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まだわたし道を聞かるる人にあり冬海岸にほのと
南風
(
はえ
)
立つ
49
七転び 八回起きて また転ぶ それでも立てば ナンクルナイサ
30
黄金の花梨を
捥
(
も
)
ぎし指先に可憐な花の面影を追ふ
33
病院の 花壇に咲くは 春色の 色とりどりの 冬の花たち
30
積む雪のはじめは六花ひとひらのあまねく広く銀世界見ゆ
37
犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
29
さるすべり夏の名残りの赤々と街路に咲けり血の色をして
18
年の瀬に
文
(
ふみ
)
のあてさきかぞへつつ 薄墨いろの
白菊
(
しらぎく
)
を見る
26
二軒分 家事と介護を こなすには 知恵を絞りて 手抜き息抜き
37
壁に揺れる光の網を綾取りで取って取られて朝のうたかた
23
電話口 後輩の声 懐かしく 深夜残業 頑張ったよね
31
金色に 棚引く雲の 切れ間から 冬の夕陽が 光り輝く
33
頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
21
フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
52
やすらかに息づかいさえ聞こゆればそばにゐるだけそれで足りたり
34
雨の降る 師走の街に
塵
(
ちり
)
流れ 過ぎし一
年
(
ひととせ
)
思はるる夜
30
想い出は街をぐるりと歩いた日 兄の遺した紬をほどく
38
まだ固い 梅の蕾の その先の
親友
(
とも
)
の未来も 代わりに歩む/命日に寄せて
31
救急の惨事を告げばデイケアの瞳の奥に涙の光り
27
ラムの焼きあがり待ちつつお隣の紳士はごきげん赤ワイン飲む/サイゼリヤにて
18
多忙なる
一日
(
ひとひ
)
の終わり 静寂が クールダウンを 吾に施す
29
十年後 大丈夫だよ 伝えたい 十年前の 不安な君に
29
免疫を 上げる為には 笑うこと 笑ってなかったと 母笑ふ
29
地に落ちた葉にも命があったこと描けば光るわたしの絵筆
18
朝からの雨は昼には雪となり追い越し車線を行く車なく
33
沖縄の 黒糖入れて かぼちゃ煮る 体に優しい 自然の甘さ
30
一日にほんの小さな一錠で脳梗塞を逃れてる母
32
子に会えぬ 淋しさ募る 仕方なし
他人
(
ひと
)
の命を 救う為なら
31
柿キウイ芋を食べ終えしりとりに気付き一人で大ウケする朝
25
喜んだふりして要らぬカレンダーを貰うも恒例行事となりぬ
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