美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

神を説く青年思い冷凍の讃岐うどんを小さくすする
10
生きるのが下手すぎるから尚更に海風みたく私はなった
11
ひとしきり泣き濡れたなら手をとって行こう私と闇の中でも
11
守られた形見ひとつを寄る辺とし無人の傾斜降りゆきなさい
12
あなたには記憶に失せた言葉でも今朝方私それで目覚めた
14
毎日のひとつひとつに至らない私がそっとサヨナラしてる
11
雄々しさはあらゆる意味のマイナスを抱えて生きる独りの姿
13
衰退も悲哀落胆憤懣もしあわせの道しあわせな道
9
レジ袋下げて階段上がるとき強いて自分を勇者に見立て
16
稀にある言葉少なの挨拶は他人寄り棲む鉄骨の檻
11
一刹那止まりもしない光陰は淋しさなんて容赦はしない
12
奥さんと初めて人に言われては十月十日が奥さん記念日(笑)
17
アンニュイなジャズが相応し光なくただ開けるを待つ冬の扉を
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またしてもネッ友一人癌告知神よ神よと空を見仰ぐ
17
不細工に生きた痕跡十年後変哲もなし車道騒がし
12
たっぷりの粥に揚げパン肉団子贅沢逸品食べ応えあり
14
カート押し命をつなぐ列をなし世界よ決して破滅しないで
17
永遠の距離があるから話せるのあなたの中に私いるのよ
14
シャッター街自転車おりて押し歩く淋しさならば知り抜いてるわ
17
何もない世界をハンデ持ちサヴァイヴするの稀代の君で
10
お決まりのループを描く他人ひと模様私に事が起こらぬように
14
「愛」という一文字書いて瓶に入れ海に投下し遥けき君よ
14
どれほどの尻切れとんぼ重ねたら生を実感出来たのかしら
11
世間さまあなたは神でないでしょう真っ逆さまな私と時勢
14
シトラスのオレンジティーを喫してる不調の波を意識しながら
15
もう死語か朴訥可憐なリリシズム出回るものにため息ばかり
10
問う者も応える者も絶えはててセミセルフレジ小銭を掬う
14
慎ましく食器まとめて合掌し店を出て行く青年眩し
19
借家には半数以上の高齢者如何なる暮らしか私知らずに
12
デパ地下をそぞろ歩いて目の保養母に後ろ手繋がれないで
10