美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

生まれたとき満面の笑みで喜んで祝福くれた若き二人
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うべなうのは生の認識と同じほど当たり前なそこにある死
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一番の哀しい場面それだけを星のはたてに携えてゆけ
13
いけないわ白はこれからいくらでもいくらでもまた汚れゆくもの
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ほろほろと高菜弁当泣きながら人は食さず生存できぬ
16
ラプンツェル行き来絶えないワンルームここがあなたのついの塔です
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飽きはてて尚且つ生きる夢うつつ愛のかけらを意識しながら
11
なー、もいいするん?も良くて気だるげな関西弁の彼女に安堵あんど
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草原そうげんできみとワルツを踊ったよ生きれない生からませながら
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生涯を不体裁なる境涯に身を屈しつつ耐え忍んだ
12
巨大なリボン雲と揺れてる地上のレジャーに見向きもされず
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懐かしき聖地巡礼無事済ませ独りの生を生きて悔いなし
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宗教のパンフを束ね差し出す手仏頂面の不機嫌ガール
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少年の聖歌とともに流したい娑婆の漂流いざさようなら
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約束よ春が来たなら身のすくむ寒波に向かう反古はないから
9
工場裏ママさんたちの自転車自転車自転車自転車
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ぼくらには及ばぬ力働きぬ知らずぶつかる 固有の悲劇
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庶民の街の向こうに落ちる紅い夕日私の偽り道連れに
9
嘘も弱さも脆かった?琥珀色の潮騒が浜を濡らすみたいに
7
あと3年そう決めたの何を?何が?いいえとくに意味はないの
13
むなしさの埋め合わせではないかしらその美辞麗句巧い優しさ
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本読めず映画も観れずテレビ無しさあて一体どうしたものか
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はじめてのややハスキーなきみの声心で軽くハイタッチ音
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格子戸を開けるだけの古茶房いかす風味のフレンチブレンド
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薔薇園でぼくの業苦を摘む人よ見えすぎている最期みたいに
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カフェの席我が家の如く悠然と裁縫される御婦人ありき
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六年の昔は要らずこんなにも幾種の薬キティちゃんポーチ
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朝方のあまりに酷いドライアイほろほろ泣きて朝パンかじ
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フワついた耳鳴りありて父母よ孤独な朝のゆるウォーキング
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小学校ってどこですかと小学校の真横で尋ねるわれ道化者
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