美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

虚実あり幻と見る営みに今日分かれゆく死者と生者に
10
傷心も気丈に受けて可憐なる杵築のさいのきみ遥かなり
15
機械音不気味に響きつながれた看護師さんの手慈母の安心
15
一匙ひとさじのココアクリームすくい上げ死と同じほど生は空無だ
13
灰色の景色はすべて後方へ記憶ばかりが心かすめて
15
開かれた夢に背を向け頑是なくそうした道を歩き続けた
12
厳粛な空をひとたびまみえれば波動下げても明日あすに額づく
12
麗しき黄金の光すすき揺れそこにいたはずきみとぼくとは
10
小雨降るなかをはじめて撮りにいく難恥多きMRI
8
風色の妖精ならば迷わずに私をどうぞ連れて行ってね
13
高齢というには早くかといって若くはないと微妙年代
12
本当にあなたがいたら期待せず歩道に座り雲を見上げる
8
面影はあの子の勇姿浮かび来て死者と生者を分ける不思議を
14
もうあまり時間がないねそうだよね川面見つめる天使と妖精
13
鍵型に指を掲げて花びらを愛でる少女の姿麗し
13
容れられぬ生もまた良し容れられぬ生を静かに生きおるきみに
12
人生の不参加組と肩揃えぼくときみとが歩き出す夢
11
天使無き翼無き身で忍苦するきみは無事にて過ごしてますか
17
春の日の陽光浴びて歩廊ゆくあたかも大事あるが如くに
16
常夜灯ともして休む就寝時今日の私を捨てておやすみ
16
潮騒も海風さえも口揃えささやくきみはただ一人だよ
7
悲ばかりを抱きしめ走るこの道も宇宙そらから見れば幸福の道
14
あの道の最果てまでも行き着けばこの世で逢えぬきみに駆け寄る
10
一日を生きた奇跡よため息と懊悩だけも良しとするから
15
怖くなる呪詛と可憐の混淆があなたの歌は魔術みたいね
12
恥知らずこんなに何もしないまま生きて帰るのすまし顔して
9
あきらめのうちに屈して行き帰る私を見てた燃える陽だけが
16
余時間を刻一刻と失いしわれ無様でも刹那抱きしめ
17
見苦しく下手な生き方もうそばに誰もおらずに老いと向き合う
20
さよならの切符はそっと買ってあるどこに行こうと私は知らない
19