Utakata
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行き場なき 重ねし想い 吹きかけて 茅の輪くぐりて 区切りとしけり
19
目も見えぬ耳も聞こえぬ老犬は だから何よと我を引きずり
14
役員の 重荷が下りた喜びも 傘なき手元に容赦なき雨 /一人連歌②
15
祖母眠る 墓石撫でて 魂が 石へと変わる 無常に触れる
12
梅雨晴れや採れたて野菜焼く煙 ひまわり揺れて友と笑いぬ
11
いつもより重たい空に磨かれてすべてが色を取り戻す夏
11
濃き珈琲 胸にこたふる年となり 薄きを淹れて書斎に座る
14
リスカ跡隠さぬ君の眼差しは何を求めて僕に迫るか
9
柑橘の各種の種を植ゑたるにやうやう芽吹くもどれがどれやら
9
隣人の明日がいい日であるようにハートをひとつ色づけてみる
10
照明を落とせば非常口のあをぼんやり浮かびて夜のこごれり
12
花占い 「好き」の花だけ集めては 束に重ねて君に贈ろう
9
とりあえず これで区切りがつくからと 声を聞いたら 溶けてく境界
8
エピローグ書くともなしに捲る手の先に未完のプロローグ見ゆ
13
階段を 上る足音 聞いたなら 1分先の 未来が見える
8
冷房と除湿と湿度と戦いはひざ掛けだけが私の味方
8
「楽しんでこいよ」と送る父らしく泣きだしそうな曇天の空
14
梅雨寒に夏の暑さを忘れをりわが愚かさにはっと気づけリ
13
塗り直している鉄骨階段のいつかバウムクーヘンになり
8
眠っても眠ってもまだ眠い朝なみだの回路だけ起きている
7
雨降りで散歩途中で切り上げるまあ人生はそうは行くまい
7
自転車が冷えた空気に振り返るそこの家々時代が違う
7
わらべらが長靴はきて家路踏む信濃の野辺に夏はきにけり
23
点滴のしずくのなかの静けさに 眠れる星の夜明けを祈る/星空様待ってます
31
郭公二声鳴くと聞きつるは夜更けの峰のこだまなりけり
20
すっぴんで胡座で啜るカップ麺 あなたは好きでいてくれますか
6
散り際の紫陽花を足元に咲かせて先輩は珈琲を含みゆく
6
明日からもう会えないと言ったならこれまでの距離を悔やむだろうか
6
犬みたく あそび放題 後ろ髪 小雨のしずく 光って消えて
6
怒りすら原動力になっていた 回送列車は停まったまま
6
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