一秋
0
12
投稿数
286

初心者です。よろしくお願いいたします。

ベランダに 暗き紫 朝顔の 咲かぬ夢ごと咲くや一輪
4
あかね空 カナカナと呼ぶ ひぐらしに 母との昭和 うるむ夕べよ
4
むらさきの さき朝顔 日暮れなり  夕闇の深さ 花へ滲みつつ
4
道駆けて 飛び跳ねつ止む 夏雀 青空見つめ 首伸ばしおり
4
雨の庭 打たれる葉草 俯きて 洗われしわが 幾年いくとせおり
5
何釣るの? 集う野球帽 つば寄せて 青き風吹く 少年の川
8
西を見る あかきに染む 広い空 ただ生き暮れて 夕焼けふたり
4
梅雨空の 垣根に咲きし 山梔子くちなしの 花のしずくに 転がる雲よ
7
こころにも 降るやわらかき 朝の雨 わざと強めし おはようの声
8
ふいの風 ひととき揺れる 草堤 吾亦紅われもこうの空 やがて静まり
8
黒南風くろはえ草藤くさふじなびき 静まりて 雨粒ぽとり 走り梅雨かな
4
五月雨さみだれの 初夏の野辺に 散りぬるを 青葉のかげを いま思いけり
5
紫陽花や 雨降るやしろ 手水場に ふたつ並んで 雨を見ている
21
一叢ひとむら釣鐘草カンパニユラの 青き森 てんとう這うを ただ凝視みつめる子
7
遠雷の くもれる野辺にとどろき て 無人のあぜに 苗箱ひとつ
21
ゆらゆらと ガラス戸に差す 春日影 けるひと浮かぶ 淡き青空
7
雨あがる 菜の花濡れて 晩春おそはるの のどけき陽光ひかり 頬にもきて
11
春匂う 雨粒ぬくし 小糠雨 濡れれば濡れよ 夜の雨町
8
ひとつだけ 赤きアネモネ 風に揺れ 菜種に染まる朝の庭先
10
春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
15
やがて来る 覚めぬ眠りを 思いおり 眠れぬ夜の 毛布を被り
12
芽吹く風 淡紅揺れて 山桜 いまほどけゆく 一本の春
15
梅園の 寂しあでやか 薄れ日に ねた小鳥や 春はほのかに
8
蝋梅へ 夜明けのひかり 満ちゆきて 甘やか黄金こがね 濃く匂いたち
8
吹きゆける この北風に 頬こごえ 春よと願う 藍の夕空
8
未明なり 凍てつく日々に かじかむ手 吐息吹きかけ いのちともせり
9
冬の背に 背負いし頬へ 孫の息 おぶうぬくみが なぜか切なく
7
如月の 宵空凍てし スノームーン ゆく人影に それぞれの月
11
なぞりゆく 結露の窓を 子らの手が 静まる野辺に 夜はぼたん雪
7
うっすら雪 朝陽を待ちて 冬の庭 せし葉牡丹 暗がりのべに
7