しもぎ岡夜
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未熟。

近頃は愛を語るにもええ、ええ、と前置きを挟まねばならぬ
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柴田とよの新書床に叩きつけた男よ同窓会に唯一来たあなたは誰だ
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年末に車車車車車車車車車車車車車車という字を脳内に書き尽くす
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この棚に集う鶯は他人など知らぬ顔を しつつ鳴く声の恐ろしや
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例えば旦那待つハイブリッドカーの横顔を汗のように雨積もる日か
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五年前生きていた猫に画面の向こうから飼い主のように睨まれており
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庭の広い一軒家の中でピアノ弾きがシノオトシノオトとひたすら呟きおり
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核兵器も物価も知らぬ猫はおおきく手を振り歩く園児に威嚇したり
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名も知らぬ星を紙コップのサイダーに落として互いに一口ずついただきます
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円の価値はゴミクズとため息をつくあなた無職実家暮らしゴミ出し親任せ
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百数えるまで猫の瞳のようなドアノブを睨まなければいけないからお風呂きらい
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それぞれの少年それぞれの少女どちらもドンキホーテのように空へ傘を刺す
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ひとりでおふとんでねむれるものなかで朝まで泣くこともできるもの
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寒い寒いとお前らはやかましいしうるさいしでもぼくもそうおもう
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いやらしい音で叫んでバイクが通ったよ夜更かしをしてみたはじめての日
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未来ってここにあった例えば屋上駐車場でキミの首にかけた白いマフラー
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祈る者 祈らぬ者 祈り方知らぬ者すべてに初雪の夢覚めて 朝めだまやき
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吐いたもやし抵抗虚しく噛みちぎる無情よ日曜日の午前九時
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男ふたつ乳房に手を添えて啜り泣いており紅葉遂に散る夕方に
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よくはれてぼくはきんいろきみがぎんいろ ふたりわらえばにじいろしかく
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もう夏も終わりかななんて天気雨聴きつつ 声にす花びらのみかん
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真似をしてるだけ力失って痩せてきた雨を嘲笑う様な傘を
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遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
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おかえりなさい冷たいは耳の役白皿染めてあなた温めるは僕の役
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ぬばたまのぬばとはなにぞ コンビニでパン買う黒人よ教えてくれ
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夕焼けを僕だけが見ている街にいくつもの新車 いくつもの手からふうせん
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後ろに住む誰かは姿見せないのにみんな生きてると言う透明人間か?
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ごめんねすずむしあなたのこえがきえてしまうまでぼくはおきていられない
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落ちること怖くなりし非常階段にみえたせっかちなキミの背中
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もつ煮食べ少し熱を浴びた頬に氷入りファンタを染み込ませる
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