Utakata
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さくらもち
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家中に覚え書きやら注意書き貼り紙増えて吾子は憂ふる
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大切なあなたを送った去年とは違ってみえる七月七日
18
雨の中春の祭りは賑わいて今から始まる新しき
年度
(
とし
)
13
春来れば間違うことなく姫こぶし山吹つつじ咲き乱れる庭
9
入院で溢れるように短歌生まれ退院したらマジック消えた
17
手術経て
以前
(
まえ
)
より良くは欲張りで現状維持に感謝するべし
(
)
14
興味から鳶の視力を検索す人間ならば
8.0
(
はちてんぜろ
)
と
9
鶴の群れ飛び去る春の空たかく見送るように鳶は集ひぬ
15
五線譜のごとき夜明けの電線に
黄金
(
こがね
)
かかりて光りかがやく
13
鶴どもは風穏やかな
温
(
ぬ
)
くき日を選んで
出発
(
たつ
)
と義父の言葉が
8
先駆けの
小隊
(
たい
)
を率いて飛ぶ鶴のクォークォーきこえ春の到来
12
葉の落ちた木蓮の木に雀二羽枝をわたりて何か啄む
16
今日もまた
ウグイス
(
あのこ
)
は上手に啼いている元気でいてねありがとサヨナラ
12
世の中の様々なこと知らずとも人は生きられるベッドの上で
8
明日からは下界くらしに戻る吾一期一会の四階の空
11
鳶は飛ぶ両の翼を操りて気流にのって鳶は飛ぶ
10
山の端に黒雲長く横たわり狭きすき間に夕陽沈みぬ
15
さっきまで真っ直ぐ立っていたくせに春風うけて右に左に
11
木々たちは左右に揺れて腕のばし腰もまわして
一二三四
(
いちにいさんし
)
9
目の前の雑木林に住む鳥の飛ぶさま楽しここは四階
10
休めない!あの
女性
(
ひと
)
今夜も夜勤だわ看護・介護の給料上げて!
11
冬の陽のこぼれて白きノートには
短歌
(
うた
)
詠む吾のペンの影走る
11
今はまだ冬の眠りのその奥に隠してるんだ「山笑う」明日
11
早朝は鳥のさえずり賑やかで「ケケケ」混じりて水
温
(
ぬる
)
む春
14
麓より風に煽られし竹林は
頂
(
いただき
)
目ざす竜の背に見ゆ
14
おお!今日は上手に啼いてホーホケキョちゃんと聞こえた応援してるよ
16
嬰児
(
みどりご
)
は一年たちて子となりぬ 一歩踏みだし声たて笑ふ
17
雨の中「ホケホケ」と啼くウグイスの健気な姿目に浮かびたり
10
リハビリの部屋に集うは高齢者 寝たきり許さぬ現実ここに
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カモたちの 大群飛び来て空覆う「見て!見て!」と呼ぶ看護師さんを
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