引きずられ差し出した手も振りほどき施設へ義母は 名月の夜に
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母からの「家静かです」ひとことに子も犬も去る実家を思う
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投げた球追って帰ってこぬ犬は六文銭もきっと渡せぬ
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いつまでもいつまでもただ踊ったの今宵で夏も去り行くのだと
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雲を呑むような心地を雲吞ワンタンと書いた詩心 漢字はポエム
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木々の間をざぁっと吹いてセーターの真青の肩にとまる紅葉もみじば
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楽しいとあなたが言ってくれるなら 生きている意味あるかも。やった!
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サラ金の荒いティッシュが涙吸う叔母の葬儀で叔父の老いみる
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あなたへの愛に溢れた今週も深夜の駅はやっぱ哀しい
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だんだんと早くなりゆく待ち合わせ昨日と少しちがう夕焼け
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会計でまごまごしてる老爺と父を重ねて目尻が滲む
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仕事として米の選別知る夫はいまだ田にある稲穂を憂う
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新しい袋ラーメン試したが マイ・ベスト・ワンはワンタンメンなり
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とんがらし色した夕陽落ちる秋若かりし日の驕りにも似て
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刈り取りの済みし田んぼにじっと立つ陶器にも見ゆ白鷺一羽
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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いちじくの葉のちりゆきてひとつあり うれぬみのまま何思う秋
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庭のすみやさしい光の浮き上がる黄色く笑むはつわぶきの花
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あきのよにうたよむ吾はモンスター やまのせんべーバリボリ食らう
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木枯らしの吹きすさぶのにいのち生むスナップえんどう土わりだす芽
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老いるわれリハビリジムに望みわきかたい日々にもこころほぐるる
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こうえんに葉っぱならべてあそぶこのあとを見守るいちょうの高木
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ふゆ枯れに季節まちがえ咲くつつじ白無垢のはな はるに咲くや
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チャプリンの美は哀しみにありという落葉ふむおとかなしやさしく
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半分にわけていただく老いふたりおしどりのさま水を彩る
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弾丸のパレスチナの医の救いびと傍観のわれ思い沈みし
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くさはらに わらいはじける こどもらの うまのりあそび じじもやりたし
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爆撃にこどもの墓場やまとなりホロコーストの過ちつづく
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けしゴムを かりてときめく はつこいの にがきおもいも いまいじらしく
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母を見て泣きじゃくる子を外に出す辛き日々ある母を知らずに
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