美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

炎熱のもとで醜く硬くなり優しさ放射出来ていますか?
8
呆気なく苦しみ宗旨も何もなく死は厳粛さをも斥ける
10
現し世の最期の夕陽想定し駐輪場の去り際在りて
8
やがて死ぬ私と違いこの木々は何かのために連なっている
15
文字通り巷へ抛り出すぞとの亡父の言葉固く忘れず
16
散り散りと天使輪舞し月照らすシリアイエメンアフガニスタン
14
遠凪の銀にきらめく蜃気楼海はキミなど呼んではいない
21
あなたとの訣れは悲嘆などでなく永遠に見た苦の解放だった
19
何人なんぴともならぬ私の道行きを知ってか終の父の微笑み
12
うごめきを照らす光はただそこに在って光を照射するだけ
12
淋しさも虚しさもまた置き去りに酷暑の夏は去っていくのね
15
父母よ彼方の曙光漏れ光り続く緑の昏き荘厳
13
消えていいそう聞かせつつ蕭条の夕日暮れ染むスーパーへ行く
9
人生はこの雑踏をひとりゆくそんな気高な追物語ついものがたり
14
真実でなくなる前に愛という文字を胸からすぐ掻き消して
13
物言わぬ怯えを解し十四年キミを限った私を赦して
10
あの夏にゴールからまた立ち上がり歩き始めたキミを知ってる
13
穢すまい残り時間をはかりつつ神なる影の怖き示威知る
11
低木の滴る緑連なりて伸びゆくここが旅路の終わり
10
ジュンク堂3時間居て本買わず避暑長居してごめんなさいね
10
お母さんここにいますよ黄昏る国の涯の愚蒙の端に
11
虚しさを悟れることも相違なし大悟たらしむ歓喜も共に
12
工事音蝉しぐれとのハーモニー此処は無の園文月の過ぐ
12
母に手を引かれしころと同質の寂しさありて書店のフロアー
15
炎夏にもひたすら耐える気概持ち凛と静謐保ちていたい(宮沢賢治 雨ニモ負ケズへのオマージュとして)
12
沈黙を続け止まないアーティストファンの気持ちも汲んで欲しいわ
11
人間を思いのままに操れる巨影描ける夏雲の果て
13
窓外のソメイヨシノを見続ける炎暑の夏の午後のすべてを
11
この門の外に苦行し居続ける故に生起すもの確とあり
7
気づく母遠く娘に手を広げ駆け寄る娘愛の抱擁
12