しもぎ岡夜
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未熟。

日高屋は持ち帰りの春巻き二個を分け合う恋人の作り方を教えてください
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たまごをぐるぐるぐるぐる死なせないようにつつくどうせたべるはひとり
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市民権を与えられたまま壁にちゅうぶらりんなカレンダーがみている
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いや見事あの子に捨てられた腹いせにパレットに掻き回す赤は鮮血の赤
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父の言う「星の死を君はみていると思え」を胸に抱き今は一人夜をゆく
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あんなにも人が立って花火をみていた橋でうばぐるまが押されている
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月おとし新語ふと呟く君と二酸化炭素吐き合う長夜かな
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枯れて落ちた柚の実から育った毛虫が嫌われて生きる一匹の蛾になる
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ゆびひとつひとつがつるつるでないことをおひさまがそっと私に落とした
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約六十年前の和訳をタブレットで読みながら令和八年八月最後の夜を過ごす
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頭と心臓の間を街灯が一筋切り裂いたここは電気代も払えない猿の住処
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またひとがわからなくなって知るコイン精米所のわずらわしさだらけのこと
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交番よ受け取ってくれますかあの子に渡す予定だったミルクティーの缶
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生活保護疑われてる我が家の柱には二年前の七月で止まったカレンダー
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児童書のエピローグ触れた時に僅かながら嫉妬を覚え ああ 死んだんだ 私の夢
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ふいに歌を詠めと言われ繋がりも温もりも無く詠めば互いに薄ら笑いしたり
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生きる意味を失った奴の卒業アルバムの表紙は筒と文字だけが描いてある
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その手から落ちる強盗のニュースを踏んで気付かぬおとこのこ
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すきやきの鍋からすきやきだけを抜いた鍋に水を浸して火曜終わる
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一部屋だけ消灯した家の台所から伊集院光の笑い声だけが飛んでくる
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アイコンの変え方を知らぬお前のラインの中で笑う家族未だ行方不明
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あの川の先にはここよりも素敵な写真立てがあるといいよな棺桶のばあちゃん
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ゴミ箱のてっぺんにはぐしゃぐしゃになった昨日より値上げしたおにぎり
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許せない人が多すぎてその中で自分が一番許せなくて扇風機の首を絞めた
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あれもこれも会計済み ああ三十一音に頭悩ませて人生無駄ばかり
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あと何日共にいられるかわからぬ髪を持ち上げて鍋に湯を沸かして朝を待つ
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干し忘れた洗濯物とそれを見つめるカーテンの向こうでガキが転んでる
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ひとりまた裏切った翌朝四時の脳内でぼやける とおいランドリーのかがやき
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はみがいて はみがいて はみがいて はをみがいて にじゅっぽんはをのこしておやすみ
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ああ真夏毛布に頬擦る雨の夜は君の声恋しく悶えてばかりなり
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