あなただけ最終列車に飛び乗るの?私はひとりで夜明けを待つの?
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ポケットの赤い詩集の隙間から紡ぐ言の葉は真紅の響き
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ざわざわと人混みの声夕闇に染まる街並みイルミネーション
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しわがれて 若芽で枯れて 霜の夜 無き花求め 今日も爪立て
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無いものに 名を与えては 可愛がり こぼれ落ちては 嘆く可愛さ
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苦しみをパピコぐらいに思ってた 雪見だいふくと同じでした
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気になるなあ。その症状はもしかして薬剤起因性老年症候群?
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在るも無く 過ぎゆくものを 身に預け 雨待つ森で 腐葉土を噛む
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野菜室みたいな空気に服も決めかね、コートのボタンを二個だけ留める。
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地獄には落ちたくないと思えたのなぜならあなたと会うだろうから
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桐壺に あやかる心に 野分吹き 浮舟動かし 望む夢浮橋
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待ち人は来ずにぼんやり外を見る風がどこかに吹き抜けている
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どら焼きか豆大福かを迷ってて両方食べる月つとめ前
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月がみえない夜ベランダで一服 ラベンダーの匂いした君
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お手紙は何日までに出せばいい サンタさんの顔色伺う
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人なんて結局、全員嫌いだよ 温もり求めて恋はするけど
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何も見ず 去りゆく空蝉うつせみそれを見て「酷と思うな。」と御法みのり、我が真木柱まきばしら
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楽しき夜 あれも陽炎か 手習いのふみで叩き渡る 夢浮橋
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この恋が落ち着くまでは 君のことばかりをよんで過ごさせてくれ 
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浜辺にて 君の名を書く 僕の指 打ち寄せる波 君が消えゆく
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見切り品安くも買うに至らなく冷感タイプ入浴剤なぞ
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良い年を 掛け合う声が 聞こえる街 みんな笑顔だ 幸せのお裾分け
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働いて、働いて、なおインフレと金利引き上げ楽にならざり
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双子座に 見える角度は 地球だけ 星間戦争 しているかもね
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君が鼻歌で歌った曲を書くメモ帳 まだ一ページも埋まってないや
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モノクロの写真に見つける傷跡はたくさんの血が流れた水路
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山頂に雲海広がる遠き峰朝日の中に地球の鼓動が
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馬鹿にされ稼いだお金 馬鹿にして稼いだお金 似て非なるもの
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あのあれは 誰やったかな あのテレビ ドラマも出てて 何もでてこず
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本当は言いたかった。あの花の下で。でも、星になった君にそれを投げる手はもう、無い。
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