Utakata
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夜明け前 遠くに聞こえし蜩の 鳴く声涼し我が故郷は
21
役に立つ・立たないじゃないやまゆりはただそこに咲く白さのままで
31
本日は リモートワーク ボトムスは 高校時代の 短パンジャージ
15
花火果て ふと見上げれば 月ひとつ さきほどまでは 脇にありけり
17
張り紙に叩かないでの文字ありて コンプラ意識がスイカを撫でる
11
夏草を雑草と呼ぶ人の横 その花の名を調べる人よ
22
三日分三時に食す洋菓子がすでに消えてて吾は手品師
14
十六年ぶりにエクセル開きたれば 違う景色に 迷子のマウス
16
蝉しぐれ 今朝は涼しい
29
℃ 酷暑続きで狂う感覚
21
父親に十二万円貸したから 最後のタバコを 噛み締めて吸う
9
驟雨あり瀝青冷やし気を鎮め 夏将軍もしばしひと息
22
あの夏のプールの時間の僕のような体育座りの三角定規
11
陸運局 申請書類の 手に負えず 我を手招く 代書屋の文字
10
汀にてつつつと走る
鷸
(
しぎ
)
たちの つまの文めくみゆびの足跡
10
いまひとり膝を抱えて凌ぐ夜 耳鳴りの音を音楽にして
8
マルチタスク 実は並行できてない かわりばんこに 切り替えるだけ
10
老医なれば朝二時間の診察にて脳は枯渇するも心は満たさる
8
目を凝らさないと月が見えない貴方の裸眼も綺麗ですよ
7
待っているバイブレーション 揺れ動く気持ちのあらわれみたいだなって
7
筆跡を見比べているそれぞれの二十二年が乗った一画
7
やらないと って思ってる と何だか あとに回して しまいたくなる
7
突然の雷雨の中を駆け抜ける僕は今でもラピュタを探す
25
公園の 広場をまっすぐ 突っ切れば シャワーの水音 蝉の聲
12
あの頃の憧れだったヒーローは職業欄に自営業と書く
9
閉じ込めし
三十年
(
みそとせ
)
(
)
の想い 時超えて 君の面影
現実
(
うつつ
)
(
)
をさらう
6
今日もまだ眠れなくって泣いている日曜夜は特に苦しい
6
ひやきゅうりかじるサツキとメイのマネいまだにしてる十六の夏
18
いい気味と思い落ち着く心でも淀んで溜まる黒い後悔
6
猛暑日の居酒屋で見た張り紙は「今日を生きたら全員優勝」
7
光速が道路でたむろし満ちてゆく景色は潜る青空の底
7
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