しもぎ岡夜
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未熟。

桐箱のひやむぎを頂いて街に童謡が押し寄せる三月の夕暮れ
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図書室のあの子は翼だけ生やして飛び方よりスタバの新作を今は求む
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文にない紀貫之の恋を浮かべつつ雲のただよう空を吸う
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おへんじを待つように「これがいい」と落書きされたBOOK・OFFで買う俵万智
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本棚の文庫本に笑われるぐらい膨らんだ腹 五十まで生きられるかな
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おなかふたつおさまる毛布の中で向かいあうふたり すき? だいすき
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夢に感染したてのひらでぐしゃぐしゃに髪の毛乱してああもう雪
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誰のためでも無く生きるため今日庭のラナンキュラスひとりで咲く
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かっこよくしにたいとかまだそんなこと呟いてて東進のみどりベタ塗り
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平常時の陰茎のサイズと自慰の回数の関係性を証明するとき少年は無垢を捨てる
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作文の一枚も見せずさよならした教師よ 満月を嫌えない教師よ ぼくの教師
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初めての俳句は教師に鼻で笑われそれから俳句を愛することをやめた
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時にぎゅむと掴みたくなる首をもつ君は親とか殴って後悔とかしますか
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おとこのこのこころから飛び立つなみだはこの星からじうりくをさされて
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七音はよんおん 五音はさんおん 短歌はさんおん いっぱいめんどう いっぱいすき
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触れられぬ君のしっぽを追いかけて大体の問いかけに「ワン」と鳴く
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熱いよね痛いよねごめんねと泣きながらずっと強火で炒飯を作る
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一枚のラベルを失ったボトルがホームレス排除ベンチになるまでの道のり
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今日もまた眠れない私の横にカフェイン大サービスのお茶がある
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愛を学習していないエーアイにスケベイラストを描けぬと言われ やあ三日月
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平凡を装ってすれ違うあなた肌の色がもし違かったら刺されていた
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あっちむいてブイ 勝敗より終わったこと祝って夕飯は二百グラムのからあげ
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違法改造バイクに「さびしい」とモールスを送られタオルの畳み方を間違える
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きみに「もういい」と言われた歌で世界を驚かせるつもりだった
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どっかと言えば左の方が弱い乳首でバッテリーを抱いて首都圏の朝
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たましいをふたつ守りつづけた乳房ふたつ揺らしてその人が走る 回る 笑う
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あおぞらにじめんからとびこんできえてしまうとりをくしゃみせずみた
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てをひろげても足りないおおきな窓の向こうで怯えてるあなたに届く歌を
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ぼくが知らない街から来たあなたがぼくのふるさへと消えてしまう
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捨て忘れた缶コーラ踏む バスタオルを畳む テレビでは戦争映画やってて夜中
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