地震なえののち寝返り続く幾度目か考妣こうひならびて静かに座せり
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指が出るルビンの壺のような背を出発点とし滑らかにゆく
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自販機が応えてくれぬ けふもまた かざすスマホの悲しくゆれて
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グダグダなバンド演奏愛おしい 若くもあったし昭和だったし 
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似てるから 優しかったあの人たちに どうして動悸が そんな理由で
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イチョウ踏む 歩に降りおちる 雨ひとつ 晩秋の杜 ひかりかそけく
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屋上で煙草をくわえもらい火を星からすれば星の味する
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百均で 思い起こせぬ 買い物を ふと思い出す 帰り道なる
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フォークソングフォークでは 希望も夢も 詰め込んで カバンひとつで 出かけてみたり
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月なき空 いつみえるかなと 笑う君 このままがいいと 新月の夜
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逆さまになったら空が海になり水星あたりが深海になる
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気がはやる 初めて吊るす 干柿に  ぐっと堪えて 食べ頃を見る
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灯を消して闇の中から蛇口より滴る音に呼び戻される  
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こっそりと「セルフレジさん」と言ってる 機械も泣きたい時があるはず
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神様が夜の地球をみたくなりこっそり開けた穴が星なの
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明日から日没時間逆転しやや遅くなるちょっと嬉しい/朝はまだ
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わたしは わたしのことが大好きで 空が 飛べる
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君の肩揺れる黒髪ヘビに見え 僕はカエル蛞蝓ナメクジかなど
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積雪で寒いが、🐶犬大喜び、雪食べる師走
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運動は 高度治療の 上を行く 走れメロスよ 健康のため
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散歩して 近所ぶらつく 帰り道 家を持ってる 人がたくさん
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ハイテンション 生体感覚 自我乖離 幽霊のままで納豆食べたい
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幾年の未読無視でも諦めぬ ブロックされぬことに甘えて
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石鹸をむしゃむしゃ噛んで吐き出した この夢の意図をユングはわかるか
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ベランダの隅に死んだ鳩がいて 私も世界の隅にいるので
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冬の日に 君を想うと 偲ばれる 春の初めの 君の笑顔を
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ひろひよむテキストのそのはしばしの私を変へてゆかむ未来の
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朧月 綺麗に光る 真夜中に 誰をも照らす 優しい光
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君が2個歳上なのは分かるけど苗字にちゃん付けで呼ばないで
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君となら いつでもあえる 夢ならば いかにその夢 みれるだろうか
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