Utakata
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どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
27
静けさに 響く梅の実落つる音 軒下染むる山吹の梅
22
水筒や折り畳み傘持ってまでしなきゃいけない程の散歩か
15
雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
13
トランプで負けそうな子がカードをね破ったのもう楽しくないな
14
部屋干しの 場所塞がりて ワイシャツは エアロバイクの 肩に広がる
18
眠れぬ
夜
(
よ
)
「私だって」が止まらぬ世 誰も私を受け入れられぬ
12
ジェミニ褒めクロード感嘆せし文もチャッピー手厳し推敲の沼
11
雲の下これじゃ逢えぬと冷やかしの 声も届かぬ天の二人よ
11
虚言
(
むなこと
)
を満つるこの世におのが身をあざむき
昧
(
くら
)
す闇のしくしく
12
真夜中の非通知電話 流れおる着信音に思ひさまよふ
14
左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
10
黒髪に低めのヒール リクルートスーツは鎧 やわらかな檻
14
「そのうち」を素数で割っていったなら君ではダメと拒絶されてた
9
蛙声 月明かり透く 雨雲に 語る言葉は 何もないまま
8
接待で腹踊り見たロシア人大喜びでハラショー!ハラショー!
9
目を細め ゴーヤの
如
(
ごと
)
く 育ちゆく 孫と背比べ
祖父
(
ジジ
)
は追い抜かれ
11
ひさしくも暑さの夏を忘れ路の文月の端に猫のまどろむ
17
愛を知らずに愛を詠む カカオ農園の子の手のように
10
ぐるぐると 喉を鳴らして すり寄って 可愛い猫も 目当てはご飯
7
天の川見れぬらしいと予報ありゆかしからぬよ
他人
(
ひと
)
の逢瀬は
7
もういちど 父の背中に顔うずめ 懐かしくもあり煙草のけむり
7
駅西のロータリー阿鼻叫喚、大樹に狂ふムクドリの群れ
8
茜
(
あかね
)
差す
河川敷
(
かせんじき
)
には 君と僕 今、青春と 気付いたあの日
13
「ドラゴンは空と同じ色してるから見つけにくい」と眼鏡かけるきみ
9
その腕に切り傷よりも鮮明なものを残したかった 愛とか
11
突然の雨に打たれて少年らサッカーボール追って笑えり
6
バスを停め予定にはない時はいま海に立つ子ら夕日を送る
6
記憶とは波のようで久々にウォークマンを開いて泣いた
6
真っ新の ノートを開き 綴る文字 更地になった 人生に似て
7
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