しわがれて 若芽で枯れて 霜の夜 無き花求め 今日も爪立て
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無いものに 名を与えては 可愛がり こぼれ落ちては 嘆く可愛さ
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苦しみをパピコぐらいに思ってた 雪見だいふくと同じでした
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気になるなあ。その症状はもしかして薬剤起因性老年症候群?
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在るも無く 過ぎゆくものを 身に預け 雨待つ森で 腐葉土を噛む
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野菜室みたいな空気に服も決めかね、コートのボタンを二個だけ留める。
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桐壺に あやかる心に 野分吹き 浮舟動かし 望む夢浮橋
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待ち人は来ずにぼんやり外を見る風がどこかに吹き抜けている
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どら焼きか豆大福かを迷ってて両方食べる月つとめ前
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月がみえない夜ベランダで一服 ラベンダーの匂いした君
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何度目のザ・マンザイをこの席で見たかと数えようにも冬
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何も見ず 去りゆく空蝉うつせみそれを見て「酷と思うな。」と御法みのり、我が真木柱まきばしら
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風吹けば すぐに燻る 残り火の 行く先として 灰は知りつつ
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雲墨は 細筆走り 蒼に消え 命を運ぶ 鋼の鳥よ
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働いて、働いて、なおインフレと金利引き上げ楽にならざり
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双子座に 見える角度は 地球だけ 星間戦争 しているかもね
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君が鼻歌で歌った曲を書くメモ帳 まだ一ページも埋まってないや
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モノクロの写真に見つける傷跡はたくさんの血が流れた水路
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山頂に雲海広がる遠き峰朝日の中に地球の鼓動が
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神棚に 飾って拝むは やめとくれ われはまだまだ お陀仏でなし
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屍の日々を忘れて求酸素 不安が生きてる喜びですか
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「待ってよ。」と叫ぶあの子の声を背に 振り返らずに 過ぎし最期よ
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折り紙の指輪に触れて思い出す 呼び止めし声 今も胸奥に
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八重桜 八重に咲くたび胸を衝く 八重葎とは知らず恋して
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結婚は 最大の失敗 といいつつ なぜわがかせぎ つかいつくすよ
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真心で 出来る仕事が 有りますが もしや怪しい 危険信号
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イコールの絶対値を取る悲しみと笑顔ゆき交う駅前交差
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楽しめと 主治医は言うよ でもね やりたいことみぃんなやっちゃった 思い遺すの なぁんも無いよ
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パリ行って 自動改札 挟み撃ち スリの手口を 知った一日
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わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ 昭和のギャグに短歌の味わい / 松鶴家千とせ師匠!!
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