飛井衣奴
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ずっと前から咲き続けている花春をこえ夏すらもこえるか
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畝の溝ねこのあしあと蜘蛛の糸さくら集め大会開催
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気がつけば到着予定時刻過ぎ春眠アラームを覚えず、と
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日を透かし煙る畑の吐息もれ宙にとけゆく朝靄ふかし
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花のの天照る風に思い馳せおにぎりからあげたまごだんご
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床に落つ窓からもれた陽だまりをやっときたかと目ですくいあげ
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梅の舞う春一番は吹いていた雪どけ水の海にくだけて
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雨上がり今か今かとまちわびてならぶ水仙のくちばしたち
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もう春かいややはりまだわからないどうせするのだ後ろ歩きを
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さるびあの意思もてゆくは海のみち二十ノットで友らを祝し
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水面みなもなでゆらぎとどめる薄氷うすごおり奥の魚を追う鳥目たち
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これを読むきみの前にはいないかもそれでもいるよいつもどこでも
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日のひかり浴びてきらきら光る霜イルミネーションなんかいらない
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ザクザクと音のするよな霜柱ふみ歩きたいけれどよそんち
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荷が届くそれではここでご紹介布団在住のぼくさんより
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空見上げ広がる枝と少しの葉それから柿柿柿柿柿
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首すくめ歩いて思う星の夜もしかしてあのペンギンたちは
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ひと月をワープしちゃったぼくもだよ急に冷え冷え吹く風見やり
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秋口に声を響かせひとりだけ寝過ごしたのかツクツクボウシ
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まだ夏よ上から蝉の声ひびき下から鈴虫鳴くまだ夏
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次々とひっきりなしに追いかけるツクツクボウシこれが輪唱
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早々と七日を終えてこんがりと揚がった腹にたかる蟻たち
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暑すぎて項垂れている向日葵の焦がれる日は地の照り返しか
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熱帯夜寝返りうちてまたうちてまんじりともせずく寝たいや
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軽々とぼくの歩みを追い越して風とともに去る花々の
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もう真夏そうだと言ってほしいよなでもまだ降らぬせみしぐれたち
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町中でもうすぐ夏と便り受けここまで届くプールのにおい
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友だちの作ったごはんいただいてダチんの味がしておいしい
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ねこちゃんにふみふみされて着てた服ふわふわ色へ染められてにこ
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風の吹く波立つ雨後の木の下でひろがる春の海こぢんまり
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