Utakata
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紅玉
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病院の眠れぬ夜に、ここにたどりつきました。どれだけ救われたことか…感謝しています。
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どうしたら想いは
短歌
(
うた
)
に届くのか消化不良の心と短歌と
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雨の日は大根日和コトコトと雨色飴色じっくり待って
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花桃が笑い出したら春休み下校のリュックに花びらひとつ
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捨てられぬ物も想いもあふれすぎ部屋が心がゆらゆら揺れる
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ぶきっちょで上手くできずにべそかいた白詰草の乙女の
冠
(
ティアラ
)
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春の野は思い出たどる宝箱れんげ畑で日がな一日
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「姉ちゃんは…」と六十過ぎの弟に意見しているふるさとの午後
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咲きそめし桜かわいや咲き誇り散りゆくまでの時の儚さ
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母さんの好きな花だね山桜ここならきっときれいに見える
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山肌が淡いピンクに染まるのももうすぐだよとお墓に話す
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山せまり川が流れてふるさとの駅はもうじき二時間の旅
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標準語しゃべる男の声だけがローカル列車の旅をじゃまする
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寒もどりふくらみかけの桃一輪ぎゅっとまぶたを閉じて待つ春
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守られていた頃思い出したくて自分のための絵本を選ぶ
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言葉には力があるというのなら友に届ける言葉がほしい
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「あきらめず頑張ります」と言う友にわたしの言葉は空回りする
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「寂しさの終てなむ国」など無かったと今なら言えるそれもさびしい
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木蓮がゆうらり揺れて思い出すこの花こわいと言ってたひとを
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彼岸前もう満開の木蓮が手持ちぶさたに風にゆらゆら
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遅くまで鳴き交わしてた鴨たちも飛び立ったらし川はのどかに
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戦前の空気を知らぬわれなれど「強い日本」に感じる不安
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初鳴きの鶯の声つたなくて梅も笑って花びら散らす
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大根が頭を切られニョキニョキと春の畑のなまめかしさよ
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花落ちてなおもあとひく椿かな紅溜まり心騒がす
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はげましの言葉はどれも空しくて何も言えずに並んですわる
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花粉など知らずに春の中にいたれんげ畑のわれが懐かし
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きらきらの波間に鴨は揺れながらそろそろ帰る相談してる
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いつの間にわれを気遣う年になり孫は手をふり家を出てゆく
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「もういい」と夫のことば遮りて目の前の河みないふりする
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この怒り湯ぶねに流せるはずもなく夜空見上げて怒鳴ってみたし
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