翳りある日のもとながらかへがたきものにもあるかな戦無き世は
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ひとりでは買うに躊躇う桃などを食わしてもらう実家の幸せ/帰省四日目
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身じろぎもせずにひねもすひそみたり 夏の終わりの遠雷聞ゆ/青き山の田に捧ぐ
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八重葎やへむぐら繁れるかどの露けきにつきさし入るる夜ぞ楽しき
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世の中の 火薬を全て花火にし打ち上げたいな終戦の夜
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永遠の闇ではないと息をして今ここからの我を繕う
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皆去ったプールの水面眺むれば夏の終わりはいつも寂しい
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秋あかね 獲ったと汗だく 話す君 エネルギー満ちる 君は五歳なり
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嬉しさもやがて哀しき茄子の牛 見送る盆の夜風寂しも
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指先に残るぬくもり白煙の ゆくさき祈りて月へ昇れり
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ばーちゃんが好きだったなと思い出し お盆の風に てりやきバーガー
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炎天下きいろむらさき白菊の願いを受けてそっと立ちたり
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色違い お座布団おざぶがふたつ 並んでて ねこがねている 平和の象徴
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何事もすぐにかかれば済むものをわかっていながら先延ばしする
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雑草とよべばずんずん生えてくる陰日向ない砂利の道でも
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旦那からの 「遊びに行くか」の一言で 三十年ぶり デート実現
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夏日和 風なき窓より 猫の声 心和みて 君安からん
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ビル風の瞬間風速、 Tシャツのなかに残った夏を奪えり
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盆もなし 正月もなし もう慣れた  社会に出され 十余年
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あるときに ふっと浮かびし 会心の 戯(ざ)れ歌忘る 書き留めぬまに
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波音を聴かば思ひ出づ里ありて 私はあなたと話がしたい
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神をすて己をたのみ栄ゆども 傀儡くぐつのままに八十一年を
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「お魚が高くなったね」丁寧に小骨を外すアジの開きの/題『開』
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もみの木の枝にかけたる鞦韆の揺るるまにまに鳶ぞ鳴きける
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親戚はもう来なくなり華やかな盆提灯昔を名残る
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食前の 薬を飲むの 忘れたわ 食後に飲めば 次の食前
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人混みと諏訪湖を見下ろし四万回のため息を打ち続ける花火
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小気味良く 言の葉躍る歌人うたびとの 創りし短歌うたをいつか詠みたし 
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今夕も雨降りなれば順延し迎へ火なしの送り火ならむ
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秋立ちて まだ夕風の 涼しさに 袖振る人ぞ 夏を惜しめる
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