受話器から漏れる信号 誰からも気づかれぬまま海へと沈む
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はこばれてゆく食べものをながめてる「いってくるにゃーん」ここはジョナサン
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順番を待っているだけ駅ビルのトイレに長く列なすように
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死を前に着の身着のまま勇み足 我をとどめる ふみも声なし
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目を閉じて  今日を据え置き  夢心地  まぶたに浮かぶ  明日の面影 
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氷城ひょうじょうの凍結されし生命いのちたちいいえ私も捕獲されてる
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あのねジョン愛では世界救えない僕らそこにはもういないんだ
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カレンダー信用金庫でもらってく取引してるところじゃないが
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ありたけの涙注いだコップ手にリーゼ飲み込む青春の日々
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イブは💈散髪空いていた、今年も✂︎お世話になります、髪スッキリで🐴年もよろしく
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否定せず 自分を選び 感じ取る 「肩書き、空気」 それより呼吸
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年内はずっとポイント三倍デースーパーで増す年の瀬気分
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詩的だなぁレアなアニメの終末は想像させるニクい設定
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冬至だが これから真冬 いまひとつ 日が長くなる 気配すらない 
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皺ひとつ もうふたつみつ 重ねきし 君へのおもひ 日ごと愛しく
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ゆらゆらと レースカーテン 煌めいて 木漏れ日眺む イブイブの朝
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今晩の玉子のおかずは何とでも店で迷うはやはり明日あすのイブ
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冬至だと 理由ができて 嬉しくて カボチャ料理を せっせと作り
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急患の我乗せ闇裂くハンドルに娘の手あり初の高速
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年六度 季節の行事を飾る棚 心ほんわり温き場所なり
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青い鳥探したけれど見つからず帰りに白い文鳥を買う
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窓帷カーテンを開ければ 冴へり 冬の朝 細き残月 見ゆる青空
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三十一の 言の葉ほどけ 湯に浮かび 掬いては結い またほどきたる
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雲よりも 我が家の二階 高かりし おかみさんいて おさいせんいる
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脱衣所の 鏡がやけにくもること 私の元に 冬が来たこと
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いじけるな がっかりするな わが心 いつか日の目を 見る時が来る
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早朝のやっと階段のぼり来る人 すれちがふ我口内炎あり
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醜さや 無慈悲なものを 見た時は そっとその場を 離れることに
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チューリップ揺れる春の日僕たちは別れてもなお生きていくんだ
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光線もたまには暗くなりたくて自分より明るい場所探す
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