寝る前の 日課の読書 この頃は 冷える指先 息を掛けつつ
16
おろ抜きの 若き大根ザクザクと まな板の音一日(ひとひ)始まりぬ 
18
もう切るね 電話の向こうに 聞こえてる キミ呼ぶ声と 駅アナウンス
9
夕闇に 刈り入れ遅き 金色の 稲穂は揺れて ほのかに光る
9
やや寒やジャージ短し朝の道 一念発起の散歩危うし
8
かもめ鳥迎ふる声のさわがしき小木の泊まりにわが船着きぬ
7
駒ヶ根の 湯けむりのある 地に来たり 空青く雲ゆらゆらゆらり
10
寂しさも成熟をする生と死が近づく日々の明け暮れのもと
8
「クロネコさんカンガルーさん飛脚さんあなたたち干支(えと)何?」「はい、辰です」
8
風船をわった責め苦を背負い摘む賽の河原のごとき納品
7
朝いちの換気をすれば薄っすらともうそんな時期初結露つく
12
この気持ち一体何かと問われれば 辞書の「孤独」に涙が落ちる
6
川霧の立ち昇りたる荒川に 立ち去り難く 水鳥一羽
15
宵よりも清けき朝の鉦叩(かねたたき)季の往くのを音に知りたり
6
副業の満員電車の座席売り (夕されば 門田の稲葉 おとづれて) 蘆のまろやに(粗末な小屋に) 秋風ぞ吹く 071/100 大納言経信
7
カサカサで指紋認証トラブルでそろそろ電話買い換えようか/古いiphone
6
錆びついた 心のアクセル 踏み込めど かすかに馬力 上がるかどうか
6
人生の 初心者マークつけたまま 明日はどんな はじめての道
10
母さんの声懐かしく幼気にイーハトーブの夜に降る星
7
11111 家計簿の数字 並んでる これはラッキー? なぜか笑みこぼれ
5
灰色は ガードレールの キスマーク 僕らだけ知る 小さな秘密
5
静寂を切り裂いていく夜のなか 自転車乗りは歌をうたうよ
5
明日には 明日の風が 吹くからさ 今日は気にせず ゆっくり休もう
7
曇り空「天気いいね」と飛ばしたら、微笑む君に七色を見る
5
やまなみと去り行く雲のたそかれは とけゆく糸の蒼にかそけし
14
人気馬が 次々敗れ 魔のサンデイ  分からないのが 馬の調子よ
4
スウェット 外着になって あたりまえ 格好つけても 汗なんやけど
4
兄と僕同じ顔だと笑う君僕の恋だけ知らないままで
4
長生きは してみたいもの 何かいいこと あるかもしれず
4
気嵐よ「来てけらいん」や気仙沼 湯気立つ海の街のぬくもり
4