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宝石を 探すのでなく 原石を 磨くのにこそ 時間を賭けよう
14
庭の端 茗荷がたんととれました 酢漬けにしよか 味噌で漬けよか
29
「美味しいね」クリームよりも甘い君 今は一人で酸味がきつい
9
車窓から嬉しそに手を振る人の 先にも手があり それを見ていた
10
好きだった人から届いたお手紙で作った紙飛行機 飛ばせず悲し
12
遥かなる夢路は迷路 ゴールまで行ける造りじゃないんだ、どうせ
7
夕闇の波間漂う灯ろうの仄かな灯り我が想い乗せ
20
仄朱い灯り水面にゆらめいてスターマインに夜空きらめく
20
果肉入り飲むヨーグルト ヨーグルト過ぎる世界にかすかに果肉
9
賑やかに盆行事終え静かなる朝のコーヒー香りよ届け
23
雨後の径花びら散らす百日紅雲間の陽射し青き実照らす
28
髪型を鳥のトサカに見立てると見える世界が少し優しい
13
エアコンに役目奪われ風鈴はうなだれ見入る涼し朝顔
32
病院の前にペチュニアうす桃の思いにゆれる秋風の朝
30
目の前を日焼けした子が駆けてゆく慌てなくても夏はあるわよ
30
我が
夫
(
つま
)
の作りしカレーは絶品で娘を誘う口実にもなり
31
舌鼓満ち足り杖と炎天へ駆け入る童ドアあけどうぞ
28
今日もまた暑くなるのか 涼風と虫の音いたる朝の平和よ
24
ねこたちに休みはないから日曜も同じ時間にご飯をねだる
28
午後
7
時 「暗くなった」と呟いた 鬱で休んで 無駄にした夏
12
涼求め
楠
(
くすのき
)
の下見上げれば繁る木の間にまほろばの蒼
28
いつもなら野球をみてる時間だが虫の音ばかり響く食卓
26
わたくしの気持ち次第で蝉の声 憂いにも悦びにも聞こえ
24
公園の木陰のベンチに赤き葉のふたつを伴に秋を思ひぬ
33
床に落つ白髪一本つまみ上げ抱きしめましょう我の人生
28
月光夜どうしようもなく秋の風あしたは桃を買ってきましょう
27
サヨナラの代わりに一筋光る
後
(
のち
)
、海の向こうへ夕陽が還る
13
飛び立ちて鳴き声止みし時の間にヒヨドリ襲う蝉の逝く空
21
ふとつけた テレビに映るウルトラマン 哀しきヒーローゼットンに散る
13
炎天に萎るる鉢のひまわりを樹下に移せば百日紅の空
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