仕事の帰り道。一歩、また一歩。孤独が少しずつ軽くなっていく。
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受信した言葉の奥の体温を吐息のごとく胸に受けとめ お題「受信」
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あの店の「ちょっといいな」の店員さん。今日いた。ああ、そっか、今日、水曜日か。
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髪伸ばし刈り上げるのも選ぶのもSujet主体は己、値踏みさせるな
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バス停に落ちてたキャバクラの名刺には、私の名前と同じ源氏名。
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春の宵 二人見上げる 光の海は 綺羅綺羅と 無限の宇宙
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『電波が受信できません』そうやって拒絶できるのうらやましいな
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やさしさも激しさも春孕みつつ雨は愛する側に降る水
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「また会える?」「うーんどうかな、わからない」 きっと次回も 僕から誘う
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凡なれど捻る遺伝子コピーミス起これ突然、変異の夜に
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日常が 安心、平和 幸せで みな穏やかに なりますように
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15年 地獄で暮らす人がいる 上書きをして こんな傷など
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生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
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半分はどこへやったの?上弦の 月に問ふてる夜風はうらら
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春めきて微睡む縁側 そよ風に清き鈴の音 季節を忘れ
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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
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チグハグな今日のダメ押し 牛乳が余ってタマゴ買い忘れてる
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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我が家には 愛猫きみが定めし序列あり 猫様一番下僕しもべは二番
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吾の奥の 影を認めて 撫でてやる 筆を手となし そっと書きおり
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あなたとこなたその隙間 埋めるもの 言葉であるか それともなにか
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春色に染めたネイルの手の甲は幼き日に見た祖母と同じ手
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盃に 身は冴え冴えと 蒼く燃ゆ 内裏だいりに似たる 君と差し向き
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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さうかもう、下の子だけと行く園のヤマアカガエルのひとみはつぶら
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こちらへと色あざやかに菜の花が 春を招くよ川辺の小道
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美味いもん 食ってナンボの 人生と わが狸腹 肯定してみる
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痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
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