Utakata
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一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。
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霜月の 音なき夜に 目覚めれば 夢に
冷え冷え
(
ひえびえ
)
冬が寄り添う
10
秋深い 病院坂の 空青く 揺れ
降
(
くだ
)
るわれは ただ影法師
11
降り掛かる 淡き
紅葉
(
もみじ
)
に 秋時雨 山麓しずかに 色深まり
14
秋雨に
靄
(
もや
)
る棚田に 立つ孤影 きみの風雪を 誰も知らない
10
さる夜道 じっと月見る 秋蛙 繁殖済んで また行き暮れて
9
徒競走 転ぶ孫見て 立て立ってと 叫びつつああ
脆
(
もろ
)
き涙腺
11
水路沿い 曼殊沙華 群生す 夕焼けのなか 燃えるがごとく
6
稲倒れ 畦に
屈
(
かが
)
んだ 田の男 台風過ぎし日 空だけ青く
14
山寺の 風にざわざわ 萩の庭 赤紫に 靡く
初秋
(
はつあき
)
9
台風が 過ぎ去りし朝
蘇
(
よみがえ
)
る 肌に冷たき
初秋
(
はつあき
)
の水
9
風はらむ 晩夏の夕日 杉木立 次第に消えゆく ひぐらしの声
9
朝風に 揺れる
鬼灯
(
ほおずき
)
眺めてた 蝉鳴く庭に 逝きし人の夏
9
耳許に 風鈴の音 チリリンと
熱帯夜
(
ねったいや
)
倦みて 空は朝焼け
8
暗がりの 盆提灯の 淡き
灯
(
ひ
)
に 旅立つ人の 優しき面影
15
向こう岸 川花火の輪 揚がる夜 轟音遠く 過ぎていく夏
7
熱帯の 立秋の空 黄昏れて 変わる夏色
蜩
(
ひぐらし
)
恋し
9
雨の夜 雷光のネオン
瞬
(
またた
)
く間 夜の紫陽花 庭に浮かびて
6
水を張り 棚田に植えし 蓮の花 薄桃揺れて 山の夏空
13
草を刈る 面影の父と 山の墓地 夏の背に汗と ただ蝉時雨
12
土砂降りに 燕のごとく
廂
(
ひさし
)
から 雨の世界へ 消えていく人
9
もう一度 夏空の夢 叶うなら 走れ麦わら 幼き夏の日
12
梅雨空の 垣に
一叢
(
ひとむら
)
真っ白に 狂うがごとく 夾竹桃咲き
9
初夏
(
はつなつ
)
の 子らの嬌声 空に
上
(
あ
)
ぐ プール開かれし 夏至の青空
8
風青し 朝日の沼に そよぐ花 しづかにしづかに
紫陽花
(
アジサイ
)
揺れて
10
ベランダの 未明の闇に ひとつ花 くきりと
小
(
ち
)
さく 朝顔白く
9
夜も更け 音無しの雨に 町は濡れ 窓は人恋しく ぼうっと
灯
(
とも
)
りをり
4
流れ星 落ちゆく夜を 寂しげに 眠りながらも なぜか涙ぐみ
6
巣作りの 燕帰りて 花曇り いつの日か
我
(
われ
)
居
(
お
)
らぬ家想い
8
傘たたむ 道行く人の 空模様 雨のち心 緑清らか
5
静謐を ポチャリと跳ねた 池の空 野鯉隠れて
後
(
のち
)
の静けさ
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