大人って 正しい自分で あるために 小さな嘘を 重ねるんだな
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100円ワインと辛味チキン 終わらぬ英訳増えるデカンタ
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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もしかしてモテてるとでも勘違いお前なんかに誰が群がる?
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笛太鼓鎮守の森で巫女舞いぬ 古式は進む時空を越えて
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寝てる間に そっと息子の 腕撫でる たくましいやら なつかしいやら
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五輪祭 地続きで鳴る銃声よ 79年の広島忌かな
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「本当の自分」などというものは それはもう神の次に死んだ かなり昔に
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全力で 追い越して行く どうしても 55分に 乗り換えたくて
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青空の清い青さえ奪う核 あの日の空も青だったはず
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それぞれの地獄があって傍からは見えないことを知らないんだね
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ツツツツと迷いを捨てて突き進む飛行機雲をお守りにして
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人生はそう簡単に終わらない なのにどうしてこうも怖いか
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たまにはね心の洗濯必要で涙で全て綺麗にしたい
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夜中いつ見ても窓越しに人は歩み行く 華やかさより感じる上京
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初盆ういぼんの送り火消せどざわめく哉 姿や声に未練を残し
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なぐさめて欲しくて送ったLINEのはずが 互いに褒め合い涙忘れた
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出回りしオモチャのような新札に 好感湧かぬ粘れ諭吉よ
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あの夏も 今年の夏も あの日から 友の魂 御巣鷹にあり
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ぶっ✕✕しゾーンの床を拭いて 事故なんて (あったけど、実質) 無いッス
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よく見たらあなたじゃなくてスワンプマン 幸せを運ぶ泥の人形
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覆水はぼくの見ていた逃げ水でゆく宛もない煙草のけむり
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はい・どちらかといえばはい・わからない・わかりたくない・こどもでいたい
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あなたにも そのうち分かる 人生の 半分位 おばさんとなる
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たらちねのあなたを撫で返せるだけの立派な腕を賜りしこと
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ふるさとの街並み徐々に変わりゆく変わらずに在る神さぶる山
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実家にて小三理科の本開くパラパラマンガが出迎えてくれ
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鼻かんだティッシュはそのまま置いてゆけハイネケンなら2本持ってけ
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「来年も夏はこんなに暑いのか」来夏も生きているのかこわい
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逃げ馬が逃げおおせそに八月だ今年の抱負一つ果たせず
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