春疾風はるはやて 散るは痛むか 大桜おおざくら 花は惜しめど 問う人はなし
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スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
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ハイハイの孫に不要のベビーチェア老犬介護に大活躍
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風は止み空から舞い散る初雪を君に知らせる冬の愉しみ
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切なくて眠れぬ夜は思い出を揺りかごにして少しまどろむ
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夕暮れにイルミネーション点灯し師走の街に銀河広がる
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年賀状 やめると思うと寂しくて お元気ですかとまたペンを取る
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もう父に 届かぬ歌を 詠む夜道 去年の桜は今年もそこに
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静寂な 田舎の夜は 淋しくて 雨東風あまこちと 秒針の音
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愛してる つぶやいてみても 叫んでも 抱きしめるほうが あったかかったよ
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
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きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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鬼は外 多様性の この時代  鬼も内にと なる日も近し
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親といる限られた日は短くて元気なことはありがたいこと
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辛口のジンジャーエールと焼きたてのピザで乾杯春の始まり
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
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諧謔ユーモアと 忠恕おもいやりさえ あればいい  世界平和は かくも易きに
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目を閉じる願いはひとつお互いが 幸せな日々送れますよう
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三十年住んだ街は懐かしき 愛犬と歩いたあの道この道
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若人わこうどよ 無闇矢鱈むやみやたらを 恐れるな  みちを守れば あとは自由だ
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かすみたる山の端追へば川妬みわれ忘るなと水面ひかるや
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陸奥みちのくの 花の盛りを 見ぬままに  時は過ぎ去り 十五年
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父に似た人 二度見して すれちがい 背中見送り 春 ひとめぐり
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悲哀とは 幸福たちの 存在を  証明し得る 唯一のもの
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今日もまた足を踏まれることだけが世間とぽくのコミュニケーション
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病窓に朝を告げ来る鳥の声見上げる空に朝焼けの雲
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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