歯を磨く。鏡を見ながら歯を磨く。私よ、そんな目で見るなよな。
4
三月の朝冷えの中散歩する 霜柱踏み手に息かける
4
そういえば 踏みつけながら 歩いてた 霜柱今年も 会われへんかったわ
4
鹿の糞 散らばる芝に 拾いてし 松ぼっくりを ポケットに持つ /春日野園地
4
悲しみに寄り添うような資格なく頭をたれて想像したい
4
値上げラッシュ 切り詰めながらの日々だけど 君への愛と時間は惜しみなく
4
空中に ふわりと浮かび 揺れもせで 時とどめたる コスモスの花
27
『抱っこして』 十年経てば 言わぬのに  してやらぬわれ 今日はしようか  
21
生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
42
元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
25
洗濯機回っているけど洗剤を 入れたかどうか思い出せない/歳なのか、最近の良くあるある…
37
気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
35
辛口のジンジャーエールと焼きたてのピザで乾杯春の始まり
38
「核兵器持つは許さぬ」アンタには言われたくないよとひとりごつ
31
殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
35
盃に 身は冴え冴えと 蒼く燃ゆ 内裏だいりに似たる 君と差し向き
29
初鳴きの鶯の声つたなくて梅も笑って花びら散らす
36
さうかもう、下の子だけと行く園のヤマアカガエルのひとみはつぶら
19
こちらへと色あざやかに菜の花が 春を招くよ川辺の小道
28
痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
31
未だ残る不安が滲む雨の夜は甘酸い梅酒に全て溶かして
32
雨籠り じっくり煮詰めし金柑のまろさ小さきお日様のごと
35
あられ降る寒の戻りのひなまつり夫婦静かにせり鍋かこむ
34
ワイパーは手を振りサヨナラ暗示する 霧雨の中の無言の二人
21
犠牲多き 勉強の果てに 残りしは A4サイズの 紙一枚きり
23
リンゴ酢と梅肉入りの飴ちゃんで体を起動さすダルい春
29
ひたすらに 下腹あたたむ 月数日 ときどきねこも 乗ってくれたり
22
孔雀くじゃくたち 野生になりて 逞しく 子孫を増やす 南の大地
32
あふれよと死をみせしめし弥生なる十一はかなし 哀しき記憶/東日本大震災が近づいて
23
満開の 梅花散らすは春疾風 寒の戻りに雪雲連れて
30