光のあみが足にやさしく絡みつく 初冬の海がゆびさきに沁む
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秋の海 光のあみがゆれうごく僕のはだしと一緒にうごく
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新品のマフラー整え 無意識に 君の温もり探してしまう
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母船出えっさほいさと小舟旅いつかなれるか自由な帆舟
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胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。 / 黒ゴマだった🙄
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山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
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不登校くさって部屋で泣いてたら父が差し出す少年ジャンプ/思い出
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ちょっとだけヨコシマなことしてみる?と肩にもたれる霜月晦/八年目はじまる
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振り返る少女のそばに天使たち「遊びましょう」とダンスで誘う
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こんなにも積もっていたと時間差でわかる吹雪で見えてなかった
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モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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神秘なる満月のもと進む帰路一寸先はホワイトアウト/濃霧
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檜葉ひばの木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
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地震にもクマにも負けぬなぜならば母を守る使命があるから
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次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
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見切り米 半額処分に 飛び付くも 見切られてなお 高く感じて
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冬を耐え花を咲かせよ林檎たち陸奥に明るい春を呼ぶため
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内側に残るレッドに先ほどの口づけ思うマスク生活
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の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
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みみっちくチマチマ節約した金で余計な物をアッサリ買ってる
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「寒いね」と言ってもそれはひとり言 「寒いね」と笑う君がいたなら
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やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
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いつの間に「お母さん」とはわたくしのこととなったの覚悟もせずに
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突然の手術の姉を見舞う午後思いがけない笑顔に出会う
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窓開けて透明な空気冬ざるる消えてゆくならこんな朝がいい
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ガンダムのプラモを買った玩具屋おもちゃやも消えた故郷の静かな師走
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久方の 雨の早朝 鮮やかな カイヅカイブキ 緑濃く伸び
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老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
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死ぬるとは夢から醒めることであるだからこの世を愛しているの
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