Utakata
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さくらもち
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早春
(
はる
)
くれば アクのあるもの 口にして 毒を流した 昔の教え
12
朝五時の 暗闇の中 看護師は 静かにそっと
血液
(
ち
)
を採りていく
19
大人さえ 会釈の
習慣
(
ならい
)
忘れたが 幼き会釈に 心洗わる
19
会場に 朗々たる声 響きたる
吟
(
ぎん
)
じる
女
(
ひと
)
が 潔く見ゆ
8
下駄箱に 綺麗な草履 並びたる 初吟会の 心意気 見えん
7
新年は 災禍あいつぎ 声もなし 流るる涙 止まることなし
8
あでやかな 熟女五人の 初吟
会
(
え
)
心はなやぎ 年は明けたり
7
ミカンのね 甘い・酸っぱい わかるのよ 故郷はなれて 四十三年
13
好物の 「柿の葉ずし」の届きたる シンプルな味
故郷
(
ふるさと
)
の姉
19
推敲を 重ねぬ
短歌
(
うた
)
をたれ流す こんな私を どうか許して
11
膝痛い 私の元に 折り畳むアウトドアチェア アマゾンより届く
7
娘達 保冷バッグをパンパンに 根こそぎ詰めて 帰りゆく冬
13
研修に 追いまくられた 十一月 今日こそは 短歌投稿の日
10
梅干しに カビ生えさせた私には 「 要・再検」の 封筒ズラリ
11
昔からの 言い伝えあり 梅干しに カビ生える年は 用心を
7
寒さ増し 毛糸のぼうし ボアシーツ マフラー カイロ 冬の備え
〇
(
マル
)
7
捨てきれぬ
姑
(
はは
)
の毛糸の スカートを はく
年齢
(
とし
)
になる 時は巡りて
17
健気かな 季節違えて 咲く花の 風にふるると 揺れているさま
15
明日の朝 晴れていてくれ 頼むから 地区リサイクル 当番前夜
9
紅葉する モミジを植えたはずだった 寒暖差なく 紅くならない
13
学校に 送ってほしいの 頼みごと やっと言えたね 朝の見守り
15
新しき 朝ドラもまた 面白い 楽しみながら ヒロインに会う
5
文化展 パッチワークを 初出品 ちょっとうれしい 「搬入」という言葉
14
我が子
達
(
ら
)
を 順に届ける 朝の母 アイドル並みの 働く母たち
14
車停め ぼうしをポンで走り去る 次の停車は保育園
8
外国の 若者たちが支えてる
雑節
(
ざつぶし
)
生産 日本一
6
この町の 主要な産業 支えてる 異国の人は 素直で謙虚
15
Googleを 開けば何でも学ばれる 学び続ける心があれば
8
華やかな 祭りの写真の 真ん中に 亡き人の 元気な姿見つけて泣けり
11
秋の日の 小さな町の文化展 並ぶ作品
児達
(
こら
)
の顔浮かぶ
10
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