午前四時 目覚めて月を探したら 孤独を溶かす 蜜のしずくだ
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真夜中に 月と密会 したことは 家族に内緒の 銀の耳打ち
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借景もよく考えたいいねよりボツだっていい自分を詠う
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レコードを聴く喫茶店待ちぼうけ「いい友達になりましょう」から
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挑戦は多難な船出「信を得た」までまだ時間かかるねビール
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一番のライバル君は同い年あれから二年笑みのワンツー
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我が家には ずっと前から君が居て こころの 奥底和らげてくれたね (我が愛猫に感謝!)
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二月にんがつの午後に歩かば聞こへ来る公民館より懐かし叙情歌
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今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
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梅が枝に降りし小雪の消え残り目白しば鳴く小さな声で
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死にたさは隣に座るパートナー私が死ねばずっと一緒ね
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図書券の礼を言いつつ現金がよかったなってこどもごころに
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若人の「恋詩」読みて 過去想ふ 手のひら見つめ 溜息の午後
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お父さんうるさいですと言われてもイビキなんぞをした覚えなし
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着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
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ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
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山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
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月のかさ さして鯨の ゆるらかに 舞う砂のふる 深みに眠る
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夫が遺したちいさな菜園 何植えようか 春を待ちつつ思うも楽し
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午前4時 うっすら見える オリオン座 冬の終わりも そう遠くない
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今日もまた やさしい人の朗らかな挨拶だけで生き延びていた
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雨催あまもよひ 冬の星座の無き闇夜あんや とこに就き 明日あすの雨を待ちぬ
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初に受く床上洗髪囲むの 明るき声に 緩む冬の陽 (在宅療養より)
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桜の木ほんのり樹皮があかいのは雨のせいかな春のせいかな
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CMがないから見てるNHKやたら番組宣伝多し
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雨降りて 煙る街並み 如月の 寒さ緩みて 頬紅潮す
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受験直前 大丈夫な息子は寄ったファミマで『ゴルゴ』立ち読み
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発熱で二日寝込んだ老いの身に今日の雨はちょっと優しい
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食欲が戻り口にすトーストの小麦の香りが幸せだったり
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神様に会えたら怒りぶつけたい一昨日神に祈ったけれど
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