あの頃は良かったなんて言うようにいつの間にやらなってしまった
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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いいにく1129の日なのに 魚をつつきたる 秋刀魚のわら焼き はらわた旨し
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ぬるき湯に浸かりて ゆるき幸詠う 忘却の路 そっともどりつ
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マスクして外した時にどっとくる 森羅万象全ての匂いが
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歳をとる事は嬉しくないけれど 君の祝福が欲しいだけかな
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資金繰り 危機と聞かされ 慌てたる 我が物売りて 手放す初冬
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OSのLMDEが7になりコードネームも我むけに「Gigiじじ
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花見むと君と歩いたその先に 連なる木々は茶色く川は冷たし
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願うこと わからぬうちは 感謝して 焦ることなく 平安であれ
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明日より 師走迎える 海の顔 微かな笑みに 侘び寂び覗さ
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あんなふうにならないでねと親が子に伝えていそうな「夢」の筆跡
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笑った 君は僕より劣ってるのになのに君が目に刺さった
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半月が好きだったから社会から排斥された僕の暗喩メタファー
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割り箸を咥えて歩く時君は転んだら死ぬとわかっているのか
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かたまりが心のどこにもなくなって 体を分厚くすることにした
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きびだんご だの口でひとつほおばって んとごで飲みこむ 危険だね
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2年前 リストラされた 退職金 馬で獲られて トラウマになり
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イカれてる 夏とうに去に 足早に秋通り過ぎ 冬はやり来たり
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オートマトン的趣の炊飯器 ラブホテルだって同値性だね
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割れた爪に絡まる髪からからのくちびるにしみこむのは涙
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可能性 一つにしない 探求と 美的センスは 愛すべきかな
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本当に あの日はなんか 変だった 朝から夜で 5回バッタリ
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我思う まだ我を見ぬ かの若蔵 汝が心を知らで 孰か生を知る
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春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり
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白桃の種のまわりをなめている舌で触れれば傷はつかない
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体温が雪に流れていくきみに注ぐまなざしの色があった
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原作に存在しない花嫁に珊瑚の骨をわたす悪役
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再訪の 湖南三山 空いてゐる 平日ゆえか 黄砂のせいか
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われわれは うちゅうじんだと 扇風機 季節じゃないって? 年中出してる
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