川野三郎
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495

歌人であるよりも、三十一文字の詩人でありたい。風に羽ばたく鳥にあこがれて。

わさびはむごときいのちのわびしさよ ひたひたとしておぼれゆく沢
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あきらめて忘れたはずのこころにも どこかで人をまだ待っている
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ふと土の底から伸びてきた腕に ハンカチかぶせ「ナ・ム・ア・ミ・ダ・ブ・ツ」
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てくてくと歩いてゆくよ どこまでも 僕は歩くの大好き星人
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秋だから油断していた チョコレート溶けちゃいそうだよ 冷所に避難
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葛根湯、買って帰ろう。忘れずに 花粉症にも効くとの噂あり
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ガソリンの匂ひの鼻につきまして 吾が視界には、はるか郊外
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秋の空 千鳥もかえってきましたね 夏はどちらに避暑していたの?
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肩よするいとしき人のぬくもりよ 夜汽車にゆられ しののめを待つ
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あなたとはずっと親しくしたいから 歌をよむだけの仲でいましょう。
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古語辞典三省堂詳説国語辞典小学館言泉はしきしまのともがらですな 座右に欠かさず
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社会詠批判をしたら つぎつぎと降って湧いたる社会詠ありどうすんだこれ
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この土地に骨を埋めむときめた身の 旅にゆくのはまたかへるため
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note.comのおとにていろんなタグにお邪魔して歌なげこんでゆくぞたのしき
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スタバにてニーチェひもとくニヒリスト 現代日本の象徴は僕?
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秋なのに花粉症とはこれいかに したたりやまぬ鼻のした水
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ひとりずつ連れのおりたつ 夜のバス 最後の客になった寂寞
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扇風機に水鉄砲をうちつけて ドン・キホーテの気分でありし
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気まぐれにはるか墜つべし ビルのふち 血に染められて夕映えの空
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扇風機しまう代わりにヒーターのお出まし しばし待機されたし
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ほれました。ちょっと昭和の薫りして 杏のようなあなたの笑みに
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あらかじめ正義を設定できたなら 社会詠でもお手軽ですか
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あの人に逢いにゆかなきゃ シンデレラ 未来にひびく鐘の音にぬれ
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喧騒はどこに流れてしまったの 雨に濡れてる街のしずけさ
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社会詠、かえって難しいことを知らない人のあふれた歌壇
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見とどけてやった映画のあじけなく記憶されてくことぞ悔しき
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一日に数ページほど読みすすむ 文のあとさき はるけくもあるか
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鬱病は乗りうつってくもの故に あなたのフォローはずして御免
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むなしさを気圧のせいにしてみても 心ふたがりいかんともなし
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真夜なかの鏡に映っていたものは のっぺらぼうの顔をした僕
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