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山本葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。
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サンダルの化け物が出た泣く息子遊んだ夏を思い出したの
8
雷神と風神描く宗達を想像しつつ曇天を見る
9
カップ見て陶器か磁器か悩む母伊万里焼だと教えてあげる
11
ふと光るスマホのガラス太陽の日が跳ね片目ギュッとつぶりて
7
棒飴を子供がねだる秋祭り僕振り返り君は小走り
7
老親の手を引き二人散歩する昔は母が僕の手引いて
13
川面にも流れる想い浮かび行く果ては海まで届けと願い
6
合いの手を入れる漫才寄席の奥暖簾をめくりコンビながめる
8
美味なお茶抹茶茶碗を傾ける手の名物をじっくり眺め
6
知り合いと出会い挨拶マアマアと頭を下げてお互い汗が
9
流水で洗う取れ立て野菜見て暑さも消える台所横
7
勢いの良い玉投げるピッチャーの右の肘には細い傷跡
12
いつまでも嘆くことなど無いなどと友の言葉でまた歩み出す
11
深くなる
水面
(
ミナモ
)
の縁を覗き込む揺れる水草光に影に
11
モニターのマウスポインタ指し示す数字に飽きてコーヒーマシン
6
とりどりの色が差し込む教会の荘厳な影ステンドグラス
14
想い出が心の底に浮き沈みこんな時には沈んで欲しい
12
靴ひもを結んで伸びをする君を蹴りたい背中と書く本もあり
9
寄席に来て三枝と米朝名調子次の出囃子聴きつつ外へ
6
情けないことなど言うなと叱る父もう鬼籍へと旅立つ夜明け
8
苦しみに似た言葉など言い飽きてさて朝一番に水でも飲むか
10
皮膚の下紅く破れる屈辱か火のような血が湧き上がりたり
8
飛び去りしあの影どんな鳥影か気持ちは既にあの人離れ
5
水流れ小川の
飛沫
(
シブキ
)
陽の光二人の影が水面に跳ねる
5
連ドラのヒロインの顔影差して演技か気持ちの中身知りたし
4
ラブレター燃やす火の粉が舞い落ちる
嗚呼
(
アア
)
空想の中の別れか
5
返されし君へと宛てた手紙には取り繕いの気持ち綴られ
10
流水の音の聞こえる小川にて二三歩進んで木の葉見つける
6
ゴリアテという名を聞きし教会のステンドグラス十字架と影
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銀紙をめくってかじるチョコレート甘い恋など忘れてしまえ
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