Utakata
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「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
28
お供えを食べた鴉がお礼にとお地蔵さんの頭に糞を
15
本棚も椅子もベッドも溶けていく 夜に溶けない私は一人
14
点々と 続く足跡追いかけて 愛しき
愛猫
(
きみ
)
は陽だまりの中
18
吹く雲のひかる絹糸撚り合わせ風にながすはほのかな心地
15
眦
(
まなじり
)
が下がり優しさ増す
表情
(
かほ
)
の 老いか愛かは問ふまでもなく
21
木漏れ日の流れる川の咲く花の 命にひれ伏す我は人なり
15
憂鬱の色を教えて白と黒なら持ってるしその筆貸して
12
うっとりと五感を抜ける潮風に四月の海を確かめている
12
焦げやすいフライパンを捨てる前他の使いみち考えてみる
12
もう少し黒めの薔薇はありますか 忘れたくない人に贈ります
12
この時期が一番夏を忘れてて 都合良すぎる「夏」に恋する
12
くだらない世界が少し輝いた 君が笑って空気が揺れた
12
蝶の舞う 春うららかに つむじ風 明日の行方は 誰ぞ知るらむ
12
山を越え川を横切り風に乗り気にも留めずに鳥は羽ばたく
17
ダッフィーの緩い温もり抱いて寝る
(
山里は 冬ぞさびしさ 勝りける
)
人目も草も かれぬと思へば /28/100/ 源宗于朝臣
11
日焼けせし八手の若葉が気になりゐて
間日
(
まび
)
なればよしと移植するなり
11
あちあちのシチューの蕪をたっぷりと盛って差し出す小さな復讐
13
長渕も美空ひばりも
X
(
エックス
)
も平成元年流行歌きく
13
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
14
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
13
星月夜扉はずっと閉じたままギンヤンマしか棲んでないのに/折句・ホトトギス
9
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
17
聞こえる?聞こえているか?凄みある 懺悔の叫び飛沫に消され
8
君想い 夜空見上げて 感謝する 何気ない日々と 些細な日常に
8
夜なべする人の気知らずねころがり寝やう寝やうと小言鳴く君
8
銀色のフックは君に届くかな 天とを繋ぐ伸縮リード
8
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
9
ひっそりと ロフトへ昇り 歌綴る 小さな灯り 私を染める
22
「ごめんね」がコーラの泡に溶けなくて我が子の背中を追う帰り道
30
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