花菜漬トントントンとまな板と葉を軽くたたく母の影見ゆ
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埋葬費をりしもてなぐさみに染む罌粟防火壁のもとに額づけ
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放蕩の返済が果追はれつつ葡萄に裸婦は序する福音、鳩卵
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約翰よはねまぎらはしくも謄本へ添ゆる洗礼名さへみわけがたかり
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娼婦私生児しかれども父祖にてはなやかなる頬 じつを衒ひて
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スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
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久々に目覚まし鳴るまで寝た時はなんだかふわふわ調子が悪い
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夜が明ける 空の黎明 紫に 蓮咲く頃 はや目を覚ます
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夏茜、戻れずともまた逢いにきていいですかと君きいてくるから
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コーヒーのお湯沸かしてる間 早く出しすぎたアイスをながめる
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梅雨の末街の向こうに光がさす 多分あそこに夏がある
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意地悪な電話とぎこちない手紙 貴方の利き手すら愛おしい
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この街に雪は降らねど 積もったと君が囁く電話越し 冬
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これまでの自分をいくら赦しても今日の自分が罪を重ねる
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透明な花瓶は傷も透明で 割れる前なら触っていいよ
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聞こえないふりして前を行く君の真似して空も黙り込んでる
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座布団のいつから上によんしい4Cのリフィル歯欠けのマルチな不幸
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バナナならプロセス違えウォシュレット皮から逃げてああ水の中
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不自然なもりもり写真ゲップ出てしゃーと一声威嚇してみる
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諦めて捨ててしまえば気が楽になるばかりではない逃亡者
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「ちょっと海さわってくる」ときみは言い半年前の夏へかけだす
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加減速装置忙しそれぞれの部屋の時計の指示従えば
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災厄の起きるときには居合わせてなにかせざるをえないバグある
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たぶん居てほしいのだろと見えたのでいてみて功徳積むことにする
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こんな詩すぐに忘れていいよでも忘れるまでは僕を愛して
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よし尻尾ひっこぬいたら一日の始まりだよと携帯おこす
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お嬢ちゃんこりゃおしゃかだよって言われ眉八の字にして嬢ちゃんは
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雀蜂は怖い雀の顔も怖いすずめはさほど怖くない
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トイレットペーパーのベロ揺らすカーボンヒーターの上昇気流
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締切の躙りて寄れば賽の目の殘骸置ゐて冬の月影
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