Utakata
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盆送り
叢雨
(
むらさめ
)
に待つ東屋の墓石の向こう
烏
(
からす
)
が啼くに
11
夕方の沓脱ぎ石はひんやりとおなかをだしていぬが寝ている
21
爽やかに洗濯物を取り入れて干し竿の先 見ゆる筋雲
12
カロリーの高いものも自炊なら健康的なような気がする
10
爆弾を抱いて散った若人の無念の叫び雲のみぞ知る
13
女郎蜘蛛ひかりの領土編みあげて露のダイヤをちりばめて待つ
10
峠道 大型バスを先頭に連なる車列は大蛇のようで
9
雨待ちて 雷鳴轟き近づきて 降るぞ降るぞは雀の涙
12
「また今度」じゃなくて「来週空いてる?」と予定の海に
錨
(
いかり
)
をくれた
8
独りではもう泣かなくていいからと 鈴虫がやっと鳴き始めた
8
タンはらみホルモンライス生ビール焼き手はあなた完璧な夜
7
長い長いメールを母は我に書き寝苦しき夜が明けて送りぬ
7
ずるい人 禁則事項と言いながらぼくの未来に足あとつけて
7
農作業 会社勤めと比ぶれば自分勝手も怒る人なし
7
はにかみて 席立ち譲る 青年に 素晴らしいよ!と 眼差し送る
8
さわがにの子らが隠れた岩かどにまだ夏だけがこちらを見ている
10
ことごとく臓器提供したようなキャラメル色の蝉の抜け殻
16
闇雲で無闇に増やした足跡も 遠くで光る星くずになれ
6
友達の友達の友達……そうやって赤の他人と慰め合って
6
果てぬ波 粗き砂抱く とこしえに 海思うたび 愛は深まる
6
こう見えて腕っぷしには自信あり だから一人で生きてきたのよ
9
野垂れ死ぬような気がしていた父に 存外友が、いるのを知る夜
34
めくれゆく記憶のなかで少年になった父へとバニラを運ぶ
17
ラジオから アメリカ音楽 聞きたくて アンテナ伸ばす 夜の電波に
8
エッチ
前
(
ぜん
)
は奉行だけれどエッチ後は縮緬問屋の隠居になるの
6
酷暑に背丈を低く耐えたなす秋の雨で急成長
5
ネトフリの
7
(
セブン
)
シーズン・百九話 テレビなき部屋
P
C
で観ゆ
8
犬の飲み水を器に注ぐ いつの日かこの中で飼う赤い出目金
5
人生を小分けにしてくださいよ ディアゴスティーニ金は払うから
6
ただ遠く大きい声で歌ってたあの幼き日帰りたし夏
5
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