川野三郎
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478

歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく鳥にあこがれて。

火事だぞとあわてて風呂場の水くめど 火柱に桶 無理だとさとる/物名歌
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照りつける日射しは汗とからまりて わたしはあなたの夏でありたい
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自分すらつまらぬ歌と思うなら それはやっぱりつまらぬ歌か
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来年の手帖をひらいてみたところ どんな未来を描こうかしら
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倦怠アンニュイはSNSに捧げられ いまぞ嫉妬の華ひらく見ゆ
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日の陰るとたんに秋になりますね 東京はいま神無月です。
7
とこしへに手のとどかざる輝きよ 僕を濡らして星のしづくよ
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するするとほどけてゆくよ 赤い糸 はりつめてくる心の琴線
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人生はゆきづまりだと思うにも とろとろ生きろとまたたく信号/物名歌
8
尊厳死、やがて問われることならん あなたはいまだそんげんしないの?
6
虚しさの海に溺れた人を見て そっとしておく僕の優しさつめたさ
8
秘密だよ。隠したとこをばらしたら 罪ひとつでも針千本よ/物名歌
5
一週間、またあらたまる毎日よ うひうひしくも生きてゆかなも/物名歌
5
わさびはむごときいのちのわびしさよ ひたひたとしておぼれゆく沢
8
あきらめて忘れたはずのこころにも どこかで人をまだ待っている
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ふと土の底から伸びてきた腕に ハンカチかぶせ「ナ・ム・ア・ミ・ダ・ブ・ツ」
5
てくてくと歩いてゆくよ どこまでも 僕は歩くの大好き星人
6
秋だから油断していた チョコレート溶けちゃいそうだよ 冷所に避難
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葛根湯、買って帰ろう。忘れずに 花粉症にも効くとの噂あり
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ガソリンの匂ひの鼻につきまして 吾が視界には、はるか郊外
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秋の空 千鳥もかえってきましたね 夏はどちらに避暑していたの?
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肩よするいとしき人のぬくもりよ 夜汽車にゆられ しののめを待つ
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あなたとはずっと親しくしたいから 歌をよむだけの仲でいましょう。
7
古語辞典三省堂詳説国語辞典小学館言泉はしきしまのともがらですな 座右に欠かさず
7
社会詠批判をしたら つぎつぎと降って湧いたる社会詠ありどうすんだこれ
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この土地に骨を埋めむときめた身の 旅にゆくのはまたかへるため
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note.comのおとにていろんなタグにお邪魔して歌なげこんでゆくぞたのしき
5
スタバにてニーチェひもとくニヒリスト 現代日本の象徴は僕?
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秋なのに花粉症とはこれいかに したたりやまぬ鼻のした水
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ひとりずつ連れのおりたつ 夜のバス 最後の客になった寂寞
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