沢西紺々
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青もみじ奥に二三の赤い葉をつけてこっそり秋支度かな
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室外機運転音を良く聞けば上手く混じってケラの鳴く声
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鍋いちめん湯気にも負けぬなすの青柔くとろけて盛り付けを待つ
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標識の矢印の向きに夜の風優しく吹いて帰宅促す
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夕暮れにぽつんと光る金平糖茜の雲にその身沈めて
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夕立のけぶる街なか立ち止まる不幸を流してくれる気がして
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地上でのせわしさ知らず西の空燃ゆる雲の往時も同じか
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焼けていく冷凍餃子待ちかねて音の変化に耳を澄ませる
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