Utakata
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一秋
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初心者です。よろしくお願いいたします。
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風強き 秋の川波 光跳ね 水へと踊る あの夏さまよふ
8
うす雲に 駅裏の秋
人気
(
ひとけ
)
なく 草の鉄路に 弱き陽落ちて
9
柿の木の 古木なる枝 柿ひとつ
涯
(
は
)
ての
熟柿
(
じゅくし
)
は 秋風にゆれ
5
(
)
奥比叡 頬冷やす風も 紅葉す
朱
(
あけ
)
色の葉散り
もみぢ
(
、、、
)
と後ろの声
6
篠突いて 橋ゆく傘を 叩く雨 欄干
靄
(
もや
)
る 五条橋夜更け
6
夜の車窓
微睡
(
まどろ
)
む若き母 その胸で 夢にあやされ 眠りつ笑う子よ
10
待ちかねた その日の秋を 鈴虫が りりり、と鳴いて 夜の縁側
6
直らない
玩具
(
おもちゃ
)
抱きしめ 泣く孫に 根負け
爺
(
じじい
)
同じ物買い
16
棚雲に いちめんの茜 色づきて 人の世の夕焼け 美しきこと今更に
8
林檎食う くしゃりくしゃり 咀嚼の
音
(
ね
)
寂しき生物 われに息づけり
8
姿なく 消えたご近所 老夫婦
何処
(
いずこ
)
にゆきしか 知りたくもあり・なし
7
朝顔が 今頃に咲く 夏庭の 色枯れるごと 秋は深まり
9
墓石より 樹木葬と 老妻は 骨壺咲く木 ならねば良いが
6
ホムセンの 園芸の秋庭 人群れに 赤を散らすごとく 彼岸花揺れ
4
鞦韆
(
ブランコ
)
は 秋の乗り物 孫揺れて 砂場の横に 長き綱影
8
西空に 暮れゆく老いの 紅き雲 仮寝の椅子に 差すひかり淡く
11
夕焼けが 鉄棒の長き影 写しをり 足かけて回る 子らの影もずっと
9
夜の
湖
(
うみ
)
水切りの石 飛び跳ねて
三世
(
さんぜ
)
のゆくへ 闇に消えゆけり
6
今はなき 夜汽車の昔 思い出し 不眠の夜を 枕木の
音
(
ね
)
に乗せ
8
耳たぶの 柔らかきほどの
無花果
(
いちじく
)
の 紅く恥じる実 初秋に
囓
(
かじ
)
る
11
故郷
(
ふるさと
)
に 一所に一生 父はあり
小
(
ち
)
さき
世
(
よ
)
の渡らぬ 燕ごとくあり
9
(
)
立ちのぼる 離れて久しき 母の声 電話の向こう
時雨
(
しぐ
)
れる夕暮
7
二度寝する 毛布の手触り 思い出し 肌引き寄せる 初秋の朝
4
まだ暗き 朝闇のなか 眠りつつ 夢に泣く人 そっと揺り起こし
12
童
(
わらべ
)
は 風の子
夫婦
(
ふうふう
)
吹いて こさえたゆえ 孫さんいつも風邪
3
風鈴の 細き
音
(
ね
)
に惹かれ うつらうつら 眠れ昼寝の子 夢に木漏れ日
5
銀箔の 夜明けの雨に 濡れた町 景色は
冷
(
ひん
)
やり 秋の空気感
4
延暦寺 朝霧に
列
(
なら
)
ぶ 法衣の数
法華大会
(
ほっけだいえ
)
の日 凜として僧あゆむ
6
朝明けに 長袖羽織る 肌寒さ 四季の変わり目 ゆるく線引く
11
目覚めても この世に二人しか
居
(
お
)
らぬかと つとに老妻 いたわる
朝
(
あした
)
10
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