仕事中癒されたくて増えてったテーブルの上アクスタずらり
9
久方の光に染める影なれば濃き紫の移ろひもなし
9
どの音が いづれの鍵か 分かねども 手足の動き 見れど飽かなくに /イヴ・レヒシュタイナーのパイプオルガン演奏
9
雨に流れた月食 三年後も生きよという天からの命令か
9
酒酔いて酔いて分かりし心あり温かくあり懐かしくあり
9
雨上がり空気が澄んで心地よいこれで花粉が舞ってなければ
9
力なく歩む背を越ゆその時にわれは幾世を負ひしものか
9
苦しみの音に消えゆく厠より内緒ばなしをごめんあそばせ
9
今日の空は、あの頃毎日保健室の窓から見ていた空と同じだ。
9
桜巡り十年ぶりに会ふひとがふたりもいるなんて三月
9
水銀の禍まがしきを振り下ろす体温計の熱日の記憶
9
アルパカの背に滴れる雪解水ゆきげみず 折れし枝を踏みしめ歩く
9
何もせず ぼうっとしてる 二十分 脳内のクールダウン・ヒーリング
9
嗚呼ああうみに 心が流れて 行くような  こんな日にこそ 君に会いたい
9
人生の晩年過ごす施設にて いつかは終末 遠のく面会
9
「このカーテン、レーニンでできたやつやねん。」 祖母宅にかかる鉄のカーテン
9
コンビニの温いお茶買うその癖を未来の僕は愛すと思う
9
雛人形 良縁祈り 早じまい 気づかぬ呑気な 四十路の娘
9
啓蟄に 根雪も解けて虫たちも 温む大地に手招きをする
9
伊丹発福岡行きの定時便 洗濯物干す我を見下ろし
25
今朝の雨 百花開くを導きて 昼には細き春雨となり
44
今日はただ 聴く人になり 友の声 丸ごと受けて 笑顔で返す
17
雪洞ぼんぼりに むつみて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
28
夫が去って8回目の春 今年もまた 「元気だからね」と笑顔で言える
22
不揃いの房が多めの甘夏はどこか私と似ているようで
14
エーアイAIの 珍回答に 困惑気味 ただただ普通の 答えがほしい
8
許すまじ 苦しみ生んだその根っこ 誰がゲームを操ってるか?
8
眼を惹く本 「不健康は’悪’なのか」健康文化にそもそも論
8
優しさを少しだけ保つ如月に 害の字をまるくひらがなにする
8
覗き見た楽器レンタル日数の単位が「泊」で既に愛しく
8