紙コップ毒であれよと水を飲む常敗の世の一縷の望み
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うっかりと階段途中落ちたのはハンドクリームフェアリーベリー
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いざというとき人間は麻痺できる麻痺してることに気づかないまま
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注ぐはずなかった慈愛 大好きなあなたの子供はこんなにかわいい
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西日差す 小さき角部屋 ふと思い出す  幼き頃の わたしの居場所
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ほろ苦き 春の天ぷら 欲せども 想像だけで 胸は焼けゆく
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神頼み 助けておくれ 病む祖父を もし祖父のこと 見ていたならば
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いつまでもわたしを覚えてほしいからあたたかくして、ずっといきてて
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健康を 少し気にして 炭酸割りハイボール 記憶を辿れば 父はで飲む
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「本当にキミは何にも知らないね」うん・・驚いたよサバンナの象
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雨光る日曜ぽろぽろぽろぽろとグレン・グールド聴きつつ木立を
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大雪で バスも電車も 運休し いつも通りが 特別なこと
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お弁当を食べたら今日の一日の業務が終わるそんな気がして
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晴れわたる空を飛びゆく黒いはね海辺の道の年初めの日
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木を下りて人への一歩を踏む猿が追いかけたかった流星がある
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和歌百首 重荷に感ず 十七や 三十七にて 至宝に感ず
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かなしいな きみがくれたの 最後の言葉  嫌いじゃないよ、あきらめただけ。
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雪の中ほんとうの名前を忘れて呼吸だけが降り積もる夜
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あの子より大きく育った恋だから 割れちゃいないの、だけど泣かせて
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しあわせね、末永くずっとふたりでね でも願わくば、つづかないでね
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大雪に鉄道止まりし大寒の選挙戦とは耳を疑ふ
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締まり雪 踏む心地よさ 酔いしれて 鉄格子グレーチングに 拍子狂わす
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年月としつきを 超えて出す癖 マグカップ 戻す棚より あの日が匂う
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すずしいと思う、宇宙のくらやみの喉をとおってすぎさる風よ
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玄関ドア しまい忘れの 虫除けネット  役立たぬまま 寒空に震えてる
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甘いもの好きなヒヨドリ かれさえも 早春ならば菜花ついばむ
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海外の知人の家を検索しマジ驚きぬストリートビュー
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この世をば が世とぞ問ふ 新月の満ちたることも無しと思へば
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きみだから一秒すらも愛おしい 春夏秋冬の恋 ああもう七時
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忙しく食事の時間を惜しむのに手の込んだもの作りたくなる
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