遠くへとゆくたび影は増大し、ついにまぶたにすみつく白昼
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別人の様な深夜を遠巻きに 上手くやっててくれたらいい、と
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つひにゆく  手には船賃  五文銭  一文足らず  なお生きよとか
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イタリアは今何時とか考えて暮らすも残り一週間ほど
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英検にテストにバイトに大会に 詰め込みすぎて眠りにつけない
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街灯の明かりに見えて降りしきる雪は静かに更に静かに
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味もなき白湯をすすりて酸ひ甘ひわが身の内の塩梅を知る
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会議漬け ランチを食べる 時間なく 隙間時間に 食すトースト
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時々に頭もたげるモヤモヤも チャリを飛ばして剥がして落とす
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かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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冷えすぎた 身体を癒す 豚骨の 匂い誘われ 太麺啜る
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「なんとかの小足」なるらし我なればひとつ靴にて君と歩まん
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仇討ちゲスに萎えちゃうB級感 悪にも気高き野望を求め
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磁気嵐 吹いて悪意を帯びたもの全てビビビッと壊してしまえ
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送信のボタンを押す指震えている 寒さだけではないのを自覚
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このキモさを受け止めてくれ!ボロボロに酔った私の愛の言葉を
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煮込んでる最中さなかのカレーに問いかける何を手放し何を背負うか
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まだ泣けることに安堵する夜
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人の気を引きたくてゆううつで仕方がなくなったときにはどうすればいい?
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新しい モノがはじまり 少し前 新しかった モノが消えゆく
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目を凝らしはじめて見える星々の光の様な支えに気づく
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お揃いのキーホルダーをぶら下げて不揃いな感情を抱いてる
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道端の日陰に固まる残雪は雪に似ている別のなにかで
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我忘れ 学びしうちに 我のこと 良しも悪しもぞ ましておぼゆる
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我思ひ 学びしたびに かえりみつ さながら深く 煎りし茶葉かな
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夜明け前窓辺のうつる月影の何に似たるか冷やかなさま
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三歳児ギャン泣き過ぎて豆撒けず鬼の面だけどうみてもパパ
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応答がないとぴかぴか光る板伏せつつ犬に覆い被さる
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献立の予定は未定 差し出す料理に驚きもせず 食す君
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