嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
20
いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
57
一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
33
風が吹く風に吹かれるカーテンを透かす光はもう春の色
49
夕方はすみれ色してまほろばの如く優しく染まる街角
51
いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
33
諧謔ユーモアと 忠恕おもいやりさえ あればいい  世界平和は かくも易きに
20
待ち合わせ8時の電車の先頭ね スマホなくてもちゃんと会えたし/昭和時代青春の頃
41
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
21
カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
12
朝方の夢に追われて庭に出ず 一叢ひとむらの水仙ありて呼吸いきととのひぬ
15
よもぎ摘み 指に残った かおりから  春に邂逅かいこう 今日はい日だ
20
陸奥みちのくの 花の盛りを 見ぬままに  時は過ぎ去り 十五年
18
有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
23
歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
21
クシナダは 春の陽を浴び プラチナの 光りを放つ つるぎ のような
42
満開のカワズ桜をLINE送 雪積む庭の写真が返る
27
霜柱立たぬ乾いた冬を終えやっとと思いの春彼岸入り
27
幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
30
二年経ち 君 追う様に ミモザ枯れ 温む春風 遊ぶ残り葉
35
メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
40
菩提寺の墓の間に間に風遊ぶ夕には春雨そぼ降るらしき
46
空腹にガタゴト響く鉄路なり 廃止されてた車内販売
26
山せまり川が流れてふるさとの駅はもうじき二時間の旅
29
春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
25
保育園卒園式で歌わない娘が今は保育士になる
36
謎解きの様な短歌に出会ふ時 脳内サプリの効き目は未だ
41
春なのに うれひをまとひ 淋しそう うつむく姫は クリスマスローズ
39
淡々と全てを置いて進むだけ黄色水仙咲く場所で咲く
26
情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
18