夕暮れにイルミネーション点灯し師走の街に銀河広がる
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年賀状 やめると思うと寂しくて お元気ですかとまたペンを取る
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静寂な 田舎の夜は 淋しくて 雨東風あまこちと 秒針の音
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透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
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ふるさとに向かう列車に乗るときは十の子どもにわれはもどりぬ
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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ラブソングみたいな空だ冬風に星瞬いて輝く空は
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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鬼は外 多様性の この時代  鬼も内にと なる日も近し
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デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
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一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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子育ては ハラスメントに 似たるもの  受け手が決める 愛の正しさ
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親といる限られた日は短くて元気なことはありがたいこと
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パーカーが握りしめてたこの毛はさ、長いし細いしそもそも赤い
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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気にせずに いられた時の 懐かしく 祭りの陰で 武器売る準備
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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
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「背中向け寝ているのはね後から愛して欲しいのよ」はもう過去
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白き花ひらかんとする沈丁花待ち遠しかな芳しき
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
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小夜更けて微睡みのとこしとしとと芽吹きの庭に木の芽雨降る
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水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
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冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
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草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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スカートのゆらぎを気づかれないようにそっと心の窓を閉じてる
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諧謔ユーモアと 忠恕おもいやりさえ あればいい  世界平和は かくも易きに
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