五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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花弁はなびらが 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
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本当はすべて綺麗だ 狭量な僕が認めぬ歌があるだけ
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満開の桜が告げる新年度 気分一新それぞれの春
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雲去りて 沈む心を 撫でる風 照らす望月 光の衣
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にぎわいの桜の並木何事もなかったような卯月の葉桜
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朝の縁 答えに触れぬ 問いばかり それでも重さ わずか移ろう
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業務スーパーぎょうスーで 異国情緒を カゴに詰め 当たりあるかな 運試しする
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新しきパスワード使いログインす投稿した短歌うたすべてが0ゼロ
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山の端にゆるゆるのぼる月ありて花明かりもさす私の住む町
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6人でグループLINE作ったよ 四六時中が着信祭り
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消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
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野良猫をとんと見かけぬ町となり駅前開発ついぞ始まる
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ご近所の子供と遊んで洗われる再び汚れるおばちゃんだけど
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風冷えの 夜はポトフで 温まり 街も嵐の 熱気に包まれ
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今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
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地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
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山の蔭蒼く重なる懐に一本の桜淡く雪洞ぼんぼりのごと
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最終便  繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
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辛ひ時 腹の底から 絶叫を上ぐる代はりに 三十一みそひとに綴づ
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やさしさを求めるだけの人だからずっと本音は言えないままだ
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青大豆水で戻して茹でこぼし 塩かけ冷ます自慢の粗肴
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絶海の小さな野原で浴びる春クローバー群れ紫ポンポン
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原チャリの女性ひと 白きヘルメットの絵 おちゃらけた顔したスヌーピー
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構造は生死を分ける神なのかテトロドトキシン毒たる意味や
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人の世の 常とはいへど無情なり 親しき友の鬼籍の報せ 
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さくら散りふと思い出す詩歌には花びら流れ少女の肩に
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別れの日散りゆく花に送られて残り香撒きつ花道去りぬ
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本来の 役割果たせず やさぐれて フテ寝している エアロバイク 
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夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
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