Utakata
登録
Login
サイトのご案内
一秋
フォロー
0
フォロワー
12
投稿数
234
初心者です。よろしくお願いいたします。
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
次 ›
最後 »
足早な 思い思いの 夕暮れの 人の列にかかる 秋雨の寂しき
12
この朝に 降る
繊
(
ほそ
)
き雨 濡れながら 冷気胸に吸い 生き直せし
朝
(
あした
)
5
やがてまた 曇り空暗く 降りかけて 秋雨の舌に 今朝も冷たく
3
雲ひとつ 無き青空に 迷い道
薄
(
すすき
)
野に
途
(
みち
)
なく
陽光
(
ひかり
)
薙いで風走る
6
抜けるほど 青極まる天 玲瓏の はや寒空に 秋
嚏
(
くさめ
)
ひとつ
5
濡れていた 私鉄の街角 別れし日 あの夏の小雨に 声もなくわれは
5
流れ去る 終電のひと 見送りて 置き去りにされし こころ畳む夜
8
幸薄き 老婆死して 俄雨 シャイロックどもの 長き葬列に
6
葬列の 家族の空に
百舌鳥
(
もず
)
は鳴く 血鎖滅び 高鳴く谺
7
風強き 秋の川波 光跳ね 水へと踊る あの夏さまよふ
8
うす雲に 駅裏の秋
人気
(
ひとけ
)
なく 草の鉄路に 弱き陽落ちて
9
柿の木の 古木なる枝 柿ひとつ
涯
(
は
)
ての
熟柿
(
じゅくし
)
は 秋風にゆれ
6
(
)
奥比叡 頬冷やす風も 紅葉す
朱
(
あけ
)
色の葉散り
もみぢ
(
、、、
)
と後ろの声
6
篠突いて 橋ゆく傘を 叩く雨 欄干
靄
(
もや
)
る 五条橋夜更け
6
夜の車窓
微睡
(
まどろ
)
む若き母 その胸で 夢にあやされ 眠りつ笑う子よ
10
待ちかねた その日の秋を 鈴虫が りりり、と鳴いて 夜の縁側
6
直らない
玩具
(
おもちゃ
)
抱きしめ 泣く孫に 根負け
爺
(
じじい
)
同じ物買い
16
棚雲に いちめんの茜 色づきて 人の世の夕焼け 美しきこと今更に
8
林檎食う くしゃりくしゃり 咀嚼の
音
(
ね
)
寂しき生物 われに息づけり
8
姿なく 消えたご近所 老夫婦
何処
(
いずこ
)
にゆきしか 知りたくもあり・なし
7
朝顔が 今頃に咲く 夏庭の 色枯れるごと 秋は深まり
9
墓石より 樹木葬と 老妻は 骨壺咲く木 ならねば良いが
6
ホムセンの 園芸の秋庭 人群れに 赤を散らすごとく 彼岸花揺れ
4
鞦韆
(
ブランコ
)
は 秋の乗り物 孫揺れて 砂場の横に 長き綱影
8
西空に 暮れゆく老いの 紅き雲 仮寝の椅子に 差すひかり淡く
11
夕焼けが 鉄棒の長き影 写しをり 足かけて回る 子らの影もずっと
9
夜の
湖
(
うみ
)
水切りの石 飛び跳ねて
三世
(
さんぜ
)
のゆくへ 闇に消えゆけり
6
今はなき 夜汽車の昔 思い出し 不眠の夜を 枕木の
音
(
ね
)
に乗せ
8
耳たぶの 柔らかきほどの
無花果
(
いちじく
)
の 紅く恥じる実 初秋に
囓
(
かじ
)
る
11
故郷
(
ふるさと
)
に 一所に一生 父はあり
小
(
ち
)
さき
世
(
よ
)
の渡らぬ 燕ごとくあり
9
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
次 ›
最後 »