Utakata
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蟋蟀
(
きりぎりす
)
地下駐輪の 隅に鳴く 出口も知らず 命果てるや
18
越えられぬ壁などないと絨毯を 引き摺り進む
ロボット掃除機
(
ルンバのなかま
)
20
秋梅雨に 湿ったシャツに 袖通し 週間天気に 太陽さがす
13
折りたたむ眼鏡は腕組みするようで眠るわたしの番人になる
22
ご機嫌に、尻尾を振って飛びついて 愉快な犬になってみたい
13
雨止みて 金木犀の花の香を
金色
(
こがね
)
の風が里に運び来る
26
にょきにょきと茎出ではじむ彼岸花 庭の隅にて咲くを待つかな
15
ぬばたまの夜に鳥の音さよふけて わたりの風は告げよひとの香
11
炎天に 揺るる百日の 花なれば 過ぎゆく夏を 惜しむことなし
13
温かい その手に触れて気づくのは 幸せなんて 案外静か
14
もっと会うことはできたと悔やんでも 充分会ったと菊は笑って
11
「またここに来たのですか」とまたここに咲いた彼岸花が言ってきた
9
反抗期 舌打ちをかます 息子だが 贈ったハンカチ いつもポッケに
9
シャンプーの詰め替えラストスパートだ シャボン玉飛べ 消えないで飛べ
9
高い枝切ったおかげか我が庭に金木犀の香りましまし
10
まとふ光(か)ゲ一カラットの草の露 触るれば消ゆる朝の幻
8
親実家
夜
(
よ
)
の縁焦がす 朝焼けは 幾度眺めど 飽くこと知らず
8
雨したる 暗き雨雲 見上げつつ 祭りの運行 スマホで確認
12
湯豆腐で酒を呑むのに良い季節 小雨も降ればさらによろしき
16
婚姻届は夜間も出せるから
A
M
0
:
0
0
(
ラブオール
)
からラリー始める
9
時溶けて 夢見の気持ち 忘れゆき あの人の声 内に谺す
8
「絆創膏の絆はキズナと書くんだね」実験室裏 夕陽が見えた
8
長雨と野分けの隙間で米を買うたまってたトレーがさがさ持って
13
旅先で ちっこいダルマと 目が合った ご利益ありそな
大大吉達磨
(
だいだいきちだるま
)
9
地獄での運動会は火の玉入れ金棒倒し鬼のキバ戦/妖怪短歌
9
褐色の落ち葉の土の向こうから君来る幻影見ゆる愚かさ
9
お彼岸の実家帰りのスケジュール天気予報に振り回されて
7
まっしろな答案用紙の裏側に遺書の下書きくりかえす夏
7
いたずらを好物として台風はみつばちになる 連休を吸う
7
あれ、なんで。昔は
お酒
(
ガソリン
)
いらずでさ、ずーっとべらべら話せたじゃない。
8
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