川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく・鳥にあこがれて。

あのころの未来をいまは生きながらまだわからない人や愛とか
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人生をたとへば劇といふのなら楽屋で君の手をとらましを
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絶望と希望のあいの子としてはアンチノミーを生きるしかない
4
さようなら * 君の姿もまなざしもながれてきえた * テールランプも
6
もう音のあふれてこないヘッドホン * 霧雨のごと白いノイズは
10
日本語に居候するカタカナの地中海とは異なる位相
8
心とは糸であったかふっつりときれてしまったあなたへの愛
6
理解者のいないほほゑみ気品とはにほひやかにて凛として美は
8
マンホールあけたらあとは落ちるだけあなたの襞に底なしの愛
4
人もまたおもしろき世を見果てしか。されどどのみちいのちはさびし
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野辺にたつなんて星ふる空だろうはるかに街の灯もまじりつつ
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ねぢひとつすりきれました人々のさいはひならばそれでよいこと
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西インド諸島の愛におほらかにあこがれている花冷えの里
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やすらかにこころはなぎて波まから深きそこひにしづみ安眠
8
無器用に好きとつたへた言の葉の座礁したままあなたの沖に
8
ゆく春にとどまる人にたまさかにめぐりあひしをいのちといふか
6
恋するとこころは弱くなりましてあなたの膝にもたれてる夢
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ゆくりかに果たされました逢瀬にはあらはれてゆく足が冷たい
4
解釈は自由ですよといふほどにまばゆき星の海に溺れて
8
こころから貴方のことに惚れましたそれは嘘ではないけどあすは
5
消灯の時間ですよと声がした * こころをオフにした * 僕は寝た
4
否定形でしか語れぬ愛があり虚空にゆれるあてどない手は
3
朝まだきこころは憂きにたえかねて啾々として落つる涙は
6
なんてことない歌ですがいちおうは書きとめておくけふのメモワール
5
めくるめく魔術にたばかられまして馬の踊りて化けたのは鹿
5
その道を誰のものでもない道を太陽のもとあゆむ二人は
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外形的行為によって飾られたこころといふは私の絵画
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紫のしたたるみづはあでやかにいのちうるほすあなたの巨峰
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存在はほつれた糸の断片と化してをさまるデータセンター
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雪よもう君は忘れてしまったか記憶のつちに春の雨ふる
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