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川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく・鳥にあこがれて。
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水槽におつるしづくにひえびえとすそをひきよす肌の鱗に
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トルクメニスタンといふはいづくなれ私はここにいます港に
9
ひきだしのおほくもあるか雑居ビルならぶ四谷に浅羽通明/古書窟どらねこ堂
6
生きる貝ないならせめて道化にもなれよ私にいらない私
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さそはれてたどりゆく肌どこまでも甘美なる香をたたふスカート
6
思ひでの恋人たちをつれだして三人目には君とカラオケ
6
アイドルの耳目さわがす風聞にファンはかりたてられて不安に
4
トランプよいまは羽ばたけ宇宙まで敬礼するはイーロン・マスク
6
電熱のぬくみに抱かれねむる夜半あなたと夢のネクタリン果汁
8
あるじなき蜘蛛の巣いづれこの国も乱れてゆくか吹きつくる風
8
轟轟とたかまる声をわけながら吾がこころにはたぎる沸沸
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イマジナリー彼女の熱にほだされて孵化した夢にいなないた馬
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幸福のかたちをひとつしめしては寒くはないかゆれる水仙
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未来にはあとかたもない労働のさくさくとして刻まれる時
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さむざむとしたる月日はあけざるも母の煮ものにいのちなぐさむ
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荒野にてあらむいいねもいらぬから不安と不満のふきだまりより
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どうせこの花も実りはしないからなにもうらまぬシニカルな恋
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時空をばいつかふみこえ群青の空にあなたと水上庭園
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君がため愛と誠をささげたくなんなら揚げてもおいしいですよ
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紙をすくいたつきははや忘れられ連綿たるはただ文字のつら
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想念は風のごとくに吹きさりてノートの隅にのこることの葉
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あなたにはもうとどかない歌ですが紙ひこうきにをりて空へと
10
さんさんと日のふりそそぐ公園にはつらつと声あがる未来よ
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人生をくだるきざはしどこまでもこころにそふは君の面影
8
むなしさはひたひたとして水槽のイメージがある空無でなしに
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暖をとる古き書物を火にくべて煙ときゆるはありしよの夢
6
たぐろうとするとこころもひかれゆくこと葉にかかるみの虫の糸
11
セミロング髪をなびかせさっそうと転ばぬように機嫌なおして
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ぶるんぶるるんといまにも爆発しそうこらえて僕の洗濯っき
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ゆく雲をながめてましたゆっくりとうつろふ時のうつしよの比喩
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