脇目もふらず走り来たのに横に咲くのはありふれたヒメジョオン
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ここのとこ「今日は特別って事で」が週に6日はあるのに気付く
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たちまちに壁の向こうは雨になり夜が来ていた寝転んでいた
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気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
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まだ何も出来ていないと思いつつ寝転ぶしかない夏が言い訳
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どろどろとした鬱屈を濾したから 由比ガ浜の色サックスブルー
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もう二度と振り向かないならせめてその理由は泣けることがよかった
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  (正直に言うと花火はどうでもいい、浴衣姿を独り占めしたい)
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重力の違う部屋では美しい人24のショパンを弾いて
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すでに無いプールの水で流された日は蒸発し夢となり降る
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賑やかな黄色帽子の一列を朝残る半月が見ている
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付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
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そんなつもりじゃなかったと言うなら言葉選び検定は六級
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難しい「なかなか」上手くいかないの「なかなか」がかなりの「なかなか」だ
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麗らかな日差しの中のうたた寝でやがて資産家になる予定だ
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AIにオススメされた桜見て「すごかったよ!」とAIに言う
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ふるさとの冬空に夜は更けてゆき降り積もるのは不真面目ばかり
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憂鬱と黄砂に霞んだこの街を清めるが如雨は降りたり
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魂の形が似てた許せないことも似てたねさよなら元気で
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は氷 滅ぶかはりにいとし子ののみどの熱を雫に変えゆ
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憂鬱だ月曜日から雨模様 明日の準備レインブーツ出す
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君に会うときだけ付ける香水がもう減ることはなく蒸発を待つ
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北海道?羆がいるから行けません テディベアこよなく愛す矛盾
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集まりて順番毎に開き切る蒼き桔梗の律儀な様よ
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初蟬や 嬉しいような 憂鬱なような 切ないような 夏来たる
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出すまでは迷い 憂鬱 面倒が途端にすっきり出来るゴミの日
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「好きだよ」と言って「ありがとう」だけ返す真意には気づかないふりをする
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「おしまいだ」 服を脱ぎ捨て 浴室へ シャワーで流せる 程度の憂鬱
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あんなにも憂鬱だった リビングに差し込む光で足をぬくめる
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六歳の子にブチ切れている私 二十年後の私よ助けて
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