……
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おもひなし耳もとちかくささやいて悪魔と呼ばれていたのは読者
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存在は神の造作かあらざるかあたかもプログラムされた虫
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人のよをあらはむ波の予感からあまりのことは言はずねもせむ
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ひよどりの叫喚都市をおほふときまぼろしに見ゆここは廃墟だ
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あなたとは私ではないあなただと身にしみたなら満天の星
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半ドアじゃないよね
*
風が誘っている
*
妻をこころに乗せてドライブ
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ささやかなセクハラまでもあなたならゆるしてあげる首をかしげて
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未発表原稿をひとつたづさへて青年がひとりとけてゆく壁
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待つことは慣れてますからバス停に小一時間はありし故郷
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同棲の夢のひろがる空間にまどろんでいるパスタと僕も
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隠れんぼしてみましょうか見つけてね私の歌にはいない私を
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君たちのジャングルジムは楽しいか未来はいまだすきとほる空
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私とは果実だろうか酸寒とわかったような木に晒された
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眠れない、されど眠たいときのまの擬態の仮眠におちてくる音
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集金屋、友だちライクにたづねきて先輩気取りでとりたてて去る
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きさらぎの春の日ざしを浴びながら雪とけてゆくお気持の女子
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春の雪ふりつもらないわだつみにきえてゆくのは記憶か愛か
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生きいそぐ人の背なかを見おくりて声にならない声でさらばだ
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放物線描いてゆくよあなたへと世界に放りだされたボール
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きれいことかさね着してく肌身にはかくしたあざのいや鮮やかに
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相乗りの床のぬくみよいつまでもふたりのままでいられない朝
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男とか女であるといふことのすこし気になる少年と少女
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いつの日かみづく屍となるにせよ入りてをゆかむ私はオフィリア
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もし夢をみるみづならば燦然とひかりのうちに声とこと葉を
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死と性のはざまにあって篝火にいのちといふは影の舞踏か
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荘厳なる城そびえたりたかだかといやおそろしき空への階段
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かいまみぬ黒々としてたくましき眉毛に燃ゆる愛と野望を
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いらっしゃいベトナム生まれの友としてながく一緒にくらすクッション
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寂寞に地平線までおほはれてサナトリウムのくれてゆく夏
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むきだしの内臓ひとつひきしまりふるえるものはいななきか愛か
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