しらすごはん
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もう君を 思い出せない 固まって ふたの取れない 絵の具のように
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人はみな 人それぞれの その先に 誰も回さぬ 中華テーブル
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人はみな 人それぞれと 線引きし やさしい部屋の 窓は閉められ
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腕組みと スマホを見るのを やめてみて LINEのともだち 3人増えた
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公園の 昭和生まれの タコたちが 平成令和と 役目を終えて
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新しい 歯ブラシおろし 月初め 幾日ぶりかの 晴れを見上げる
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からまった イヤホンほどく 指さきの あの声までの ルーティンワーク
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言いかけて やめたふりして やっぱ言う 織り込み済みの いつものカード
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CMの 月見バーガー 受け流し この夏最後の サンダルを履く
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ひかる石三分後には抱いて寝る深海の底僕は知らない
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食堂で 魚をきれいに 食べるひと 自分の好きな 僕になっていく
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秋梅雨に 湿ったシャツに 袖通し 週間天気に 太陽さがす
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物理的 泳ぎきれない 向こう岸 アルベルトさん 教えておくれ
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玄関の 溢れる靴を 踏み分けて 8ヶ月分の ギュウギュウギュウ
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「いつ帰る」 今来た子らに まずは聞く 過ぎゆく夏は 瞬きの中
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帰り道 わざと間違え 遠回り ふたり並んで 自転車を押す
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公園の 広場をまっすぐ 突っ切れば シャワーの水音 蝉の聲
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張り付いた Tシャツの袖 捲り上げ 今年の夏は あの夏の日に
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酷暑日の 陽炎のなか 前を行く 日傘男子の 背中を追って
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なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
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台どこの 窓の向こうに 夕顔が 一夜限りも 夜空に咲いて
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ひなどりが 夏の夕暮れ 駐輪場で ペトリコールに 追い立てられて
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ペン先が 乾いたわたしの ボールペン まっくろくろすけ ぐるぐる湧いた
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行けるかな 点滅し出した 信号に 小走りになる らしくない俺
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階段を 上る足音 聞いたなら 1分先の 未来が見える
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引き継ぎの 挨拶に来た 足元に おろしたての靴 眩しく光り
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返信は いらないなんて またしても 言葉が裏抜け 逆さに読んで
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庭先で アイスの棒の 墓標に 娘と手向ける タンポポの束
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紫陽花の 雨もそんなに 悪くない 今さえ過ぎれば また夏が来る
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頼りなく 待てど暮らせど 便りなく 悪い予感の 累進課税
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