一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。

うたた寝の 縁側には こそばゆく 押し当てられる 背中せなさな手
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窓からの 寝たきりの空 肺病みの 熱におぼろも 冬の層雲
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雪の花 舞いこぼれゆき 年明けて 垣根に灯る 南天の真っ赤まっか
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師走来る よわいまたひとつ 降り積みて 鏡に写りし 長き眉そっと
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風冷えて 畑の空に 細雪ささめゆき  かぶらうずみ やがて雪野原
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粉雪の 向こうに消ゆる 老いし背中せな 残りしときを いずこへ友よ
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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孤雲浮く 深き青空 愛おしく ああいつか死ぬのかと 身震いひとつ
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花白く 展示の卓に 秋気吸い て鶴のごと 寒蘭立てり
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息白く 終日の雨 山煙る 老いの縁側 ただ秋霖に暮れて
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淋しかった? 「ううん」とほんのり 笑う子の 祖母の帰りを 待ちし秋の日
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寒さ知り ただ鳴けずして 時鳥ほととぎす  晩秋の陽光ひかり 夢幻ゆめまぼろしを飛ぶ
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友の庭 一輪の桔梗立ち 深紫 冷気混じりの 細雨に濡れて
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赫々あかあかと ニュータウンの空 入り日映え  家並み暮れかけ 行く秋静か
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軒の下 銀糸切れそな 虫ひとつ  秋風に負けるな おれの蜘蛛の糸
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風揺かざゆらの 季節忘れし 青い花  今頃やっと 秋の朝顔
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秋障子 畳のへりに 日は落ちて 凜冷の風 素足をなでる
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残光の 黄昏に下る 坂道に すすき揺らす風 はや秋を知る
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今何て? 耳寄せて聞く 老妻の 暗き耳の奥 跳ねゆく木霊こだま
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終の夏 濡れそぼる羊歯 かき分ける 雨音だけの森 水の惑星ほしゆく
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カーブミラーに 陽炎ゆらぐ 草の道 蝉の亡骸なきがらひとつ 静寂しじまに落ちて
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揺れさやぐ 垣根の風に 朝顔の 夏空うつす 青のひとひら
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ひぐらしが ただひとしきり 夕暮れて 山の忘れられし 草の墓しずか
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老母逝き 置いてゆかれたと 泣く妻の 背づる孫よ 焼場の空は澄み
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濡れ燕 狂おしく翔ぶ 雨上がり あかねに染まる 夕暮の森しずか
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落日の 寺にあかね差し 桔梗染む 行き交う人々 逆光ににじみおり
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孫去りて 玩具ひとつが 転がりぬ 誰も居ぬ庭 短き蝉の夏
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軒の端に 夏の夕雨ゆふさめ 降りかかり  待つこころだけ 雨音に冷え  
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水生園 雨煙に紫の 菖蒲群  池面叩く驟雨、 濡れるよ形而下なにもかも
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空は滝 降水帯の午後 側溝に 凄まじき水流みず ふっと呑まれおり
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