しらすごはん
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軍人の 苔むす墓碑に 樒(しきみ)の葉 手向けるひとも 今は無きかな
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デニッシュの 画像を見せる 君の手に バンドエイドを ようやく見つけ
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スイーツの 画像を見せる 君の手が 一瞬ふれる 夏のはじまり
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歌のよう 暮らしていこう たおやかに 息するように 詠んでいこう
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先んじて 路傍の花に 揺られれば 自ずと浮かぶ 三十一文字
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「戦争を 知らない子供たち」のまま 「ハナミズキ」咲け 100年先も
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戦争を 知らない子ども たちのまま これから先も 100年先も
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Reutersを 読んだスマホを 下に向け 紐の解けた 靴を照らして
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闇の夜 Reutersを見て スマホ閉じ 腰を屈めて 靴を揃える
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星の夜 地上に生まれし 織り姫は 金銀砂子 まぶたに光る
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星の夜 地上に生まれし 織り姫は 浴衣にスポサン キラキラ光る
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木バサミも 届かぬ枝の その先に 深紫(こきむらさき)の プラムと空と
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7月の 寝坊したかと 跳ね起きる 空一面の マリーゴールド
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真夏日の 道に倒れし 老媼(ろうおう)は 路傍のひとの 腕に抱かれて
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あのひとに 読まれたくない 聞かせたい 寄るべなき夜を 歌に映して
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一日の わざなしおえた 港湾に 海を見つめる 茜のキリン
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星の夜 姿見になる 店の前 浴衣のおりひめ 前髪直す
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ポケットに ジグソーパズルの ピースがひとつ 次の夏まで 覚えてるかな
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卒寿過ぎ 暑い寒いも 難しい 母に代わって エアコンを入れ
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ほんとうは 短歌が好きと いうよりも 短歌を詠める 人に憧れ
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卒寿過ぎ 暑い寒いも 難しい エアコンという 名の命綱
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台風は 迷走しては 西へと帰り トリケラトプスは 風呂場に残る
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繰り返し 機能で入れた 教室日 100年後まで 続いていたよ
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星の夜 おもひおもひの 願いかけ サラサラ流るる 筆ペンのさき
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昼時に つるつる食べる そうめんを 茹でる火の前 スマトラ火山
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赤液の 目盛りが足りなく なりそうな 日差しの中の 噴水の子ら
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今生の 別れのごとく しがみつく 吾子も幾年 人の親へと
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凄いねと 褒められてもね さみしくて 宛名違いの 葉書が届く
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ソファのうえ スズメが朝を 呼んだなら 連続してる 今日が始まる
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丘の上 罪なき子らの 亡き骸に チウネの子らよ 我を重ねよ
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