美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

太陽は地上の営為ただ見つめ今日も毅然と輝き沈む
10
たそがれは赤むらさきの薄明かり空にのまれて私無になる
10
天秤にかけて測るの空眺め生きる虚しさ死ぬる淋しさ
10
大袈裟と肩を叩かれ振り返るあなたがフッと微苦笑する日
10
幻想と知る日が来てる陋巷の蝟集醜き只中に居て
6
曇天のそれは正しい道である重なる雲が囁き動く  
8
まだ先へまだまだ先へ進むのが終わりと投げた絶望の常
9
東西を矢弾のように往き来する人よりやはりあの空見上ぐ
8
ヒロインに仕立て上げたるわが様をこれで良しとすわが日日にちにち
12
抜けれないトンネルはなし暗闇を行くのよ不撓不屈のキミで
13
階段をおりる私の足音が今日の生死を分ける始まり
13
ここにただ沈黙だけが鎮座する人生ライフに非ず神秘に非ず
13
死のほうが幸福だから如何せんキミは勇気が出ないのでしょう
10
こんなにも歩み続けた嘆息が西日眩しくまた家路往く
12
ことさらに高声あげてひとり歌歌う少女の帰宅は愛し
13
真実ほんとうのこと言うならば悪いけど天が西から出かねないのよ
9
ただ閉ざし愚かが楽で逃げおおせ時代ときはいつでも過ぎゆき去った
10
疑いと無味乾燥の無情感愛を掻き消す自信ありげに
8
あの雲の動きは僕ら地球人ほしびとの末路を知悉してるのかしら
13
最果てのうだる晩夏の交差点父母思い自嘲苦笑す
12
ひと声もなき夏の日の落日のわが業定め顧みつつも
10
あと三月しかない命想いても愚かに自己を迷わすばかり
12
慎んで傷の歴史で感じるわ愛の形が無数あること
12
頬杖をついて終日何もせず葉揺れを見れば怖いものなし
14
立ち込める高湿度には降参を狂い回らん私の毒素
11
忙しさのなかの静止画免れぬ路石のように野花のように
8
まだ生きる意味は私のなかになくクーラーの音静かに唸る
15
ダメである前後左右にネット見て世界馳せてもダメである
9
暗すぎる喫茶店にて過ぎ去りし塵労思い肩落とすとき
11
彼女言う困ってしまう私こそどれほど世界に困ってきたか
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