Utakata
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飛井衣奴
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ひと月をワープしちゃったぼくもだよ急に冷え冷え吹く風見やり
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秋口に声を響かせひとりだけ寝過ごしたのかツクツクボウシ
7
まだ夏よ上から蝉の声ひびき下から鈴虫鳴くまだ夏
9
次々とひっきりなしに追いかけるツクツクボウシこれが輪唱
7
早々と七日を終えてこんがりと揚がった腹に
集
(
たか
)
る蟻たち
9
暑すぎて項垂れている向日葵の焦がれる日は地の照り返しか
6
熱帯夜寝返りうちてまたうちてまんじりともせず
疾
(
と
)
く寝たいや
5
軽々とぼくの歩みを追い越して風とともに去る花々の
香
(
か
)
6
もう真夏そうだと言ってほしいよなでもまだ降らぬせみしぐれたち
8
町中でもうすぐ夏と便り受けここまで届くプールのにおい
6
友だちの作ったごはんいただいてダチん
家
(
ち
)
の味がしておいしい
5
ねこちゃんにふみふみされて着てた服ふわふわ色へ染められてにこ
4
風の吹く波立つ雨後の木の下でひろがる春の海こぢんまり
9
唐突に駆け寄ってきた春さんの瞬間速度夏並みの汗
6
もう春はあちらこちらに見るけれどまだもう少し踏み切れないね
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出汁しみてほかほかの夜じんわりとからだじゅうおでんになっちゃうね
6
練り物もお肉も米も粉物もお腹にたまってえらいねえ
4
白色のはんぺんなんかしゅわしゅわで何枚だって飲めちゃうねこりゃ
6
雨上がり黒く滲んだ道道に白く
描
(
えが
)
いた水玉模様
3
トタン屋根それは海への導き手ひと足先につもる白波
5
ふた毛玉ひとり占めして寝ごと聞く三びきはいる布団ひと組
9
足の
間
(
ま
)
にぬくいかたまり猫たんぽ挟んで眠るダチん
家
(
ち
)
の夜
8
ダチん
家
(
ち
)
の猫を連れては帰られぬだから少しの毛を服に連れ
6
こうばしいまつぼっくりの味がする美味しいケーキキャラメルナッツ
6
地面から煙がのぼるせめて消せそも捨てるなよポイとタバコを
6
あまりにもはやく過ぎ去る気がつけば押し流される年の瀬に乗り
5
口まわり乾いた風で
粉
(
こ
)
吹き芋ふかす季節かペクチンと鳴く
3
紅葉ですみたいな顔で落ちているペットボトルの赤キャップたち
6
夏冬に押し挟まれて所在なきちいさいきみを見つけにいこう
11
絶対にいつか絶対行くからなまだ見ぬ猫のいるダチん
家
(
ち
)
へ
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