咲き過ぎて枝折れ落つる花を見て程よく生くる理を知り
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風薫る 皐月の空に雨を待つ 代掻き終へて雨蛙鳴く  
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花林糖かりんとうやめられぬまに芋けんぴ 縁側の茶器を雀はのぞく
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酢漿かたばみの 黄色といが 連れてきた  青き炎天 もうすぐそこに
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青空に春雷響き通り雨濡れた身体を陽射し包みて
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番い蝶飛び交う庭に遅咲きのつつじ真紅に燃え盛るなり
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うつろはぬものと伝へし老松も薄き二葉の夏衣着る
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学生のペダル踏み込む顔赤く白いワイシャツ夏色染めし
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瓶ジャムの 底をさらった ゴムべらは 驕らずもとの 水切りかごへ
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椋鳥が蜥蜴を咥え誇らしげ遠い祖先は恐竜なれば
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ロベリアの可憐な青に足止めてこんな疲れた瞳洗われ
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しあわせは子猫のかたちいるはずのない温もりをただ祈るだけ
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餌くれた人越してったマンションの廊下にそっとたたずむ野良猫
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校庭の朝顔ふたばを並べたりキラキラネームのプレート刺して
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旅先でよく知る街の名前聞き一気に郷愁湧き上がるなり
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この恋に 捧げた夜を思い出し 私はいつか、泣くのだろうな
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剪定も手伝い始めた今年から 収穫がより楽しみな梅
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利に憑かれ人を困らす人を見つ解き放たれん時をぞ願ふ
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妻の持つ買い物袋へ手を伸ばす さりげなきよう 剥ぎ取るよう
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今すぐに海が見たいと思っても 電車で二時間掛かるこの街
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何処いずくにか君がおもかげ誘ひ去る春の東風こちこそ花を散らしつ
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ここ一月ひとつきで十年分くらい病院に 五十肩とめまいの治療
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イライラす 僕を 豪放磊落な 君が一笑し 咲くライラック友情
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公園で 刈られた草の 匂い佳し 開けた原に 猫は隠れず
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あいつただ走ってるだけに見えるけどなにげに光合成してるらしい
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疎開先 文字を綴れぬ 幼きの はがきに記す 小さなばってん
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失敗の重さや軽さのこと思う 窓にぶつかる雨の水玉
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検診の予約増加を誇りしも老医の吾は「ああつかれた」と
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損得や 勝ち負けばかり 気にしてる そんなことより 好きか嫌いか
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涙川人目つつみも堰きあへず水脈みを浅ければ溢れもぞする
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