ゆるてなほゆ帆
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未熟。

百数えるまで猫の瞳のようなドアノブを睨まなければいけないからお風呂きらい
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それぞれの少年それぞれの少女どちらもドンキホーテのように空へ傘を刺す
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ひとりでおふとんでねむれるものなかで朝まで泣くこともできるもの
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寒い寒いとお前らはやかましいしうるさいしでもぼくもそうおもう
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いやらしい音で叫んでバイクが通ったよ夜更かしをしてみたはじめての日
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未来ってここにあった例えば屋上駐車場でキミの首にかけた白いマフラー
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祈る者 祈らぬ者 祈り方知らぬ者すべてに初雪の夢覚めて 朝めだまやき
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吐いたもやし抵抗虚しく噛みちぎる無情よ日曜日の午前九時
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男ふたつ乳房に手を添えて啜り泣いており紅葉遂に散る夕方に
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よくはれてぼくはきんいろきみがぎんいろ ふたりわらえばにじいろしかく
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もう夏も終わりかななんて天気雨聴きつつ 声にす花びらのみかん
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真似をしてるだけ力失って痩せてきた雨を嘲笑う様な傘を
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遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
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おかえりなさい冷たいは耳の役白皿染めてあなた温めるは僕の役
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ぬばたまのぬばとはなにぞ コンビニでパン買う黒人よ教えてくれ
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夕焼けを僕だけが見ている街にいくつもの新車 いくつもの手からふうせん
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後ろに住む誰かは姿見せないのにみんな生きてると言う透明人間か?
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ごめんねすずむしあなたのこえがきえてしまうまでぼくはおきていられない
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落ちること怖くなりし非常階段にみえたせっかちなキミの背中
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もつ煮食べ少し熱を浴びた頬に氷入りファンタを染み込ませる
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オリオン座見れぬ街の夜空Mのネオンがおれを蔑んでいる
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きちんと生きていけないからせめてはみがきで はなまるをもらってかえる
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爪先からだらんと流れし葬式用ネクタイ死という空白を宙に
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垂れて乾いた青春はいずこ 記憶を頼りに面皰跡を人差し指でなじる
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隠すほど大きさもなき生殖器に手を置き十月の便所寒し
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昨日の日もさようならブラインド越しに知らぬ二人がくるっと踊る
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三期まで五年空いたアニメの二期最終回みたいに本日晴れ
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桜に鳴く鶯ならぬ亡骸を啄む烏となりて声ひとつ匿名の中に立ち
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確かにいる草の中の声を抜かしてまで帰りたい我が家がある
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なんで歯はなにかと触れないといたいと言えないのだろう気づけばあな かなしい
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