松の木の敷き詰められた葉の他にあれだけの風も跡は残らじ
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寝転がり床に射し入る陽だまりに手を伸ばしたら春つかまえて
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ごみ置場整え小さなボランティア黄の水仙が吾を見ている
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空見つつ結露の窓を拭きながら真冬日の月惜しむ僕あり
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部屋あかりパチリとつけて夕刻を夜へと変えて夕餉ゆうげの支度
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生姜ねぎきびしい季節もあと少しお守りとして日々使いつつ
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夜更けにてカップヌードル食いたくて湯気まで食いぬ寒さ避けつつ
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おそらくは我がの歴史一の値のお米大事に炊きあげて
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抱きしめて頬ずりをして 兄ちゃんら 奪い合いです 妹誕生
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やって来た息苦しさで目が覚める 季節の変わり目という魔物
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ポッカリと我の心にあいた穴 春風吹き抜け淋しさつの
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損してる仏頂面ぶっちょうづらのあの人は 笑顔の効果を一生知らない
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喋らない息子きみに「英語」のえさをまく 関係副詞??止まらぬ解説
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なにもかも知っている顔こたつ猫あごを撫でろと首をのばして
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植物を 愛する人の 真心に 応えて花は 美しく咲く
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雨雲に 陽は覆われし 寒そうに 細く閉ざした 酢漿草カタバミの花
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古木にも生きる芽のでる力ある 逝く冬みつつ風光るなか
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もう一度 君の言葉を 聞きたくて 七秒前に さかのぼれたら
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ようやくに返信届き胸を撫でスマホを閉じる 長い一日
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コチコチと 静かな部屋の 秒針の音だけを聴き 眠れぬ夜は
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生まれ落ち 取り除かれる運命の 生える場所を間違う 雑草
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海老で鯛を釣るつもりなく 義理チョコの 人数分の お返しの山
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春の雪が僕のまつ毛に乗っかってこのまま一生溶けなくていい
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傘もなく 途方に暮れた 店先で 差し出す君の 桃色の傘
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ペンギンの行列の如 ユラユラと 頭や肩が揺れる人混み
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切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
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謝るよ、顔は好みじゃないけれど、君がいないと満たされないんだ
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静寂が僕を酔わせて夕暮れの雨の雫にロマン感じる
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幼子の白き手あわせ祈るごと蕾ふくらむ木蓮の花 \ 彼岸にて
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命日に記憶は巡る幼き日父が削った鉛筆並べ
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