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川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく鳥にあこがれて。
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川崎のさきまでゆけばそのさきに海があるとは知っているだけ
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はなみづきまたあぢさゐの色どった街をおほって空の散水
7
思ひでがいつもこころをささへてるわたしの髪にまじりゆく白
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どこまでも跳ねてゆくのか野原にて世界に干渉するうしろあし
5
ぎりぎりのところで歌にすくはれてけふもうき世にぶくぶくあぶく
9
近代的自我などといふ虚構にも傘のごとくに天皇制は
5
殺される待ったするまもないのかようそうそかわいそうだよわたし
5
どこかしらいたいけないね土足にて踏みつけられた名刺の僕は
5
海原のかなたカリフォルニアの空まばゆく星のふるとラジオは
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ごめんなさい。フォローしたのは僕のミス君は一生出会はないひと
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ダンボールひらいてみたらおどろいたそこは君らのダンスホールで
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読みさしの本をめくってゆくものは風ばかりですもういない僕
9
初夏の日ざしてりつく木だちたち君のまばゆい陰でありたい
8
同性にひらかれている銭湯のなじみはおまえ体重計さ
5
バス停で雨にうたれていた傘はあなたのものでこぼれてく愛
5
おろかなる人類ですが最期には偉大な辞書よひとつあれかし
8
ただいまが変転してく日に月に年にくるりといつまでもいま
10
インク壷ひっくりかへしてしまったらもう戻らない僕は詩人だ
5
なめくぢのなぞっていった視界にはどこか屈折してる光も
7
セックスの話をしてる人たちとまひるまコインランドリーにて
5
悲しみはしたたるみづとなりましてどうせ誰かが死なねばならぬ
8
いつの日か君はたのみの若だんないまはママンにおんぶされてる
7
運命をながめています天使たち駅のホームに並ぶひとたち
8
あの人のくれた鉛筆それだけが記憶のよすがとしてある手に
9
ながれでたものにまじったさびしさはなんだかやるせないねおしっこ
5
酩酊よまだ世のなかをながめてる私はここにジョッキはからに
9
税金はとりたてられて視界にはたしかめられた都市のまぼろし
8
信仰は身におりてきた光かな見そなはすらむ雲まに人を
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この街をわたしの嫁とおもったらなにもさびしくありませんから
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くんづけで呼ぶしたしさはあなただけあとはみなさんさんさんおひさん
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