もう過ぎた十一月に降る雪は私のようにきえてゆくもの
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ついさっき嬉しい知らせ届いたの思わずちょっと小躍りしちゃう
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死にし後 人は何処いずこへ 皆行かむ 薔薇色の雲に 問えば消えゆく
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この旅路誰の最愛にもなれずひとり彷徨い夜明けも来ない
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飽きもせず年毎に編む冬仕事動画介して何度も何度も
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細胞を ちぎられ検査に 回されて 吾も細胞の 塊と知る
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寒き夜 湯気は昇りて ぬるき湯を  追い焚き使い 冬は長き湯
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寒空さむぞらに 風に叩かれ 舞ふ紅葉もみじ 我も叩かれ あかぎれ痛し
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落葉に侘しさ感ず歳になり残り少ない葉をおもひいる
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再来年のチケットが来たミュージカルどんな私が観に行くのやら
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群青と 黒き稜線 月あかり 今年最後の 明日は満月
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初雪や誰の上にも平等に細き枝にも縁取るごとく
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目覚めれば 庭一面の銀世界 厳しき冬に覚悟を決める 
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茜空二羽列なった烏さえ共に語らう友があるのに
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母守る難関だった離婚劇後ろ暗いか音信絶つきみ
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降雪は 許すけれども願わくば 屋根と庭には降ってくれるな/無理ゲー
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「ゆ・ず・り・は」の響きやさしき夕まぐれ そろそろ落ちぬ葉とぞ思えば
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づけ丼と 冷やしたぬきを 食べる昼 心満たされ 午後の会議へ
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寒空に 鳥が川面で 凛と立つ 横目で見つつ 気合いを入れる
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さりげなく 月が綺麗と 言ってみる あなたの心と かくれんぼして
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久々に道産ガレイ贖いて煮付け懐かし母の味なり
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探しものしていて出てきたこの写真撮ったあの日の揃っていた顔  
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待ちわびた今年最後の満月は 分厚い雲の御簾の裏側
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カフェインセーブ時期に聴くCOSMOS温か冬の満月と眠る
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荒波を 掻い潜りきて ふと出会う 優しき交差 宝くじかと
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ひむがしの空に オリオン座も昇り 満月と共存す 冴ゆる夜
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出せ出せと猫騒ぐので戸を開けりゃ雪見てすくみ入れろと騒ぎ
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しゅっとしたステンカラーはAライン ブルーブラックのインクの色の
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起き抜けのお勝手はキンと冷え込みてやかんのガス火にほっと息つく/明日は大雪
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みなもには残りもみじの朱をうつし じゅんさい池は冬のしじまに
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