Utakata
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B型人間
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最近思うことがあって定形歌を詠むようになり、Utakataも再開することにしました。よろしくお願いします。
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濁世の怒りひがみにとり憑かれ般若となりぬ愛し我が妻
9
俗物が歳をとりたり恥もせず餓鬼らに叩かる河原のすすき
4
一面に敷き詰められたる大理石縞の流れをざっと横切り
7
真夜中の孤独の中に沈潜す心臓いよよしっかと脈打つ
8
境内の空気は薄し潜まりて弥勒菩薩のわずかな微笑
13
哀しいかそんなにお前が哀しいか 動いてて居よ じっとして居よ
4
あてどなく夜を彷徨よい柏尾川水の流れをじっと聞きとる
12
朝ぼらけ社をまもる狛犬が左右から問うお前は誰か
5
燗冷まし手相を眺むつくづくと運命線は太く延びたり
5
梅を見つ花匂やかに咲きいたる見事なるかなその身繕い
9
人生に不要な諧謔を排した静謐で恩寵のような歌をうたう
5
苦しみとふ概念を知らぬ愚かもの苦しまずして莫迦になりたし
5
蜃気楼上に屹立するバベルの塔を想像する脳髄か
4
今日は今日明日は明日ポジティブに生きよと君は簡単に言う
7
生きているという実感が湧かない生の苦役いつか爆発する風船玉
4
迸る雨にやられて濡れ鼠圧倒的なる孤独感かな
5
時にふと昔のことを思い出すあれはあれにてあれ以外なし
5
赤光に影伸びたりて夕餉どき宛先のない荷物となりぬ
9
風に舞う一枚の葉の身の軽さ翻弄さるるは生まれあわせか
7
ちらちらと真白き星に胸圧されつつ息を吐きたり十五歳
6
顔のない男と女絡まりて二度とは逢わず朝の喧騒
5
古書店のすえた匂いの垂れこめて奇術の本を買い求めたり
8
砂の中すべも無くして埋もれゆきおろおろ覚める汗ぐっしょりと
7
春雷のとどろき聞こえ床の中のたりのたりと寝返りをうつ
8
異国にて誰にも知られぬ花を見て誰にも書けぬ詩を書いており
6
砂時計からさらさら音がしているのを聴きじっと思考を止める
5
苦しいと書けば苦しい、苦いと書けば苦い、苦と書けば苦
5
預言者のような眼力を持つ老人が太陽を睨んで殺そうとしている
3
お前は誰に祈っているんだ神などいないと嘯いていたじゃないか
7
坂道が複雑に交差する街を歩いている内に道を見失った不安の切実さ
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