Utakata
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真夏日に スプリンクラーの おこぼれに
与
(
あずか
)
らんとて 道の
端
(
は
)
に寄る
26
都会路
(
みやこぢ
)
の 人の
気配
(
けはひ
)
の 絶えざれば 虫の
集
(
すだ
)
きも はるけく聞こゆ
19
背中から伸びゆく影が重なって『月がきれい』も要らないくらい
28
入道が 降らせたろかと ハラ鳴らし 色とりどりの 傘が馳走ぞ
17
猫を飼う 巡りあいからその日まで 命を預けあうようにして
14
特別なことはなにもしなくていい 隣の芝は違わぬ青さよ
13
夕立に雨宿りする影ひとつ母の笑顔を重ねて見たり
21
宵の風 熱さは抜けて 草の上 何も気にせず ごはん待つ猫
12
施設にて 小さくなりし我が母は 負の記憶越え ただいとおしく
22
朝夕に囀る小鳥も日照りの真昼は黙して鳴かず
9
壊れかけ
20
年間現役の 冷蔵庫様 終わりが近づく
9
火の国を 再び襲う震災に 蘇りたり六強の揺れ
11
中州には鹿の親子が棲んでをり白斑の子も駆除の日知らぬ
10
月末
(
つごもり
)
の人心憂き七月の短冊の散るあはれ笹枯れ
9
地下鉄の ホームに並ぶ おじさんに 敬意を抱く 新卒の夏
19
昼頃に 眠る老犬 すやすやと 動かぬ君が 妙にこわくて
7
禍
(
わざわい
)
よ もう火の国へ 行く
勿
(
なか
)
れ 神は
何処
(
いずこ
)
で 何をしている
9
似たような家族がそこにゐたはずで日常だつたイオンの二階
22
逢ひ引きは銀座のカフエーに致しませう 青き書生を女は誘ふ
8
炎暑でも背広で歩く人もいて 理解し難い壁にたじろぐ
17
数字へと落とし込まれた今生の切断面の重き沈黙/哀悼
13
さよならを言わない彼のやさしさに頬杖ついて日記を閉じる
6
ゆらゆらとせまる地面の見えぬ波 家の軋みに強ばる身体
6
早朝の目覚めに暗示ひとつかけ今日が生涯最後の一日
8
しばらくは 会えなくなると 帰郷する 前夜の花火 遠くにかすむ
12
無事ですかその一言が送れない 届かぬ返事を先に怖れて
17
もしいつか五感を失う日が来たら最後は晴れた芝を踏みたい
15
街角の展示ケースに霊長目ヒト科ヒト属ホモ・キツエンス
9
ノイキャンが効かない安いイヤホンで散歩してれば蝉の音聞こゆ
5
空の棚 欠品の報 被災地を 案じ祈りつ 買い物済ます
15
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