「各停」を待ち 通過をす「急行」を見送りぬ 木枯し吹くホーム
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僕だけが損をしてると思う日よ今日はあそこの餃子を食おう
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再来年のチケットが来たミュージカルどんな私が観に行くのやら
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初雪や誰の上にも平等に細き枝にも縁取るごとく
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寒空さむぞらにしらじらと浮く満月はくもりガラスに雪あかり見せ
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使い捨て カイロ貼りつつ雪囲い みちのくの冬侮るなかれ 
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日の出前 満月光る 西の空 しばし眺めて エンジンかけて
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ひむがしの空に オリオン座も昇り 満月と共存す 冴ゆる夜
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出せ出せと猫騒ぐので戸を開けりゃ雪見てすくみ入れろと騒ぎ
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年末の予定 徐々に埋まりをる 弟夫婦と やっと会えるよ
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父の趣味 カラオケ命 友人と 育む時と スターの時間
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あなたなど虫踏むようにたちまちに世間に握りつぶされちゃうわ
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屋上に並ぶふたつの白煙がゆるくほどける春の予感へ
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モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
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師走となり老健施設長のオファー受け履歴書データのアップデートす
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叱られて 優しくないと 拗ねるのは もう通じない おわかりですよね
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昨日は火だけ揺れ 底より 対峙マチャプチャレ 朝 重なりかけて
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電話とかかかってくんなと通知欄睨み続けて2コールででる
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雲割って店の奥まで射した陽にこちらを見ている眼鏡の光る
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ひとりでおふとんでねむれるものなかで朝まで泣くこともできるもの
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太陽はいつも笑顔のままでいる 泣いたら夜になれるのかなあ
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男装のコスプレイヤーだった日々 それらはいまも反射する青
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黄信号の 十九時半 ナマエを呼んで きっと薔薇に 呪われてしまうから
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別れの瞬間とき 知らなかった 私はね きっと貴方の 囚われの身ジュリエット
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生活に そこまで笑いは 要らないと 言ってたキミは いまどうしてる?
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指が出るルビンの壺のような背を出発点とし滑らかにゆく
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心身の反応があって辛いのね。 そうなんだけど。そうなんだけどね。
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折れたのは 時間の方か 心の方か 問いかけるたび 世界のつづきが 微分できない
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カマキリに 会いたいけれど バッタです カマキリさんは 飛ぶの不得意
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形ある物は全て壊れると 覚悟を決めるも時既に遅し
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