Utakata
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しらすごはん
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玄関の 溢れる靴を 踏み分けて 8ヶ月分の ギュウギュウギュウ
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「いつ帰る」 今来た子らに まずは聞く 過ぎゆく夏は 瞬きの中
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帰り道 わざと間違え 遠回り ふたり並んで 自転車を押す
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公園の 広場をまっすぐ 突っ切れば シャワーの水音 蝉の聲
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張り付いた Tシャツの袖 捲り上げ 今年の夏は あの夏の日に
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酷暑日の 陽炎のなか 前を行く 日傘男子の 背中を追って
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なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
7
台どこの 窓の向こうに 夕顔が 一夜限りも 夜空に咲いて
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ひなどりが 夏の夕暮れ 駐輪場で ペトリコールに 追い立てられて
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ペン先が 乾いたわたしの ボールペン まっくろくろすけ ぐるぐる湧いた
7
行けるかな 点滅し出した 信号に 小走りになる らしくない俺
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階段を 上る足音 聞いたなら 1分先の 未来が見える
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引き継ぎの 挨拶に来た 足元に おろしたての靴 眩しく光り
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返信は いらないなんて またしても 言葉が裏抜け 逆さに読んで
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庭先で アイスの棒の 墓標に 娘と手向ける タンポポの束
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紫陽花の 雨もそんなに 悪くない 今さえ過ぎれば また夏が来る
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頼りなく 待てど暮らせど 便りなく 悪い予感の 累進課税
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好きなひとが いるのと女孫 耳打ちし 指さす先に 背中のキャラメル
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無機質な 地下駐車場 遠ざかる ヒールの響き 奏でるリズム
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雨上がり 歩道橋から 見下ろした いつも通りの いつもの通り
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レジ前で トングの向きを 変えながら お願いします と会釈するひと
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コンビニで テールランプを 見送れば 吸い込まれていく 深海の底
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それもまた いまの自分と 思えたら ふるえる手のひら それさえも良し
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どちらでも 本気の顔が 見たいだけ 怒るにしても 笑うにしても
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瓶ジャムの 底をさらった ゴムべらは 驕らずもとの 水切りかごへ
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達筆で イカの塩辛 目に良いと どこで聞いたか 母からの宅急便
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歯ブラシの 替え時さえも 持て余し 日がな一日 旗日が終わる
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ベーコンが パチパチ音を 立てながら もう朝ですと リマインドする
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ベーコンが パチパチ音を 立てながら 僕らの朝を 祝福してる
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終夜(よもすがら) 思ひあぐねた ところとて 壁掛け時計の 振り子のままで
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