Utakata
登録
Login
サイトのご案内
川野三郎
フォロー
34
フォロワー
36
投稿数
418
歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。
かつて朔太郎曰く「詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめ」と……
« 最初
‹ 前
…
3
4
5
6
7
8
9
10
11
…
次 ›
最後 »
腐ったらそれで終はりさ口笛にみづみづしくもひびきゆく沢
8
おとうとは墓に幾とせ海原をわたりとついだ鷗のいもうと
5
ただ生まれおちてはつちとかへりゆく道にさざんかまた寒椿
8
世界には知らないことがいっぱいでだから明日も生きてゆけるね
9
そこ冷えにおもはずかぶる羽毛ふとん夢へとおちてはばたけ鳥よ
11
とびきりのSNSをあげましょう檻にあなたはぼっちの主演/人間園
9
色彩に世界はひらかれてゆくかこころ惹かるる額縁の窓
10
闘争の傷はいえたか人といふ
性
(
さが
)
をかかへて河馬に噛まれて
7
ヒーターのほこりの焦げてゆくときに燃えてしまえよこぞの悲しみ
8
見せかけの愛はいらないでもやっぱ嘘でもいいから優しくしてよ
11
南北の諸国産物くらひをり世界の結び目として私
9
終電にあすへと生きるたくさんのあはれいのちは涙ぐましも
8
隣国の戒厳令に在りし帝国におもひはす令和六年
7
亡きがらに蛆わきいでば鳥どちよせせとついばみ歌え世界を/遺言
9
欲望に駆動されてく資本主義ねくたれたままいや果ての日に
6
バリカンに髪はらはらと憂さまでも散ってくれろとなでてゆく午後
13
今日こそは力ぶつかる晴れ試合いでたつ乙女の市営地下鉄
6
ハイティーンなんて言葉も聞かずなり、現役世代は若者といふ
9
木枯らしにあえなく紅葉は散らされて私は埋もれています文字に
6
さめざめと笑ひてありし別れより脳裡にうかぶもうあはぬ顔
11
色彩をこころにそめてゆくときに貴方ははなだ色のイメージ
8
いりみだるコードのごとき物事に筋をとほすは解釈と断
11
彼女はこころに海をもつ。私は波にあらはれて、冬は寒いよ
8
波あらふ磯よモダンはまさごへと溶けてゆくのは仮称の私か
8
塵のごととっちらかった記憶にもいつか灯りをともす
蠟燭
(
ロウソク
)
9
あの坂をのぼれば海の見はらされはるかにのぞむ初恋の夏
10
純白のドレス、もうふれられぬ肌、見おくりませう華燭の夜に
6
誤解までひきうけてゆく表現のしたたかにしてはなたれし矢よ
9
いつまでもあの日のままの心かな 氷のをりに閉ざされし恋
11
ただ時のうつろふを待つ ぽつねんと 病魔の犯す身体よこたへ
11
« 最初
‹ 前
…
3
4
5
6
7
8
9
10
11
…
次 ›
最後 »