ルービック キューブをいじる その手には インフルエンザ べったりかもよ
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毎日を 地層のように 積み重ね いつかは終わる 訓練試験
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日没とともに街におどりでる熱帯魚 沈むわたしを横目に/『ネオン街』
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最早もう 靴とは認知 できぬほど 尖りに尖る ルブタンの鋲
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満天の星 言うことは無き 満点だ
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朝一番 霜を払えば 笑む赤手せきしゅ
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プラスいち 歩けば君はマイナスに だけど言葉は等しいi
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「もうちょっと縮めて書きなさい」めあての欄で作文を繰り出してくる生徒
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聞いていい 私のどこが 好きなのよ 鼻と答えて キミは固まり
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金曜日十一時半ワインが不味くなる頃横に空いた席
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夫婦でも長い年月を連れ添えば水や空気と同じに あっお前いたんか
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髪抜けてしわが増えたな お互いに若づくりはやめとこ 劣化夫婦だもんな
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政策の詳しいことは分からんが とにもかくにも物価高市
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コンビニでグミとラムネを買っていこう お腹が空くと死にたくなるから
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自己嫌悪に陥ったあなたが美しいのは確か
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くしゃみする たびに誰かが 生まれてる 産声高く 響く朝焼け
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ブラックな フライデーだし 欲しいもの なにかないのか 探す週末
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落ちた葉が絨毯みたく綺麗でも足を滑らす危なき歩道
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今君は母の知らない場所へ発ち恋人の側で夢を見ている
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旅行前お土産何がいい?聞かれ其処らで買えるが月餅と言う
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掃除ってしなきゃこんなに溜まるんだ風邪の間に丸まるホコリ
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障子窓 やぶれた三角からのぞく 野良猫の目のこちら見る丸
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もしいつか 家族増えたら 花見して 横に並んで 微笑みうかべ
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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いたずらに吾子が鞄に忍ばせた丸い積み木が今日のお守り
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垣間見える意志の強さが好きだった あの子は今も高崎にいる
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けものへん付いていること忘れたかソファーの上で丸くなる猫
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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切る勇気なくて引っ掻いたダサい跡 角度によっては星になる過去
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