一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。

夕焼けが 鉄棒の長き影 写しをり 足かけて回る 子らの影もずっと
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夜のうみ 水切りの石 飛び跳ねて 三世さんぜのゆくへ 闇に消えゆけり
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今はなき 夜汽車の昔 思い出し 不眠の夜を 枕木のに乗せ
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耳たぶの 柔らかきほどの 無花果いちじくの 紅く恥じる実 初秋にかじ
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故郷ふるさとに 一所に一生 父はあり さきの渡らぬ 燕ごとくあり
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立ちのぼる 離れて久しき 母の声 電話の向こう 時雨しぐれる夕暮
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二度寝する 毛布の手触り 思い出し 肌引き寄せる 初秋の朝
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まだ暗き 朝闇のなか 眠りつつ 夢に泣く人 そっと揺り起こし
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わらべは 風の子 夫婦ふうふう吹いて こさえたゆえ 孫さんいつも風邪
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風鈴の 細きに惹かれ うつらうつら 眠れ昼寝の子 夢に木漏れ日
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銀箔の 夜明けの雨に 濡れた町 景色はひんやり 秋の空気感
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延暦寺 朝霧にならぶ 法衣の数 法華大会ほっけだいえの日 凜として僧あゆむ
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朝明けに 長袖羽織る 肌寒さ 四季の変わり目 ゆるく線引く
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目覚めても この世に二人しか らぬかと つとに老妻 いたわるあした
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中秋の 満月ひとつ 浮かぶ夜 地球テラの月明かり 我が苦きを薄めて
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風揺れの 垣根の空も 澄みわたり 木蓮の実る 秋の入り口
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診察後 平癒のきざし 認めたく 医者の言読む 思いははやりて
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若き頃 老人の病棟と 揶揄せしも 病老の待合 今その真ん中に在り
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かき氷 やけに口冷たき 九月末 残暑戻りて 扇風機帰る日
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月影の 夜の庭に クコの花 薄紫の孤 ちいさく震えおり
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水涸れの 草の川原に 降りていく 陽炎の道の下 ふと消えゆく人
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弱気き 遠慮の肩支え 暖かき ひかりへ委ねる 介護の君に
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夏去りて 風色変わる 夕の路 宵待の吾に 寂し色の風吹く
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ボケ防止、と クロスワード 始めし妻 兆候きざし埋めるごとく 無言で解く夜
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旅に出る 切なきイントロ 若き唄 二気筒のバイク 風に乗せし夏
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アレ、ソレと 指示代名詞 電波にす 仲良き符丁も 老いほろ苦く
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七回忌 日盛りの夏庭 降りかけて 草むしりの亡父 背の面影くゆ
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夜の駅 終電のこころ 行き場なく 破月ゆらゆら 線路の夜空
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さとす なにをとむかつき いや待てよ 暫時待てよと そっとわれを脱ぐ
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書物をば 積ん読にして 砦にす 五畳の書斎 わが祖国なり
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