息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
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たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
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爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
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光増す毎に緑陰濃くなりて葡萄畑のつる伸びてゆく
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我が里の 児童こらが通いし通学路 熊鈴の音風鈴に似て 
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右手から葉っぱが弾ける音がして静けさを知る雨のベランダ
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母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
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ほんたうのペアのグラスはすぐに割れかたわれづつを冷やす再婚
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携帯扇手に取りスイッチ押してみる 去年の夏の電気が動く
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屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
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五月雨の岩根に沈む鳶一羽まなこ塞ぎて風を待つらむ
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小糠雨肌にまつわる湿り気に 今年初めて扇子を開く
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どちらでも 本気の顔が 見たいだけ 怒るにしても 笑うにしても
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原っぱと空き地の区別つかぬまま靴をぬいでる段ボールの基地
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澄む水に透けてゆらめく砂色のほのかになびく雲は滑らか
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五月雨の 涼風すでに 心地よし 思いやらるる 風情なき夏
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猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
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寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
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依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
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この生のすべての夏を束にしてリボンをかけて君にあげたい
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「嬉しい」の受け止め方がわからない 否定で作られてきた「私」
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たんぽぽの咲いていたあのおうちは雨の似合う 弁護士事務所になりました
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この傘が新品だからではなくてこの五月雨が新鮮なのだ
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潮船の並ぶ泊りに老いの波けもの寄れども若人寄らじ
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返信を提案される世の中に 何だか愛も薄れてくよな
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心臓の 裏の冷たく柔らかい 僕の住処に 風は吹かない
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だからだよ ナースコールを 連打する 見舞いも来ない じじいが哀しい
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闇を切る 流るる星に 祈りしも 君の帰りは 終ぞ叶はじ
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​新人と重ねる日々の空もよう不惑の文字の遠く霞んで
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冷房をつけてる部屋の片隅にまだヒーターが鎮座している
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