振り向けば あっと言う間に過ぎてきた 一年十年 多分一生も
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血のなかに病のごとく棲むものか家族という名の解けぬ因果は
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おはようと 挨拶交わせば 茄子キュウリ 我に手渡す おばちゃんの笑み
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思い出に溶けゆく日々の積み重ね 川に流れて丸くなる石
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丸二日 そぼ降る雨は小糠雨 野菜農家に休めと諭す 
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持たされた袋の中に夏野菜 愛がずっしり祖母まだ詰める
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網目より忍び入る虫避くるべく渦巻くけむり夏を告げをり
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祖母眠る 墓石撫でて 魂が 石へと変わる 無常に触れる
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言い訳を零して歩く靴底をどの太陽も照らしはしない
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花束をすべてキスだとした場合ファーストキスにあたるガーベラ
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新鮮が一番だよと励まされ野菜作りは草取りの日々
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そっと吹き 膨らませたよ 紙風船 やさしく打てば しあわせ跳ねて
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こぶりなる紀州みかんを有田ありだむき孫はまねする炬燵のむかい
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稲植えて草を抜きたるその先は 祈るがごとく空を見上ぐる
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隣人の明日がいい日であるようにハートをひとつ色づけてみる
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梅雨明けが 間近にせまる 晴れ空に 君の笑顔が 眩しく見える
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葬儀にも行けざりし友の命日を 生きて迎へて詫びつつ暮らす
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ひざまづく夏の畑の少年の鋏閉じれば手にする胡瓜
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老後の備え 保険に投信 星の数 カネのなる木を育てることから
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いつもより重たい空に磨かれてすべてが色を取り戻す夏
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お昼どき 最後に残す 卵焼き 醤油の濃さで 今日を感じて
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慰まん心ともがな郭公今更科にをな惜しみそ
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消すことも消さないこともプライドでそもそも灯さぬプライドもある
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詰替えがボトル品より割高はリデュースなぞも馴染みがたしや
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アボカドの種にぱつくり割れ目入りぬ。鉢植ゑせしより一月ひとつきあまりで
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店名と ロゴが奇抜な パン屋さん 初めて行ったら 近々閉店らし
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五年前に 笑った動画で 今日ふいに 二年ぶりにも 涙こぼれぬ
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わたしまだうまくできない ひとらしいせいかつ ひとらしいあいしかた
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梅雨空を眺む横顔 何思ふ ねこにも四季は わかるだろうか
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ハイ!という キミの返事で 始まって うん…という 俺の返事で 別れたふたり
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