Utakata
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お供えを食べた鴉がお礼にとお地蔵さんの頭に糞を
17
もう少し黒めの薔薇はありますか 忘れたくない人に贈ります
16
本棚も椅子もベッドも溶けていく 夜に溶けない私は一人
17
点々と 続く足跡追いかけて 愛しき
愛猫
(
きみ
)
は陽だまりの中
21
この時期が一番夏を忘れてて 都合良すぎる「夏」に恋する
14
あちあちのシチューの蕪をたっぷりと盛って差し出す小さな復讐
15
眦
(
まなじり
)
が下がり優しさ増す
表情
(
かほ
)
の 老いか愛かは問ふまでもなく
24
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
14
額縁を外した名画此処に有り水辺の道で眺める筑波
14
焦げやすいフライパンを捨てる前他の使いみち考えてみる
13
くだらない世界が少し輝いた 君が笑って空気が揺れた
13
蝶の舞う 春うららかに つむじ風 明日の行方は 誰ぞ知るらむ
13
離れてもわたしの海を波立たす あなたはきっと月に似ている
13
腕を上げ翼が生える気がしてる 連休前の準備運動
13
日焼けせし八手の若葉が気になりゐて
間日
(
まび
)
なればよしと移植するなり
12
星月夜扉はずっと閉じたままギンヤンマしか棲んでないのに/折句・ホトトギス
12
ゆふぐれに黒を一滴さしたあと不機嫌な雲しっぽをのばす
11
隔てなき空にふと手をかざしみる誰にともなく限りある身で
14
うっとりと五感を抜ける潮風に四月の海を確かめている
13
銀色のフックは君に届くかな 天とを繋ぐ伸縮リード
11
湯気立ちて 眠気を払う ティーカップ ミルクの甘さ 心ほどける
13
「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
28
夜なべする人の気知らずねころがり寝やう寝やうと小言鳴く君
9
安っぽい青 君はそう言うけど、他のだれの手の届かない青なんだよ
8
雨に濡れゆらめく窓に映るのは微かな波の吹きゆく硝子
10
魂の 鼓動が波うち 乱れてる 海を眺めて 心が整う
8
雨音で起きてまどろむ窓白し 届く子供の声は目覚まし
9
口笛の成り損ないは空へ舞い街を奏でる雨として落つ
8
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
15
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
13
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