蟋蟀きりぎりす 地下駐輪の 隅に鳴く 出口も知らず 命果てるや
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秋梅雨に 湿ったシャツに 袖通し 週間天気に 太陽さがす
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越えられぬ壁などないと絨毯を 引き摺り進むロボット掃除機ルンバのなかま
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畦道に 朱色に燃ゆる曼珠沙華 炎の如く秋が染りゆく 
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反抗期 舌打ちをかます 息子だが 贈ったハンカチ いつもポッケに
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ぬばたまの夜に鳥の音さよふけて わたりの風は告げよひとの香
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高い枝切ったおかげか我が庭に金木犀の香りましまし
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婚姻届は夜間も出せるからAM:ラブオールからラリー始める
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シャンプーの詰め替えラストスパートだ シャボン玉飛べ 消えないで飛べ
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炎天に 揺るる百日の 花なれば 過ぎゆく夏を 惜しむことなし
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雨たちて 道に連なる 街路灯 朧に瞬き 水面を揺らす
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「絆創膏の絆はキズナと書くんだね」実験室裏 夕陽が見えた
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温かい その手に触れて気づくのは 幸せなんて 案外静か
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折りたたむ眼鏡は腕組みするようで眠るわたしの番人になる
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ご機嫌に、尻尾を振って飛びついて 愉快な犬になってみたい
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小腹空き 昼には早しと 思えども サービスエリアで 父とラーメン
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朝寒い 昼暑いけど 夜寒い とは言いつつも 今良い季節
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秋風が 頬を撫でゆく 散歩道 無我になりゆく 朝の深呼吸
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俄雨雪に変わってしんしんと足から冷える避難所の夜
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褐色の落ち葉の土の向こうから君来る幻影見ゆる愚かさ
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こんなにも綺麗な彼女を置いて逝く 醜くなるまで側にいたかった
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お彼岸の実家帰りのスケジュール天気予報に振り回されて
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まっしろな答案用紙の裏側に遺書の下書きくりかえす夏
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いたずらを好物として台風はみつばちになる 連休を吸う
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あれ、なんで。昔はお酒ガソリンいらずでさ、ずーっとべらべら話せたじゃない。
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馬鹿野郎と言えないためにへらへらと卑屈に笑う我が身の屈曲
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時溶けて 夢見の気持ち 忘れゆき あの人の声 内に谺す
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もっと会うことはできたと悔やんでも 充分会ったと菊は笑って
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久々に手淹れ珈琲かけ回す 連休だもの眠られなくとも
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守れない 約束ばかり 増えていく 今の暮らしを 守るためだと
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