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山本葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。
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心配のしすぎと友に言われても手の鳴る方へあなたはだあれ?
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見ず知らず人の行き交う冬の街コートの襟を立てる夕方
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あの日さえ離れてくれぬこの思い抱えて歩く枯野の草を
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中3の夏に立ち寄る図書室の唐詩選から大河が流れ
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足繁く通った店も今はなく会社帰りの独りコンビニ
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散り咲いて香る風来る金木犀スニーカー底花踏みしめる
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熱が出た我の額を冷やす母今は妻の手息子を拭う
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スマホ見て天気予報は雨模様バスまで走る水跳ねる道
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ヌメ革のトートバッグを持った君そろそろ街も薄暮の時刻
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散り散りになる子供らを追いかける保母さん達の歓呼の声か
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緑色つい前までの山の木々五色の色に染まりし秋は
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香り立つエスプレッソの小カップ両手で包み白い息吐く
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日記にも綴れぬ想いためらって窓濡らす雨そっと眺める
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曼珠沙華咲くのは肌か地の上か乱れ髪さえ整えきれぬ
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旅路にて出会う人達影に似て脳裏の奥に浮かんで沈む
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水の瀬に打ち寄せる波音かすか小雨降る空仰ぎて歩く
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キリギリス窓の隙間を眺めつつ落ちていくのは奈落の底か
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色づいたカエデの葉さえざわめいて僕の心の雲は暗くて
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暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
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少しずつ寒さ近づく季節にはあの娘のカフェに入ってみるか
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遠い地の戦争友の力説も我は言葉の綴りを気にし
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夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
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ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
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スーパーの刺し身国産少なくて黒潮熱く魚も捕れず
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叩くキー目に沁むモニタ青光りあとどれくらい退勤時間
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残暑にてもうしばらくは冷コなど飲むかと職人仲間と茶店
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しんみりと祖父の思い出懐かしむ頑固職人ノミを握る手
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鉛筆の短さ気づき持ち替えるあともう少し画廊の展示
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蛇口から水滴ポトンと落ちる音静まる部屋でテストを受ける
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気にしないでいてと言って去る君の背を眺めつつ胸に込み上げ
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