くだらない 記憶全てを 捨てるのが 大人なら僕 子供で良いわ
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移り変わりゆく人々の中であなただけが程よく放置しつつ側にいる
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楽しみはとっておいたの最期まで 芽はでないのよ まだ秋だから
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往年の恋より便り庭の枯れ葉を掻き集め宵の灯火
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帆船に私の写真2、3枚載せたらあとは風に任せて
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怒られることが確定してる明日 睡眠薬も役には立たない
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金曜日 デートの約束 とりつけた ではまた明日 会釈するキミ
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汚泥みたいな思念の渦から逃げるべく短歌を書き置いて去る
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何かしたいしてあげたいと 今日もひとりよがりなエゴを振りかざす
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晴天に輝くイエスの星を見よ 我らはあれを打ち爆ぜさすのだ!
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眼差しはビーム 数秒前にはもう通り過ぎているような恋
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業火這う赤い布団に浮き沈み 乳掻きむしる遊女悲しき
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幸せな約束がある7日間 切なく苦しいあと7日
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パソコンもピンチアウトが出来ればなそう思いつつモニターなでる
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芸能人占い番組見るのはとても楽しいわれでないからか
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寒の雨のきらきらひかる涙の音 消え失せにけり連絡先よ /「クモの巣」
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誕生日に小さな百合の花をあげる 私にできる唯一のやさしさです
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保護叩き?燃やされるべきはお前らだどんどん燃えて光熱費になれ
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寝返りを打つと別れは遅くなりどこかへ消えるような気がした
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真夜中に同期四人の写真受く総年収はおよそ十倍
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いつまでも 学生気分は やめなさい 部下に叱られ 常務が泣いてる
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列を成す 億の細道 あー神よ 仏よ祈る 夢子夢太郎
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全部見て全部忘れる生きているご飯を食べるまだ生きている
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暮れてゆく部屋の机上にスリープの明りの点滅するコンピューター
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もう過ぎた十一月に降る雪は私のようにきえてゆくもの
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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秋日和 風無き庭にメジロ二羽 残りし花の狭間たわむる
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さまざまな石鹸の香り交ざりあい籠もる夜更けの公衆浴場
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親も子も 毒も薬も 喰らいつつ お腹くだして うたかた処方
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