Utakata
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葉舟
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読売歌壇入選・読売俳壇入選。
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しらじらと明ける朝焼け涼しさがだんだん暑くなる時過ぎて
3
カブト虫捕まえに行く雑木まで蜜を塗ったら明日まで待って
4
嗚呼なぜかなぜか知らないこの気持ち恋と言うには狂おしすぎる
2
川沿いの家の暮らしも長く過ぎ涼しい風にも慣れた
年月
(
トシツキ
)
8
夏祭り焼きトウキビをかじりつつ隣の君を気にしたりして
8
意味深な言葉を聞いて涙ぐむもしかしたらそれって告白
2
新しい気持ちになった始業式ちょっと苦手の科目も努力
5
顔に浴び冷たい水の爽やかさタオルで拭いて窓から光
10
朝からの上司の叱責身に沁みて次の仕事は直すと決意
4
影法師グランドに伸び響く音ミットにボールを繰り返し受け
8
見に来てよ君の声聞く台所パプリカの色鮮やかに映え
3
カブト虫そろそろ道具揃えだす息子もなんか忙しそうだ
9
まあなんて事なのと言う叔母を見て満面の笑み甥の合格
8
色ガラス使ったコップ手造りの職人の技切れ味スッと
3
川べりを歩む足下影が伸びもう川面まで紫になり
7
とりどりの色紙遊ぶ子どもたち参観の日も晴れて良かった
7
見ず知らず声かけられた女性から道を聞かれて残念な気に
4
伸び代がある年頃と言われたりあの大木の如くなれれば
4
だらしなく着崩すパンツダンサーのカッコが良いと思う思春期
9
流麗な音が流れて窓ガラス風吹く音がかすかに聞こえ
4
ああアレか父の呟き耳にして亡き祖母好きな干菓子を買いに
10
読み終えたドグラ・マグラの文庫閉じさて休日の午後は出かける
4
導きの手さえ来ないと
哭
(
ナ
)
く君に何と声をかければ良いか
4
濡れた道黒い
雲間
(
クモマ
)
に光射すふと気持ちさえ明るく変わり
6
たらちねと言われて意味も分からずにジッと見つめる教科書の隅
5
かぶる水キラキラとした粒落ちて光るプールの
水面
(
ミナモ
)
が揺れる
7
蟷螂
(
トウロウ
)
を
籠
(
カゴ
)
に入れたる子供の目笑みを浮かべて声発したり
7
屈強な武士達まみえた合戦の寂しき影が風に変わりて
7
夏の雨慌てて走り込む
庇
(
ヒサシ
)
思い出すのは出会いか別れ
5
名物の茶碗を師から手渡され震える指で茶筅を回す
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