一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。

黒南風くろはえ草藤くさふじなびき 静まりて 雨粒ぽとり 走り梅雨かな
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五月雨さみだれの 初夏の野辺に 散りぬるを 青葉のかげを いま思いけり
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紫陽花や 雨降るやしろ 手水場に ふたつ並んで 雨を見ている
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一叢ひとむら釣鐘草カンパニユラの 青き森 てんとう這うを ただ凝視みつめる子
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遠雷の くもれる野辺にとどろき て 無人のあぜに 苗箱ひとつ
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ゆらゆらと ガラス戸に差す 春日影 けるひと浮かぶ 淡き青空
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雨あがる 菜の花濡れて 晩春おそはるの のどけき陽光ひかり 頬にもきて
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春匂う 雨粒ぬくし 小糠雨 濡れれば濡れよ 夜の雨町
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ひとつだけ 赤きアネモネ 風に揺れ 菜種に染まる朝の庭先
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春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
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やがて来る 覚めぬ眠りを 思いおり 眠れぬ夜の 毛布を被り
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芽吹く風 淡紅揺れて 山桜 いまほどけゆく 一本の春
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梅園の 寂しあでやか 薄れ日に ねた小鳥や 春はほのかに
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蝋梅へ 夜明けのひかり 満ちゆきて 甘やか黄金こがね 濃く匂いたち
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吹きゆける この北風に 頬こごえ 春よと願う 藍の夕空
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未明なり 凍てつく日々に かじかむ手 吐息吹きかけ いのちともせり
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冬の背に 背負いし頬へ 孫の息 おぶうぬくみが なぜか切なく
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如月の 宵空凍てし スノームーン ゆく人影に それぞれの月
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なぞりゆく 結露の窓を 子らの手が 静まる野辺に 夜はぼたん雪
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うっすら雪 朝陽を待ちて 冬の庭 せし葉牡丹 暗がりのべに
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うたた寝の 縁側には こそばゆく 押し当てられる 背中せなさな手
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窓からの 寝たきりの空 肺病みの 熱におぼろも 冬の層雲
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雪の花 舞いこぼれゆき 年明けて 垣根に灯る 南天の真っ赤まっか
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師走来る よわいまたひとつ 降り積みて 鏡に写りし 長き眉そっと
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風冷えて 畑の空に 細雪ささめゆき  かぶらうずみ やがて雪野原
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粉雪の 向こうに消ゆる 老いし背中せな 残りしときを いずこへ友よ
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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孤雲浮く 深き青空 愛おしく ああいつか死ぬのかと 身震いひとつ
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花白く 展示の卓に 秋気吸い て鶴のごと 寒蘭立てり
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息白く 終日の雨 山煙る 老いの縁側 ただ秋霖に暮れて
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