見つめてた ソースの着いた うすい唇 今ではなぜか 思い出せない
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桃の香が ページをめくる 7月の 僕の歳時記 夏が来たなと
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夏休み 強者どもが 夢のあと ソファの下に トリケラトプス
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乳歯抜け 前歯にガーゼ 当てた君 時を戻して ハグしたかった
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ひげと毛と 小瓶に入れた 小さな骨 そのうちいくよ 会えたら会おう
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誰からも あてにされない この感じ 自分がまいた 種なんですね
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秋が来て 金木犀が 香っても 削除できない 偽名のファイル
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君がふと あふれるように 笑うから 一滴こぼさず 受け止めに行く
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電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
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オリーブの深緑色ふかみどりいろ 空き瓶に薔薇生けてみて勤労感謝
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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『目には目を、歯には歯を』とか 言うのなら わたしの手には きみの手添えたい
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落葉らくようのごとく言の葉降ってこい 短歌うたの種なき 硬き頭に
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雨の日の黄シグナルは寂しかろう心の岐路にひっそりと立つ
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なんということもない事なんとなく上手くできないそんな今日です
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火をくべて ほくそ笑む軍需産業 この手にあるは 水か油か
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焼け石に 水でもいいと しぼりだす 言葉 3滴 ジュッと蒸発
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病棟の枝分かれしてく夜たちを引き止めようと非常灯淡く
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なんちゃってケーキだけれど 「母さんのケーキ」と呼ばれ今も昔も
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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老猫の病は我を道連れにただひたすらに静謐な時
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親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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辛かろう 子に疎まれて生きるのは そうなるように 生きてきたとて
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えっまじか「今から帰る」の伝言に慌てて温めなおすシチュー
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蕎麦買いに 蕎麦だけ買うの 忘れきて おおむね詰めの 甘い一年 / 反省
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来る日々をせわし暇だと呟きて矢の飛ぶ速さで春夏秋冬ひととせは過ぐ
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床の間に 松と大きな 菊飾り 家族の声を 聞く年としたい / 抱負
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体温を計る7度2分である。平静な顔で実家に帰る
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