鬼は外 多様性の この時代  鬼も内にと なる日も近し
24
デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
22
一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
21
黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
19
子育ては ハラスメントに 似たるもの  受け手が決める 愛の正しさ
22
親といる限られた日は短くて元気なことはありがたいこと
18
パーカーが握りしめてたこの毛はさ、長いし細いしそもそも赤い
8
初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
56
気にせずに いられた時の 懐かしく 祭りの陰で 武器売る準備
42
人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
54
「背中向け寝ているのはね後から愛して欲しいのよ」はもう過去
20
白き花ひらかんとする沈丁花待ち遠しかな芳しき
22
原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
26
いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
57
小夜更けて微睡みのとこしとしとと芽吹きの庭に木の芽雨降る
38
水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
26
冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
43
草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
37
いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
33
スカートのゆらぎを気づかれないようにそっと心の窓を閉じてる
26
諧謔ユーモアと 忠恕おもいやりさえ あればいい  世界平和は かくも易きに
20
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
21
春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
50
若人わこうどよ 無闇矢鱈むやみやたらを 恐れるな  みちを守れば あとは自由だ
18
豚こまを 醤油とねぎと 大蒜にんにくと  炒めこしらう 即席の薬
15
携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
30
かすみたる山の端追へば川妬みわれ忘るなと水面ひかるや
16
ふんわりとロールサンドは春包み赤きリボンを誇らしく解く
25
娘から投函頼まれ必ずと愚直に手で持つ言われた通りに
20
悲哀とは 幸福たちの 存在を  証明し得る 唯一のもの
15