Utakata
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運転手どうし片手を上げ合って若葉のなかをすれ違うバス
14
大雨が洗った空に足跡をつけていく久々の逆上がり
25
まな板にのせたきゅうりを叩き割る初夏の香りがひろがる夕べ
10
秘め
言
(
ごと
)
は「あなたに恋をしています」 深紅の薔薇が 囁くように
14
お隣のリフォーム済んでまた未知の暮らし密かにスタートされる
9
シングルのシーツの上をまた泳ぐ 冷たい海を探す寝返り
8
国民
(
くにたみ
)
の 安寧願ふ
政
(
まつりごと
)
国難の今真価が問はれ
12
居酒屋で 花火とケーキの サプライズ はしゃぐ乙女の
齢
(
よわい
)
は五十
16
週末は寒かったのに真夏日が新幹線でUターンしたよう
8
ききららのさいふをひらきおままごと たんぽぽ ぼたん これくださいな
8
グミの実を久方ぶりに口にしてノスタルジアは初夏の赤い実
8
「
詩
(
うた
)
を詠む」・・・いつもは素通りする道に生えたタンポポ見つける作業
8
ポケモンをゲットするやう
叢
(
くさむら
)
に令和をのこはさがすカナヘビ
7
夏日なり 老爺の膝に老猫の言葉なけれど宴の時よ
13
せっかちな蝉の鳴き声聞こえたか幻聴だったかわからぬ暑さ
6
汗かいて爽やかなのは自分だけ 見た目と臭いで人混みを割る
6
母の国せにしてゆかむ風と波 時のまにまに真砂となりぬ
6
服・寝具仕様を替えて奥の手をもう探してる夏の序章に
12
画像みて 良かった切れる 医師の声 紹介状と 記憶をたどる
5
海の
上
(
へ
)
に羽かげしのびて舞ふ鳶の朧月夜に渡る春風
6
五月雨の乱層雲をカッターで切り裂くような
雅各
(
ヤコブ
)
の梯子
5
ドラキュラから招待来たがワインしか出ない
宴
(
うたげ
)
は欠席に◎
8
デッキチェア座りまぶたでリズムとる 紙皿なぞる麦の秋風
5
おふとんはちいさな教会 祈りとか懺悔みたいだきみの寝息は
5
芝刈りの後に小鳥ら舞い降りて夏の香りを一緒にかごう
6
生活の残滓流るる放水路 ぢっと見詰める魚影の鈍光
17
苦手なる香り発する
(
気に食わぬ匂いしやがる
)
柔軟剤安売りせしがただ恨めしく
5
寝る前に三ついいこと思い出し今日も平凡それで十分
14
父だって優しくされたかったろう 大きなバツの企画書を読む
9
触れなくて 困る距離では ないままで 夏が終わった それだけのこと
4
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