Utakata
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まっ暗な海であなたが迷わぬよう、明かりを灯すわたしでありたい。
15
本にはさむ紙のきれはし 栞になったら大人
8
三毛猫の頭を撫でて願います、君の一日幸せであれ。
21
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
48
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
49
シリウスは オルゴールのごと ティンコロと 優しき音色で
瞬
(
またた
)
きており
29
風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
44
ひっそりと埋もれる馬は軽やかに走るキャンター一口
5
万
11
今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
7
聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
19
やや傷や汚れがついた人形をアプリで売った夜の三日月
7
腹切れば同じ血と肉同士の恋 それでも百合と言えるか ヒトだ
7
まったりと 猫と留守番
金曜日
(
フライデー
)
あえて音なき 部屋でUtakata
22
病ゆえ四角き景色のみぞ見る人にススキが 知らせる
爽籟
(
そうらい
)
(在宅療養)
21
モフモフの絨毯に変え炬燵出す なにもせぬ日の夫の居場所
35
気をつけろ焼き飯を慌てて食うとカッとレンゲが前歯に当たる
20
帰り際氷のくぼみのところにストロー当てて残りを吸った
27
だれひとり 我のことなど見ていない 下は向かない 空みてるから
18
じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
45
使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な
夫婦喧嘩
(
バトル
)
22
ようやっと布団からぬるり頭出す 肌寒き朝にカタツムリとなる
23
かわいそう? 餌になっても言えんのか 生きるもの皆 必死なんだよ。
18
老眼
(
め
)
に優し 暦求めて 買ったのに サイズ間違え 途方にくれる
18
陽のひかり、きらめく流れ、雲が差す。輝きは去りて夜が来る
6
ちんちんの湯を注ぎたる湯たんぽにタオル巻きして母の寝床へ / 猫好き様へのオマージュ
16
鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
47
人里の轍踏み分け鳴く熊の声におののき窓を閉め切る
(
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき
)
/リライト
15
雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありしあの日々
33
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
21
真夜中に するどく光る 二十三夜
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才の 君に似ている
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