昨日さくじつの 白花蝋梅しろばなろうばい 思い出し  生成きなりのシャツに 袖通す今日
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寒中は 生きていること 思い出す  凍えた両手 包む両手に
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『抱っこして』 十年経てば 言わぬのに  してやらぬわれ 今日はしようか  
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元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
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ぱらぱらと雫は頬に傘以外のものならぜんぶ持っているのに
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軽トラに 婆さま乗せて 聴く声は 春唄いする 今もうぐいす
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晴れやかな 歓喜と平和の祭典を ガザから眺む 人々想う
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会うたびにハグせし孫も近頃は吾の背を抜きてはにかみをみせ
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時は今天下を制しいつぬかな寺に押し寄せ是非に及ばず
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枯向日葵にしろき窩數多ありて項垂れつつ零す種子を
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徴兵遁れられず若き丈累々と希望の旗のもとに殺さる
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最敬礼のこころに星条旗楯てぬ新愛國婦人會長を 撃て
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リングアナのように名前を叫びたい 夜勤に向かうあなたの勇姿
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
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春がきたWBC大相撲 選抜楽しむ元気な老後
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三月の雪は稀ではない秋田自転車出せば次の日は雪
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逆向きの席の電車でぐんぐんとバックする先 旧友が待つ
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リンゴ酢と梅肉入りの飴ちゃんで体を起動さすダルい春
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春寒の冷たき雨のそぼ降りて 独り逝かれし翁を送る /ご近所さん
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嫁ぐまで嫁ぐまではと雛人形ぼんぼりの灯翳る弥生よ
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息子の助言WBC見るためにネトフリつなぎ老婆は戸惑う
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手伸ばせば 届く君の肩 波打った 鼓動のせいで 話しかけられない
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啓蟄の近し今宵は 十六夜いざよいさやか 雨の昨夜よべは ワームムーン
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インクのフェロモン辿る本の虫 活字の森にお花摘んでる
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沈みたる気乗りのせぬ日ネトフリでサザンのおじさんパワーいただく
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鶏肉を切る頃ちゃんと溶けているぐらいの春がお勝手来てた
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ゆびきりを 求めるキミの 白い指 触れたら二度と 戻れない夜
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晴天の青に優しく包まれて 春草しゅんそうめぐむ 啓蟄の午後
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サラダなど 『らぬ』とはなち 二十年  ドレッシングは 薄味の今日
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