しもぎ岡夜
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未熟。

あついコロッケにふれたゆびさきがおもわずさしたひかり あ、おだやか
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たんぽぽの咲いていたあのおうちは雨の似合う 弁護士事務所になりました
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豚肉のまっかなドレスを火で溶かしほんとうに 命を殺してきた五時ちょうど
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ああまた誰かが慰めに失敗したのか二度目の雨に濡れながら思う
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まずはじめにおおきなおくちで「あおぞら」の「あ」をきかせてよ
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なにひとつ明日に繋がる歌の作れぬ日は目玉焼きの黄身に殻が入っている
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火曜日のゴミ捨て場に積まれし袋の中にあるすてきな夢の可能性だったもの
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選ばれた五音は夢のため 七音は褒め言葉のため 捨てた三音はわたしのなみだ
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偏差値と賞状のために中三の私に拾われた愛なき「冬銀河」
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DSi 目覚めてくれてありがとうDSi お前が死んだと思った一日は半分雨
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ドーナツを知らない猫が白い蛍光灯に飛びかかってもう八時四十分
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死を知らぬ子は震えながらドクターヘリに「かっこいい」と呟きたり
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風を避け若葉マークに尾を振る小江戸の鯉のぼり
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診断書に脂肪肝と書かれて腹の肉をつまみ月に向かって「ごめんなさい」
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新しき芝に咲くたんぽぽ一輪を嗅ぐように枝は 地についておはよう
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右の手から離れていく傘は青空のすみのうすいうすい月とこんにちは。
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舌にのせ見せてくれた君のいちご味の唾液といちご味の精神安定剤
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かなしんぼですかという解答欄に「常にそう」と答えたい猫もいないおるすばん
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父も母もいない花見であまりにも近くに墓があったことに気づく
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トレモロの誤字だと気づいて「た」から打ち始めて半端で止まるミュージック
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脳内で浮かんだモルヒネなんて曲はなかったし探して確かめる気もなかった
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あなたへと夕飯をリクエストする手紙の返事より早く来る飛翔体の通知
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怨むだろうかもし優しい人を知らぬ赤ずきんは腹の中より冷えた世を
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殺してやるゼッタイにという落書きだけ錆びていないガード下公衆トイレ
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例えろと言われても散り際の桜ほどさびしくて 何にも似ない色はないのです
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ミサイルが飛ぶ可能性ゼロでない空を姿勢よくベンチたちが見る
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気がつけば口癖になった「なれない」枯れた木に呟いてどうするぼく
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袖破れしジャンバーを畳んだのち春巻きを噛むなり四月
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あの大統領が怒鳴るど株を買え頭を下げて手を握れ命に優劣をつけろ
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墓石に備える花抱えし淑女と春休み退屈そうな 子の鼻歌交わって
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