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飼い主のいない家猫になるべく来月分の診断書たち
8
目がかすむ ダブルパンチの 薬漬け 雨がしとしと 涙のように
8
楽しみは インターネットと 冬ごもり 家庭菜園 もうすぐ春だ
8
ウィーンにて長き接吻の終わるまで茂吉は飽かず覗き見にけり /2月25日茂吉忌
8
明治には身思ふ声を繋ぎしか音の遺産の壱号電話 [題詠 電話]
8
ストレッチャー微笑み乗せて遠ざかる父よ遥けき地平の
青年
(
ひと
)
よ
8
巻き貝の螺(にし)をオネジに見立てけん古人(いにしえびと)をわれは敬う /螺子賛歌
8
家計簿を 付けて出し入れ適正化 財務省が 規範を示す
8
ポテサラに キャロットラペと ブロッコリー 蒸しつつ鮭焼く 合間に大根おろし
8
雨の街 毛先がくるんっ 嬉しそう だからわたしは雨が嫌い
8
公園に 遊ぶ坊やは トムソーヤ 手を引かれよろめく
禿頭爺
(
とくとうや
)
8
一日が あっという間に 過ぎていく 繰り返しては 二月も終わり
8
平等で 厚くも脆い 命なら 笑いましょうか 身を打ちましょうか
8
溺れかけ 三寒四温の 大波に 慣れたる前に 退避しており
8
昨日の雨で地上が顔洗い 潤う朝の晴れやかさかな
8
避けられぬ日露の戦に血を流し 我らの祖先は悪を斃せし(ウクライナ思ふ)
8
ランチやめ定休増やし抗うはまちの割烹 浦霞酌む
8
雪柳 早も数輪咲き
初
(
そ
)
めて 陽射し無き日の慰めとする
8
こわさないように避けて歩いてく 春の夕焼け宿す水たまり
8
プランタを 花咲か婆ちゃんから もらい 花より野菜のタネ 選ぶ 孫
38
退社後のバス停 濡れたアスファルト ベンチの
滴
(
しずく
)
通り雨の跡
42
今もなお時を刻めり腕時計 手にとる朝に早春の風
40
柿の実を啄む鳥と睦月去り
鴉
(
からす
)
一羽の裸木の空
39
数字との 戦い始まる 年度末 睡魔が襲う 事務所に一人
32
彼方から始発が響きまっさらな今日の端っこ解(ほど)かれてゆく
21
同僚ともう春だねと退勤のみちみち話す空はももいろ
30
春近し 古木の白梅咲きそむる 若草色のメジロが二匹
23
微睡
(
まどろ
)
みを 降車と共に 置ひて行き 歌を
推敲
(
すいこう
)
夜
(
よ
)
も
寝
(
いね
)
られず
24
『口』四つ
五月蝿
(
うるさ
)
かりしか此の度は私は
屹度
(
きっと
)
『躁』だった由
14
夏時間芝に寝転び空見上ぐ何のジャッジも自責も無しに
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