Utakata
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大雨が洗った空に足跡をつけていく久々の逆上がり
18
早弁と昼にドカ弁平らげて部活帰りの日焼けせし肌
15
それぞれの週末溶けてゆく夕べ月曜朝の荷物つみこむ
13
この世では通用しない美しい言い訳だけを夕陽が照らす
14
ハイボール片手に読書の昼下がり眠くなれば眠る幸せ
13
死ぬる日は
凡
(
すべ
)
ての者に やって来る 今日一日は もうやって来ず
10
退院を 控えし晩に 訪れる ありがたきかな 若手医師たち
9
野良仕事ついでに新じゃが試し掘り茹でて塩振り上出来だった
9
光降る 木立の中を風吹かば 若葉揺らめき初夏は匂へり
14
感傷が下戸の私を酔わせてく 別れた君の置いてった瓶
8
寝る前に三ついいこと思い出し今日も平凡それで十分
11
割引のケーキそのままかぶりつく 冷たいスマホ おめでと、私
8
きみの町にいた雨雲がぼくの町にきました 少しだけ泣きました
9
さつきすえ水天宮は戌の日で 身重のひとの列や撫でし子
22
身に沁むる 朝日と君の 抱擁に 一歩踏み出す 力を得たり
8
この世をば我が世とぞ思ふ幼子の足元にえいと言ってみる昼
7
お寿司屋のカウンター席半年ぶり幸せ気分味わうひととき
8
父だって優しくされたかったろう 大きなバツの企画書を読む
7
卵割るその手つきすら見ていたい早起きできた僕の特権
8
暴れ出す心臓に手をあてるとき あまりにも皮膚は臓器の容れ物
17
郭公
(
ほとときす
)
世を
卯
(
[憂]
)
の花の山人に昔恋しき声な聞かせそ
14
そこまで好きじゃない事に気づきたくない 知らない歌を聞きつづける
6
びゅうと鳴る風に言葉はかき消され 君はあの時何を言ったの
6
振り向けばさもありなんの来し方に 君と生きてる シンギュラリティ
11
もう一度楽しさだけで満たされる 夢を見せてよ、めいどのみやげ /5月10日に捧ぐ
10
何もない日のなけれこそ何もなく暮れゆくけふをやはらかに悼む
6
居酒屋で 花火とケーキの サプライズ はしゃぐ乙女の
齢
(
よわい
)
は五十
12
花散ると ともに消えにし 君なれや 春の夢路を ひとり待つなり
5
海の
上
(
へ
)
に羽かげしのびて舞ふ鳶の朧月夜に渡る春風
5
あと何年かで旅立ってしまう猫のゴロゴロで世界が回る
6
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