Utakata
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飛井衣奴
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毎年のように上回るのは味とかだけでいいんだよなあ夏
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雨風が散り際すらも連れ去って残された葉と花の骨組み
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天をつく梢めがけて花昇り白梅の咲く枝黒々と
8
降り積もる白の底が重くて重くて積もる積もる積もる積もる
3
晴れの日に照らされ続けとけ消えて日が暮れてなお盛り上がる土
4
風の刺し霜光る朝到来がおもしろいほどわかりやすくて
5
ともだちと遊び終わって帰路に着くときがいつまでもこなければな
8
雨上がり足音チャチャチャ肉球の小花柄咲くさんぽの軌跡
12
やっときた涼しさに身をゆだねつつ一時的かも雲うたがわし
8
のびのびと残り続けるこの暑さ終わり祈れどいつまでも夏
7
誰だっていてほしくない地獄にはそうすると誰もいなくなる世
2
ちょんちょんと若い緑が跳ねるのを踏まないようにゆっくり歩く
8
隙間から玄関先の音聞いて祈る動くなそこにいる蝉
8
日のつぶて弾いてかえすかさの背のふくらみいつか空へ飛ぶかも
8
暑くても涼しくしても体力を奪っていくサマースパイラル
5
高熱の体温よりも室温が高くなるにはまだはやかろう
8
梅雨入りのしらせを聞いて雨足の覚束なさにいくら進むか
2
ずっと前から咲き続けている花春をこえ夏すらもこえるか
4
畝の溝ねこのあしあと蜘蛛の糸さくら集め大会開催
6
気がつけば到着予定時刻過ぎ春眠アラームを覚えず、と
7
日を透かし煙る畑の吐息もれ宙にとけゆく朝靄ふかし
7
花の
香
(
か
)
の天照る風に思い馳せおにぎりからあげたまごだんご
8
床に落つ窓からもれた陽だまりをやっときたかと目ですくいあげ
10
梅の舞う春一番は吹いていた雪どけ水の海にくだけて
8
雨上がり今か今かとまちわびてならぶ水仙のくちばしたち
15
もう春かいややはりまだわからないどうせするのだ後ろ歩きを
7
さるびあの意思もてゆくは海のみち二十ノットで友らを祝し
4
水面
(
みなも
)
なでゆらぎとどめる
薄氷
(
うすごおり
)
奥の魚を追う鳥目たち
14
これを読むきみの前にはいないかもそれでもいるよいつもどこでも
8
日のひかり浴びてきらきら光る霜イルミネーションなんかいらない
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