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川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく鳥にあこがれて。
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戦後てふときにくくられつづくいまいつまでなのかいまだしらずも
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けふまでの命ではなししかすがにいつかしらない絶壁にたて
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なにをやってもだめなのだとたしかめて旅の終はりにそれならそれで
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三たび伏す夏の盛りにをれもせでををしくぞある石ばの草は
8
動乱の血にかざられる予感をばはらんで咲きしこの
百日紅
(
サルスベリ
)
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炎天に孤独の影はくっきりと詩人のすてた句のひとつある
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こほらせたペットボトルも汗をかくそれを結露と呼ぶ合理主義
8
君もまた未来の日本人ならばともに喰らはん世界のカレー
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鳥海山われを待つらんゆく夏の旅路のさきにわれを待つらん
10
現代はおつむまで戦場らしく霧のかくさふ五里の銃口
8
ゆこうかなどこかここではないどこかあすの予報は雨のち晴れだ
8
資本主義的空間にまどろんでみた革命は夢か黙示か
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おもいでの夏にふたりは交差してふとしたときにコップがおもい
7
時代とは何であったか夢かうつつかつかのまの我がふるさとよ
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欠けてゆくだけとおもへばはかなくも見ゆる今宵のみちみちた月
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知ってるかいこんにゃくゼリーを氷らせるそこにおいしい夏があります
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国鉄のないターミナルながめてるわたしの手にはなぜ
「革あ革」
(
1968年の革命史論
)
6
終末はおちてきませんまたけふも見つめてました空にどうして
12
実存よいつまでつづく夢なのかきのふの酒のまだぬけてない
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疲れたなねるかあしたはなにしよう酔って笑ってゆくりかであれ
9
炎天に風は吹かぬかこころにははやなつかしき花の朝露
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絵葉書に描かれている雲と海またどこからかひびく潮騒
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ノックする音がひびいてきましたがそこにいるのは誰だかこわい
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おもひきやいはほのごとくありし日の歴史は砂となってながれて
7
最終の列車はすでにかなたにてどうしよもなく一人だ僕は
13
見てみたいあなたがそっと隠してるかばんのなかのなかの気持ちを
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また馬鹿な夢をみてましたと言ってあなたの影にごめんなさいを
8
何かしら目くじらのたつポストゆゑ引用されてあふれる雑言
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鼻の毛のひとつやふたつ気になるのどうせすっぽんぽんになるのに
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思想家はうちおとされる星なればいまは冥府に大杉栄
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