オムツ替え「何でそんなに 優しいの」 君に言われて 互いに涙 /我介護日記より
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曇天が似合う僕には雨傘のような貴方が必要だった
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次々と 湧いて出てくる台風に 堪えきれるのか 頑張れニッポン
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「悪気じゃない」 「自分も言葉足らずだった」 繰り返しても 残る残念
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飛距離付きキレキレ打球も見納め それでも人はまた歩き出す /23 青木宣親
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「総裁の椅子に座れば手のひらが返る仕様で納品しました」
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肩書がコピーライター?代理店の方ですよね?後でいいですか?
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紅磡ホンハムの海辺を見れば荒川の川面かわもと同じ光り方かも
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「据え膳を食わぬは恥」の前世代 今日日きょうび食らえば 致死の毒薬
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雪景の駆け落ちごっこ分ずつ積もったね ユー、忘れないでよ
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「ツイてない。どうせ神など居るものか!」「そうさ居ないよ、神無月だもの」
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無情にも破れたハートを癒したい そばにいさせてきみ眠るまで
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砂の城 潮が満ちれば 崩れると 気づいた吾子が 水際で泣く
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寒い夜 想像するの自分がね肉まんの具になってるよって
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河川敷 フリースの人は黙り 同じ流れに目、澄ましている /『ケイコ 目を澄ませて』
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静けきの庭に枯れ果つ曼殊沙華 振り子時計を揺らす秋風
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草の葉の切っ先にいて風に揺れオレンジ色の羽の蝶々
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消えたくて陰のベンチに座り込む しかし定時のオレンジ灯が
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ポケットに繋いだ手と手そっと入れ 歩く時間が愛しかった冬
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美味うまいモノ好きだけ食って死んでくか 色々耐えて長生きするか
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意味変わる 「サヨナラダケガ人生ダ」 若い時分と歳食った今
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真っ白い流れる雲を見ていたら泣きたくなったまだ生きたいの
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どうしてかわからないけど受かってて涙と悲鳴を受ける座布団
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静けき夜 香を焚き染め雨衣あまころも りんの奏でし星のささめき
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「G」台所のクロイアクマが出た 午前零時の寝室よ 覚悟はええか往生せえや
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マンションの5階だけれどトトロ住んでるはず廊下にどんぐりどんぐり
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ティファニーの箱とリボンは捨てられず少女の憧れ今ここに在る
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摩耗した時間の数を本棚と肯定していき終いに辿る
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嫌なこと 立て続けにあるこんな日は 早く片付け 早く寝るべし
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ニセモノもぜんぶ綺麗に映し出す鏡を砕く弾丸をくれ
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