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遮断機の音の
僻
(
ひが
)
むるつかの間に
辛夷
(
こぶし
)
は銀の産毛ふふめり [題詠 辛]
3
日本の 背後にデカい 米国の 影濃くなりて 色もつきつつ
3
電線の 下に連なる 烏の糞 何求めてか 定時巡回
3
「若者よ、君の未来は明るい」と 笑って送り出してやりたい
3
追い追われ 想い想われ 手を取って このまま共に老い終われたら
5
落花生 投げては拾いまた投げて 吾子はよびこむ わが
家
(
いえ
)
の春
41
卒業と入学の
間
(
ま
)
の春風は、こぶしの白い花を揺らして
44
眠る
犬
(
こ
)
の耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
21
蝉時雨 ふと立ち止まり目をつむる 矢の如くゆく光陰の中
42
粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
54
本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
47
明け方の雨の雫を葉に残し薄陽の中に蓮匂い立つ
26
直接は話さず話せず触れられず緑の通知が私の明かり
8
ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
45
空を飛ぶ夢など見たことないけれど自転車からはいつも落ちてる
8
依存せず、期待をかけず、受けいりて
術
(
すべ
)
を覚えし
歳月
(
としつき
)
の果て
41
「三人で来たかったね」と逝きし
妹
(
こ
)
を偲びつつ行くコスモスの道
40
頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
21
動かざる思ひ知りたる雨の歌ひとり受けたし
歩
(
あゆみ
)
静かに
30
父さんの
お母さん
(
おばあちゃん
)
から僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
50
便りあり支えなき父歩けぬと冬柿の枝さぞ細かろう
32
独り身の寂しさ煮詰めたかのようなレトルトカレー食む寝正月
27
初雪に錯覚ごとき起こりつつ木々に花々咲かせおるなり
17
蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
62
止まらずに まわり続ける 暴れ駒 張り手一発 作法はそこから
29
見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
50
高3生 決意を胸に あとにした 教室に光 しづかに満ちる/明日、共通テスト本番
33
一筋の祈りみたいな名前やね「のぞみ」私は東京へ発つ
23
肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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行った店 歩いた道に観た映画 記憶の花が咲き誇ってゐる
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