掃除機をかけてないこと黙ってる旦那には黒は決して着せない
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ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
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婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
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白い蕎麦、人見知り猫、冷の酒。僕を愛する準備はできる
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絶景の桜にかぶせしキャッチコピー駅構内で春につかまる
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ころころと笑うあなたの手料理の熱々ポトフにまろき芽キャベツ
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口紅も 着けない君の 佇まい どこかに忘れた 裸のココロ
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萎れたるポインセチアの花殻を摘みて春光注ぐ如月
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やはらかな小春日和のぬくもりに 眠る氷河は空を夢見る
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はちみつの瓶を透かして見る未来濁りも苦味も僕の隠し味
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コーヒーに「昨日」を溶かしてはちみつの厚い光で今日をはじめる
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「忘れてた」とはにかむ君を待ってたい空いた椅子にはひかりの座布団
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白紙こそ最強の歌。泥を撥ね生きて戻った俺がキラーワード
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うつむきて 震えるつぼみ陽を浴びて 薄紫のカタクリの花
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浅瀬ゆく小石の光り掬わむと水に透くる手幼き紅葉
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浮き雲に寝ている心地 ごめんねと言えてすべてが軽くなりけり
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ふとふ 二文字ふたもじの中に 綺羅星きらぼしと 風と泉と 夜櫻よざくら
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枝垂れ梅のトンネル抜けて吹く風は戻りし寒さと芳香乗せて /梅林にて
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透明な高次脳機能障害ハンディキャップに包まれた重さに倒れ誰も気付かぬ
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選手らの熱き滑りを追うて飛ぶ さきドローンが健気にも見え /ミラノ・コルティナ五輪
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涙星 泣きたいときは鳴けばいい いつかは渇れて 忘れてくから 
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涙鳥るいちょうの天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの金星きんせい/コルティナ五輪
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ねこたちを ふたり同時に いだくこと 稀な幸せ いついつまでも
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懸案の債権回収成功し やれやれやれとロング缶呑む
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落ち込みぬ日に一欠片ひとかけらのチョコ 心に沁むる 慰む甘味
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「母さんがちゃんと手作りしてたから」 料理男子息子のお褒めの言葉
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嬉しさは 尾っぽの振りにあらわれて 家人帰れば ちぎれんばかり
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春近し 古木の白梅咲きそむる 若草色のメジロが二匹
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戒名に「牛」と「肉」の字入れ込めばジュッと成仏しそうだ祖母は/祖母百歳。大往生
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空青く風ばかり強く吹いている雨の待たれる雨水朝かな
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