ゆるてなほゆ帆
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未熟。

とりせんの七十八円の緑茶越しに丸まった 君のゆるやかな呼吸をみている
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うららかな時期も過ぎ主演になるべく街頭へ飛ぶ練習をする羽虫や羽虫
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八色の夢を怖がって震えている母の額にてのひらを触れてもいいかな
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朝起きて伸ばした手に染まった気味悪く咲く 朱の薔薇一輪
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季節きせつの大粒を拾うたびにキミの立つしっぽが恋しい
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うわ!!!!!!!!!形見の皿が双子さんになっておるレンジ内
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くっついた親指と薬指の隙間から月が俺の破滅を嘲笑わらっている
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十七の気取りたがり屋よさようなら 雨にうたれたいだけのお前がここにいる
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人でしかないぼくの手が 晴れ間との間の空白を穢してゐる
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ブラインドはまだ閉めないで日差しに 踏まれたい蜘蛛がいるから
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出来れば百億の批判の中にふたつの賞賛があればいい だからおれは夜空がすき
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アイフルの「アイ」だけを生きるために複勝する柴犬がすこしきらい
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窓枠にわたしのハゲ頭とあまりにも中流すぎる一軒家が置かれていた
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このやろうきちんと並びやがってこんな日に 火を放ってやろうか自転車共
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窓際のからっぽもさかさま 遠くの地で子供が死ぬ知らせもさかさま さかさまだらけ
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たん たん たんたん たんぽぽの先っぽを 避けて派手にねころんだ
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もう晴れもそよ風もいらないあなたがとなりにいなきゃぜんぶきらい
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おの が心叩いてそれきり目をあけぬ友 ふしあわせゆえ
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さよならの次の日にかなあみのささくれを ちくんとたしかめる
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イヤイヤ期のおわりに自ら手放した夢がアートになってじっと睨んでる
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ぴかぴかのおうちの屋根に予定調和の夕方がのっている
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昼過ぎに作りし野菜炒めと炒飯がほとぼとに 美味くて今日はそれでよし
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ここにいるみんな生きて電車に乗れて 普通にすごい。
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そして吹く風と青、翅でなくこの両足で見えないゴールをみにゆく
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一ペソを握りてしゃがむ我を点すうなぎ屋の ネオンにこにこと
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暗き夜のここから堕つるを雨と信じ 疑がぬ街の子らは
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花冷えの警鐘が記されしカレンダーのために台所を消灯したまま昼来る
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万博から千キロ離れたこの地でオナホールと添い寝する五月
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「雷の季節が来るね野球少年が 犠牲バントを拒否しだす頃合に」
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臆病なカウボーイの話しよう 入れ歯で噛めない肉を前にして
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