この街の影の重さよ閃光が傷跡となる広島忌
19
「人」として僕を見るのは愛犬いぬだけで 今日も一緒にお昼寝をする
15
フレームが少しがたつく丸眼鏡 歪んでるのは僕かレンズか
14
歳重ね 床付く刻は早まりて 目覚むる頃は丑三つの刻 
16
蜩の鳴く夕暮れは憂かりけりたれを待つともなき身にはあれど
12
太陽が 山の稜線の向こう側 顔隠してから 出るウォーキング
18
幽谷ゆうこくに 苔生こけむ堰堤えんてい 一つり  魚梯ぎょていを渡る 川鰍かわかじかかな
14
原爆忌美辞麗句など捨ておきて 持ち続けるは非戦の決意
10
分かるように 言ったつもりが 誤解され  言わなかったら また誤解される
10
チェロ背負ふ後ろ姿や兜虫 明日の舞台へ羽ばたかむとす
10
花壇から咲いてる花は愛でられて歩道の端の草は疎まれ
10
傷を知るひとの瞳は哀しげで物言わずとも愛に満ちてる
11
ことのはを こぼして掬い またこぼし 返す盆はと 名も無きあすへ
10
「割り勘ね」と言ふ君がゐて「一応ね」はにかむ吾はSuicaかざして
9
ふと語る声はかならず優しくてあなたの隣はいつも春だね
9
終戦日 歳を重ねて三十に 樹齢のようにしかと刻んで
9
黙祷もくとう」の声に合わせてお勝手でまなこを閉じる今年も変わらず/広島の日にラジオと
28
夏のに 夜空漂う 月眺め 辺り探すも 君ここなかれ
8
空翔ける夢を見たるや我が金魚 水面に翼はばたかせおり
13
通信簿 体育はいつも2か3で プールの季節はたまに4取る
16
理想から かけ離れたる 現実を 楽しむ術を 学び始めて
8
蝉時雨 耳をつんざく ように降り 一糸乱れず  ピタッと止んだ
9
鳶に会ふただそれだけのことなれど生きむ力となりにけるかも
7
自家製のソースを和えたパスタより インスタントが濃くて美味しい
7
思いでは 胸の深くに 美しく 静かにねむる 結ばれなくも
7
ふみふみふみ こねこのきぶんで あまえるの いとリズミカルに おなかをおして
23
二人してすきなもの食ふ蝉声は雄のみ母がゐない昼下がり
6
仕事終わり 元気? 暑かった? 早く帰れた? 私の中に 貴方はいつも
7
頂いたフルーツゼリーを食べる順好きなの後に取っとく性格
6
嫌なこと言われ ぐっと堪え とぼけてみせた 強い私へ
6