電柱に乳白色が押し寄せる  年明け初日の燃えるゴミの日
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薬漬け 心の鼓動が脳を打ち 死にかけなのにああ生きてるな、と
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袖長き 制服いつしか 身に添ひて そよぐ髪には 光差しをり
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今日もまた あたためますか? よろしくと 家のレンジで あたためている
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やめていく 人間たちを バカにして 働いている 俺も人間
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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好きな人は犬派であって交われないよささやく春
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ダウンの袖がラメでキラキラ!早く死にたい
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最近さァ、寒すぎるよナ?そーゆーの「寒すギルティ」って言えばイんだよ
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AIと思しき動画日韓のドラムセッション事実に驚嘆
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臨時収入喜ぶきみが真っ先に大人買いした果汁ぐみ
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「ないないない」悪魔は虚無ないを突いてくる全て見透せ想定内で
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二度とない景色がみたい僕の目を運んで歩く奥の細道
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言の葉の舞い上がる刹那とき掬わんと浅き夢見し微睡まどろみにおり
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いぬと 音楽と 体調で 光がこんなに光ってみえる
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真昼間のライトブルーに背を向けて私は私の濃い影を引く
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はじめての孤独を告げるまだ暗い午前の居間は青に充たされて
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熱を出しこの子が家にいる今日は我が家が知らぬ家の顔する
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萌ゆる朝窓辺見ながら春を着る薄手エプロン鍋が鳴ってる
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夕焼けを抱きしめました手を広げ駆け寄ってくる子の背中ごと
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ありがとうただただ君が我が子だと想えば熱き涙とまらず
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わたくしの心は誰にも明かさない正しいだけの青空なんか
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タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命
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紫陽花は雨を愛する花だから包み込んでよ雲も涙も
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わたくしに夢があったか忘れたが夏に向かってひまわり植える
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まだ青きトマト湯がいて皮剥けば香り顔出す小さき夏は
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君の手が蛍をそっと包んでる世界で一番優しい灯り
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揺れそよぐすすき穂とまる赤とんぼ飛べ空よりもまだ空の上
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雨垂れがキン・コン・カンと打ち鳴らす観音びらきのおれの肋骨
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ラムネよりあの日の泡が溢れだす目にも指にも甘い想い出
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