Utakata
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浴槽の設定温度上げるのに断りいらぬ寂しい暮らし
22
歌詠めど 浮かぶ言の葉乏しくて 創る楽しみ苦しみとなり
18
気まぐれに私と遊び爪あとを残し隣でまどろむ猫は/題『遊』
15
老猫
(
ろうびょう
)
はじっと目を見て問うてくる 惰弱な我の死生観をや
17
片付けて 物を減らして 行きたいと 言い続けては 変わらぬ実家
11
反対をするも理解者少なくて変な提案通る団体
11
これいいね!これだ!と買った便利グッズ そういや買ったね引き出しの奥
18
虫の音と深夜ラジオを聞いていた十五の君は元気でいるかい?
8
出る時に追い焚きしようかふと迷う何だかんだと言えどちゃんと秋
16
張り過ぎず緩み過ぎずを目指せども不安定なる凡愚に難し
10
A
I
もいるけど隣に人がいる 私は君に叫びたいのに
8
この夏の最終楽章指揮すべく野に一本のヒマワリが立つ
20
紅の筆持つ指に止まりける
蜻蛉
(
あきづ
)
よ
跡訪
(
あとと
)
へ昔の人の
7
携帯の電波が届く異世界なら帰って来れないわけはないだろ
7
スマホより 活字読もうと 買ったまま かばんの底で 眠れる文庫
7
セレナーデその言の葉は 陽水の甘い口づけ こゑ部屋に満つ
7
目が合って悟る 地獄はいつだっておまえの顔をしているらしい
6
これまで経験したことない雨が列島襲う要らぬ経験
16
行き暮れてあやめもわかぬ闇のなか金木犀の香のふいに立つ
6
この夏の役目を終えたカレンダー裏に子が描く虹色の魚
8
余呉の湖水脈曳く二羽の残り鴨 墨絵のなかに淡く溶けゆく
6
秋風にのんびり吹かれまほろばの 赤とんぼ舞う行き合いの空
7
とめどなく垂れ流される饒舌に押し流されてひとり残さる
6
側に来て「待つの、老化?(松の廊下)」と訊く君に 「充電中(殿中)」と応ふる我は
8
すすき雨 連日降るも 今日晴れて 最後の海浴み 機会ものにし
6
宵越しの銭は持たない月明り 鈴虫は鳴く 独りで歩く
9
ウエハース車内で食べて粉舞って座席に付いて母は般若に
8
呼吸することを忘れて息を吸う呼吸するってむずかしい
6
あれほどの激しき雷雨のすぎさりて「処暑」より「白露」へ季節うつろふ
5
長月の雨にうたれて紫陽花は季節を忘れ朝顔泣いて
5
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