しもぎ岡夜
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未熟。

餌ねだる時と子猫を慰める時の声を使い分ける猫もひとつの母
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今さっき父を殴ってきたような目で母は虐待死のニュースを見つめており
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主語を大きくして言うよ 下を向いてばかりいる人間は蟻をふまない
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ほんとうの夜には色がない僕の目が見るのはとおいうちゅうばかり
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体操着ベランダ干されし家は新築 足元の巴波川ゆるる鯉二匹
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もし世界が明日滅んでなくてふたり愛し合っていたら皿洗いなんかしない
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シンデレラの靴を拾ってそっと元の場所に戻した少女よ 人生は意外と長い
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月はあんなにもおひさまの光に当たっているのに日焼けしないなぜ?
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子供を作る方法の前に異性に愛されて許される 生き方を教えて
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手に持った半額のコロッケの栄養と混じるようにおやすみを告げるラジオ
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ちりぢりに息は月をくすぐるような雲へ 消えまだ遠い夜明け
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モンテーニュその名前の言いにくさも微妙な長さも知らないおまえを愛したい
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鍵があいている、ドアがあいている、開店のふだがさがっている、 みなさびしんぼ
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教会寺ファミレス同時に五時 海の向こうの空爆 おもたい
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臘梅って言葉頭が重すぎて歩きにくそういつか介護してやらな私は
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空っぽの白い皿におばけとかしにがみとかやすめばいい 箸をおく
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白鷺が尻を向けるそのアルファロメオ農道でゆるりと錆びゆくなり
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その手から翼を失いし鳥の如く結果を知られたクジが飛ぶ
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お茶わんのクリームソーダにアイスは溺死す母不在の深夜一時
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あついコロッケにふれたゆびさきがおもわずさしたひかり あ、おだやか
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たんぽぽの咲いていたあのおうちは雨の似合う 弁護士事務所になりました
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豚肉のまっかなドレスを火で溶かしほんとうに 命を殺してきた五時ちょうど
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ああまた誰かが慰めに失敗したのか二度目の雨に濡れながら思う
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まずはじめにおおきなおくちで「あおぞら」の「あ」をきかせてよ
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なにひとつ明日に繋がる歌の作れぬ日は目玉焼きの黄身に殻が入っている
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火曜日のゴミ捨て場に積まれし袋の中にあるすてきな夢の可能性だったもの
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選ばれた五音は夢のため 七音は褒め言葉のため 捨てた三音はわたしのなみだ
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偏差値と賞状のために中三の私に拾われた愛なき「冬銀河」
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DSi 目覚めてくれてありがとうDSi お前が死んだと思った一日は半分雨
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ドーナツを知らない猫が白い蛍光灯に飛びかかってもう八時四十分
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