山本葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。

嗚呼なんて傷口疼く心には君の微かな残り香が刺す
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ウエストのペットボトルを取り出して水の喉越しランナーの汗
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ジリジリと焦げる夏の日アスファルト蝉の抜け殻ゴロリ転がる
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割れガラスビルの谷間の盛り場のバーのドアには落書きの跡
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ふわふわと空舞い上がる風船を追いかけ笑う子らの楽しさ
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様々な浮き沈みある世なれども我の幸とは如何にと思う
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旅に出て青草の上寝転べば空の彼方に鳥一羽飛ぶ
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しんみりとしながら友と別れにて会える日あれば会おうと誓う
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カラカラと下駄の音して小走りに駆け寄る君をときめいて待つ
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君の目に見える景色はそのままの彩り深く山野を映す
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暑い日はペットボトルのウォーター日課のRUNも三年続き
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太陽の光差し込む雲の間に傘をたたんで手のひらを拭く
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朝露で濡れた校舎の窓ガラス街もとっくに人も少なく
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漆黒の闇歩きつつ思い出すかつての悔いと永遠(トワ)の別れを
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しんみりと僧侶の読経聴いたあと門前町で仏具屋覗く
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川流れ鮎釣る季節近づいて釣り竿と魚籠(ビク)用意する町
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散る椿アスファルトの道散らばって赤と黄色が映える薄闇
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リンリンと鳴るベルの音自転車の下る坂道春の風吹く
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寂し気に立ち去る君よそよ風の香る春の日別れの季節
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爛々と光る猫の目黄桜の一輪二輪と似てる気がする
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短刀を持ち追いすがる浮世絵を観る都美館のガラスのケース
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満開の桜川面に揺らめいて水に手を触れそろりそろりと
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ライラック花屋に届けてもらったと喜ぶ父の声が弾んで
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あの歌のように離れた君想う遠く遠くと何度何度も
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ギヤマンのグラス一つを手に取って日にかざしたら乱反射する
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ワンピース仕立てる母を見た頃の穏やかな日々遠く過ぎ去り
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スニーカー弾む靴底心地良く青年の頃想いて和む
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春風の中自転車が心地良くもうすぐ坂だ気合い入れよう
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信じれば信じるほどなお遠くなる私の見ているあの人は誰
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白椿緑の葉には雨雫(シズク)手に持つ傘は水が残りて
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