川野三郎
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533

歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく・鳥にあこがれて。

文芸の飽和してゆく世界ならせめてあなたと埋もれ木のこけ
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目・目・目 都市には実に多くの目 あるいは記録媒体の目も
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チョコレート、身体にとけてゆくときに甘い匂ひのたちこめる脳
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玉木さん玉の力でブレイクす。こんなはずではなかった浮気
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惨劇のガザ、罪深きはイスラエル 黄泉(よみ)かへり描けよ白土三平
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柱だつ巨突のしげみよ 臨海に人の造りし神殿のごと
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この道のどこまで僕をむかふるか セイタカアワダチ草の黄色は
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指先につたはる熱はやはらかく みちたりてゆくなけなしの性
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鍵盤の音に神秘のとけだしてミルクのごとくカフェのmorning
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政治とはいつか視界もくもるまに自らの火に燃えつきて灰
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沈淪の人としてあり 波あらふ鮑(あはび)もなしに海ふかぶかと
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恨もうか。それとも妬んでみましょうか あなたをぱくんと食べた人たち
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罪のないつもりで生きてきましたが誰かのせいでカタストロフィ
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SNSこだましてゆく声たちよ 人それぞれのくらがりのうち
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冬ちかし、それにつれても木枯らしに吹かれかんかんかんと空き缶
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やりがいで搾取されてく悲しき日本(ヤポン) やりきれぬブーケを捧げん
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カフェにて女連れたつさへづりを聞くともなしにひとりのパスタ
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地図ひろげ宿をきめたら旅ここち 待っているのはどんな海かな
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なにゆゑに生を受けたか こたへなき問に執行のときを待つ犬
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ぼへさんののぞくスカート〈おなじ頃……〉つげ義春は叙勲せられぬ/こら!?
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都市の青におぼれゆくまに浮かぶ瀬のないなら君と腐乱したいよ
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人知れず人のこころをなぐさむる 詩人といふはブルーの色か
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遠目には明るく見ゆる火の手にも風おそろしき匂ひはらみぬ
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病とは耐えてゆくこと あらはれるエラー・エラーの波のしげきに
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想像の翼はばたけ 言の葉の空をわたれよ 花しらぬ雁
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いつまでも若い気分でいるようね。ところがどっこいもうたそがれよ
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薄明に明け烏なくあかつきに 空に吸はれるごとくねぶたし
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SNS、いいねごっこは果てもせず。いやはや僕はちょっと疲れた
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ディストピア、技術の支配に奉仕する人ぞあはれにたちまじる吾
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詩の秘密をさぐらんとして朔太郎 その都市てきな青さのうちに
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