音だけが夏の夜空にこだまする近くて遠い花火大会
17
時間貸駐車場には予告あり土手の花火の当日値上げ
11
遠き日の 抽斗ひきだしの奥仕舞ひたる 白き便箋若き秘め事 
12
道端にあの世の入り口開けている蝉の死骸の空っぽの腹
13
眠れぬ夜は詩を考へよと言ひし母 今宵眠れず母を思へり
11
人間界 うまくやるには ただ一つ 『人を不快にしないこと』だけ
9
卒業と就活かばんに詰め込んで「行ってきます」と「またね」を添える
18
朝なのに 日傘の下でウォーキング 樹間の風に 心救われ
11
くたくたのTシャツの裾で汗を拭く信号待ちする少年のヘソ
16
紫陽花あじさいの 咲きし小路こみちでペダル止め あの紫をまた振り返る
17
うすれゆく記憶のなかで吾の名は忘れず友は逝きぬと知りて
11
この車列 どこから来たの どこへ行く? 勝手に巡らす人生譚
10
トンネルを抜けたらそこに夏がいてナスを抱えてきみを待ってる
8
「飲み過ぎない!」年に一度のバーベキュー 「明日の私もおんなじ私!」/二日酔いは辛い
11
車からペットボトルを投げ捨てた不逞の輩は見知った顔なり
7
幸せにするって言ったの嘘だったの?なぜ早く離婚してくれないの?/ほのぼのファミリー短歌
7
ファシリティドッグを撫でて私より社会に適合してる犬ころ
8
世はいつも 有明の月 満たされぬ 満月追いし 人の世の常
7
界隈のさくら耳なる猫たちは朝の六時にたむろしてをり
7
キンキンに 冷えた部屋に 飛び込んだ 祭囃子に 花火の音
6
冷蔵庫 開ける回数 増えてきた 麦茶入れては また飲み干して
6
市民プールで焼きそば食べよと見てみれば 580円! 家でおむすび
16
スーパーで子がはしゃいでる親子連れああ夏休み始まったんだな
6
この夜にドアを開ければ夜がある そこにあるのに行く宛がない
6
我妻へ きっとこの手は 離すまい 終わりがふたりを 分かつまで
7
雷鳴は荒々しくも束の間に去りて残るは蝉の鳴く音
18
さりげないキスをもらった 右腕の子どもの頃の火傷の痕に
17
何だかは分からないけど助け乞う空気満ちてることは分かるわ
7
ギックリ腰 授かりまして 痛み耐え これも修行か 冷や汗流し
20
旅先のうたた寝中の夢に出た 貴女の笑顔 現のままに
5