どちら先 起きてストーブ点けるかと 妻の気配に耳澄ます朝 
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室温が10℃に下がった朝まだき 蒲団の中は36
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我が猫を 腑と見失ひ 物陰を覗けばそこに 日々かくれんぼ
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凍つる道ハンドル握る手は張りて富士も灰色通院の朝
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とつくにの痛みを想うこの友の隣に居られる私でいたい
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祭り也吾が屋根の上をすれすれに轟音立てて飛行機の飛ぶ
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晴れ空に老若男女集う日の美よ美のままであれ航空祭
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ゆずれない避けたい事と望む事今は何だろ票の行方に
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「ただいま」の声を待つ間の静けさに鶏肉沁みて愛しき夕餉
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熱の子のあつき唇ひらきつつ林檎のしずく命へ運ぶ
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窓に差す陽を握る手の小さきを 光は溢れて我に開けり 
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街灯の 映せし雪の 向こうには 貴方あなた 夜風に なびいて彼方
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幾年月 古りても思う 紫の 長き君の影 金色の野も
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風当たり 刺さる冷たさ耐え切れず フードとマスクで己を守る
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傷あればこそ愛でらるるこの身体賢くなきを許して歩む
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諦めを覚悟と呼びて生きてゆく この身はすでに森に降る雪
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学年で 一位のはずなのに わからない 僕の気持ちも 君の気持ちも
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ほろ苦き 大地に芽を出すフキノトウ 春の息吹きを噛みしめる宵 
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一光よ 病室に刺す朝の陽の プリズム色がドア染め抜ける
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飛び方を忘れ 枯れ枝に一枚ひとひら 厳寒に耐へをる 赤紅葉
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円安もパンダも雪も渦巻くにポピュリズムへと真冬の解散
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この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
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厳冬に 麹扱う 味噌造り 仕込期間は 納豆厳禁
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雪の舞う空に 洗濯もいいからさ ねこたち抱いて ホットミルクでも
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我が赤のセーターと色が一緒と 赤のブーツを履ひて来し友
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たかいちに しなもあがらず ぼた餅か 棚から出でず 米といふのは
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しなあらず きょうの都は 閑古鳥 うそぶく者は ひのもとあげる
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なにがしの とはずがたりに 二条城 深き草原 あさましくなる
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朝ぼらけ 差す陽を覆う毛布にて 天は墨色 やみは続きて
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顔洗い髪を整え紅をひく 社会人じょうしきじんへと変身完了
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