ホラー映画見て寝られなくなっている自分 なんだか愛おしいよな
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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昨秋は 落ち葉に滑り転んだと ふとよみがえる 枯れ葉舞ふ道
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ハクチョウのトランペットを頭上に聴いて今日もお互い頑張ろう
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生前の祖母は干支を聞かれて孔雀かな白鳥だっけと孫を惑わし
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寒さから解放される一瞬に今がチャンスとストレッチから
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心から溢れた「またね」が困らせた 俯いた君  嘘だよ ごめん
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土地ごとの林檎の酸味色々で強弱あるのはコーヒーみたい
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冬風と戯れるよに舞うとんび 空は遥かに広くて青い
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隣席の営業の声淀みなく お子様の為 くり返しをり
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粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
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辰年の心の迷ひ百八つで足るか足りぬか除夜の鐘待つ
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親という 一番近い歴史見て 繰り返さぬと誓ったんだが
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なすすべも ないと思える夜にこそ ハチドリ習い 一滴の歌
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お野菜は三食取りなと言った日から 確かに歳を取った気がする
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もふもふの愛犬いぬの形の空洞を抱えて生きる ささ身を供える
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歯車が まわる音にも 聞こえたり ポトンコトンと 屋根からの雪
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ありがとうそのひと言ももらえずに 今日という日が静かに終わる
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結晶を 結べないまま 降り積もる ゆるかった冬 豆をほお張る
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足下に からだくっつけ 横になる 年老いた犬 ふわりあったか
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警報が トレンドの今日 蝋燭ろうそくの 灯し火りんと 微動だにせず
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感情を 揺らさぬように 生きている やけにまたたく 春のシリウス
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切り開く未来の意味を持つと知る 父が娘へ 贈る包丁
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やる事が 終わらぬうちに また別の 優先順位が 割り込んで来る
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転寝うたたねのふくらはぎから沁みてくる猫がいてくれることの幸せ
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簡単な 引き算すらも ままならぬ かたむいていく 我の脳力のうりょく
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降りしきる 雪の合い間に 一筋の光りはありて ひた走る春
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満月に誘われるよに南から一等競い春風は吹く
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今日も待つ昭和レトロの喫茶店指切りをした仲でも他人
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ぼたもちを 自分で作って 棚にのせ 偶然じゃない けれど幸せ
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