春蕃
71
35
投稿数
103

長野県在住 春に蕃 

Boarding 眠りに落ちて 目覚むれば リアスのつづら 灯り揺る伊勢
11
秤量室 水面をくぐり 息を止め 雑念全て 手放してゆく
7
朝迫る 息は白くて 物部川 満ちる海辺が 遠く光って
11
こうありたい 祈りの果てに 立つ姿 美しいかな 泥だらけかも
9
研究の 灯火消えず マッフル炉 暗き部屋にも 宿る命よ
6
冷えた手に 鼻血を隠し 時報聞く 「僕らはみんな 生きている♪」
6
未明夜 ハンドル握る 振動と 今日の長さ 寒さに冴える
10
実験の 終わらぬ夜に くるくると るつぼの中で 私くるくる
10
新東名 太平洋の 彼方見ゆ アルプス白く 長野の雪知る
11
預け荷の 犬が悲しく 吠えている 私も悲しい 眠りたいよな
10
言葉或る「朝日が見たい。寝て起きて、」 縋る思いで 祈る声だけ
8
ああ朝だ 詰めた書類と 曖昧な 覚悟を抱き セントレアへ
12
高知三重 静岡長野 愛知すぎ 爆速列車 息継ぎもなく
8
ハイトーン 東方越えて 神起こる 耳遠き母 しかと聞きいる
8
まつ毛あげ ますから塗って おねえちゃん 慣れた手つきよ いもうとはプロ
6
リアス折り 聖書の位置に 古事記を 海の泡から 国は目覚むる
7
孤独とは 冷めた紅茶に たまる渦 飲み干す間さえ まよう
10
朝日射す ひかる白浜 びんの底 このまま後ろに 倒れられたら
11
鈍色の 波間を裂いて 漁船行く 鯨乗る釈迦 光背に浮く
13
不眠夜に くるくる夢が 舞うようで スノードームに さす光さえ
10
母の耳 ヒラメがタガメに 変わる夜 お膳の刺身 笑いに泳ぐ
13
松ゆれる 私もゆれる 分岐路で 青き潮の 底を目指して
14
ドーマンと セーマン祈る 海女の宿 大アサリ一つ 子アサリ二つ
14
おかげ道 子の泣く声に ふりかえる  神宮照らす 午後の陽ざしよ
14
母連れて 念願かなう 伊勢参り 母がつぶやく 『神はシンプル』
14
鳥羽の海 淡く霞める 水の中 淀みの奥に 真珠うまれる
16
千鳥波 合わせてうねる 君の髪 波間に馴染む 海の記憶と
12
風立てば 紺碧の海 光りて 鳥羽行きの船 あれが伊良湖よ
9
水鳥の 群れが列なし その背後 朝の光線 かき分けて射す
12
薄明が やがて訪れ 海の輪郭 なぞる東雲 視界よ開け
13