日本酒と煮干しで愛でる秋の月 涼しさ覚え寄りかかる肩
18
かたちないものを取ることうまくなりあなたは数歩先で振りむく
14
酒断ちて じっと我慢の二週間 組織検査の結果を待てり 
17
十四さいだから全てが未知数で多分ポケット空まで入る
15
文字打つに整えた爪色気なし誰かに触れる予定もないが
12
左膝のいたみばかりが本物でなれぬ齢(よわい)をひとつかさねる
13
運動会フリーズしてる孫を見てあなたのパパもおんなじだった
17
今年あと ハロウィンがきて クリスマス そして年末 ほんとに早い
11
ただいまと言えば激しくおかえりとしっぽで示すきみがだいすき
19
空が泣く夜はひそやかに寄り添いて星の馨りで眠る黒猫
14
朝五時に 暑くて熱い 目が覚めた  三寒四温 どうすりゃいいの
12
今日もまた 人と生きるの疲れてる わたしはきっと ねこなのね
9
ピーピーと洗濯機から泣かれてもソファの磁力は振り切れません
9
老医われ青きスニーカー履き大股で! 階段だけは手すりにすがるも
9
冷たくて 固い床に 身を預け ごめんなベッド 今日は浮気だ
9
これいいね コート見ながら キミが言う ちょっと見てみる? 秋の街角
9
想いひをば三十一(みそひと)文字に紡ぐ時 齢八十なほ遅からず
9
大量の 宅配ピザが くぐる戸の 見知らぬオフィスに 和む夕暮れ
9
随分とサボるのが上手になった 茶トラ猫には逃げられるけど
8
散髪は 自分でやるよ 上手くなり  コツはと言えば 刈りすぎぬ事
8
同業者 人を励ます 機会あり いつの間にやら 励まされたわ
7
半額の シール求めて 店内を まわる最後に 光る金麦
7
基礎固め積まねど積めぬ砂の山涙溢れて山となりぬる
7
夏の果て ふるさと跨ぐ 白雲の 野辺に咲く花 紅鮮やかに 彼岸花
7
記念日にダイヤの指環は要らないの 買えない時間をもっと下さい
13
推敲をせよというのは違うでしょ出来上がってる短歌ですもの
11
俺はもう飼い慣らされることのない老犬なのだ 職場で居眠り
9
混ざり合えないと分かって浸ってた貴方の海は 絵の具のようで
6
カンパーニュ 噛めば噛むほど味が出る ずいぶんおしゃれなスルメだこと
6
眠れないではなく眠らないゆえにひだるい胸よ じき朝餉どき
6