君が手を振っているよにダリア揺れ僕らが季語になる秋の夜
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平安の世ならわたしは美女のはず バズるはずない自撮り、消します
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小春日の 網戸に群がるカメムシの 冬の住処かよ靴下の中 
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畑より花火大会見ながらのバーベキューには採れたて野菜
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孫たちが帰った後の片付けに思い浮かべるあの声と顔
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月に書くインクの滲み震えごと手渡せるなら、友への手紙
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腹に乗る 喉鳴らすねこ 眼を閉じて 日向の匂い 夢みるふたり
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深夜でも煮沸している哺乳瓶  乳のにほひに父となりゆく
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そっけない あなたの返信 せつなくて かわりに月に おやすみを言う
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「ビタミンAとジアスターゼよ」どろりんと小鉢を混ぜた母が微笑む
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来年の ことの話が ちらほらと 増えてきた気が する神無月
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変わらない玄関にいたアゲハの子日常破る色鮮やかさ
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人はみな心に夜叉を薪能 面(おもて)の奥の涙は知らず
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コロコロと好きになったり思い出す 常に秋空常に愛しい
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不本意に微笑む日なり間違えて名前を紹介された時にも
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いつも僕 顔認証でピースする 世界を少し幸せにする
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母親の 姉に貰った 1万円 透かしを見たら あたまハタかれ
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幸福ももちろんあったただいつも私の横は空席だった
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秋祭り コスモス笑う 子ども達(ら)と こんな平和が 続きますように
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休みの日 あなたの好きなお菓子焼く  それだけのただ幸せな日々
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10センチ歩幅を広げ秋風に頬を嬲らせ人間ドック
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梨むけばあまい漿液垂(しず)り満ち濡れたナイフに記憶が香る
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今日もまた引き攣る笑顔で無いことに 飲み込んだ本音願望欲望
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「二人です」 店員さんに指を見せ 心の中では「ピース!!」とささやき
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統廃合された母校は今ホテルあの日の教室今宵の寝室
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法被着た同級生のりりしさよ 還暦過ぎてもあだ名呼び
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久々の食べ放題の焼肉で我が身の老いを思い知らされ
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舌を灼く堅いもめんの湯豆腐が 胃の腑に落ちて秋の夕暮れ
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恋心 紫煙にくべて 喪に服す 痛みも過去も 溶けゆくばかり
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百年が過ぎた世界の片隅でこの本を読む誰かがいます【短歌集発行の記念②】
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