花の色 草の緑を 焼きつける あとひと月も すれば白銀
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見上みあぐれば ガラスの床に 突っ伏した オリオン様ね 遠いね、そこは
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新しい靴でお出かけ秋らしい秋は今では貴重な季節
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マップラバーだけでは描けぬ この世界 私はライフを 手放すものか
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垣間見える意志の強さが好きだった あの子は今も高崎にいる
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軽口と分かったうえで浴びに行く耳心地よきその人の談
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3日間君との距離が近くなる 偶然逢えたら…神様お願い!
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金の輪と 水輪の境い目 金輪際こんりんざい 浄土と地獄の 境い目らしい / 語源
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生臭く 青光りする 冷凍秋刀魚 まっぷたつに切る 私の想い
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溶け残る角砂糖こそ甘かりし夜更けてそこに灯る思い出
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けものへん付いていること忘れたかソファーの上で丸くなる猫
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ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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霜月の賀状じまいの挨拶文 人の断捨離したよなされたよな
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もし君に出会えなかった私なら 今日の青さすら見つけられない 
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熱闘は 悔し涙に たそがれて 雪のにおいの 空を見上げる / 日ハム
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切る勇気なくて引っ掻いたダサい跡 角度によっては星になる過去
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貴方あなたへと贈るラストメッセージ 「来世でまたお逢いしましょう」
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ハナミズキ色づいて立つ足元に夏から変わらぬマリーゴールド
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まだココア買ってないんだ いきなりの冬の寒さはちょっと勘弁
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流れゆく時間を止めて風になり人情深き縁者召さるる
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車窓には短歌うたの題材散らばりて少し残さる稲穂の意味など
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忙しき監房 日の丸の旗の門居楯つればいづこ見張る目
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萬歳三唱の就任ぬけ出でて英靈とふ悉皆靈の惡も反故 か
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神の旗増えゆく駅傳の選手に振りつ國民の傲りたるも見ず
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落ち葉掃きすれば空蝉混じりいて深まる秋の夕暮れわびし
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吸湿し 発熱するはず この毛布 寒くてどうした あたしの代謝
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薄明の空オレンジ色を背景にV字飛行のシルエットたち/白鳥
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この蜜柑可愛いねって幼児おさなごが笑えば今朝は温かい朝
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