塩かしらスープカレーに足りぬのはも少し美味しくなれるはずなの
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母伏して 徹夜付き添い 入院し 『帰りたい』との 母を説き伏せ
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が慕ふ年長の友らおしなべて老ひの翳りを纏ひて寂し
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カリカリと もっと食べなよ ちま猫ちゃん せっかく体重 すこし戻った
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真っ直ぐな瞳で見れば澄む未来 心に鳥を悟りの境地
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南天の実が欲しくなる 冬の夜 魔除けなるべし 魔除けなるべし
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底に着くそのまま窒息する前に 夏至に向かって浮上を始める
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道すがら他人の庭に咲く花の名の調べ方考えていた
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満ち満ちた陽ざしの中の紅葉をきらめかせては過ぎて行く風
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整えた爪 トップコートの艶 小さな丁寧が 心を助く
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またひとつ歳を重ねて私から放つ光も一光年進む
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照る月を 見上げて泣いて 一人きり 僕の想いは 君に届かぬ
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世の中は 難しきこと ありふれる それを乗り越え 未来存する
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また一人親しい人が減るたびに思い出す裁縫苦手なこと
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箱の中閉じこもる日々鬱々と 闘っている最中さなかの悪夢
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おもしろい 空が空から 落ちてきて ホントの空は 空っぽなんだ
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人生のピークは袖をちょびっと掴まれたときでした
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ぬばたまの纏いし衣だけ残し解放される紫の明日あす
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全部秋になれと思ってるから俳句がよめない
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あちこちで 元カミさんと 遭うけれど これは運命 腐れ縁なの
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手首切るためのものではありませんカッターナイフの刃じゃ弱いよ
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年の瀬に 地震が続く ご時世に いまだ原発 続けるつもり
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君のこと 思い続ける その度に 想い深まる 永遠とわに恋する
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基本的 貧乏人が できること 短歌小説 作詞作曲
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目薬を ポトリポトリと 垂らす度 残り時間は 刻々と減る
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それに悪意がないのなら 私は何に苦しめられたの? ねえ
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珍しい テーブルさん座 知りました 我が好奇心 我ながら好き
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死にたいと 漏らした君は 不死身でしょ 比喩だと思ってた ほんとなんだね
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伏見稲荷不死身を願う鳥居道不死鳥として蘇りたい お題:不死身
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寂しさや街に流れるクリスマス渋谷発快速九時五分
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