はからずも連れて帰った参道の 玉砂利たちは靴底におり /「初詣」
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深呼吸 腹にくくるは 命綱 仕事初めは 大木の松
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三冊の図書を借り出しお年玉ちいさき包みを両手に受ける
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運河って書けば少しはきれいかな涙もいつかは海へゆくから
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全米がわたしを褒めてくれるかもポテトサラダが美味しくできて
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百歳の祖母がわたしに言いました四十八かいもうババアやな
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窓外そうがい揺蕩たゆとふ枝葉 降車口 冷ゆる手の如 頬るる風
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母さんが土砂降りを君に降らせては晴れた後から虹が痛くて
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「ごめん」より「おやすみ」と言う大学生 許されているのは私のほうか
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見慣れない 寝癖つけ走りくる吾子の 涙の跡を見ぬふりし抱く
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優等生でいられない場所、家にあり母のスープにほどかれる意地
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「あなたには無理」の呪文を噛み砕く 塩味強め母のおにぎり
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名も知らぬ遠き島より流れ着く椰子の実達は幸せなのか
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寝てるだけウオーキングも体操もしてないけれど柔軟だ猫
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どんよりと こころの風邪は 深まりて 切先にぶき 言の葉の罪
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「いいね」などなかった時代が良かったね 少し寂しき。サラダ食みつつ
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あの人に一票入れて一年ですこうなるだろうと思ってましたか?
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長距離の乗車に耐へず むづかりぬ赤児 焦りぬ保護者 いたは
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むづかりぬ赤児 おもちゃを差し出しぬ子連れの女性 気遣ふ車内
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顔つきが自信満々選ばれた瞬間ボツのギネスを忘れ
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おしゃべりの気分で短歌 生まれの血 幼き記憶の息を受け継ぎ
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実家にて 調整役を 降りてみる 波ありつつも 終わり良しかな
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長年の 友の観察 鋭くて 胸にしまった 想いつぶやく
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愛に飢え金にも飢えてその上に置かれた道を這いずる醜態
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漆黒の画面に白で打つ文字を宇宙の川と見立ててみたり
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初春の 宴の後の後悔に 七草粥は胃の腑に優し 
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足伸ばし 昔の住まい 武庫之荘 街の賑わい 笑顔変わらず
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玄関を 他所行きの靴が 埋め尽くし 茶の間の温度が 2℃上がる
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かざしたりふれたりしたり六畳の四人よりそう火鉢なつかし
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西の空 うっすら浮かぶ 残月や どうぞ わがらを 護り給え
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