徒桜あださくら 一まい一まい 降りてくる 絶望と 希望にゆれる メトロノーム
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雨雲を押し退けていく 暖かな強い夜風は 月をいざな
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不確かな記憶の中の 懐かしき匂ひを辿たどる 母の香水
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雨上がり 川の両岸一面に 活き活きと咲く 野の花愛らし
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潮の満ちあやつりて いたずらを愉しむ如し 月の引力
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すれ違う回送電車に 脳みそを ひったくられてしまったようだ
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昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
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幸せで散らかった部屋に春の風 ぬるい麦茶と午睡見学
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桜から 躑躅ツツジに薔薇と 順に咲く 春のもたらす 花の輪唱
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ゆく先は決めていなくて夏帽子千木先とまる鳥の如くに
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自由 鋼鐡天井ゆ開放されし青空へかなしみの謳歌ひびけり
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会いたいよ 君の写真に語る夜半よわ この声はもう届かないけど
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見上げると夜空の月が微笑ほほえんで 今頃君も笑っているね
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詠みつづける三十一字みそひともじに秘められた思考と記憶がうたになるまで
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渡された万年筆のあたたかさ君の体温に心ときめく
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嗚呼こんな輝くんだな微笑んだ君の頬には光あつまる
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還暦の君に逢ったら問いたくて 知りたい人生質問60
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梅雨空を見るたびよぎる 在りし日の ティッシュで作る てるてる坊主
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ナツィストの肋骨より納まりぬ軍卒の襤褸なせるは憐れ
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Floral dandelion breaks isolation and fusion.
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この僕を雨から守るためだけに産まれた傘を持って君待つ
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雨音に包まれながら目を閉じる 雨のメロディー音符が踊る
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カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ愛犬キミのその脚
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空梅雨からつゆの続く草地にひっそりと 居場所を求め 露草つゆくさ
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離れても同じドラマを観ていたね 自分時間に浸って見返す
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じんわりと沁みるぬくもり仄暗き日曜の朝寄り添う猫の
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梅雨開けて 明日の予報は 晴れだけど 猛暑の文字が 添えられており
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母さんが妙に照れてる 白髪の紳士とばったり再会した日
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軒下に吊られたまま 冬を越へて ぜつを失ひ 鳴かぬ風鈴
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「かわいい!」と 通り過ぎてく犬を愛でる君が一番かわいいと思う
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