風渡る 棚田を揺らす一陣の 青田波立ち夏は来たりぬ 
23
傷つけた 友の泣き顔 浮かぶ朝 雨音よ消せ 僕の愚かさ
23
ガガンボがデカいホコリつけバサバサと 細っこいのに体力あるなぁ
12
用水路 梅雨空のもと 水かさの 増して早きを 渡るあめんぼ
11
この葉月七十プラチナ婚の祝いどき九十なかばに揃って元気
18
正しさを求め続けて夏になる 二者面談のイスの冷たさ
16
「帰りたい」「元気になって」「またいつか」想いにしなる 病院の笹
30
棚上に置きたるままのあの心 降ろして愛でる 暇もなきかな
12
断捨離に我踊らされ愚かなり 物は思い出今更ながら
9
雨やみてベランダの闇うすれゆき月満ちてゆく水無月の宵
8
人間が丸くなったかエゲツナイ短歌浮かんで来なくなったよ
8
名前さえ 知らずに友と なれる今 時代の流れに とまどいながら
24
つゆぞらにグラデーションます紫陽花の求めしころの想ひでかたる
7
枯れ枝を切るチェンソーの音がして山中の道踏みしめ登る
7
涙だとみとめなければこれは水 すこしあたたかいだけの塩水
6
リハビリに背伸びをすればガラス越し アガパンサスは夕日に照りて
15
寝返りの動画ママから送られて君の「初めて」繰り返し見る
6
紫陽花は内緒話をしてるみたい ちいさないのち 寄り集まって
19
鈍痛を思考放棄の言い訳に 明日の不安からそっと目逸らす
12
殺人を止められなかった探偵が 答え合わせという名の言い訳
8
やは肌のあつき血汐にふれも見で逝くは如何にと問う人も無し(晶子 改)
5
キミガワルイ世界と別れ 出会いあり 創作より恋と生きます
5
朝五時にバチャバチャ暴れるうちの亀 ごはんをくれよ水を換えろと
19
大雨や 地震の度に 改めて やはり自然は 強くて怖い
8
祖母の手がわたしの袖を二回引く 海鳴りやんだらアイスたべよう
5
憎々しくも生きる腹内はらぬちに爆ぜる 銀河流れる星の兆しは
5
改札を抜ける背中は滲みゆく入場券も許されぬ恋
17
川の辺に匂ふ菜の花五月雨さみだれに濡れにぞ枯れし春は過ぎゆく
5
胸の内 雲間すら埋める あまくもを 連れて行かぬかと 風に尋ねて
7
啼く鳥も めおとの蝶も 夕なずみ ささめき交わす 夏来たれりと
9