褌(たふさぎ)も 無き遠き世に 文明を 築きしイラン 米(べい)に敗れじ /アケメネス朝ペルシャ
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代わり映えないはずだった街角でパン屋が潰れコンビニできた
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横に立ち 「今日は何?」 覗き見る 肉や野菜を 絡めてゆれる
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お下がりの紺のブレザーボタン留めまわってみたり姿見の前
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街灯がぼんやり照らす港町潮の香りを夜風が誘う
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憧れが醒めてようやく恋を知る 産毛の光るきみの横顔
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暗闇の二駅先に最寄り駅改札くぐれば無呼吸の町
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夜に閉じ ひとり迎えし 同じ朝寡黙に拡がる 薄青の空
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探偵が追えど不敵な笑い声残して闇に消える怪人
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マッチングアプリを検索してる時、ペットと目が合う。そっとスマホ置く。
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いつからか忙しい時の口ぐせよ気合で乗り切るという「悲哀」
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祭壇に処女の生き血がほとばしる地下教団の入信の秘儀
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ヨカナーンの 首に聖穢せいえがこびりつき サロメのキスは 破滅の調べ
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剣岳の天井空へゆうらりと我よ飛び立て味わう煙草 
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幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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山せまり川が流れてふるさとの駅はもうじき二時間の旅
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ヒリヒリの 局面に立つ 細き背を 守りたまふや 雲上にをり
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春浅き君住む街にほおき星 欠片を追ひて永遠の歌詠まむ
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去りぬ余寒 仕事疲れを癒す湯の設定を 1度下げ ゆるりと
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ミモザ咲く 春の小道を 行く人は 卒業式に 参列す親
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落とし込むギュッと丸めて泡に込めつつく烏がいない夜空へ
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「触れちゃダメ!」カタンッと響いたピタゴラが狙う命は館の中で
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掲示板いくつもあれど閑古鳥ツールは映えるビジュの時代へ
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息切らし登った先の青空にぽっかり浮かぶ雲を追いかけ
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はじめてのマッチングアプリ登録す無惨な恋を忘るるために
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夢で見た俺の死に顔そっくりだ鏡に映る目を閉じた顔
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いたんだよ柳の下で真夜中に白い衣装で髪振り乱し
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覗き込む青白い顔ついてくる疾走中の夜の高速
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今朝もまたぼんやりな空に「また今度」と見送りきめたマザー牧場
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