美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

低速度エスカレーター降りてくる街が私を泳がせている
16
君と似た横顔瞬時目に入りハッとさせられ騒擾のカフェ
13
メルヘンの響きがありて夢という人の一生喩える言葉
8
相貌が等しく見えて私にはやがて彼等は揶揄しはじめた
6
何らかの責務が自分にあるような錯覚捨てて可燃ゴミ出す
13
グループを去ったあの子の夢を見る君は独りで旅に出たのか
7
埒もない雑談街に溢れおりそれに耐えるが詮無き務め
7
新調すアウトレットのお財布にイカすセンスの猫ちゃん並ぶ
9
ソロ活が大変過ぎて今のとこ推し活してるどころじゃないの
12
ここからをどうしていけばいいんです?神さま私疲れやすいの
10
澄んでいく泥にまみれるごとにまた愛は私のものでなくなる
12
自己満たすものを自分の外側に求めに行けば虚しいだけよ
8
二十年闘った街懐かしき冬の初めの陽射し優しく
17
スマホだけ自己も世界も見ない人女性専用車両の景色
12
懐かしい溶け込めてない立ち位置が四十年が経ってますから
10
逢いに来て優しい波があんなにもきらめいている理由知ったら
13
冬の夢私彷徨う意味を問う君への愛が答えを明かす
14
この扉僕たちだけが抜けられる鍵君だけに預けたからね
11
あの日なら真っ直ぐ海を見つめてた君を守れる私を知った
14
言葉にはならぬものだけ堆積し語り忘れて久しきわが身
10
僕たちは何でもあって何もないそんな世界を漂流してる
14
作られたものは決して僕たちを幸せになどしない目隠し
14
このまんまここで寝かせてもらいたい家は要らないそれじゃ駄目です?
13
ド緊張1年ぶりのヘアサロンしかも初めてどんな姉さん?
12
虐殺や侵略続く空の上くっきり架かる一筋の虹
19
ヤマボウシ隠れてないで出てらっしゃい光の方へ赤い実寄せて
13
貯蔵庫に愛や優しさしまい込み素知らぬ顔でこの世こらえて
13
新しい私にバトン渡したのどこか知れない星の彼方で
15
闇覆う世界に機嫌損なって豆乳鍋をグツグツ煮込む
14
事情あり理由秘密もまたあって裏のそのまだ奥もある
10