美しき清き臣民にメシアのごと宰相の攣れるほほゑみ
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動員へ傾る水晶前夜ナツィストへ語る未來に虐殺の譽
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われはきさまが朋なるゆゑ白骨街道に敷かるを指揮せる
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「お疲れさん」雪も嫉妬も溶けだして猫の眠りが夜を正すよ
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冷えすぎた 身体を癒す 豚骨の 匂い誘われ 太麺啜る
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「普通」という二文字をのみ込み雪を掻く僕の未来よ、滑走路なれ
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眠らねば七時間後に来る息子嬉しさ過ぎてざわめいている
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コンビニで朝刊を買う 天声人語に頷きながら この国想う
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こわごわとゴム引くように伸ばす身を受けとめ護るヨガマット二枚
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味噌汁をよそってまずは声をかけご飯をよそう湯気も添えたく
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オレンジに背を染められし 縁側で編む手を止めて微睡む午後よ
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図書券の礼を言いつつ現金がよかったなってこどもごころに
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新雪は朝陽を浴びてきらきらの絹のようだな木目細か肌
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ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
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山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
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お祭りは 興味無かった はずなのに 選手の涙に もらひ泣き…あれ?😅
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赤い花咲く頃そっと手を合わす心はあなたにありますからと
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病みて枯るる 早春の野に 一番星 水仙の花 光一筋
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アスファルト染めて椿の落ちにけり音のするよな潔さかな
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『夢みたい』犬を迎えし孫つぶやく 緊張と嬉しさあふるる テレビ電話に
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まどろんで 頭をもたげ ユリユラレ 冷たい車窓 斜陽に照らされ
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真っ白な空に光の穴ひとつ真昼の太陽ホワイトホール
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恋愛は確かにしづらい年増だが出来ない理由が一応あるのよ
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川面にも春がきらきら漂いて何もせぬまま二月も半ば
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若人が雪と氷を友として 命謳歌すミラノコルティナ
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思ひ遣りを 絵画に託し 中吊りに 子どもらの 乗車マナーポスター
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トンネルの出口が見えて 急ぎ出す 春への準備 樹や花虫までも
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雪に耐え春の日差しに残り柿受験の子らよサクラも近い
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春の花春に色づき終わるようその花束は君の華束
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よひやみに花のありかや夜の梅 虎屋の羊羹おもひうかべり
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