Utakata
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山本葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。
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暁烏血を吐くように念仏を唱える日々か独り歩めど
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晴れた日に河原の芝生寝転んで雲を見ながら風を感じる
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ハーレーのエンジン音が消え去ってさて次の店早く行かねば
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発破かけ石を切り出す我が祖父の後ろに背負う戦地での日々
7
しみったれそういう言葉投げつけて走って行った友は元気か
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色々とあるのよなどとファミレスの後ろの席の相談聞こえ
9
みょうが汁好きだと言っておかわりを母にねだった幼き茶の間
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真面目な子どこまで行けど真面目な子そんなあの娘が舞台女優に
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壁際の猫の毛並みをじっと見る隣の家に拾われた猫
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板金の工場の横を通り過ぎ錆の浮かんだ車見つめる
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鳶高く舞う空青く風吹いて明日のことを一瞬忘れ
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夕焼けの街には人が集まって飲み屋街へと向かう灯下か
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切れ目なく来るコンベアの弁当に惣菜入れる苦学の日々か
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ミンミンと鳴く蝉も消え風ぬるく夜の散歩も月光の下
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夏が来てトルクが伝うインパクト工事の汗が床に滴る
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寂しさに身を震えつつ立つ人の後ろ姿のコートの襟か
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いい気味と思い落ち着く心でも淀んで溜まる黒い後悔
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君は君僕は僕だと言いながら離れることのなかった暮らし
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サルビアの花が咲いてる庭を過ぎ明日の朝には発とうと思う
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荒くれの街塗りつぶすグラフティー煤けた窓に切れた電球
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散り散りに逃げていくよな思い出も日に日に集まる老境の日々
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線路脇君が来るのも待ち遠し新型特急雑踏の中
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旅人の傘降り注ぐ
小糠
(
コヌカ
)
雨広重の絵を走る人々
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枯れ枝を切るチェンソーの音がして山中の道踏みしめ登る
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転がった空瓶一つ工場前仕分けた廃品鉄カゴの中
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シャキシャキと音立てしゃくるかき氷赤いシロップこの目に冴えて
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禅寺の前を横切る雲水の厳しい顔は修行のあとか
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嗚呼なんて傷口疼く心には君の微かな残り香が刺す
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ウエストのペットボトルを取り出して水の喉越しランナーの汗
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ジリジリと焦げる夏の日アスファルト蝉の抜け殻ゴロリ転がる
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