愛猫のチロルの方が私よりバランスの良い食事をしてる
21
居座りて 夏風邪いまだ癒えぬ身の 若き日遠く齢を嘆く 
18
ランドセル背負った子たちの行進をただ眺めてる東京の春
12
悪口を言ってしまった後悔で 昼間の笑みは紛い物へと
9
食卓の芍薬落ちてコーヒーへ 幸か不幸か決めかねる朝
9
難しい手術でしたが成功です こちらが摘出した信念です
9
梅洗い青から黄へとあか抜けて塩辛くしてしばし待たれよ
13
イイネとは言われぬけれどこの話 いいの自分が気に入ってるから
9
食べる量 減らすか運動 するべきか きゅうり齧って 思案する午後
12
ルーティンのピース二、三個欠けゆきて 四、五歩近づく 老いの足音
14
新品のバスマット敷く二千円で幸せ早く買えばよかった
7
年毎に散る橘のいかなれば風も昔の香に匂ふらむ
7
虹色に染まる渋谷をねり歩く今年も生きるあなたとともに
7
始まった第二の私未熟なまま すべてを許す小さな神様
7
葉先より幾万の月が滑り落ち 音なきままに 夜明けを濡らす
11
寝る前に あなたの大きな耳たぶを 思い出すのは 恋かもしれない
7
朝晩の冷えはつかものぐさの着てる七分に日除け腕カバー
16
笑っても泣いてもそこに君がいてこんな気持ちを恋と名づけて
7
テレビから「荒木さん」のセリフには反応するなよ君はアレクサ
6
司馬三島安部と大江の比較表 コパイロットは即座に示し
12
そよ風の Shall we dance? で手をとって  ふわりと揺れるレースカーテン
6
ツバメはね パスワードはね もってない もってないけど きみとはあえる
6
ぬばたまの夜に夢路のあめふらし 黒の深山みやまにたどる きみが香
7
薪割りの斧に振られて尻をつき「今のは練習」誰もいぬ森
12
70で 死ぬと契約 してるから 70までは 絶対死なない
7
心地良い 暖かい日が 続いたら 暑すぎるのも 寒いのもダメ
6
夕暮れにひとつ鳴きける時鳥涙落つがに橘の降る
5
雨予報曇りの畑虫飛ばずどこで彼らは空を眺める
5
前もって子を諭したら「歯医者しゃんで泣くかどうかはオレが決める」と
23
無機質な 地下駐車場 遠ざかる ヒールの響き 奏でるリズム
16