薄羽の黒い蜻蛉とんぼが夕風をふわりと降りて余熱の路上
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風に舞うとんぼのはねのかろやかに 暦ひもとき立秋と知る
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母詠みし半世紀前の短歌あり 九十路の父とこころをたどる
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「人」として僕を見るのは愛犬いぬだけで 今日も一緒にお昼寝をする
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蝉時雨杜の緑を震はせて 一陣の風吹き抜けてゆく
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盆帰り 遠きにありて思うもの 帰ってこいよと うたは語れり 
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歳重ね 床付く刻は早まりて 目覚むる頃は丑三つの刻 
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嘆きつつなほ永らへむ道を行く己が定めと言ふほかなしに
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原爆忌美辞麗句など捨ておきて 持ち続けるは非戦の決意
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積み上がるペヤングの殻 貝塚と呼ぶ日もあろう未来人なら
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ソルベってなんだと言う母 気に入りて 白桃ソルベふた皿目食む/百歳
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朝霧に彼らの旅路に幸あれと 無垢なる人の無垢なる鼓動
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熊本の人が見上げる空思う塩からトンボが低く飛ぶ夏
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学期末 持つ画用紙は剣となり 文具屋集う男子の親ら
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コンサートチケット取れずログインの画面にのこるZepp Fukuoka
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浮かんでる入道雲を綿菓子と思えた頃が一番良かった
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六日前花火上げてた河川敷跡形もなく幻のよう
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ウドの花のメルヘンチックな可愛さに小さな妖精隠れてそうで
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箸が転がったらおかしいのかという実験をしてるとなりのテーブル
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若くして 召された姉は 天国へ まだ生きてても お茶でもしましょ
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大切と 呼ぶには少し 遠すぎて 忘れるにはまだ 近すぎる人
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いつまでも次に行かない広告のように待ってる 結露が落ちる
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熱帯夜泳ぐようにし帰り着く 微睡みはまるでせせらぎのよう
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ちま猫ちゃん めざましどけいを かじります がおれるから やめときなさい
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暦から涼と力を分けもらう秋に入るよ立秋の日よ
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たんぽぽと点字ブロック、通学帽 さんぽの間に見つけた黄色
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台風で家にいるのに腹は減り大食い警報発令中
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誰よりもドジでのろまなカメだけどまっすぐ歩いてみせるこの道/題『歩』
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眠らずに妙なことばかり知った日々 夜のうるささ 月の眩しさ
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余とともによはひ重ねし街の店の心やさしき品揃へかな
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