Utakata
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しらすごはん
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真夜中の 市営プールに しのびこみ ハダカになって 短歌を詠んだ
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観覧車 ぐるりと廻って ゴンドラを 降りたら君に さん付けやめる
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白い杖 黄色い線を コツコツと 改札出るまで 背中を追って
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雨催(もよ)い ペトリコールを 嗅いだなら 銀輪の子ら 蜘蛛の子になる
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どの本も あとがきから読み 先まわり 他人(ひと)の靴では もう歩けない
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何にする なんでもいいと 返されて 買い物カート 所在なく押す
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何にする なんでもいいと いうあなた そんな名前の 料理はないの
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遠い日に 母の教えが 装られた 夕食(ゆうげ)の茶碗 子らに引き続き
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トモダチに 三十一音(さんじゅういちおん) 贈られて 採りたていちごを LINEで返す
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たこ焼きの 残りの一個を すすめられ 遠慮のかたまり スマホで翻訳
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雨雲よ 早く来い来い こちらの方へ おニューの 傘で受け止めるから
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たこ焼きの 最後の一個を ゆずりあうひとに 国籍を訊く 無意味さを知る
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バスを待つ オレンジジャージの 快気炎 どこより早い スポーツニュース
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玄関で 日傘雨傘 がぶりおつ スマホ信じて 駅へと走る
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half a century ago こっそり捨てた 答案用紙 今夜ラジオの前で テープで貼って
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いつからか 誰にも言えない 語れない 寄るべなき夜を 歌人の友と
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君の顔 好きじゃなかった 去年まで 短歌の向こうに 君を見るまで
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図書館で 空の名前を 調べたよ そしたらいつか 君になれそうで
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たこ焼きの 残りの一個を 譲り合い ベルリンの壁 崩れ堕ちゆく
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仕事終え ラジオ英語に 蛍光ペン 四十余年の 月日埋めたし
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LINE来て 娘家族の 布団干し 冷凍庫には シャトのアイスを満杯に
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傘つぼめ あわてて車に 逃げ込めば いいお湿りですと 君は言い
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永遠に 箸を転ばす 駐輪場 ペトリコールで サスペンド
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靴放り 夏を迎えに 行く君の 素足の先に 故郷の海
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切りつめて また切りつめて 切りつめて 三回転めの 麦茶入れ
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憐憫の 情が立つれば 自己矛盾 報復のトリガー 我に生まれし
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恨めしい ムズムズ脚の 血管のなか 誰かいるなら せめて理由(わけ)でも
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AIに 花の名尋ねる 味気なさ それでも最後は ありがとうって打っちゃう
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紙端で カミソリのように ゆびを切り そっと見つめる なんの罰かと
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多様性 やさしい言葉が 真綿のように 息苦しさの 人それぞれ
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