半ドンと聞いても響かぬ人ばかり 昭和の土曜 午後は快晴
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番い蝶飛び交う庭に遅咲きのつつじ真紅に燃え盛るなり
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咲き過ぎて枝折れ落つる花を見て程よく生くる理を知り
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しあわせは子猫のかたちいるはずのない温もりをただ祈るだけ
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歳経ても ゴルフの誘ひ受けし夜は 心躍りて遠足前夜 
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汗ジミが帽子にくっきり白い線散歩の吾に夏が来ている
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ピーナッツバターを買った 実家では出来ないことが出来てる夜更け
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今すぐに海が見たいと思っても 電車で二時間掛かるこの街
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酔漢がバーガーショップで酒出せと管巻く怒鳴るどうすればいい
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ぽつねんと印つけたる再会の日が無造作に昨日となれり
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同窓会この爺達にあれこれと想い悩んだあの頃可笑し
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庭に咲く八重のどくだみ滴あり雷雨の後の夕陽に映える
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学生のペダル踏み込む顔赤く白いワイシャツ夏色染めし
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山頂に群るる鳶見て飛べさうに思ほえければ歩み進めり
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まずいウインナーが詰まった手作りの弁当は口ほどにものを言う。
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「静電気起きた」と言えばキョロキョロと辺り見回す愉快な三歳みっつ
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新しい人が入ってくる隣リフォーム続く1日作業
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図書室であなたがくれた水色のガムを見つけた二十五の春
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うつろはぬものと伝へし老松も薄き二葉の夏衣着る
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ここ一月ひとつきで十年分くらい病院に 五十肩とめまいの治療
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イライラす 僕を 豪放磊落な 君が一笑し 咲くライラック友情
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公園で 刈られた草の 匂い佳し 開けた原に 猫は隠れず
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透けた血管 石を避けて流れる川に これは海へと続く道
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向日葵に 母を重ねて ほころんで 話しかけるが 花は悲しき
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手の甲に口づけをして頬に当て甘く自分を放りたい午後
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「二十代なら辞めたとおもう」担当の真面目かなしき 国はうそつき
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ああまた誰かが慰めに失敗したのか二度目の雨に濡れながら思う
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酢漿かたばみの 黄色といが 連れてきた  青き炎天 もうすぐそこに
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レシートや 何かのメモに ボールペン 気をつけてても まれに洗濯
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海岸で犬に拾われくわえられ振り回されて第二の人生
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