仕事終え 空見上げれば まるい月 残業だけど 月が明るい
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立ち尽くすスターハウスの真ん中に星がすうっと吸い込まれた夜
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ひい孫が補助輪外しあぶなげに自転車練習冬の公園
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大根の 鋭利な旨味 一筋ひとすじに  集めてからし かいわれ大根 
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「生きるとは誰かを想うこと」と言う君の心に棲む人に傘
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高さこそ突きつけらるる峰の花 霞の中にてとくと見据えん
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寒空を ふと眺めつつ 月明かり 静寂な街 雪を照らして
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高まりにシーツを掴み 靴下はいつ脱ぐべきか考えている
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寒風に 空腹満たす ランチには 台湾ラーメン パワーみなぎり
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ふらふらで何がどうだか解からずに高次脳機能障害者行く
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ため息も 撫でてあげると 君がいう その言葉はまだ 少し震えて
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生まれ落ち 今を生きたる 我が身でも 馳せる妄想 和歌と通ずる
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赤き実の光りし庭の万両を啄む鳥と睦月が去りぬ
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朝げにて 空いた小鉢を 見つめつつ 想いを馳せる 祖母のぬか漬け
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ひと月と二ヶ月ごとと半年と一年ごとの経過観察/みんな別の病院です
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五十四歳ごじゅうしの誕生日祝うラインあり幻なのか愛し人から
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定位置で すやすやねむる ねこを見る キッスもしよう ちいさな額
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今、私、ブルーライトの檻の中 夜明けにそっと鳥になりたい
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AIの作るダジャレが笑壺に老若男女がこんにゃくなんよ
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特売はいつも人気なシットリ系買うけどほんとはホクホクが好き
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バス停のベンチに座り来ては行く電車の音を聴きて わびしや
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消すまえのラジオから押し出された尾崎紀世彦より歌は下手だがいくぞカラオケ
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我が青は 君の青とは 違えども 同じ物見て 「青い」と答える
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冬の街 手を振りながら 小走りで 追いつく母を 笑顔で待つ君(息子)
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出窓の猫 微動だにせず なに想う いつも変わらぬ 風景眺め
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推している チームの限定 ユニフォーム 安く手に入れ 心複雑
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本日の お楽しみTV 徹子の部屋 五十年の 歴史に想い馳せ
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ひとりぼっちに させたくないから わたしはね  君より少し 長く生きるよ (愛猫への伝言)
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腹を割り されど返答 的を射ず 愚痴こぼしても 濁り深まる
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同じ親の子だとて 好み異なりぬ 姉は好きは苦手 椎茸
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