さればとて あすは明日の かぜ吹かん 思う心に 今を楽しむ
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一夜明けニトリへ息子と行ったこと夢かまことか母に訊ねる
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無精卵涙流して産んでいるうちのカメってメスだったんだ
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特別でありたいけれど普通でもありたいよくあるセンチメンタル
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涼しさは心地ここち良くともそこは秋長袖羽織はおり首にスカーフ/秋·涼しい·冷え
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鳩がいる 猫にも蛇にも伝えとこう あと神様か 君の不在を
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玉ねぎが 淡路島より 届いたと 同僚ともよりもらひ 驚く甘さ
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眩しくてホワイトアウト 手を引いてくれるこのひと誰なんですか
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両親が出会ったころの曲なのとあなたが歌う欧陽菲菲
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同窓会散り際またねと手を振ればふと吹き抜ける放課後の風
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寝床から室内物干し畳まれて立て掛けられてよぎる引退
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引き出しの奥に隠した作文が二十年後のわたしに届き
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花の色 草の緑を 焼きつける あとひと月も すれば白銀
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浴室のシールには誤字『研剤』弘法にも筆の誤りかな/正しくは研磨剤
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あかき葉を きていたる 焼き芋に  オーブン越えの 期待すさまじ
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梅田駅 食堂街の たこ焼き屋 一坪立ち飲み 渋い空間
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いろとりどり光集めし金平糖 ときめく気持ちは幾つになっても /嬉しい差し入れ
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静けさや 音に乗り込む 隅の水 諸君が水を ぬぐうまで
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保証期間過ぎてホースが裂けました『残念ですが施しようが・・・。』
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贅沢は出来ぬ『生保』の立場上ホース修理の手段を得たい
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中央の法とわざわざ学部まで教えてくれた聞いてないのに
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「うるせえよ前からおまえのこと嫌だったんだ」今日も言えなかった
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夜来ふる篠つく雨に曼珠沙華 倒れしままに再起見守る
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鈴虫も寒夜さむよに堪へず 夜半よわに止み 風のみぞ吹く 静寂しじまなる窓
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画達えかきらの筆の捌きの さありたし こまやもえらく惑うなき線
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遠き日に見覚えの有るスカーフをひとつ使いきり残り数えて/祖母や母の
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『夏日』とふ25度の肌寒さ この秋初の長袖を着る
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やがて2時。降る陽光の眩しさは 冷/醒めない夏の夢かうつつ
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神無月エアコン点けた暑くって しかし夜には長袖を着る
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下校時に 母方の祖母に 手を振られ 無視して帰り 母にクレーム
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