Utakata
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ビル風の瞬間風速、
T
シャツのなかに残った夏を奪えり
14
暴風雨 向日葵折れし我が庭は切り戻したる紫陽花が咲く
12
何事もすぐにかかれば済むものをわかっていながら先延ばしする
15
木漏れ日の 差すアスファルト 寝転べば とんぼを乗せて 雲流れゆく
11
雨降らぬ 夏の日照りを嘆きつつ 台風の雨止んでくれぬか
14
ひとりひとり顔見られてるこちらでは顔も知らないご先祖様に
9
工作の鉱石ラヂヲを聴いてゐるノイズも楽し空わたる歌
9
夕食の支度をすると席立てば母に言われる父と飲んでろ/帰省二日目
14
みなそこの花よりほかにうき世には焦がるものなき身のあひなくに
9
お盆だと 特別何をするでなし いつもそばに居てくれる父母
8
盆もなし 正月もなし もう慣れた 社会に出され 十余年
8
渋滞が起きないようにと祈りつつ長めの足をきゅうりに刺して
10
松川の河原に出て夏山の白馬連峰仰ぎ見にけり
7
触れてても偽の香りのアールグレイ やかんのお湯が冷めてゆく頃
7
午後三時雷鳴を聞きようやっと静かな雨降る日付け変わる頃 /雷鳴九時間
13
両親と もっとお喋り したかった 涙ぐんじゃう 盆の入りかな
14
盆が来ていつもの茶店人が消え 手持ち無沙汰のマスターひとり
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夏草の色ぞ染めにし
空蝉
(
うつせみ
)
よひぐらしの声秋を待つらむ
7
貴方の手が私を撫でる夢を見る 未だ利き手も知らぬというのに
6
間違えて覚えた歌を歌いつつパピコ食べつつふたり海まで
6
お盆玉 『PayPay送金』せがまれて 孫に託せしスマホのボタン
11
お盆来て 提灯飾り 手を合わす あなたの笑顔 浮かぶ四年目
17
たぶんまぁ あんたもあたしも 補習やな 放課後ここで また話そうや
5
若くもなく老いともいえず居心地のよろしからざるバツ悪き身よ
9
ばーちゃんが好きだったなと思い出し お盆の風に てりやきバーガー
5
貝呉れしきみの宿題手伝いて令和八年夏もすぎゆく
14
連日の 高熱さがり ひと安心 まだまだ元気でいてくれ母よ
11
迎え火の煙は川の流れ沿いあの世からこの世へ道繋ぐ
10
レベル5の狂騒の夜が明けた朝 さして変わらぬ船橋の道
13
嵐去り
小鷺
(
コサギ
)
と鴨は餌を喰み
安穏
(
あんのん
)
戻りし善福寺川
10
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