かりそめの私を剥いて 楊貴妃の白き裸体がしたたるライチ
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お転婆な吾子の遊具か背の記憶 三十年みととせ経ちて今ふとありぬ
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置き去りにしてきた感情ひとつずつ拾い集めて海へ返そう
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魔法など信じぬ君は大人だね きっと魔法にかかっているのさ
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部屋中に カラフルなおもちゃ 溢れても 君選ぶのは 絨毯のタグ
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「ポリープが良や悪でも構わない」 涙の子らの抗議に まだ、生きねばと
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仕舞い込み 蓋で封じた 慟哭を 錆びたナイフが 引っ掻いてくる
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スピーチで 緊張解こうと 咳払い 返って注目 浴びて緊張
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「田辺っち!!」と教卓から高い声 うら勇ましき女グループよ
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ねむすぎるそんな朝でも君の声聞いてるだけで元気になれるよ
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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パクチーのよう 他の人に嫌われても 君だけは
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何か湧いた 指でなぞったら湿った 普通だね (笑)
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ママの代用品男 抱きしめて抱きしめてまだ置いてかないで
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通知なる きみどり色の君の声より 誰かの🖤を知りたい指先
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極寒に足先感覚なくなりて歩けどさながら幽霊のよう
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心折れ 今を嘆きし 老木に  接ぎ木を成して 見届ける妻
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呑み込んで言わずに終わる後悔と思うまま言った後悔どちらも重く
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真昼間のライトブルーに背を向けて私は私の濃い影を引く
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はじめての孤独を告げるまだ暗い午前の居間は青に充たされて
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熱を出しこの子が家にいる今日は我が家が知らぬ家の顔する
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萌ゆる朝窓辺見ながら春を着る薄手エプロン鍋が鳴ってる
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夕焼けを抱きしめました手を広げ駆け寄ってくる子の背中ごと
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ありがとうただただ君が我が子だと想えば熱き涙とまらず
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わたくしの心は誰にも明かさない正しいだけの青空なんか
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タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命
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紫陽花は雨を愛する花だから包み込んでよ雲も涙も
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わたくしに夢があったか忘れたが夏に向かってひまわり植える
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まだ青きトマト湯がいて皮剥けば香り顔出す小さき夏は
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君の手が蛍をそっと包んでる世界で一番優しい灯り
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