吾の歩く傍ら風のごとく過ぐ登校急ぐ自転車の子等
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今日も又一人の散歩他人ひとはたナスにピーマントマト花咲く
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暑い時半解凍ですすめんと三連プリンこおらして置く /暑さが来ます
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経験を したのに同じ 傘の下  護られるはずの いのち 時雨て
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キレそうになったら見てる 左手の壁を殴ったときの傷跡
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ヒカキンにキャメルクラッチ決めた時 セイキンにもダメージが行ってる
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誰とでもすぐ友だちになる人の例外として僕は去ってく
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いつになく暑がる事に疲れても今日は夏至の日ほんの入り口
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どしゃ降りの 雨の朝にも 四十雀しじゅうから ピーツピーツと 鳴き続けおり
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夕の空 短歌うたの神様降りて来ず 早よ帰れよと ただ吾を急かす
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まれに見る六月末の涼風に昭和の夏を思いくらべる
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反戦を唱うる口で菓子を食み文字だけ拾う平和の国で
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朝っぱら レノアビーズを ぶちまけて 家じゅう花の 香りいっぱい
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蚊も蝉もいない暑さは珍しく春の延長にいまここにいる
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日本、喪失さる記憶つゆ思はざる万愚節の甘藍のひしひし
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ひとり寝の冷感シーツ触れながら肌の記憶を消す熱帯夜
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お互いに次の言葉を探せずに青梅みたいな沈黙が来た
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母さんの知らないあなたがいるようにあなたの知らない過去の母さん
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吹きぬける 猛暑のあいまの 涼風に ほっとひと息 蝶も蜂も
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わからない感情がよくわからない言葉になってぽろぽろ落ちる
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また今日も眠れぬ夜をくぐり抜け朝食少し豪華になった
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真っ直ぐに行かば正解知りつつも右に行きたき たまにそんな日
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轟音のいつものくしゃみに遮られ 歌にならない母よ 元気で
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三日月夜。 月牙鏟げつがさんの 使い手は 沙悟浄だった 成仏のための
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担当の季節のしつらえ褒められて七夕飾りがくるりと回る
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旅路にて 荷を預けたら 身軽なり 引き受けてくれた かたに謝恩の
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暮らしにも良き根が付けと半夏生たこわさ添えんふたくちくち
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底面に貼ってよ僕の腹の皮膚 いつまで君は船でいられる
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ああ夏だ茗荷と大葉刻む時香りも色も涼やかなり
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ちゃん付けで呼ばれた祖母がひなげしのように微笑む母校の前で
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