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もう父に 届かぬ歌を 詠む夜道 去年の桜は今年もそこに
53
寒き日も 言葉の灯り あたたかく 明日を潤す 桜雨かな
59
思ひ出はいつも季節に寄り添いて春を辿れば桜のありけり
42
本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
47
静寂な 田舎の夜は 淋しくて
雨東風
(
あまこち
)
の
音
(
ね
)
と 秒針の音
30
子の歩む速度で木々の
間
(
ま
)
を行けば卯月の枝に
早
(
はや
)
蝉の殻
47
海外で ツ と シ は笑顔の記号だと 知ってから見る ツツジ にっこり
54
我が町の桜ついに蕾成り様子見の人すでに溢れる
27
温
(
ぬく
)
む風 時と心は 比例せず 歩む季節と 引きずる無念
22
鯉泳ぎ 鯛釣り草に 金魚草 卯月に咲きて 皐月へ流る
22
筍
(
子
)
の為に 栄養与へ 黄に染まる
健気
(
けなげ
)
な姿
眺
(
なが
)
む竹林
24
子の土産 夫婦茶碗に 茶を注ぐ 黒縁写真と 朝の一時
28
思い出の カセットテープを 聴きたくて 古車乗る我 車内で再生▶️
23
ラベル無し 黒きテープを 再生す 流れし曲は「♪さらばシベリア鉄道」/大瀧詠一さんでした
20
ダビングし
彼女に
(
(後の妻)
)
あげた 黒テープ 遺品整理で 見つかりし
もの
(
(形見)
)
23
お経より ボレロがいい と言っていた 父の墓前で
15
分間
83
青山椒 今日こそ買わん 地下鉄の通り過ぎたる風も涼しき
13
言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
53
田植え前夕暮れ映す水鏡しばし見つめるもう少しだけ
32
高齢者あれこれやって結局はショップに行きてスマホは初期化
9
杖ついて通う医院の閉院すオンライン化の波に乗らずに
16
十坪の市民農園借り受けて知識も無きに畑耕す
16
階段で 見上げる先に 天窓の 陽射し眩しく ひとり佇む
14
凪の海へ あなたを送り 出せたらと 小さなものが ただ愛おしい
32
来る夏の衛兵のごと門前に立ちて優しい立葵かな
41
いたずらをする体力も老いてゆく 好む靴下さえ愛犬は
22
海を見て「でっかい琵琶湖」笑み誘う 琵琶湖育ちの保育園児は
16
フリーハグとはいうもののほんとうはあなたの胸にかえりたいだけ
13
ガザの子・イスラエルの子ともに汚さざる手に平和を祈る日を望む
24
雨後の風 マスクを取りて 吸い込めば お日様の香と 濡れた土の香
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