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切なさを抱えて入った店内に流れてきたJUJUああもうやめて
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「微かに」が良いのだと知る散歩道 金木犀のシャワー浴びつつ
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歳重ね別れが身に沁む吾がいて別れに慣れゆく吾もまたおり
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秋眠も暁覚えぬこの頃は夜長を楽しむことも夢なり
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待ち侘びた秋到来に感じるはメロスと同じくらいの嬉しさ
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あの店のこのパン一個で表せる小さく大きな今日のしあわせ
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残り火の尽きる日迫る歳生きる母の怖さは想像に難く
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万博ロスうつむく人達にイレブンがそっと差し出す歴史的勝利
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最初のころ嫌ってごめんねミャクミャクに愛が着くってこういうことだね
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どこからが空か海かもわからない大きな碧から生まれて還る
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お馴染みのドラッグストアとコンビニでどの街も皆同じ顔になり
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情報は得られるけれどスマホでは野菜もゴミも包めやしない
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充電がすぐ切れ反応遅くなり機種変したくもできぬ我が身は
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箪笥の角通りがかりの一瞬に打った小指に死も覚悟する
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カップ麺腹の底まで沁み渡る情けなくって嬉しいこんな夜
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同窓会散り際またねと手を振ればふと吹き抜ける放課後の風
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みずいろのペディキュア剥がして夏が逝き静かに震える残された指
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ぬるい湯に全身ほどけて溶け出しぬ今日一日の心の痛みも
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陽にあたり風に吹かれる心地よさ これだけでいい生きるしあわせ
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