Utakata
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何十年会わずに逝った父の墓 汗して毎年 夏草を抜く
16
皮も身もこそぎ落として骨だけで涼みたくなるこの暑さです
15
明け方の 鶯の声澄み渡り 里は目覚めて
一日
(
ひとひ
)
始まりぬ
16
さえずりとほのかな風の寂し気な過ぎゆく梅雨の淡い曇り日
9
冒険
(
ベンチャー
)
の気質でないと見透かされ義父のとなりで枝豆を切る
9
道すがら かつての美田の荒れるを見 見知らぬ主の不在を思う
13
「もう少し上手に笑えますように」 その短冊は捨てれなかった
8
独り暮らし 母を手伝う はずなのに 母に癒され われ帰宅する
14
熱増えてひねくれ
捻
(
ねじ
)
れ辛すぎた思いは消えるきれいさっぱり
9
紫のネオンサインをやり過ごし今日も炭火の煙をくぐり
7
宵祭り 夜空にほどく 影ひとつ 左手諦め 扇子を握る
6
「酷い目に遭わされました!」と早口で 訴えながらも膝に乗る猫
28
家中に 君が隠した 贈り物 毛という分身 君去り三年
11
眼鏡なし見る風景はブレボケの今はめずらし失敗のフォト
16
日曜の千円カットはゆらゆらとスイカ頭の小玉に揺れて
12
改札を抜ければ今日が終わるから もう一度だけ振り向いてみたり
6
夜書いた原稿に赤を入れながら なんなんだろうこのはずかしさは
5
愛犬が 横目でちらり おねだりの 「撫でて」の合図 以心伝心
9
古本に遠くの書店のレシートが挟まってると旅した気分
15
もう二度と
遭遇
(
あわ
)
ぬ未来があるならば 檻に入らず 墓に入れる
8
燃ゆる日の 光にむせぶ 青葉山 つらき暑さを 添ふる蝉かな
8
カルピスのグラスに響く氷の音 『夏休みの友』頁を開く
16
「いとしのエリー」 よく聴いたよねと 懐かしむ ふたり揃って いい歳と言えり
4
懐かしい町はマッチの中にまだあるはずなのに火がつかない
4
ゆで豚のおかずサラダを大皿に添えるお茶漬け小どんぶりお初/夏季限定
12
ニコタマで 悠々流る 川の名を 玉川じゃなく 多摩川と知る
4
富士山が雲のまわしを締めてると笑う甥っ子 高安のファン
17
逃げ道を塞がれ喚く碌でなし嘘で固めた無様な姿
3
台風は船を揺らして旅人の気持ちも揺らぎ 不安にさせる
3
昨日見た空の色の名を探して図書館のこんな奥まで手を触れてみる
3
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