しらすごはん
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やわらかな 菜の花畑 に腰掛けたなら 地層のような 喧嘩をしよう
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この道で 毎日見ていた はずなのに 思い出せない 更地になる前
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ゆびきりの 白い小指に ふれもみで ほぞを噛む夜 幾日数え
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約束の 細い小指に ふれもみで デッドエンドの その先を見る
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ゆびきりの となりの指が 刺さっても 足取り重い 別々の帰路
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お互いに 相思相愛 知りながら 無意味に帰る 別々のドア
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また来ます またとは何時か ふわふわと 予定に書けない 予定が増える
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また来ます または何時かと 訝しむ 吾の脳内は いまだアオハル
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真夜中に ふたりの小指 絡めたら 針を飲むのは どちらだろうか
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ゆびきりを 求めるキミの 白い指 触れたら二度と 戻れない夜
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お互いの 生まれた時代を 掛け違え それぞれの家 帰る足取り
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両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
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この街に 何年ぶりかの 雪が降り 小5の僕が スマホを翳す
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口紅も 着けない君の 佇まい どこかに忘れた 裸のココロ
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奥さんと 冷戦中の 日曜に 空から雪の 仲介者
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カサついた くちびるから出る 言の葉よ 日が変わるまで 止まないように
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「ですね」から 「だよね」になった 瞬間も 気付かないふり 気付かれぬよう
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新しい メガネをかけて 出かけた日 気付いてくれる 友の一声
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カサついた くちびる見つめ 今夜だけ 映画のような 君を信じる
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テーブルの 向こうに座る カサついた くちびるの君 プラネタリウム
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受話器越し 短歌を詠んでいる キミの聲 この瞬間も 短歌のなかに
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たった今 Bluetoothで ペアリング 去年の記憶を 君が再生
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忘れてた 言葉をキミが レンチンし 去年の夏が 今夜のごはん
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玄関を 他所行きの靴が 埋め尽くし 茶の間の温度が 2℃上がる
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ベランダで スマホを空に 向けながら 平安の夜と 同じ月見る
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三度目の 金木犀が 香っても 下書きのまま フォルダの中
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秋が来て 金木犀が 香っても 削除できない 偽名のファイル
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夏休み 強者どもが 夢のあと ソファの下に トリケラトプス
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桃の香が ページをめくる 7月の 僕の歳時記 夏が来たなと
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水たまりに 映るふたりの 頼りない 白スニいまは もう捨てたかな
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