すれちがう バスの運転手さんたちの 挨拶 見たくて いつもこの席
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夕立に なす術もなく 立ちつくす 信号待ちで 水行のごと
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家を捨て世を捨て流れ公園にホームレスのホームのない人バラを見ている
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雨後の風 マスクを取りて 吸い込めば お日様の香と 濡れた土の香
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おやゆびの姫のごとくにさき花ヒメシャラの笑み雨に濡れても \ 五月尽日
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ありし日を偲びアルバムめくりつつ一人でいるもそれなりの日々
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春草しゅんそう息衝いきづいた その地に芽吹く 狗尾草エノコログサが 夏はすぐそこ/狗尾草=ねこじゃらし(^^)
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初夏はつなつに小さき白き南天の花風に揺る庭の片隅
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白鷺の飛び行く空は梅雨曇りハルジオン咲く通院の道
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右頬を 小風こかぜがなぞる度 よぎる あの葉盛りの 夏のさよなら/r 
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見上げると夜空の月が微笑ほほえんで 今頃君も笑っているね
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雨のカフェ 貴女と過ごした 4年前 貴女の顔を 直視できずに
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登りきれば そこが楽園 かといえば わからぬままに 必死に登る
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パスケース 最初に渡した プレゼント 長く使われ 貴女に感謝
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寝たくない起きたくないは同じ意味 鬱隠すためスマホに依存
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蔓延はびこった 草と格闘 そののちに クワガタ顔だす 月夜の露天
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ナツィストの肋骨より納まりぬ軍卒の襤褸なせるは憐れ
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車中での 貴女の横顔 独り占め その可愛さに 夢見ごこちに
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茎細くたった一輪色づいた紫陽花風にしなやかに揺れ
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残業し 雨音気になり 外を見る 貴女と一緒に 聴けたらいいな
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先生の見舞いに行けぬ少年は雨漏る家にひとり涙す
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緑濃き畑にカボチャの花揺れてさき実二つ朝日に光り
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突然の雨に二人は目を合わせ 同時にひらく傘がぶつかる
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幼児おさなごを膝に抱えて二人して歯磨きしてる今日は父の日
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いい歳の おばさんだけど 年上に 見られて哀し 女心よ
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噴水に初夏の陽ざしの乱反射 どっちの味方もしないと決めた
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ナイターの ない夏至の夜 うっかりと ひらいてしまった つれない家計簿
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どしゃ降りの 雨の朝にも 四十雀しじゅうから ピーツピーツと 鳴き続けおり
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あまりにも日常すぎた夢の中 さめなければと後から想う
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ゆっくりと瞳にあふれ出してくる涙を見てる怒れる人の
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