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徒桜
(
あださくら
)
一まい一まい 降りてくる 絶望と 希望にゆれる メトロノーム
33
雨雲を押し退けていく 暖かな強い夜風は 月を
誘
(
いざな
)
う
20
不確かな記憶の中の 懐かしき匂ひを
辿
(
たど
)
る 母の香水
22
雨上がり 川の両岸一面に 活き活きと咲く 野の花愛らし
31
潮の満ち
干
(
ひ
)
を
操
(
あやつ
)
りて いたずらを愉しむ如し 月の引力
22
すれ違う回送電車に 脳みそを ひったくられてしまったようだ
9
昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
35
幸せで散らかった部屋に春の風 ぬるい麦茶と午睡見学
7
桜から
躑躅
(
ツツジ
)
に薔薇と 順に咲く 春の
齎
(
もたら
)
す 花の輪唱
29
ゆく先は決めていなくて夏帽子千木先とまる鳥の如くに
25
自由 鋼鐡天井ゆ開放されし青空へかなしみの謳歌ひびけり
13
会いたいよ 君の写真に語る
夜半
(
よわ
)
この声はもう届かないけど
21
見上げると夜空の月が
微笑
(
ほほえ
)
んで 今頃君も笑っているね
34
詠みつづける
三十一字
(
みそひともじ
)
に秘められた思考と記憶がうたになるまで
8
渡された万年筆のあたたかさ君の体温に心ときめく
25
嗚呼こんな輝くんだな微笑んだ君の頬には光あつまる
26
還暦の君に逢ったら問いたくて 知りたい人生質問60
35
梅雨空を見るたび
過
(
よぎ
)
る 在りし日の ティッシュで作る てるてる坊主
28
ナツィストの肋骨より納まりぬ軍卒の襤褸なせるは憐れ
10
Floral dandelion breaks isolation and fusion.
4
この僕を雨から守るためだけに産まれた傘を持って君待つ
23
雨音に包まれながら目を閉じる 雨のメロディー音符が踊る
42
カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ
愛犬
(
キミ
)
のその脚
48
空梅雨
(
からつゆ
)
の続く草地にひっそりと 居場所を求め
露草
(
つゆくさ
)
の
生
(
は
)
ゆ
25
離れても同じドラマを観ていたね 自分時間に浸って見返す
27
じんわりと沁みるぬくもり仄暗き日曜の朝寄り添う猫の
19
梅雨開けて 明日の予報は 晴れだけど 猛暑の文字が 添えられており
22
母さんが妙に照れてる 白髪の紳士とばったり再会した日
19
軒下に吊られたまま 冬を越へて
舌
(
ぜつ
)
を失ひ 鳴かぬ風鈴
27
「かわいい!」と 通り過ぎてく犬を愛でる君が一番かわいいと思う
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