死にかけのピアスホールにねじ込んだプラチナリングが風に揺れてる
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予報士がこの冬イチといった朝 マシュマロマンで暑しはずかし
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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短歌すらむ気が失せるほどえた心振り切りまた筆を
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馬淵川 櫛引の里 根城丘 なゐに震へし八戸思ふ
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八戸の長者の森の園庭の 鬼胡桃の実 なゐに落つるや(息子が通った幼稚園)
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「健康」はやいばの上で回る独楽こま その危うさに気付けなかった
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なぜ我を産んだと母に責めた後赤子にもどる母を子守て
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陽射し浴び 窓辺に見える パンジーの 花に水滴 輝きを増す
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ダンス部のショーの名残りか講堂の隅にひとひら黄の紙吹雪
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餅つきを 撮っていただけ 記録班 筋肉痛も しっかりうつり
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らっきょうが食べたい ふっと思ったら何がなんでもらっきょう食べたい
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未来とか考えるのも嫌だから 明後日くらいで終わりにしたい /2025.07.25
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初耳の待降節のカレンダー 日めくり式の福袋かな?
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幸せな約束がある7日間 切なく苦しいあと7日
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ちょっとだけヨコシマなことしてみる?と肩にもたれる霜月晦/八年目はじまる
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コンビニの 手前で拾った 手袋を 店員さんに 託して帰る
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いたずらにテレビに映る飽食の時代の終わり間もなくみえる
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パソコンもピンチアウトが出来ればなそう思いつつモニターなでる
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孤雲浮く 深き青空 愛おしく ああいつか死ぬのかと 身震いひとつ
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信号機変わるを待ちて母に抱く嬰児えいじのまなこ熱に澄みたり / きっと熱が出たんでしょう
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遠い地に  遊びに行って  寝てへんと  言ったところで  休むはあり得ぇへん
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あの頃の 優しさ故の涙抱き   ただ此処に飾る 我のドライフラワー
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店仕舞い古本屋兼喫茶店在りし日の我が声が聞こえる
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言葉には正解なんてないでしょう そこんとこどう ねえ定家さん
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悪人に刺されて死ねたなら星座にして飾れるほどの結末
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タコからも 怒られたから サメ帰る 首傾げながらカニたちも帰る
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天井を 鏡みたいに見つめてる なぜかなにかを期待している
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冬たどる春のうたうたうたふまにこよなきともは電気ヒーター
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個性とか 他人との違い 気にすれば 正直すらも 犠牲の憂き目
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