ゆるてなほゆ帆
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未熟。

「雷の季節が来るね野球少年が 犠牲バントを拒否しだす頃合に」
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臆病なカウボーイの話しよう 入れ歯で噛めない肉を前にして
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あかあいゆうがたをぼやけてみているめのようなすいでんのそば
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誰からも求められぬ 丸めた原稿用紙に積もるバターの銀紙
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君の影ひとつぶんの空白を 対面のここから妬ましくみている
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ええとそので忘れてる季語を誤魔化すこの夜はまだ寒し
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カーテンの向こうで虫の声だけがアスファルトを濡らしている
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ラーメン屋のとびらをあける 店主の吸う酸素を招き猫がみている
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せっかくの春何も思いつかず大粒の納豆と白飯と青ネギ食べる
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人が死ぬ物語を書きながら瞬きをする間に 鳥が一匹空へ消えた
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ほらねみんながこわがっておうちにかくれたから空だけがほえている
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だらしなく喘ぐためが乳房の ひとつの役割であってたまるかよ
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血混じりの吐瀉物を「病んでるネ」で終わらせないで 反論しろよ私
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もういいさヘリウムが心を溶かしきる前に かえろう おうちへかえろう
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君の吐く不意の「死にたい」を口ずさん でしまうしだけど春ですか
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しようもなく生きるのクロッカス咲いた日にここから出ていくため
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春曇獅子の子のようにヘッドレストへ足の指伸ばしおり
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菓子を愛するもひとり菓子に悩むもひとり こんばんは新生活
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はれときどきかいしゃにいくおにいちゃんのそのままねぐせ
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持ち札のJOKERどうにか出来ないまま場を支配したつもりのプレイヤー
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もうすぐねおわかれだからあのときのなみだないしょだよもうふさん
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四月というマフラーを巻いて走っている 親も子も柴犬まで
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くちずさむほめるてれるまたうたう うたえないけれどあなたがすき
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春よ春 メータのゼロとロクジュウの隙間に のほほんをおいていく春よ春
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筆順の通りにこのおおきな田の文字を 進む点Pのような僕
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ほんとうの青春をマックの紙袋に詰めてわたしとゲーセンにいきませんか
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「世の中がやになった」と自慰器具の口を舌でなぞりしあなたかな
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にっこりと笑っては枯葉折る 君にしか憎めない青春がある
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「けんぢきらいだってよだかをほしにして あたしをうえばかりむかせるもの」
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なんにでもきまりがありつきはこのほしにせなかをみせないきずだらけの
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