生まれ落ち 今を生きたる 我が身でも 馳せる妄想 和歌と通ずる
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赤き実の光りし庭の万両を啄む鳥と睦月が去りぬ
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朝げにて 空いた小鉢を 見つめつつ 想いを馳せる 祖母のぬか漬け
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ひと月と二ヶ月ごとと半年と一年ごとの経過観察/みんな別の病院です
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五十四歳ごじゅうしの誕生日祝うラインあり幻なのか愛し人から
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定位置で すやすやねむる ねこを見る キッスもしよう ちいさな額
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今、私、ブルーライトの檻の中 夜明けにそっと鳥になりたい
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AIの作るダジャレが笑壺に老若男女がこんにゃくなんよ
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特売はいつも人気なシットリ系買うけどほんとはホクホクが好き
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消すまえのラジオから押し出された尾崎紀世彦より歌は下手だがいくぞカラオケ
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我が青は 君の青とは 違えども 同じ物見て 「青い」と答える
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冬の街 手を振りながら 小走りで 追いつく母を 笑顔で待つ君(息子)
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出窓の猫 微動だにせず なに想う いつも変わらぬ 風景眺め
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推している チームの限定 ユニフォーム 安く手に入れ 心複雑
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本日の お楽しみTV 徹子の部屋 五十年の 歴史に想い馳せ
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ひとりぼっちに させたくないから わたしはね  君より少し 長く生きるよ (愛猫への伝言)
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腹を割り されど返答 的を射ず 愚痴こぼしても 濁り深まる
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同じ親の子だとて 好み異なりぬ 姉は好きは苦手 椎茸
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洗濯物ほしものを畳んでくしゃみ一つして ちょっと困った春の兆しよ /花粉
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ザックリと切ったキャベツに混じりおる小さな命大きな悲鳴
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み吉野に われ問ふ鳥の来たりなば 袖振り示し給べ 山桜
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雪だから細くなりゆく路地歩きすれ違う人袖すり合わせて
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同じ時間に目が覚める体内時計は健在だ 今日に感謝
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だれと呑むなにを呑むかと如月のじゃんけんぽんが木魂する居間
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ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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まだ寝るの掃除も終わってないのにと 昼にわたしを蹴飛ばすわたし
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ちさき手を 伸ばして池に パンの屑 群がる鯉に 孫あとずさり
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何故君は 他人事かと 問うよりも 俯瞰的ぞと 褒めてほしけり
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義父は今霞む記憶の実在を日向の椅子に見つけたようだ
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耳搔きに うっとり目を閉じ 我が愛猫 癒されてるのは わたしの心
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