Utakata
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葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。
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深くなる
水面
(
ミナモ
)
の縁を覗き込む揺れる水草光に影に
11
モニターのマウスポインタ指し示す数字に飽きてコーヒーマシン
6
とりどりの色が差し込む教会の荘厳な影ステンドグラス
14
想い出が心の底に浮き沈みこんな時には沈んで欲しい
12
靴ひもを結んで伸びをする君を蹴りたい背中と書く本もあり
9
寄席に来て三枝と米朝名調子次の出囃子聴きつつ外へ
6
情けないことなど言うなと叱る父もう鬼籍へと旅立つ夜明け
8
苦しみに似た言葉など言い飽きてさて朝一番に水でも飲むか
10
皮膚の下紅く破れる屈辱か火のような血が湧き上がりたり
8
飛び去りしあの影どんな鳥影か気持ちは既にあの人離れ
5
水流れ小川の
飛沫
(
シブキ
)
陽の光二人の影が水面に跳ねる
5
連ドラのヒロインの顔影差して演技か気持ちの中身知りたし
4
ラブレター燃やす火の粉が舞い落ちる
嗚呼
(
アア
)
空想の中の別れか
5
返されし君へと宛てた手紙には取り繕いの気持ち綴られ
10
流水の音の聞こえる小川にて二三歩進んで木の葉見つける
6
ゴリアテという名を聞きし教会のステンドグラス十字架と影
10
銀紙をめくってかじるチョコレート甘い恋など忘れてしまえ
6
染み付いた想い出はもう闇の中ただ蝉の声まばらに響き
9
君に似たアルゴリズムに恋をして今日もそそくさ部屋へと急ぐ
7
ドラム缶転がる脇の道端に咲くタンポポの散りゆくを見る
14
蛍飛ぶ尻の光は何事か嗚呼亡き祖父の今わの言葉
13
愕然となる盛り返す気になるもそう簡単に物事行かず
4
旅路にて見える稲穂の揺れる波車窓の眺めも遠くの果てに
9
草藪に見つけた蝉の脱け殻はまだ合唱が聞こえる前に
5
紫陽花の花がもうすぐ咲く季節長靴無くて靴にスプレー
6
缶蹴りの空き缶取っておく係あの頃クラスの誰だったかな
8
何でなの人間味など無いじゃないもっと貴方の
表情
(
カオ
)
が見たくて
4
さらし巻き
褌
(
フンドシ
)
締めた男衆火祭り花火の筒が踊りて
7
びっくりポンあさが来た観て気に入って独り呟く聴こえぬように
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そろそろか揺れる青田の水の上滑るあめんぼ風吹く季節
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