ねこのごとましろのほそきあしそろへちいさきぎんのみみをはねゆく/こいぬ
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雨あがり あさひの木洩れ日梅の木の捻れる幹に辛苦を映す
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この怒り我がものにして誰であれ抑えも奪えも出来ようもなし
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君の作 詩がないと言う人の刺さる言葉にペンを捨てたり
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の白梅シラウメ今年も咲いて
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完成の達成感を味わってみたいと若くなっている古希
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裏庭の 容積率が 満ぱいで 津波のようだ 押しよせる雪 / 早春
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イヤ、イヤ!と どこか得意気一歳半 言葉が気持ち運ぶを知って
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階段を駆け上がってたねあの頃はよろける老犬と今朝もお散歩
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反感が消えて肯定するようにまた新しい発見もあり
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冗談はかなり露骨でぎょっとする不満の色を隠しきれない
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おけいこの卒業ソングに包まれて 白もくれんのつぼみふくらむ
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ひとりいて不安のゆれる君の目に 淡紅色のさくらそう映え
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あの日々は良かったと思う昭和の世その清流に遡上する夢
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春風と陽と雲の間飛ぶ雪は冬の花びら散るかの如く
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卒業と入学のの春風は、こぶしの白い花を揺らして
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花韮のちいさき花はかぜにゆれ みつばち一匹弧を描きとびゆく
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ガンセンターシルバーの群に少女いる うつむく母を夕陽の映す
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恋する火細くなる今しみじみとあきらめと言う老いのようです
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返信の文字で聞こえる言い回し確かな貴方の言葉と思う
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春嵐も過ぎゆき晴れの門出かな 澄むよに青い空よ続けよ 
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我が子との繋がり途絶えこの先の何を目指して生きてゆくのか
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つくしく指先染めて老い二人雨音続くすごもりのとき
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春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
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雪ほどけ自転車を漕ぐ緩い坂秋から春で解けた脚力
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けがれ水海月なしただよふくににありて稼働炉つぎつぎと廃炉のひかり
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癲狂院しづまらず木の鞭撓へり一頭の青年剥き出して肋骨
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フィッシュ・アンド・チップス嫌ひ。曇日の牢屋町・縹染の血の警邏
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漆月海遊館につづき辺獄牢をさす白蜉蝣帷子より躑躅
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