いつしらに施設の暮らし一年に義姉あねの肌着の名前薄らぐ
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原曲が 映画になると 聞きつけて 名曲楓 歌詞を噛みしめ
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打ち合わせ 終えしカフェの ツリー見て 珈琲一口 パソコン向き合い
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寝つかれぬ虎落笛もがりぶえをも聞こえぬ夜三十一の糸編んではほどく
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病みあがりリハビリジムの笑顔にも立てば千鳥の震える枯野
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ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
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はだいろがピンクベージュと名を変えて澄まして座るクレヨンの箱
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雨の降る 師走の街に ちり流れ 過ぎし一ひととせ 思はるる夜
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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しゃきしゃきの玉葱噛るつわものは毒に倒れて夢にさまよう / 玉葱中毒?
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悔しいな真面目なあなたのわがままな部分を引き出せなかったことが
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地獄には落ちたくないと思えたのなぜならあなたと会うだろうから
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切なきや闘病重ね逝きしの笑顔が浮かぶ氷雨降る夜
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「障害者」「生保」の札を付けられて「私」の個性堂々生きる
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目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
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どんぱちと遠くで聴こえる帰り道解けたあなたの帯結ぶ夏
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まだ固い 梅の蕾の その先の 親友ともの未来も 代わりに歩む/命日に寄せて
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浜辺にて 君の名を書く 僕の指 打ち寄せる波 君が消えゆく
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飛べぬままこの部屋を去る オリオン座めいた画鋲の跡を残して
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ジーンズで来たらダメとの御触れ出て迎えた社長ジーンズでした
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今日どれを聴こうか漁るアルバム殆ど全部スピッツだけど
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ケアをすること業にする人たちをケアできたならと密かに思い
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あきらかに血縁者とは見えるけど 意外と他人な阿佐ヶ谷姉妹
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昼下がり編み物しながらイカ大根ことこと 冬の至福のひととき
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午後の径健気けなげに咲きし冬薔薇ふゆそうびほのかに揺れて心和みぬ
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いきなりのダークモードに戸惑ったわたしいますよいますよトイレ
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さき手に希望いっぱい握りしめ父にいだかれ眠る赤子よ
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家じまい ゴミ屋敷の実家いえ片付ける あぁ最後まで迷惑な親 /業者に依頼
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忽然と姿を消した台布巾💦 昨日見た時机上にあった
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生きている 確かめるため抱きしめる 黒の毛玉が応えてくれる
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