幼日の 母に隠れて桑の実を 食みし唇紫に染む 
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あの渡り廊下はとうに無くなって十四の僕の行方は知らず
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背理法 雨の気配に真っ直ぐな線引き直す数学教師
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たたみ皺のばせば子供のぼくがいて 光放った 衣替え、夏
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サッカーの勝利が一面トップ記事平和な国の朝刊を読む
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わたくしの遠い祖先は魚だと思い出させる足裏の皮
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怪獣は火を吹きながらほんとうはやさしいものになりたいと願う
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お父さん まめなポイ活 ご苦労様 今日は奢るよ ロイヤルホスト/父の日
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この世をば わがよとぞ思ふ 道長の 歌を聞きつつ 眠る5限目
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公園にトランペット吹く子いて 氷一片 頬にあてたし
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誰にでも 切ない夏は 来るのです それでも夏が 恋しいのです
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誰なのか分からなくても母さんは話し合わせる認知症にんちの不思議
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こころにも 降るやわらかき 朝の雨 わざと強めし おはようの声
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線路沿い 紫陽花の道に 傘は揺れ 顔寄す人に 花の微笑む
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諍いの後の気まずい車内にて カニ食べ行こうとPUFFYが歌う
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千葉なのにヤマセのような冷た風 昔暮らした八戸想う
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道問えばスマホで調べ案内す若者たちの皆優しかり
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猩々と酒呑童子とウワバミが相談してる「今夜は酔うかい」
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下腹部を押さえる理由 呑みこんだ本音を常温放置したから
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愛だとか かたちを持った 言葉より きょうのごはんの 話をしたい
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ひとりぼっちの午前二時 茉莉花茶もーりーふぁーちゃの冷たさが苦くて甘い
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三峯の神の杜にて初に見る鳶はひときは輝きにけり
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梅雨の傘 抜け落つる水 沁み入りて 天の心と 吾は等しき
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束の紙綴じさせるよに我を説く 曲がって留まるホチキスの針
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無自覚の縦の社会を一蹴ひとけりし本田は選手を「さん」付けでよぶ
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二日では伸ばした羽もすぐ折れる 何者でもない私に帰る
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月曜は悩んだあげくのレインコート。そろそろ津軽も梅雨入りならむ
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小綺麗な雑草に重ね己の身 枯れても消えても同じになれない
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コンビニのレジ横什器の誘惑に勝ったさっきの自分を褒めたい
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オレンジの片割れあなたのこと思い オレンジを切る夏の夕暮れ
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