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やすき世は箱入りものやかたぬきの 匂い立つなきあはれなりけり
15
今日どれを聴こうか漁るアルバム殆ど全部スピッツだけど
27
コロちゃんは白の豆柴ポテポテと短い足で庭駆け回る
34
焼け石に 水でもいいと しぼりだす 言葉 3滴 ジュッと蒸発
43
「お母さん寒かったね」と初雪をかぶりし母の墓を拭いぬ
39
久々に会う友のため身につけるアクセサリーが気持ちも飾る
18
父さんの
お母さん
(
おばあちゃん
)
から僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
41
冬の星 愛を与える 約束し 忘れゆくなら 照らすなかれ
9
白き画布に 向えば百鬼夜行する 未知のイメージ 徐々に現る
25
床の間の無い我が家のテーブルでちょっと場違い迎春の花
39
大晦日 暇持て余しブックオフ 行ってもやっぱセールまだだし
13
オンラインクレーンゲームでぬい十個 眠れぬ夜に獲ってやったぜ/⋯店より獲りやすい
29
病む父の横に座りて毛糸編む指もかじかむ大晦日の夜
32
臆するな誰もが他人に興味無し だから背筋を伸ばし歩けよ
19
苦は楽に 痛みは鎮め 嘆き
已
(
や
)
め ただひとときは このひとときは
23
薄明かり 初日の出を待つ控え室 外で焚き火にふーと吹く音
10
こんなキャンプしてみたかったとはしゃぐ父 おでんとあったまったどぶろく
11
昨年の暮れより引きずる動揺は急なる旅にて一時忘れて
26
ひなたにて読む新聞のインクの
香
(
か
)
邯鄲
(
かんたん
)
の
夢
(
ゆめ
)
遠き正月
22
神様がどこかにおりて松の内 星の光も一際清く
45
踊り場はそういう意味じゃないのだが そういう意味ならずっと素敵だ
11
御佛
(
みほとけ
)
と 笑いあう夢 この年は 何があっても 乗り越えられる
29
ごみ出しで「
12
」の数字と 目が合へば 何故か寂しい 年始の捨て場
22
覗かれるリンパの流れも心臓も 夫にも亡父母にもヒ・ミ・ツを持ちし
24
心より体の方が正直だ悲鳴をあげた肋間神経
18
子どもらが それぞれ車で帰省する 送迎の手間も 一つ無くなり
21
風を受け
飛砂
(
ひさ
)
積もる道ペダル漕ぎ 稀有なる千鳥に頬温まり
16
日常が戻りし今朝は味噌汁と漬物並ぶいつもの食卓
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声弾む友の電話はすぐそこにいる気がしてる距離も時間も
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「ご飯だよ」呼ぶ声さえもさえずりに聞こえる朝は奇跡と思う
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