しもぎ岡夜
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未熟。

平日午後二時屋上へと続く階段に座った時のあの気持ちってなんですか
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色あせた政党のポスターに「ここまでもナフサ不足か」と呟きたり
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EMINEMのように鳴く蝉に囲まれて検尿を採る八月上旬
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へたっぴにトーストを食べるきみをみて思い出した僕は二度寝した
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「おんなのこみたいね」と言われて慌てて座り方を変えたらキミに笑われた
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どうしても悪夢を見たくなくてイルカの胃に住むアニサキスを調べている
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袖の切れたワイシャツとジーンズの間で振り返れば君にもあるちいさなしっぽ
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おちて おちて おちてゆきたい この窓の下に咲くあじさいすべてに
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気まぐれに罪人を救うお釈迦様の如くちぎれた麺を箸でつかみおり
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梅雨明けの青空に見られながら恋人と手を繋いだりするとはずかしいのかもな
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だってほら墓石に好きな数字掘られても地獄からじゃ読めないでしょう
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昨日見た空の色の名を探して図書館のこんな奥まで手を触れてみる
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エチュードと夏を結びつけようとする友人の誤解を解くために買うキリンレモン
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いっぽんの骨が折れた傘が不意に風につつかれて白くない雲に気づく
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ああまひる 二匹の白い蝶は結局セックスをしたのだろうか ああまひる
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ミステリを読んで犯人はきっとセミだと思ったまま返却期限が来てしまった
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満月はない。 とんかつに塩をかけて そのまま持ち帰ろう脱衣所まで
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スイミングスクール帰りの子供が放送禁止用語でナイショ話をするスタバ
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結婚十年目前日の殺人未遂「凶器は百円のざるでした」「つまらないね」
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叶ったかどうかも確かめずに逝ってしまった師よ教科書の未だ消せぬ夢一文
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遅番を終えて眠る母の寝顔をいつの日か 棺桶の外から見るのだろう
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「夫婦から奪った財布だよ」 浮浪者は今日もそれを財布だと信じてる
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ハードオフの窓のそばやけにきれいなドレスが まだ死を知らないみたい
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雨である 信号を無視する車である どろっとしたアスファルトである さらば失恋
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ビニールのフィルターを通してみるまだ起きてるあの家 私は世界を許していた
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葉の落ちた枝のようにいつの間にか画面が割れていた私の電子機器
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「鍵だらけのビルきいてほんとうはプラウスって名らしいようさこちゃん」
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お互いに叩かれて泣いていた僕らが画面隔て 互いに泣いている令和二年
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おい誰に踏まれてやせてしまったか泣くな家に持ち帰ったアルミ缶
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ああやっとたどり着けた青空を筆で掻き回したような水田の反射へと
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