葉舟
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俳句も作っています。読売歌壇入選。

カマキリの子らわらわらと溢れ出て草むらの中四方へと散る
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せめぎ合う横綱相撲かもう少し踏ん張り効かせ挑めよ小兵
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釣り人が川で釣り竿振る季節光のキラめき川面を揺れる
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惨めだと思っていたのは自分だけ次の彼女が現れるまで
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催事場各地の駅弁取り揃え売り子の声も張りを帯びたり
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雷鳴の轟く季節ももう時期か夏雲の下雨を避けつつ
4
珍しい熱帯魚らを水槽の奥に眺める水族館で
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木犀の花が咲くのはまだ先で夏のシャワーも待ち遠しくて
4
なんだかなやる気出ないな学校はもう一度だけ気合入れるか
3
だらしなくアイスを手にして二つ三つきらめく光の公園行くか
3
いつまでもピュアでいてねと思いつつ君と別れた時の切なさ
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閑古鳥鳴く店ももう店じまいあの時の味美味しかったな
4
小雨降り紫陽花アジサイの花溜まる水流れ落ちては再び流れ
4
麗蘭という名を聞いて浮かぶのはかつての彼と胡蝶蘭かな
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釣り堀の入れ食いのウオ釣り上げてタモへと入れる今日は大漁
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イライラと机を叩くボールペン課長の顔に苦虫浮かぶ
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流木の浮かぶ湖面にさざ波が連れて来るのかあの思い出を
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ランドセルカバー黄色の一年生大きさ合うのは数年後かな
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厳しいと言っては愚痴る息子へと部活の辛抱大事と聞かす
5
ただ食いと言うのは映画で見ただけで小津や黒澤映したかしら
3
まだ未練残して次に行けなくて君への想い重く引きずる
5
ミスチルの桜井さんも恋の歌歌う時には胸痛むのか
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まずまずと言うのは謙遜本心は上出来だよと君顔浮かぶ
2
荒事の歌舞伎を観たあと下駄揃え足袋のよじれをそっと整え
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見送って荼毘に付したる肉親の想い出がもう我が身の内に
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帰り際振り返る君言いたそう派手な言葉は今夜は止して
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ヒヤシンス青い花びらチリチリと胸に刺さりて傷む恋情
2
日常の忙しさを君輪舞曲ロンドなど言うのは止して靴履きたまえ
4
上げ膳も据え膳なども構わないそんな器量は直りもしない
2
宍道湖のしじみは名物だと言って帰宅する父ホクホクの顔
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