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川野三郎
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歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく・鳥にあこがれて。
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鍵盤の音に神秘のとけだしてミルクのごとくカフェのmorning
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政治とはいつか視界もくもるまに自らの火に燃えつきて灰
8
沈淪の人としてあり 波あらふ
鮑
(
あはび
)
もなしに海ふかぶかと
7
恨もうか。それとも妬んでみましょうか あなたをぱくんと食べた人たち
4
罪のないつもりで生きてきましたが誰かのせいでカタストロフィ
6
SNSこだましてゆく声たちよ 人それぞれのくらがりのうち
8
冬ちかし、それにつれても木枯らしに吹かれかんかんかんと空き缶
9
やりがいで搾取されてく悲しき
日本
(
ヤポン
)
やりきれぬブーケを捧げん
8
カフェにて女連れたつさへづりを聞くともなしにひとりのパスタ
11
地図ひろげ宿をきめたら旅ここち 待っているのはどんな海かな
10
なにゆゑに生を受けたか こたへなき問に執行のときを待つ犬
11
ぼへさんののぞくスカート〈おなじ頃……〉つげ義春は叙勲せられぬ/こら
!?
7
都市の青におぼれゆくまに浮かぶ瀬のないなら君と腐乱したいよ
6
人知れず人のこころをなぐさむる 詩人といふはブルーの色か
9
遠目には明るく見ゆる火の手にも風おそろしき匂ひはらみぬ
6
病とは耐えてゆくこと あらはれるエラー・エラーの波のしげきに
8
想像の翼はばたけ 言の葉の空をわたれよ 花しらぬ雁
8
いつまでも若い気分でいるようね。ところがどっこいもうたそがれよ
8
薄明に明け烏なくあかつきに 空に吸はれるごとくねぶたし
9
SNS、いいねごっこは果てもせず。いやはや僕はちょっと疲れた
8
ディストピア、技術の支配に奉仕する人ぞあはれにたちまじる吾
6
詩の秘密をさぐらんとして朔太郎 その都市てきな青さのうちに
6
引き潮の終わったはずの恋なのに またよせかえす切なさは何
15
かなたから遊ばん声のひびいては たのもしくある未来のおとなひ
5
ガラスこしたどるぬくもり まぼろしと思ふまもなく はなれゆく愛
8
ふとおそふゲリラ豪雨の破滅的感情しづめつつ雨あがり
7
閉塞す。時代は雲にふたがれて 私はここに空白の詩だ
6
このりんご、名前はなにかたずねても 答えてくれない酸っぱさがよい
10
政
(
まつりごと
)
は言の葉の空までおほひ濁りにけりな わが視界さへ
6
ひねもすに人を恨んだ罰として すとんと落ちたあべこべ世界
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