有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
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歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
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クシナダは 春の陽を浴び プラチナの 光りを放つ つるぎ のような
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満開のカワズ桜をLINE送 雪積む庭の写真が返る
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病窓に朝を告げ来る鳥の声見上げる空に朝焼けの雲
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霜柱立たぬ乾いた冬を終えやっとと思いの春彼岸入り
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幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
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二年経ち 君 追う様に ミモザ枯れ 温む春風 遊ぶ残り葉
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菩提寺の墓の間に間に風遊ぶ夕には春雨そぼ降るらしき
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空腹にガタゴト響く鉄路なり 廃止されてた車内販売
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山せまり川が流れてふるさとの駅はもうじき二時間の旅
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春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
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保育園卒園式で歌わない娘が今は保育士になる
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謎解きの様な短歌に出会ふ時 脳内サプリの効き目は未だ
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「姉ちゃんは…」と六十過ぎの弟に意見しているふるさとの午後
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春なのに うれひをまとひ 淋しそう うつむく姫は クリスマスローズ
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淡々と全てを置いて進むだけ黄色水仙咲く場所で咲く
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
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ほかほかの白いご飯にねぎ味噌をかけて食べれば三杯いける
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別れとは辛くあれども美しい思い出の曲できゅっとしていたい
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あの方は今はどうして居るのだろう連絡先も知らないくせに
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だだくさ適当に一日過ぎれど良き日なり今日に感謝の刻印ひとつ
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Utakataに猫の声せぬ朝なれば明かり灯らず雨戸を開けぬ / お持ちしています
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お彼岸の助手席の祖父その顔は どの遠足ピクニックより春の輝き
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春宵に 月がきれいねと 伝えたい あの月にいる うさぎと君
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知らぬ間に守られている日々だったトゲの刺さった軍手を仕舞う
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ちょっとした狂いで春は涙だけ流れ出胸で受ける術なし
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零時過ぎ白鳥に似た声を聞く北帰行ならさみしすぎるよ
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