紅玉
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病院の眠れぬ夜に、ここにたどりつきました。どれだけ救われたことか…感謝しています。

病み上がりなれば訪う人もなし正月だけが静かに来てた
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目覚めれば世界が変わるわけもなしそれでもどうぞ平和で平和で
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「おふくろの味に似てきた」もしかして褒め言葉だと思ってますか
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今朝はもう初日となりて輝けりすごいねわれも負けてられない
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もう少しあと少しだけ光ってて 今年最後の夕日が沈む
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「お正月どこから来るの?」母さんは黒豆吹いて笑ってたっけ  
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病室の繭から出れば年の瀬のまちはわれをも主婦にもどしぬ
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散らかって調和のとれぬ中に居て落ち着けるのが我が家と知りぬ
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もう一度食べたいものは母さんの生姜の利いた大きなういろう
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母さんをやめたい日には缶ビール一本買って星と話そう
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今頃は父はごきげんコップ酒 母はふきげん?お煮しめ煮てた
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幸せは看護師の手の温かさ眠れね夜も痛みの朝も
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のみこんだことばの欠片?のどのおく癌かもしれぬ石ころひとつ
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白と赤、ピンクは六つにぎやかに薬が喉を落ちてゆきます
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年の瀬の気配とどかぬ病室で正月準備考えており
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飲みこんだ言葉がきりり鳴いている喉の奥から胸の中から
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フライパン振り上げたい日もあったのに面会人はやさしく笑う
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オペ室のライト点くとこ見たかった全身麻酔夢すら見ない
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病室の私そんなにまぶしいですか?先に死んだりしないよきっと
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「母さんがまちがってたよ、だいじょうぶ」言ってやりたい十五の君に
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めくります古いページはもうめくる黒豆ゴマメあたりめ焼いて
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あの窓もこっちの窓もほの明かり眠れない人この指とまれ
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病室の四角い空に三日月がやさしすぎるよ何とかしてよ
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白い壁白い布団でみる夢は退院したら髪を染めよう
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子どもにはウソをついてはいけないけれどホラならいくら吹いてもいいの
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壁に穴母の眉間に皺ふたつ少年たちは大人になりぬ
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眠れずに二時間いいえ三時間白い病室繭にはなれぬ
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病室の壁があまりに白すぎて何かぶつけてやりたい夜更け
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病室の窓たたく音もしかしてピーターパンなら行くかもわたし
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