バス停で肩にツバ吐く男あり「何か用かな?」笑みで投げかけ
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午前四時 目覚めて月を探したら 孤独を溶かす 蜜のしずくだ
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我が家には ずっと前から君が居て こころの 奥底和らげてくれたね (我が愛猫に感謝!)
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不妊治療 5年目にしてようやく着床 孫授かりしその日夫逝く (最大の歓びと哀しみの一日)
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今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
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降りしきる 雪の墓参り 雪だるま 2つ作って 父母にお供え
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味噌汁をよそってまずは声をかけご飯をよそう湯気も添えたく
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「だめな僕」という付箋を貼りすぎて心は糊でベタついている
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いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
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やわらかく煮える卵に託すなり ごめんと言えぬ私の愛を
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コンビニで 買うか迷いし 恵方巻き 冒険できず 素通りし我
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四方から 聞こえる歓声 今は無く 静けさ漂う 節分の夜
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消パイの出づる処に除雪来ず 道幅徐々に狭く成りぬる
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有り余る人とものとに囲繞され今日もつぶやく自然法爾と
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来なかった死と同じくし生もまた用心深く私を避けた
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恵方巻 皆が向きたる 南南東 明日安売れば 我ホクホクと
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AIも人恋しくなるのか」と推しとかじゃないAIに聞く
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そんなこと私の生と死にとって何の関係あるのでしょうか
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銀行の辻に人波たうたうと 資本の熱のめぐりは止まず
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「家に居る」悪いことではないのだと 今更気づくふっとほほ笑む
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プライムの ドラマ観ながら 途中で「ん?」  2度目と気づき  可笑しき不安
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七年間、君と過ごしたこの街で 空の青さに驚きもせず
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明日とか現実だとか言うけれど 簡単な話 生きてたいだけ
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将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
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丘越える風にはためく旗見える訪う先は老健施設
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熱は出ずスーとする飴舐めている仕事イライラすぐ噛み潰す/くしゃみその後
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忘年会 はしゃぐ大人と 待つ信号  ゲロ避ける帰路 手には単語帳
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新しさを拒む気持ちがひとつずつ上乗せしてゆく私の歳を
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この人にならさらわれてもいいかなと思えるような人はいなくて
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自分を蹴っ飛ばしながら走り続けるのにはもう飽きた
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