Utakata
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「おかえり」と父の笑顔の後ろ側 母の気配も伝わるお盆
18
庭に咲く 鬼灯紅く色づきて 盆棚飾る時節となりぬ
15
白波に 遠くの崖と青き空 病の体 痛み凪ぎゆく
13
夏が来てトルクが伝うインパクト工事の汗が床に滴る
13
昼はまだ蝉が唄うが夜の部は蛙に秋の虫が交替
9
どれだけか 癌の寛解 病むこころ 先は見えずに 残る思い出
11
立秋とニュースは言うが 熊蝉よ おまえの声はいつ止むのかね
8
帰り道 わざと間違え 遠回り ふたり並んで 自転車を押す
13
傷探し治っているか触れてみてまた疼き出し持て余す夜
7
2分後に返事してすぐ既読つくずっと1人にさせてごめんね
7
今日の日を予感のままに歩みゆくカーブミラーに陽落つるまで
7
風に舞うとんぼのはねのかろやかに 暦ひもとき立秋と知る
28
卒アルの写真をそっと抜き出して
A
I
に命じた五十年後
6
若杜氏 ふくめば納得 ぶりホタテ 八年八月 八日の理八
6
哀しみに半減期なし原爆忌 胸の奥処に響く黙祷
6
ウドの花のメルヘンチックな可愛さに小さな妖精隠れてそうで
20
朝方にわずか二時間草取りを 昼寝醒めたら既に夕刻
10
末娘夫婦を見送りぼんやりと庭眺むるに残暑の雷鳴
6
気がつけばベッドの上にをるタヲル ひんやりと妻の温度を感じる
5
米の値が下がり始めて誰か泣く電信柱で蝉が鳴いてる
5
金髪をやめないきみとのカラオケにこう生きたかった人生を見る
6
夏雲が鯨のように浮かんでて影はゆっくり山野を泳ぐ
5
空見ればくっきりとした夏の雲立秋だけど夏はこれから
8
母詠みし半世紀前の短歌あり 九十路の父とこころをたどる
21
多幸感ピンクメイクは貴方には見えていたかな花火大会
16
シャンプーと歯間ブラシが底をつき散歩キャンセル出来ぬ日だった
4
一人きりベンチに座り背をただし「そいつが俺だ」とメールを入れる
4
手土産はお値段よりも大きさよ列に並びて言い聞かす午後
4
ほつれたる糸たぐりなばいにしへのたくみおよばぬかた結びかな
8
四六時中 エゴサーチしてた でも今は 笑む五歳児の 中に自己を見る
5
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