Utakata
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一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。
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(
)
立ちのぼる 離れて久しき 母の声 電話の向こう
時雨
(
しぐ
)
れる夕暮
7
二度寝する 毛布の手触り 思い出し 肌引き寄せる 初秋の朝
4
まだ暗き 朝闇のなか 眠りつつ 夢に泣く人 そっと揺り起こし
12
童
(
わらべ
)
は 風の子
夫婦
(
ふうふう
)
吹いて こさえたゆえ 孫さんいつも風邪
3
風鈴の 細き
音
(
ね
)
に惹かれ うつらうつら 眠れ昼寝の子 夢に木漏れ日
5
銀箔の 夜明けの雨に 濡れた町 景色は
冷
(
ひん
)
やり 秋の空気感
4
延暦寺 朝霧に
列
(
なら
)
ぶ 法衣の数
法華大会
(
ほっけだいえ
)
の日 凜として僧あゆむ
6
朝明けに 長袖羽織る 肌寒さ 四季の変わり目 ゆるく線引く
11
目覚めても この世に二人しか
居
(
お
)
らぬかと つとに老妻 いたわる
朝
(
あした
)
10
中秋の 満月ひとつ 浮かぶ夜
地球
(
テラ
)
の月明かり 我が苦きを薄めて
4
風揺れの 垣根の空も 澄みわたり 木蓮の実
生
(
な
)
る 秋の入り口
12
診察後 平癒の
兆
(
きざし
)
認めたく 医者の言読む 思いは
逸
(
はや
)
りて
8
若き頃 老人の病棟と 揶揄せしも 病老の待合 今その真ん中に在り
8
かき氷 やけに口冷たき 九月末 残暑戻りて 扇風機帰る日
5
月影の 夜の庭に クコの花 薄紫の孤 ちいさく震えおり
3
水涸れの 草の川原に 降りていく 陽炎の道の下 ふと消えゆく人
4
弱気
塞
(
せ
)
き 遠慮の肩支え 暖かき ひかりへ委ねる 介護の君に
6
夏去りて 風色変わる 夕の路 宵待の吾に 寂し色の風吹く
2
ボケ防止、と クロスワード 始めし妻
兆候
(
きざし
)
埋めるごとく 無言で解く夜
8
旅に出る 切なきイントロ 若き唄 二気筒のバイク 風に乗せし夏
2
アレ、ソレと 指示代名詞 電波にす 仲良き符丁も 老いほろ苦く
9
七回忌 日盛りの夏庭 降りかけて 草むしりの亡父 背の面影
燻
(
くゆ
)
る
6
夜の駅 終電のこころ 行き場なく 破月ゆらゆら 線路の夜空
6
娘
(
こ
)
が
諭
(
さと
)
す なにをとむかつき いや待てよ 暫時待てよと そっと
我
(
われ
)
を脱ぐ
4
書物をば 積ん読にして 砦にす 五畳の書斎 わが祖国なり
6
柔らかき
木目菓子
(
バウムクーヘン
)
の輪 そは重なり
残生
(
ざんせい
)
の
嵩
(
かさ
)
ごとく 惜しみて食む
4
手をつなぐ 幼き
姉弟
(
きょうだい
)
レンズにて ふいに涙滲むは 老いの緩みか
6
横降りの 驟雨を走る 土手堤 心ざぶざぶ 向かふ土砂降り
4
路傍に
陽
(
ひ
)
ゆうべの
糠雨
(
ぬかあめ
)
水溜まり
急
(
せ
)
く足踏めば 青空の波紋
6
子が育つこと 奇蹟に近し 出来事と 小さな手ひらけば なぜか哀しき
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