駄菓子屋の飛行機かかえ空き地まで 「せーの」の声に子ら風を読む
22
「恋する」を「あいする」と読み三角をくれた先生は独身のまま
14
将来に不安のなかったぼくのこと 湯船でアヒルは今も待ってる
20
切りすぎし前髪おさえてはにかんだ幼き君よ 泣けてくるほど
24
ベランダで 洗濯物が そよいでる 心にも風 とおりすぎて
12
ワレワレハ 宇宙人だと扇風機 面白がって真似をするきみ 
20
この空の蒼の重さと夏のに おろしたシャツの白で抗う
13
カタログのモデルが着てたあの服を自分が着ても同じにならじで
16
夕暮れはもう滲まないハルジオン 迎えにきたと君が咲くから
15
もし君がひとりで生きる苦しみに 堪え兼ねたとき私を呼んで
19
貰い物 きゅうりの礼は 小松菜で 緑の回廊 野菜外交
23
オルレアの白い花々揺れる庭音無く注ぐ五月の光
14
ゆずりあい そういうことを いうひとが ゆずったとこを みたことがない
10
君は今幸せですかもしかしてそれは私を含んでますか
11
がく(萼)れに忍ぶ露とも見ゆるかなにゆかしきはあぢさゐの花/額紫陽花に忍ぶ恋を
10
アルペジオ爪弾く指に見惚れてた それだけでもう恋をしていた
12
草原で幼い僕を怖がらす親指ほどの負飛蝗おんぶばった
15
朝靄に 紛れて歩く 横顔を 追えばほどける 靴紐ひとつ
9
この丘の 眺めに遠く いつしかの 君を探せば 夏は直側すぐそば
14
爽やかな初夏の香りはレモン色そっとかじれば弾ける酸味
8
ひと巡りするたび瞳に焼きつける窓ガラス越しの薄紅と青
8
ゲームとか インターネットを 投げ捨てて 野山を駆けて 遊びませんか
9
予想に沿う 未来は有りはしないから 案じず今に 時を割きたい
9
お前には獲物分けたくないんだよご苦労だったゆっくり眠れ
14
花苗のセールの札にさそはれて散歩のついでに求め来たれり
7
あまた度呼びて鳶舞ふ嶺の松いらふる声の絶えし虚空に
7
妻の背の思いの外にやつれおり なでてやりたき 琥珀の酔いに
18
読みにくい短歌雑誌の掲載歌 句の途中でも行を変更
13
世田谷でどうやったって孤独感ワンルーム床にワイングラス
7
雨音が遠くで聴こえる いつぞやの ゆめゆめ逢えぬ時こそ美し
9