Utakata
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花林糖
(
かりんとう
)
やめられぬまに芋けんぴ 縁側の茶器を雀はのぞく
18
椋鳥が蜥蜴を咥え誇らしげ遠い祖先は恐竜なれば
14
酢漿
(
かたばみ
)
の 黄色と
酸
(
す
)
いが 連れてきた 青き炎天 もうすぐそこに
14
餌くれた人越してったマンションの廊下にそっとたたずむ野良猫
20
瓶ジャムの 底をさらった ゴムべらは 驕らずもとの 水切りかごへ
12
うつろはぬものと伝へし老松も薄き二葉の夏衣着る
11
マンションの長き廊下に猫一匹お知らせ配る私をにらむ
22
ロベリアの可憐な青に足止めてこんな疲れた瞳洗われ
9
疎開先 文字を綴れぬ 幼きの はがきに記す 小さなばってん
13
のめうたえ うかれはしゃぐは
餅名残
(
もちなごり
)
鳴神弾む 春の酔いかな
9
青空に春雷響き通り雨濡れた身体を陽射し包みて
11
遠雷の
曇
(
くも
)
れる野辺に
轟
(
とどろき
)
て 無人の
畔
(
あぜ
)
に 苗箱ひとつ
19
根を伸ばす神棚前の
榊
(
さかき
)
の木わたしの運が一緒に伸びる
16
あいつただ走ってるだけに見えるけどなにげに光合成してるらしい
11
重くなる神輿をみなで担ぐ日々転嫁できないとこから潰れ
9
険しきを生き抜く鳶に我ならば雲をしのぎて
翔
(
かけ
)
りなましを
7
失敗の重さや軽さのこと思う 窓にぶつかる雨の水玉
18
ぶつかって痛む心ごと削られて河原の石は安寧を得る
7
旅先でよく知る街の名前聞き一気に郷愁湧き上がるなり
7
咲き過ぎて枝折れ落つる花を見て程よく生くる理を知り
7
風薫る 皐月の空に雨を待つ 代掻き終へて雨蛙鳴く
16
セブンティーンアイスの跡地にダイドーの自販機があるような夕暮れ
15
街中に日傘の花が咲いていた不意を打たれた夏の訪れ
13
朝ラジオ いつもの声に 目が覚める 粗塩手に取り 握るおにぎり
13
廊下にて楽しげに群るる背中らに バックモニター付けてやりたい
6
何処
(
いずく
)
にか君がおもかげ誘ひ去る春の
東風
(
こち
)
こそ花を散らしつ
7
人造の涙で別れた画面越し
(
久方の光のどけき春の日に
)
しづ心なく 花の散るらむ 033/100 紀友則
7
ポッカリと穴空いたよな心地して カップのライン 朧に揺れる/ひとりゴルフにて
14
午後五時にあなたと話す夢の中でだんだんわたしは形を成す
6
この恋に 捧げた夜を思い出し 私はいつか、泣くのだろうな
11
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