テノールのあなたが吐き出す純白を ドレスに変えてまといたい
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人類が滅びた後の異星人 文字の宝石 短歌に酔いしれ
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歌を機にめて用ひる言の葉衆 今か今かと袖から覗き
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ふたおやの齢超え生く妻の目に映るかなしみ われそばにいて
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なんということもない事なんとなく上手くできないそんな今日です
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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歩くたび抜かしていく人の背に元気だったわたしが見えるよ
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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思い出が まだ とんがっていて入れない 部屋の中にも 午後のお日さま
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青空に溶けて蝋梅咲き薫る寒の緩みも今日までらしい
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蝋梅に見惚れる吾に枝を切り手渡しくれる薫りと共に
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上階で移動させてる家具の音再び家の建具が開かない
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「お母さん、ごいりょくってなんの威力?」持ってる全ての語彙でうんちく
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目を覚ますことなき母の髪けば庭の梅には鶯が鳴く
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共テ前 前泊の子らのグループの 楽しげな声に 心で「頑張れ!」
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嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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冬の朝 掬う真水の冷たさに 眠り醒めゆく今日が始まりぬ 
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ため息をつきて曲がれば白き富士雲を払いて満天の青
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真夜中に 救急呼ぶかと 悩む腹痛 今朝はいちおう カフェインレスで
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「生きている しくみがわかる 生理学」 タイトルに惚れ買った医学書
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休憩も 取れず働き 疲れ果て 大寒の風 更に冷たく
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これからが これまで決める 苦しみを 御恩に変えて 滅度に至る
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「働いて…働く」女史は働かず解散告げて寒中みそぎ
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鉢植えの今年も咲きぬさくら草 大寒の日に震えつつ立つ
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冷水で湿った肌着を着るような 身縮むほどの寒気来たれり
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帰途の宵 甘ひ香の漂ふ車内 少女の手には ミスドの袋
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なんとなく落ちてく場所が違うよう急ぎ飲み干すコーヒーの味/まぁ胃ですが⋯
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マルーンを幼いながら知っていた ふるさとを行く電車の色で
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真冬日に 雪の稜線 くっきりと 空気は澄んで 空に手伸ばし
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難解な スタバ攻略 明後日の デートのための モカの苦味よ
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