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役員の 重荷が下りた喜びも 傘なき手元に容赦なき雨 /一人連歌②
19
祖母眠る 墓石撫でて 魂が 石へと変わる 無常に触れる
16
いつもより重たい空に磨かれてすべてが色を取り戻す夏
15
新鮮が一番だよと励まされ野菜作りは草取りの日々
14
持たされた袋の中に夏野菜 愛がずっしり祖母まだ詰める
12
行き場なき 重ねし想い 吹きかけて 茅の輪くぐりて 区切りとしけり
21
柑橘の各種の種を植ゑたるにやうやう芽吹くもどれがどれやら
11
隣人の明日がいい日であるようにハートをひとつ色づけてみる
12
不器用で 泣けないわたしの 身代わりに 大雨は降る 爽快なほど
14
階段を 上る足音 聞いたなら 1分先の 未来が見える
10
雨降りで散歩途中で切り上げるまあ人生はそうは行くまい
8
冷房と除湿と湿度と戦いはひざ掛けだけが私の味方
8
五年前に 笑った動画で 今日ふいに 二年ぶりにも 涙こぼれぬ
8
お昼どき 最後に残す 卵焼き 醤油の濃さで 今日を感じて
9
振り向けば あっと言う間に過ぎていた 一年十年 多分一生も
9
エピローグ書くともなしに捲る手の先に未完のプロローグ見ゆ
14
自転車が冷えた空気に振り返るそこの家々時代が違う
7
犬みたく あそび放題 後ろ髪 小雨のしずく 光って消えて
7
怒りすら原動力になっていた 回送列車は停まったまま
7
橋渡る
背
(
せな
)
を押したる海陸風ペダルを踏めば空飛ばんとす
8
梅雨寒に夏の暑さを忘れをりわが愚かさにはっと気づけリ
15
濃き珈琲 胸にこたふる年となり 薄きを淹れて書斎に座る
16
金木犀 慕われていた先生が休職してから半年経った
6
慰まん心ともがな郭公今更科に
音
(
ね
)
をな惜しみそ
6
点滴のしずくのなかの静けさに 眠れる星の夜明けを祈る/星空様待ってます
31
「楽しんでこいよ」と送る父らしく泣きだしそうな曇天の空
14
散り際の紫陽花を足元に咲かせて先輩は珈琲を含みゆく
7
リスカ跡隠さぬ君の眼差しは何を求めて僕に迫るか
10
眠っても眠ってもまだ眠い朝なみだの回路だけ起きている
7
眠ろうと眼鏡はずした瞬間に君の返信来てまた掛ける
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