雨音が私を過去に引き戻す 現在いまを選んだ22の春
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窓側で赤ベコのように揺れながら寝てる息子をインストール
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ネットでの投句勧めてみたけれど祖父は杖つきポストに向かう
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満開の 桜愛でつつ 一休み アイスティ―には 花びら浮かび
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「ただいま」と ひとひらの桜花 襟に着く 蜻蛉返りの 春に「おかえり」
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去る君の 車内に残した体温と 匂いも抱く 短夜の夢
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夜桜の果てに佇む二人連れ桜なんだねこの二本の木
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小説みたいな恋をしたのに漫画みたいな転け方をした
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おもしろいラジオが終わりつまらない朝がそこまでやって来ている
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我たちを楽しませる義理もないけれど今日ははかなはな散らしの雨
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生まれては死ぬ一筋の軌道にも銀河に勝る我が身複雑
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メーカーの悲鳴はこだま「あの件で見積りさえも出ない」と言われ
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スマホ疲れでデジタルデトックスをしようとスマホで方法調べる
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あまり喋らない君との別れ際 綺麗にハモった「気をつけてね」
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気がつけば桜の季節になっていて君のいない日にも慣れてきた
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飲み込んだ 「好き」の形に 喉が鳴る 嘘でかぶせて 今日の夕暮れ
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嘘ならば 本音を言える 気がしてる エイプリルフール 弱虫の盾
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掌のダムカードは季節を連れて いつかの旅はきみの道標となり
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コロナ禍に元気もらった人もあり「ポヨヨン」と歌うお姉さんたち
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虐待と名前がついた「当たり前」まだ始まってすらない人生
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もうちょっと考えて嘘つきなさい 通知表って無いわけないのよ
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フレッシュさの欠片もないって顔をして乗り込む電車四月一日
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眠りたる社会科準備室の窓際に色褪せた地球儀と午後
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いつかまた帰ってくるか知らないが春泥棒にまたねと叫ぶ
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あの日より増えたピアスも傷跡もきみに見せない澄ました顔で
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資料、思慮、 死霊のような 白い顔 知りようもない 心労の致死量
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非常勤の年間契約を更新す。エィプリルフールの日とは知りつつ
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主軸たる 者が操る 刺さらない 言葉の本意を 知る由もなく
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蔓伸びてひび割れた像の罪背負い堕ちる一片連れては行かず
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服の裾にくっついたお米粒を取る、その手の指の結婚指輪。
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