Utakata
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もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
33
木々の
音
(
ね
)
の静けさそよぐ曇り日は葉の色合いもどこか安らか
17
万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
34
二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
28
大楠の洞に入りて息ひそめ樹齢に滲む樟脳のかほり
16
青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
28
サワガニが横に進んだ道なりを 前に進んで追いかけて行く
14
叡山で消火訓練やってたよまだ信長が怖いんだなあ
15
にょきにょきと 立派なアスパラ顔を出す 心と身体に 元気チャージ
19
外来をすませ医局で一服し「一日一首」に生き甲斐おぼゆ
18
味つけはせめて日毎に変えたいの今日は酢味噌で明日はごま和え
19
花火など鳴って何かの催事かと思いつ母の
襁褓
(
おしめ
)
を替える
31
ホッピーのグラスの先に青い夜 カフェーテラスのない浅草で
10
雨だから君が頭痛にならないか心配をした 変わる信号
12
君の居ぬ間に食べる辛ラーメン ひとり暮らしの風が吹く夜
10
腐れ縁憎まれ口と減らず口破れ鍋一つ綴じ蓋一つ
18
旅終えて 帰れば我が街輝きて 凡庸で良し 我の居場所は
18
ぽつとぽつ 草木が「降るぞ」と噂して 私は散歩の
踵
(
きびす
)
をかえす
10
春麗ら 予定も無い日を 子と過ごす ありふれた日々 いつもの笑顔
16
現実を受け止められず左折した広がる原野に希望は見えず
8
黄砂去り涼しき北鎮桜舞う ひとり歩けし笑顔多き午後
8
釣り銭の 正しき額を 差し出せず 我に財布を 開きし老婆
10
指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
36
春なのに 寒く冬服 春服を 交互に着ては 衣変えれず
16
風薫り妻には妻の予定でき子どもとべつで集うママ友
14
天井が回るということを比喩でなく体現した朝五時のこと
12
たらればに縋る毎日もう二度と 分岐できない過去にサヨナラ
8
高原はなお裸木のまさる頃 牧場に幽か
早緑
(
さみどり
)
萌ゆる
22
人生の秋にいても毎年芽吹く若葉の様に学んでいたい
7
オリオンの 窓から見えた
星
(
地球
)
は今 まだ青いかい? そして平和かい?
8
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