白髪染め売り場の前で立ち止まる。これからもきっと、独りの暮らし。
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夕暮れに 染まるいつもの 帰り道 君の笑顔が ちょっと痛かった
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年ふりて 不得手なことが 増えていく 震える手 触れた親切心
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温めたココアを夜にためらえばソメイヨシノも咲き誇る頃
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新米のタップダンサー音楽はセルフサービス 不慣れな足音
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闇深き 二駅先の 最寄り駅 門をくぐれば 息絶えし町
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下の句の 係り結びの 間違いも 敢えて言うまい 歌がよければ
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もう一度静かに聞いてみたいもの 寄せては返す島の波音なみおと
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SNSという言葉って大嫌い私も利用しているけれど
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スニーカー弾む靴底心地良く青年の頃想いて和む
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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そよ風はぶらんこの手を取る 誰も私の背中を押してくれない
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初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
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車座で何を語るや若き人 花ぼんぼりに明かりを取りて
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ぼた餅のあんをこなして黒ゴマときな粉を添えて三種供えり
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いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
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無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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別れとは辛くあれども美しい思い出の曲できゅっとしていたい
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だだくさ適当に一日過ぎれど良き日なり今日に感謝の刻印ひとつ
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いや、いける。筋肉が落ちか弱いが「進め!」と鼓舞し歩き続ける
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通り道桜の有るたび確かめる開花宣言聞いた次の日
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都合良く見えることだけ吐き出して そろそろ季節のうたでも詠もか
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枝先に 萌黄色のちさき若葉 心細げに 春風に震え
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公園の 桜見上げ「かわいいな」 つぶやく翁の  まなざしいとし
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就活に追い詰められてもutakataで心安寧まんまるになる。
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ちょっとした狂いで春は涙だけ流れ出胸で受ける術なし
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満ちるより 欠けゆく日々を 愛したい 独りぼっちの 三日月のため
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あるじらへ膳を据ゑむ通知こえ響き町を駆け行く棒手振りウーバーイーツ
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悠々と漂う月に魅了され かぐや姫にもヤキモチを焼く
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懸垂が 100回できたら 会いに行く 100回できたと キミに伝えに
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