Utakata
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飛井衣奴
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口まわり乾いた風で
粉
(
こ
)
吹き芋ふかす季節かペクチンと鳴く
2
紅葉ですみたいな顔で落ちているペットボトルの赤キャップたち
5
夏冬に押し挟まれて所在なきちいさいきみを見つけにいこう
10
絶対にいつか絶対行くからなまだ見ぬ猫のいるダチん
家
(
ち
)
へ
5
キイキイと声高々に揺れて鳴くぼくを飲み込む電車の継ぎ目
3
道をゆく見知らぬ人を風よけにできる背のこと嫌いではない
7
我こそは天気予報を覆す神の加護ある晴れの人なり
6
さえずりにはじめましてとあいさつす鉄の翼の渡り鳥なり
6
とうとうとやってきたとおのつき昨日まで夏ではなかったか
3
はじめての満員電車あの中で香水まとう俺が最強
5
走り出し全部避けると言う君の背を追う空の落し物たち
4
手を伸ばし眼鏡を探す要領で手繰り寄せるはスマートフォンや
1
街中で聞こえる会話故郷とは違うとわかるなぜおもしろい
2
遠くまで来たものだなと聞きなれぬ声あれなんて名の鳥かしら
3
くびれだと思い込みたい生憎とこちらはただの段差ですがね
3
買ってきたアイスバーたち大抵は先端のほう袋の形
6
やさしいかやわらかいとかなんだろかソフトドリンクのソフトってさ
3
夏の
夜
(
よ
)
のこわい話をしてあげる玄関外の蝉跳ねる音
3
去り際にたのしかったが押し寄せるまだたのしいのままいたいのに
4
自分から望んだわけじゃないけれど生まれた月は特典使う
3
好物ののりしお味を食べたあと手から無限に青のりが湧く
4
月ごとの頭と末に驚いて日付を見ては
刻
(
とき
)
過ぎたるを
5
美味いめし舌鼓うち食べ終えて腹鼓うち茶を一服と
3
まどろみのふねをこぎこぎ目をこするあぎをべろばぎゃぴをはにとしょめ
1
お昼寝という名の二度寝せんとする微睡みのなか浮かんでいたい
2
ついさっき考えていたこと忘れ思い出したる達成感や
3
あたたかい汁物飲んで思い出すわが猫舌を上顎べろり
1
住処変え水源変わりきしみだす己以上に敏感な髪
1
熱々の外と涼しく冷えた部屋往復しても整わないか
3
どうしてかプラスチックを加熱してまだ見ぬ花のにおいただよう
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