さくらもち
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投稿数
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子達こらが来て子達こらが帰りて座りこむ財布体力立ち上がれない
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こだわりの強い子達は集まりて折り合いつけて過ごす四時間
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プチプチとシュワシュワシュワが溶けだして耳にもうれしささやかな日々
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トランプの勝ち負けめぐり大笑い子ども食堂夏の一日
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引きこもる子らの道すじ照らすかな握りしめたるスマホの光
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家中に覚え書きやら注意書き貼り紙増えて吾子は憂ふる
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大切なあなたを送った去年とは違ってみえる七月七日
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雨の中春の祭りは賑わいて今から始まる新しき年度とし
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春来れば間違うことなく姫こぶし山吹つつじ咲き乱れる庭
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入院で溢れるように短歌生まれ退院したらマジック消えた
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手術経て以前まえより良くは欲張りで現状維持に感謝するべし
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興味から鳶の視力を検索す人間ならば8.0はちてんぜろ
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鶴の群れ飛び去る春の空たかく見送るように鳶は集ひぬ
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五線譜のごとき夜明けの電線に黄金こがねかかりて光りかがやく
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鶴どもは風穏やかなくき日を選んで出発たつと義父の言葉が
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先駆けの小隊たいを率いて飛ぶ鶴のクォークォーきこえ春の到来
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葉の落ちた木蓮の木に雀二羽枝をわたりて何か啄む
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今日もまたウグイスあのこは上手に啼いている元気でいてねありがとサヨナラ
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世の中の様々なこと知らずとも人は生きられるベッドの上で
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明日からは下界くらしに戻る吾一期一会の四階の空
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鳶は飛ぶ両の翼を操りて気流にのって鳶は飛ぶ
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山の端に黒雲長く横たわり狭きすき間に夕陽沈みぬ
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さっきまで真っ直ぐ立っていたくせに春風うけて右に左に
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木々たちは左右に揺れて腕のばし腰もまわして一二三四いちにいさんし
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目の前の雑木林に住む鳥の飛ぶさま楽しここは四階
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休めない!あの女性ひと今夜も夜勤だわ看護・介護の給料上げて!
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冬の陽のこぼれて白きノートには短歌うた詠む吾のペンの影走る
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今はまだ冬の眠りのその奥に隠してるんだ「山笑う」明日
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早朝は鳥のさえずり賑やかで「ケケケ」混じりて水ぬるむ春
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麓より風に煽られし竹林はいただき目ざす竜の背に見ゆ
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