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刈り取りの済みし田んぼにじっと立つ陶器にも見ゆ白鷺一羽
19
岩窟の母うらわかくふたり仔の遊びに微笑まふ偽家族
3
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
39
いちじくの葉のちりゆきてひとつあり うれぬみのまま何思う秋
15
庭のすみやさしい光の浮き上がる黄色く笑むはつわぶきの花
16
あきのよにうたよむ吾はモンスター やまのせんべーバリボリ食らう
7
木枯らしの吹きすさぶのにいのち生むスナップえんどう土わりだす芽
15
老いるわれリハビリジムに望みわきかたい日々にもこころほぐるる
9
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために
篝火
(
かがりび
)
を焚く
39
こうえんに葉っぱならべてあそぶこのあとを見守るいちょうの高木
9
ふゆ枯れに季節まちがえ咲くつつじ白無垢のはな はるに咲くや
6
チャプリンの美は哀しみにありという落葉ふむおとかなしやさしく
7
半分にわけていただく老いふたりおしどりのさま水を彩る
11
弾丸のパレスチナの医の救いびと傍観のわれ思い沈みし
6
くさはらに わらいはじける こどもらの うまのりあそび じじもやりたし
11
爆撃にこどもの墓場やまとなりホロコーストの過ちつづく
9
けしゴムを かりてときめく はつこいの にがきおもいも いまいじらしく
12
母を見て泣きじゃくる子を外に出す辛き日々ある母を知らずに
11
幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いて
瞬
(
またた
)
く冬の星々
39
一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
36
ブランコが高く上がれば上がるほど 美しくなる 重力の虹
37
病院の目を見てしかる看護師の 去るときいつも小さく手をふる
18
暗闇ででどうどうめぐりの考えが 雨戸をあけて光で急転
9
きみなくていきていけるやしわすのひ うごかぬあわてる伴なる携帯
9
ぜんそくのこどもの病室あかりがみえる 明けないよるをなみだぬぐいて
16
トナカイのあかりをつけて孫おどる 幻の日々遠く去りゆく
18
めいわくをかけてもいいという人に 肩ちからぬけ安堵のためいき
13
口ずさむ孫のミサ曲やさしくて 生きる深きを海面にえがく
16
リハビリのジムにときめく冒険は コードがともの宇宙遊泳
12
おけのなかラインダンスのべったらは ほっとひといきお茶と和みて
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