夕焼けが夜にとけてく時間には帰れぬ日々が空に浮かぶよ
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同じ国、同じ言語のはずなのに三人寄ればわたし除け者
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苺大福だいふくをキメなきゃやってられないよ 試験と就活 中指を立て
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「怠惰」という病のツケが三年の時を経ていまボディブロー
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雪国の暮らしの方が長くなり雪ない実家の母は老いたり/帰省
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今更だ、うずくまっても立ってみる 横で猫、全お腹の無罪
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幾重いくえにも、巻きて開かぬ うちの花 春立つ今朝は 意地を捨て解かむ
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立春に寒さ束の間緩みおり 雨水、啓蟄心は逸る
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公園の南天の実はおおかたに喰い尽くされて立春迎ふ
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自販機のペットボトルが水筒に名前を変える午後の仕事場
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煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
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春立つ日きまりのような陽射し受けごみ収集車は給油を受ける
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生更木の 凍てつく大地に麦踏みの ザクザクの音春近づきぬ 
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三層の劇中劇を観るような半覚醒の悩ましき朝
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学び舎へ行けぬ娘は春隣はるとなり ゆるむ蕾に希望を抱きいだき
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世界ごと買える気がするAmazonで 短歌の本を探す指先
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徴兵制復活しても私には資格ないだろうちてしやまむ
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憧れの逃亡生活準備して サンドイッチ用お手拭きもある
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ハクモクレン 寒さの先に 春を待つ つぼみ美し 花はまだ先
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退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
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カン!カン!と小気味良い音響かせてラリーは続くデイケア卓球
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体操のお兄さんの如キッチリとラジオ体操するASDアスペの彼
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よどみない圧倒的な語彙力で会話してくるギフテッドの彼
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冴ゆる朝 けふも園バス 送迎す 幼き希望の光を乗せて
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思い切る言い訳にする「春なので」あなたを振ってケーキを食べる
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不機嫌に睨んたような顔になる それは良くない老いひしともがら
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弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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土手沿いの 斜面に群れ咲く 黄水仙 風に揺れつつ ツンと顔上げ
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いそいそと 今夜も飲み会 まっ、いいか 君のご機嫌 我も幸せ
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億に一つ生まれる僕らは超幸運みんな持ってるラッキーの種
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