暗い道 高速飛ばして 来たものの  目指した場所は 臨時休業
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幸せな花を眺めて雲陰り いつかはかれると知っているのに
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アイデアにノーとしか言えない人にアイデアは無い? 答えはイエス
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昨晩も今朝もお昼も今晩も君と過ごせる在宅さいこー
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最後の夜 別れがなかった だからまだ 寒風に包まれ 期待をする私
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「かな」だとか気取って見たけど結局は文字数合わせの虚飾ですわな
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見つけたここだった! 世界でいちばん平和な場所 スーパー銭湯の大広間
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聞き取れないロシアのパンクがお気に入り ジャケ写の死体がボーカルらしい
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待ち合わせ いつもの本屋で 待ち合わせ この一年で 五冊読了
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めくります古いページはもうめくる黒豆ゴマメあたりめ焼いて
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世が人が 猫も杓子も バタスタと  限りに挑む 年末戦線
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おっラッキー ひとつ空いてる セルフレジ 人混み抜けて 故障中と知る
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聖夜前君との漠然な温度差隣りの犬吠え床に就く
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喧騒を 越えて在るのは うつつかな 街灯の先 見える足跡
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年の瀬にココナツサブレヨーグルト買う吾を見て人は笑うか
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眦で爆ぜた火片が種となりいつかよく似た花が咲くこと
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もういいやじぶんでぜんぶせおいこんで ナイフを捨てて笑っていよう 
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友と会い 酒を交わして 気づくのは 虹と見紛う 宝石の時
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好きな色変わったんだね 覚えてる ずっとずっとあなたを見てるし
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『目には目を、歯には歯を』とか 言うのなら わたしの手には きみの手添えたい
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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六十路なる吾の通信簿 理音四 国美社が三 数体下がり二
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寝つかれぬ虎落笛もがりぶえをも聞こえぬ夜三十一の糸編んではほどく
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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静かなる聖夜にひとり『夜と霧』読みて世界の平和を祈る
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横文字の洒落た料理は苦手らし冒険いらんと夫は言ふなり
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昼下がり編み物しながらイカ大根ことこと 冬の至福のひととき
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さき手に希望いっぱい握りしめ父にいだかれ眠る赤子よ
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うっとりとため息つきつ読むうたのあれど及びぬ 我が道を行く
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安売りの値段につられ毛糸買うも 編み辛過ぎてはかがいかない
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