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ヨカナーンの 首に
聖穢
(
せいえ
)
がこびりつき サロメのキスは 破滅の調べ
4
憧れは考えてもうやまなくて苦しくって恋によく似ている
4
雨の日は明日の桜を思いつつ珈琲飲んだり酒を飲んだり
4
カンダタの夢の中だけ観覧車振り落とされてなお夢の中
8
風吹けば 揺らぐ心は 今消えて 木の下君の 髪結ぶ花
13
水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
25
春浅き傘交う窓の縁なぞり雨垂れるまま君を待ちおり
20
じいちゃんとじいちゃんいぬが歩いてく
朝凪
(
あさなぎ
)
のみち海のある町
23
寒もどりふくらみかけの桃一輪ぎゅっとまぶたを閉じて待つ春
37
サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
17
去る子らに光りを願う心さへ凍てつくままに寒風を聞く
36
値上がりは 二十円です。 灯油です。 赤紙みたいな 葉書
一葉
(
いちよう
)
/
氷点下つづく
42
目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
38
身を屈め目線合わせる水仙にご機嫌を問う迷惑かしら
26
寒かった今日振り返り汁物をコンポタとする米研ぎのとき
23
獣らも恋人たちも陽だまりでつがいで暖とる3月の
ZOO
(
動物園
)
20
また来年 雛人形を 片付けて 弥生も半ば 陽の向き変わり
37
いい嫁を 演じるつもり ないけれど 遣う気の分 魂抜ける
23
飯事
(
ままごと
)
に
乙女椿
(
ヲトメツバキ
)
を洋菓子に見立て ケーキ屋営む幼日
37
みーちゃんが来てくれるからおばちゃんは罪滅ぼしが出来る気がする
30
名も柄もわれに似ている
ボケ
(
木瓜
)
の花 木偶の坊にも春の彩り
36
遅刻する 急ぐ足元 風過ぎて たんぽぽの綿毛 どこにゆくかな
14
我が足に 頭のせぐっすり眠る君 痺れがきても 動けず我慢
23
窓越しの 板の間に立ち 温もれる 足の裏から 春入りたり
24
妹から「居酒屋予約完了
!
」と 早も心は十勝へ飛びぬ /明後日から
27
アイロンの熱を味方になじませて 未来の僕に会いに行く朝/明日はOB訪問
30
ファインダー覗く世界は 変わりゆき モノクロームからフルカラーへと
15
春彼岸 息子の隣ちょこんと正座 ちさき手合わせ神妙な
孫
(
きみ
)
20
襟足に 春の予感が した日には 泣きたくなるよな 喧嘩がしたい
16
並ぶほど愛くるしいは雀なり後光を受けてわれにおはよう
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