Utakata
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自由律を極めたい
砂時計からさらさら音がしているのを聴きじっと思考を止める
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苦しいと書けば苦しい、苦いと書けば苦い、苦と書けば苦
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預言者のような眼力を持つ老人が太陽を睨んで殺そうとしている
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お前は誰に祈っているんだ神などいないと嘯いていたじゃないか
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坂道が複雑に交差する街を歩いている内に道を見失った不安の切実さ
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古書店のすえた匂いに包まれて哲学書を読む一時の至福
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砂の中に沈んでいく自分を救い出せるのは凛々しい矜持
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図書館の蔵書に幻惑されながらペルシアの詩集を探す休日の午後
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神西清のチェーホフの訳の美しさ詩情の豊かさを誰かに伝えたい
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小雨烟り宇宙の存在に思いを馳せる深夜一時鉄のような黒い夜
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腕に抱えた子供の存在の重さに励まされる日々の連なり
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苦しみという概念を知らぬ最上の幸福苦しまないで莫迦になりたい
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生かされているという感覚はまた生きるという根拠になり得る
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活きのいい鰻を捌く料理人の太い腕八月の空
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生きるのは誰か他人が生きると思っているんだろうお前は
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