目を背けたくなる世界を直視する 君を ヘヨカと呼んで見つめる
8
校庭に 明るいきみどり色の筆   樹々を描いて 飛ぶ野良インコ
17
死にたいと呟く度にため息を漏らした「死」 俺も死にたい
3
お月様あなただけは見てくれる私がここらで野垂れ死んでも
3
死んだ陽が月を照らす事はない 月が希望になることもない
6
もう三時朝の始まり寝ずに知る もう今日この日は悪い気がする
2
父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
27
ネモフィラの青に憧れし 春過ぎて 夏は向日葵の黄色眩しき
9
あなただれ 娘です あらそうだった 笑えるうちに 笑えるうちに
40
ダンシングヒーロー踊る子らがいて櫓太鼓やぐらだいこはロックを刻む
10
眠られぬ理由はきっと違うけどエアコン温度.5てんごど下げる
6
我が未来剥ぎ取るように飲むクスリ残り数えつ今朝も九つ
10
君と僕。ホウレン草のおひたしがこれほどうまい幸せにいる
11
機種変の説明耳に心地よしらくらくスマホのドコモでうたた寝
8
たそがれてものみなとおくなりにしをちかくてぬくきつまひとりおり
6
菓子につられ買い物つき合う孫たちよ君らの子ども時代はいつまで
10
推し活デー鏡に向かう我が妻が髪なおしおり何度も何度も
9
プライドの欠片かけらひとつがこぼれ落つ「いいね!」が返らぬ夜更けのスマホ
12
疼きつつもつかの間やさしおやしらず知ってか知らずか健やかなる母
5
無花果いちじくの熟れゆく匂い懐かしき母待つ庭に自転車のベル
12
ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
26
脳ドック妻のLINEは異常なし「いいね!」スタンプ全部送るよ
11
やわらかなしらべの歌を詠まんとてゴルフの後の身体古希古希コキコキ
8
言の葉の端くればかりの後悔をざっくり集め火にくべてみる
10
生まれ子のかそけく淡きぬくもりをこぼさぬような肘角ひじかくで抱く
11
髪の毛の分け目左に変えてみる女房気づかず五日目の朝
17
ハモニカの音色はきっと寂し色さびしいろ 文学あたりを行ったり来たり
10
頬に涼し露天の風に行方問う大谷翔平特大飛球
6
人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
33
凪のごと自警たちはやつてきて 教練通りひとをあやむる
3