風に舞うとんぼのはねのかろやかに 暦ひもとき立秋と知る
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母詠みし半世紀前の短歌あり 九十路の父とこころをたどる
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薄羽の黒い蜻蛉とんぼが夕風をふわりと降りて余熱の路上
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盆近し 庭の草取り部屋掃除 御先祖様というお客様
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ウドの花のメルヘンチックな可愛さに小さな妖精隠れてそうで
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梅雨明くる 報せあれども我が暮らし さして変はらず暁を待つ 
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ソルベってなんだと言う母 気に入りて 白桃ソルベふた皿目食む/百歳
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多幸感ピンクメイクは貴方には見えていたかな花火大会
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八百万の 神に祈りて 土まみれ 闘魂燃ゆる 甲子園の夏
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積み上がるペヤングの殻 貝塚と呼ぶ日もあろう未来人なら
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嘆きつつなほ永らへむ道を行く己が定めと言ふほかなしに
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「人」として僕を見るのは愛犬いぬだけで 今日も一緒にお昼寝をする
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大切と 呼ぶには少し 遠すぎて 忘れるにはまだ 近すぎる人
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台風で家にいるのに腹は減り大食い警報発令中
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浮かんでる入道雲を綿菓子と思えた頃が一番良かった
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六日前花火上げてた河川敷跡形もなく幻のよう
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誰よりもドジでのろまなカメだけどまっすぐ歩いてみせるこの道/題『歩』
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眠らずに妙なことばかり知った日々 夜のうるささ 月の眩しさ
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いつまでも次に行かない広告のように待ってる 結露が落ちる
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熱帯夜泳ぐようにし帰り着く 微睡みはまるでせせらぎのよう
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自覚せぬ罪には罰を捧げよう 頭を垂れよこれが救いさ
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8月の、朝のぬるめの温度感によく似た君のずるい優しさ。
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あけがたに こんびにいって すれちがう これからかえって ねむるひとたち
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原爆忌美辞麗句など捨ておきて 持ち続けるは非戦の決意
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若くして 召された姉は 天国へ まだ生きてても お茶でもしましょ
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余とともによはひ重ねし街の店の心やさしき品揃へかな
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立秋の 気配を少し 感じ取る 日が暮れるのが ちょっと早まり
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熊本の人が見上げる空思う塩からトンボが低く飛ぶ夏
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たんぽぽと点字ブロック、通学帽 さんぽの間に見つけた黄色
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夏が好きふたもじだけで許される真っ青のまま海に呑まれる
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