春蕃
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長野県在住 春に蕃 

祝福よ受けてティッカ 繋がるこの一点から 神話とあなたチャイふたつ
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今はダストなど忘れ 加速するほど 私 線になる あれは みかんの秤売り
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パタン旧市街 横だ、祈れバイタク 誰か誰かの心音 路地を すり抜けて
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同じ地平線を見る 前へ前へ車 午後の熱帯  記憶の網目を解き合って
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のたりのたりタライ 平原の向こう あれはミナミカンムリワシ
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記憶 反芻 丸くなり沈む 湖どこまでも 立ち上がれば 雫 風 草原
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シワリクのなかを歩く小さな人となり ヒマラヤ閉じ込めた風の透明を見る
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リップル砂を横断する指先 世界となり プリオシン・コースト ただ二人 反射して
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盆地なぞる機影 息をして 記憶・手ごたえ・挫折 संसाराय 言えなかったこと
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昨日は火だけ揺れ 底より 対峙マチャプチャレ 朝 重なりかけて
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師を追う目が揺れ 光わたる巨大な谷 むこうには神がいて ここには湖があった
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アンナプルナ 頂光あれ 呼吸するたび世界ができた
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ほら、ナガルジュンが浮島だよ 谷を滞留する水色だよ
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眩しくゆるむアールティ響く ただ口が覚えた延命十句 呟いてみる
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天井だけ遠い マリーゴールドに包まれたい 夜明けのプージャ 赤く染まって
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水色カトマンズ 光 ふる 遠く白く淡く巨大な鎮座 
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吊るされて寄り添う影は青い渦 智慧はただ風 苦海の波間に
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流氷を渡るちいさな手ひかり わらう はしる きしむ怪獣の貌
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街路樹の影青ければ 午後の陽その陰にまたクマのまどろみ
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吹き抜ける北北西の風街灯に 小雪うつって消えておや猫
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地方都市イオンモールと市営バス 屋根のカラスがまた増えていく
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ここはかつて熱帯雨林だったと 砂の風さえ頷くような
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眼差しが 混ざり眩しく燃ゆる火に 繭玉揺れて ここが居場所で
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糸越しに風の手応え張り詰めて トンビは遥か松の向こうか
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外海のなか舵を取る無垢な子ら 波打つ様に潜って喋って
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初日の出目もくれず富士染まり待つ みかんつまんで 「もう少し」と母
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はしるはしる北風小僧 冬型の 富士ゆきとばせ 屋根まで飛ばせ
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透明で 清潔な風 にほんばれ しめ縄ほどく心地がして
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潮風の手触り残りあかあかや 山盛りみかん 居間を照らして
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なにしようか考えてたらもう夜 ただ気だるさに身を任せて
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