口にあるむき出しの骨磨くとき自分史上の学芸員だ
5
燃えたぎる 何かの正体 探すべく ノートを武器に 旅をする今
5
ウニ食べたい あの時ふたりで北海道で食べたあのウニ あれじゃなきゃイヤ
5
目を閉じて夜雨の奥にかくされた顧みられぬ悲鳴をさがす
5
なにひとつ法に触れずに縦横に理非曲直を弁えぬひと
5
夜へ乗る、この道滑る箱の中、これはまるでそう棺桶じゃないか。
5
花雨くわうみれば 春の心のさみだりて 咲きををりてしをりくらぶる
5
女には 賞味期限が あるんだよ だから恋にも 終わりがあるの
5
終末の 予定は必ず 空けている あなたが部屋に 戻ると信じて
5
五月一日メーデーに 貴方があの子と 結ばれた 私の世界が デクレアしたい 崩壊した日エマージェンシー
5
風さそふ 花は吹雪ふふきて次次つぎつぎに 道をおほひて包みかくさむ
5
ステッカーをスマホケースに入れる時、推しとお揃い。恋人気分。
5
砂の中から見つけた 下駄箱に溜めてたキラキラを空に投げる日
5
帰り道 思いがけないベンティ合言葉 私の世界にまたひとつ色が
5
菜の花日和洗濯日和だなと主夫手を抜きながら妻は病室
5
今週も怠惰なわたしはお土産のケーキを食べて泣きそうになる
5
カラオケでこっそり録った歌声を消してしまって悔やむのも夜
5
こうやって あなたのきれいなところだけ 積み重なってオパールになる
5
彗星と地球の巡りにあわせては 元気にしてる?と受話器をとるの
5
オパールになることを夢みることは僕にも権利があるはずなんだ
5
新歓が終わった夜に泣きながらカールをほどく ひと女でなければ
5
傷付いて穴ぼこだらけの心臓で生け花をするマリーゴールド
5
雲も無い 九月の夜に 乱舞した あの激しさで 今を愛そう
5
ボロボロの飯に水入れ温める粥を啜って今夜は眠る
5
ぬばたまの 夜に望月 あきらなれば ものども畏め 女神ぞ参らむ
5
アラビア人かなしきいくさ世をへだて民族浄化ゆくへしらずも
5
なにかやる 人だからこそ 出来ること その時までは 日々精進
5
足音と木々の掠れる音を背に 想い馳せるは とどかない未来
5
ひとり、夜空を駆けるひかりに願いを「あなたの北極星になりたい」
5
三文字の名を見つけドキッとするこんなところにいるはずないのに
5