Utakata
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飛井衣奴
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これを読むきみの前にはいないかもそれでもいるよいつもどこでも
8
日のひかり浴びてきらきら光る霜イルミネーションなんかいらない
8
ザクザクと音のするよな霜柱ふみ歩きたいけれどよそんち
8
荷が届くそれではここでご紹介布団在住のぼくさんより
3
空見上げ広がる枝と少しの葉それから柿柿柿柿柿
9
首すくめ歩いて思う星の夜もしかしてあのペンギンたちは
3
ひと月をワープしちゃったぼくもだよ急に冷え冷え吹く風見やり
7
秋口に声を響かせひとりだけ寝過ごしたのかツクツクボウシ
5
まだ夏よ上から蝉の声ひびき下から鈴虫鳴くまだ夏
6
次々とひっきりなしに追いかけるツクツクボウシこれが輪唱
6
早々と七日を終えてこんがりと揚がった腹に
集
(
たか
)
る蟻たち
6
暑すぎて項垂れている向日葵の焦がれる日は地の照り返しか
5
熱帯夜寝返りうちてまたうちてまんじりともせず
疾
(
と
)
く寝たいや
4
軽々とぼくの歩みを追い越して風とともに去る花々の
香
(
か
)
5
もう真夏そうだと言ってほしいよなでもまだ降らぬせみしぐれたち
7
町中でもうすぐ夏と便り受けここまで届くプールのにおい
4
友だちの作ったごはんいただいてダチん
家
(
ち
)
の味がしておいしい
3
ねこちゃんにふみふみされて着てた服ふわふわ色へ染められてにこ
3
風の吹く波立つ雨後の木の下でひろがる春の海こぢんまり
7
唐突に駆け寄ってきた春さんの瞬間速度夏並みの汗
4
もう春はあちらこちらに見るけれどまだもう少し踏み切れないね
8
出汁しみてほかほかの夜じんわりとからだじゅうおでんになっちゃうね
5
練り物もお肉も米も粉物もお腹にたまってえらいねえ
2
白色のはんぺんなんかしゅわしゅわで何枚だって飲めちゃうねこりゃ
4
雨上がり黒く滲んだ道道に白く
描
(
えが
)
いた水玉模様
2
トタン屋根それは海への導き手ひと足先につもる白波
3
ふた毛玉ひとり占めして寝ごと聞く三びきはいる布団ひと組
7
足の
間
(
ま
)
にぬくいかたまり猫たんぽ挟んで眠るダチん
家
(
ち
)
の夜
6
ダチん
家
(
ち
)
の猫を連れては帰られぬだから少しの毛を服に連れ
5
こうばしいまつぼっくりの味がする美味しいケーキキャラメルナッツ
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