さくらもち
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投稿数
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スティックを 背中に差して 足早に つどふ あの人 八十六さい
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朝早く 隣の市まで 遠征す スティック持ちて ユニフォーム着て
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スッキリと いさぎよさげで 美男子で 秋草抱えて 野に座す君 よ
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図書館で 短歌の本を 借りてきた ちょっと憧れ 文語体の短歌うた
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お彼岸に お墓参りのはしごして あの世の席取り こっそり頼む
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面白きは 橋の欄干 トンビいて 目線同じで 互いにガン見
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見る人を 楽しませんと 彼岸花 紅白紅白あかしろあかしろ お祝いみたいな
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針と糸 初めて持つ子 多くあり 運針うんしんという言葉 死語になれり
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家庭科に 子どもの実態 見て取れり 逆さに針持ち 糸を通した
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ガラス戸に 家守ヤモリの腹の映る夏 羽虫はむしを糧に 大きく育つ
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嬉しきは ハンドルネームしか知らぬ 短歌うたうしろにあなたが見えて
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敬老の 祝いの品を 配りゆく コロナまた増え 式典中止
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可愛い 硬直はじまり 号泣す 夫穴掘る 畑の隅に
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老眼で 手はブルブルで ひざいたで それでも行きたい ボランティア
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風流で やがてうるさき 虫の声 わりと近いな ずいぶん近い
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この花は 枝垂しだれを楽しむ花なのよ 丸く刈りこむ 夫といさか
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石垣の 闇に 命は繋がれて リーンリーンと エコーする秋
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腕をふり しめという文字 宙に書く 思考のループ 終わらせたくて
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切なきは ガンの進行 告げる人 心の荒み 受けとめきれず
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初心者の 私の短歌うたに 「いいね」をくれる 顔も知らない あなたに感謝
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足どりに 「一人で行ける」 自信見せ 子どもの成長 夏が見送る
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「ひとりで行く」 祖母との約束 背負いつつ 黄色い帽子は 歩道をわたる
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古き家 バッタもいるよ 蜘蛛もいた 蛾もあらわれて 昆虫むしを捕る夜
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虫かごに セミのぬけ殻 ダンゴムシ カブトも入り シェアするのは無理
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3歳児 使う言葉のおもしろさ 夏のヒットは おとうさまバッタ
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雨つづき テレビに映る被災地に 胸ふさがれてチャンネルかえる
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