削れゆく鉛筆走る音さえも染みゆかむかな 雪の白さに
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大家らの寝静まる朝ひとときの 安寧求めジャズなど流す
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哀しみも今の私の一部なり 焼きたてのパン切り分ける朝
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冬晴れの温い日差しにくすぐられ綻ぶ紅梅うめ可愛かいらしきこと
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タイムマシーンあればあの日の僕の背を 叩いてやりたい「傲慢だよ」と
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花そよぐ ふとした先に 君がいる この街ごと好きに なっちゃったかも
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子や婿の仕事始めに残された 我に今日から初場所来たり
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寒風に 軒につるされ 大根の 揺れる動きが 癒しを誘う
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針金をねぶったときの味がする 牡蠣の亜鉛で舌をしびらせ
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みゆき、らも どっちの中島?と問う声にアル中の「らも」重ねる誘惑 / 「今夜、すべてのバーで」
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ふんはりと卵を覆へばスパイスの印の国めきスプーン踊るも
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水疱は逢瀬のごとに透きとおりあと残らぬよう君を忘れむ
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燦々さんさんとひばりの歌に包まれしエンゼルメイクの母は昼寝か
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雪が雨へ変わる地域に住んでいて 「あ!雪降った」『それは風花』
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一日の用事を終えて一人時間 静かな部屋で飲む白湯うまし
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怖いほどの風音止まぬ冬の日は甘酒作ってほっこり和み
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温かい 空気流れる うたかたで 心温もり また歩き出す
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雪をわけ団栗見つけ食む栗鼠の音の響に染まる苔かな
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踊らされ踊りつかれた前橋のインター横で食ふカップそば
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バブルだった。 氷河期がきて ミレニアム、 Zときたか 雪の日の晴れ着 / 成人の日
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ふつふつとキンカンの実を煮含めるパンチの効いた香りの中に
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庭草が 残雪被り 朝陽浴び 寒風に揺れ 厳しさ伝え
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嫌な人 嫌いな人を 避けるため 心が狭く 盲目になる
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屋上でオムライス食ふ唇の赤 眼下の白き傘に零さむ
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本来は獲らなきゃ食えぬものだろと感謝を持って食むウインナー/たずさわる動物と人
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いつもとの変わらず過ごす人達へささやかですが「成人おめでと」
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昔日の冴ゆる朝 成人の日に 母の一張羅いっちょうらまとふ姉
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踏切の途中でカンカン鳴り出して 早く転職せよと聞こえる
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八百屋には 最前列に 苺あり 嬉しい季節 春まで続く
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菩提樹のもとに座ってたまるかよ乳粥くれる人もいないし
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